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公開番号2025128184
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-02
出願番号2025087824,2023111614
出願日2025-05-27,2015-12-22
発明の名称TIGITに対する抗体
出願人ブリストル-マイヤーズ スクイブ カンパニー,BRISTOL-MYERS SQUIBB COMPANY
代理人個人,個人,個人
主分類C07K 16/28 20060101AFI20250826BHJP(有機化学)
要約【課題】癌および慢性ウイルス感染を治療する改善された方法、ならびに方法において使用するための医薬を提供する。
【解決手段】ヒトTIGIT(IgおよびITIMドメインを有するT細胞免疫受容体)と結合する抗体またはその抗原結合断片ならびに癌または慢性ウイルス感染の治療においてなど、治療適用におけるこれらの抗体または断片の使用を提供する。このような治療の方法は、PD-1/PD-L1相互作用などのその他の免疫調節性受容体相互作用の阻害剤との併用療法を含む。本発明はさらに、抗体の重鎖および/または軽鎖可変領域をコードするポリヌクレオチド、抗体の重鎖および/または軽鎖可変領域をコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクター、ベクターを含む細胞および細胞から抗体または断片を発現させることによってそれを作製する方法を提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ヒトTIGIT(IgおよびITIMドメインを有するT細胞免疫受容体)との結合について、14B2、13E6、6F9、11G11、10C9、16F6、11C9、27A9、10D7、20G6、24E8、24G1、27F1、15A6、4E4、13D1、9B11、10B8、22G2、19H2、8C8、17G4、25E7、26D8および16A8からなる群から選択される1種または複数の抗体と競合する、単離された抗体またはその抗原結合断片。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
交差遮断アッセイにおける競合が競合ELISAにおいて選択された抗体のヒトTIGIT(配列番号1)との結合を、選択された抗体とおよそ等モル濃度で使用した場合に少なくとも20%低減する能力を含む、請求項1に記載の単離された抗体または断片。
【請求項3】
a. huTIGIT(配列番号1)の残基E60、I109、L65、N70、F107、T117、I68、H76およびN58(抗体22G2)のうち1個もしくは複数を含むエピトープ、
b. 残基G74、N70、H76、L65、L73、Q56、I68、H111およびP114(抗体11G11)のうち1個もしくは複数を含むエピトープ、または
c. 残基H76、G74、L65、N58、I68、Q139、G135、L73、F107、N70、E60、H134、A132およびI109(抗体15A6)のうち1個もしくは複数を含むエピトープ
で、TIGIT(IgおよびITIMドメインを有するヒトT細胞免疫受容体)と結合する、単離された抗体またはその抗原結合断片。
【請求項4】
残基L65、I68、N70およびH76のうち1個もしくは複数を含むエピトープでTIGITと結合する、請求項3に記載の単離された抗体または断片。
【請求項5】
a. 配列NWEQQDQLLAICNADLGWH(配列番号38)および/またはFCIYHTYPDGT(配列番号39)(抗体22G2)を含むエピトープ、
b. 配列QVNWEQQDQLLAICNADLGWH(配列番号40)および/またはHTYP(配列番号41)(抗体11G11)を含むエピトープ、または
c. 配列NWEQQDQLLAICNADLGWH(配列番号38)、FCIおよび/またはAEHGARFQ(配列番号43)(抗体15A6)を含むエピトープ
でTIGITと結合する、請求項3に記載の単離された抗体または断片。
【請求項6】
配列LLAICNADLGWH(配列番号44)を含むエピトープでTIGITと結合する、請求項5に記載の単離された抗体または断片。
【請求項7】
抗体重鎖可変ドメインがヒトV領域生殖系列配列V4-39、V4-61またはV1-69に由来する、TIGIT(IgおよびITIMドメインを有するヒトT細胞免疫受容体)と結合する、単離された抗体またはその抗原結合断片。
【請求項8】
抗体重鎖および軽鎖可変ドメインがヒト重鎖および軽鎖のV領域の生殖系列配列の組合せV4-39/VA27、V4-61/VL6、V4-39/VL6またはV1-69/VL15に由来する、請求項7に記載の単離された抗体または断片。
【請求項9】
ヒトTIGITのヒトPVR/CD155との結合を実質的に阻害する、請求項1から8のいずれか一項に記載の単離された抗体または断片。
【請求項10】
BIACORE(登録商標)SPR分析によって測定される場合、抗体がヒトTIGITと2nM以下のK

で結合する、請求項1から8のいずれか一項に記載の単離された抗体または断片。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
TIGIT(IgおよびITIMドメインを有するT細胞免疫受容体)は、WUCAM、Vstm3またはVsig9としても知られる共抑制受容体タンパク質である。TIGITは、T細胞上に特異的に発現されるタンパク質のゲノム検索において発見され、免疫グロブリン可変ドメイン、膜貫通ドメインおよび免疫受容体チロシンベース阻害モチーフ(ITIM)を有し、PVRタンパク質ファミリーのシグネチャー配列要素を含有する。ポリオウイルス受容体(PVR CD155)と、およびネクチン2(CD112)と相互作用するとわかっている。例えば、Stengel et al. (2012) Proc. Nat'l Acad. Sci. (USA) 19:5399;WO2006/124667;WO2009/126688を参照のこと。PVRは、同時活性化受容体DNAM-1(CD226)と相互作用して腫瘍死滅を増強し得るが、高親和性TIGIT/PVR相互作用は、このような死滅を阻害し、同様にPVRを発現する正常(自己)細胞死滅を防ぐよう作用し得る。Stanietsky et al. (2009) Proc. Nat'l Acad. Sci. (USA) 106:17858。この阻害性相互作用の優位は、抗自己免疫反応の抑制において重要であり得るが、腫瘍に関連しては、腫瘍根絶を抑制する。同著。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
TIGITは、成熟した免疫制御性樹状細胞の生成を促進することによってT細胞活性化を抑制する。Yu et al. (2009) Nat. Immunol. 10:48。TIGITおよびその他のこのような共抑制分子(例えば、CTLA-4、PD-1、Lag3およびBTLA)は、腫瘍細胞による免疫監視の回避において役割を果たし得る。実験によって、PVR/CD155は、黒色腫細胞(Inozume et al. (2014) J. Invest. Dermatol. 134:S121 - Abstract 693)および種々のその他の腫瘍で過剰発現されると示されている。TIGIT/PVR相互作用は、TおよびNK細胞の抗腫瘍反応を阻害することによって免疫媒介性根絶からこのような腫瘍細胞を遮蔽し得る可能性がある。Stanietsky et al. (2009) Proc. Nat’l Acad. Sci. (USA) 106:17858およびLozano et al. (2012) J. Immunol. 188:3869。その他の実験によって、Th1およびTh17反応を選択的に抑制する調節T細胞(T
reg
)のTIGIT

サブセットが同定され(Joller et al. (2014) Immunity 40:569)、これは、抗TIGIT抗体が抗腫瘍免疫応答を増強し得る代替機序を示唆する。
【0003】
TIGITは、CTLA-4、PD-1およびBTLAなどのその他の共抑制反応と同様に免疫応答を「止める」よう作用し得る。同著。この治療的アプローチを検証する、CTLA-4(イピリムマブ)およびPD-1(ニボルマブ、ペンブロリズマブ)を標的とする抗体が、ヒト癌の治療のために承認されている。ヒトTIGITと結合する抗体もまた、癌の治療に使用してもよい。例えば、WO2006/124667を参照のこと。マウスモデルでは、PD-L1およびTIGIT両方の抗体遮断は、CD8

T細胞媒介性腫瘍拒絶の相乗的増強につながる。Grogan et al. (2014) J. Immunol. 192(1) Suppl. 203.15; Johnston et al. (2014) Cancer Cell 26:1-15。黒色腫の動物モデルにおいて同様の結果が得られている。Inozume et al. (2014) J. Invest. Dermatol. 134:S121 - Abstract 693。いくつかの実験によって、TIGIT遮断は、PVR/CD155との結合についてTIGITと競合する同時活性化受容体DNAM-1/CD226の存在下でのみ、抗腫瘍CD8

T細胞反応を増強するのに有効であることが示唆されている。Johnston et al. (2014) Cancer Cell 26:1-15。
【0004】
最近の実験によって、Fap2タンパク質を発現する腫瘍内細菌が、TIGITとの結合によってNK細胞媒介性腫瘍死滅を阻害し得ると実証されており(Gur et al. (2015) Immunity 42:344)、これは、このような細菌を排除すること、TIGITのFap2との相互作用を遮断することまたはTIGITの活性を遮断することは、全般的に、癌、例えば、結腸直腸癌の治療において有用であり得ることを示唆する。Hampton (2015) JAMA 313:1305。
【0005】
癌および慢性ウイルス感染を治療する改善された方法ならびに方法において使用するための治療用モノクローナル抗体などの医薬に対する必要性が存在する。このような改善された治療方法において使用するための医薬は、TIGITと特異的に結合し、抗腫瘍もしくは抗ウイルス性免疫応答のTIGIT媒介性抑制を逆転させるかもしくは部分的に逆転させる抗体または抗体断片を含み得る。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、huTIGITと結合する抗体またはその抗原結合断片を含む、癌および慢性ウイルス感染の治療の改善された医薬および方法を提供する。huTIGITと特異的に結合し、huTIGITとの高親和性の特異的な結合、サルTIGIT(例えば、カニクイザルTIGIT)との結合、TIGITのPVRおよび/またはネクチン-2との結合を遮断する能力、TIGITのDNAMとの相互作用を遮断する能力またはこれらの特性の任意の組合せなどの望ましい機能的特性を有する、モノクローナル抗体、特に、ヒトモノクローナル抗体などの単離された抗体が、本明細書において提供される。
【0007】
本発明は、TIGIT媒介性シグナル伝達が抗腫瘍免疫応答を抑制する癌、同時活性化受容体DNAM-1/CD226とのTIGIT相互作用が抗腫瘍免疫応答を抑制する腫瘍、TIGIT発現性調節T細胞が抗腫瘍免疫応答を抑制する腫瘍またはTIGITが、そうでなければ抗腫瘍免疫応答を阻害する腫瘍を含めた、癌を治療する改善された方法および方法において使用するための治療用抗体をさらに提供する。本発明はまた、TIGITが抗ウイルス性免疫応答を抑制する慢性ウイルス感染の治療において使用するための方法および治療用抗体を提供する。
【0008】
別の態様では、本発明は、huTIGITとの結合について本明細書に開示される重鎖および軽鎖可変ドメイン配列を有する抗体と競合し、および/またはhuTIGITとの結合から本明細書に開示される重鎖および軽鎖可変ドメインを有する抗体を交差遮断する抗体に関する。
【0009】
特定の実施形態では、本発明の抗TIGIT抗体またはその抗原結合断片は、抗腫瘍免疫応答、例えば、抗原特異的T細胞応答を増強する。その他の実施形態では、本発明の抗TIGIT抗体またはその抗原結合断片は、TIGIT媒介性阻害シグナル伝達を遮断し、NK細胞のPVR/DNAM同時刺激を可能にして、NK媒介性抗腫瘍応答死滅を増大する。さらに別の実施形態では、本発明の抗TIGIT抗体またはその抗原結合断片は、そうでなければ抗腫瘍免疫応答を抑制するであろう、腫瘍内調節性T細胞の集団を枯渇させる。さらに別の実施形態では、IgG1としてフォーマットされた本発明の抗TIGIT抗体は、CD8

疲弊T細胞およびT
reg
を枯渇させ、新鮮な疲弊していないCD8

T細胞の流入を可能にする。その他の実施形態では、本発明の抗TIGIT抗体またはその抗原結合断片は、機序は必ずしも相互排他的ではないので、上記で言及した機序の1種または複数によって作用する。
【0010】
特定の実施形態では、本発明の抗TIGIT抗体またはその抗原結合断片は、例えば、TIGIT発現細胞の抗腫瘍活性を増強することに頼る実施形態において、活性化Fcγ受容体(FcγR)と結合しない。代替実施形態では、本発明の抗TIGIT抗体またはその抗原結合断片は、例えば、疲弊CD8

T細胞またはT
reg
などのTIGIT発現細胞の死滅に頼る実施形態において、1種または複数の活性化FcγRと結合する。
(【0011】以降は省略されています)

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