特許ウォッチ

公開番号2025127716
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-02
出願番号2024024587
出願日2024-02-21
発明の名称指針、時計、及び指針の製造方法
出願人カシオ計算機株式会社
代理人弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
主分類G04B 19/04 20060101AFI20250826BHJP(時計)
要約【課題】針本体の損傷を防止できる指針、時計、及び指針の製造方法を提供する。
【解決手段】一形態にかかる指針21は、金属材料で構成され、孔41が形成された針体40と、前記針体40の一方の面側に配置されたベース部31と、前記針体40の前記孔内及び前記針体40の他方の面側に配置され前記針体40の厚み方向の移動を規制する抜け止め部32eを有するはかま30と、を備え、前記抜け止め部32は、前記係合部の縁部の長手方向両端部に設けられ、前記長手方向両側に突出して前記針体40の前記他方の面側または前記押さえ部50の前記他方の面側に対向配置され、前記針体40にかしめ固定される。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項１】
金属材料で構成され、孔が形成された針体と、
前記針体の一方の面側に配置されたベース部と、少なくとも一部が前記針体の前記孔に配置される係合部と、を有するはかまと、
を備え、
前記係合部は縁部の前記針体の長手方向両端部に、前記長手方向両側に突出して前記針体にかしめ固定され、前記針体の厚み方向の移動を規制する抜け止め部を有する、指針。
続きを表示（約 910 文字）【請求項２】
前記針体の前記孔の内壁面は、前記係合部の外周に沿って弧状に湾曲する周縁部と、前記針体の長手方向に沿う直縁部と、を含む、請求項１に記載の指針。
【請求項３】
前記針体の前記孔の内壁面は、対向する一対の直縁部と、前記係合部の前記指針の短手方向の両側に配され一対の直縁部の両端部同士を接続する一対の前記周縁部と、を含み、
前記係合部は、輪列機構の軸が配される軸孔を有するとともに、前記内壁面の形状に沿う外壁部を有する、請求項２に記載の指針。
【請求項４】
前記針体の前記他方の面側に対向配置されるとともに前記係合部の外周部に装着される押さえ部材を備える、請求項３に記載の指針。
【請求項５】
前記針体の前記孔の内壁面は、前記周縁部と前記直縁部との間に形成される凹部を含む、請求項２に記載の指針。
【請求項６】
前記押さえ部材は、前記係合部の前記抜け止め部よりも前記針体側に装着されるばね材である、請求項４に記載の指針。
【請求項７】
請求項１乃至６のいずれかに記載の指針と、
前記指針と接続される輪列機構と、
を備える、時計。
【請求項８】
金属材料で構成され、ベース部及び係合部を有するはかまの前記係合部を、孔が形成された針体の前記孔内に、挿入することと、
前記係合部の先端部をかしめ加工することで、前記係合部の前記針体の長手方向の両端部に、前記長手方向両側に突出して前記針体にかしめ固定され前記針体の厚み方向の移動を規制する抜け止め部を形成することと、
を備える、
指針の製造方法。
【請求項９】
前記孔の内壁面は、前記係合部の外周に沿って弧状に湾曲する周縁部と、前記針体の長手方向に沿う直縁部と、を含む、
前記係合部の先端部は、前記針体の長手方向両側に、中央部よりも軸方向に高く形成された突出部を有し、
前記かしめ加工により、前記長手方向両側の突出部が、変形により、前記針孔の外側に向けて延出する、請求項８に記載の指針の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、指針、時計、及び指針の製造方法に関する。
続きを表示（約 1,600 文字）【背景技術】
【０００２】
特許文献１には、金属材にて成形され穴が形成された指針部と、指針部の一方の面側に配置され穴を塞ぐベース部、及び指針部の穴内及び指針部の他方の面側に配置され穴の軸方向の移動を規制する部分を有するハカマ部と、を備える指針体構造が開示されている。更に、指針部の穴の内縁は、針体の長手方向に沿う部分が弧状に湾曲している構成、ハカマ部は樹脂で形成されているため、インサート成形により指針部とハカマ部とを結合させた構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
実開昭５５－９７４２１号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら、ハカマ部が金属で形成された場合には、ハカマ部の回転止めと抜け止めのためハカマ部を指針部にかしめ固定する必要が生じる。その際、ハカマ部が潰れて穴が外側に広がる方向の応力が指針部に掛かるため、指針部の変形やクラックなどの損傷が発生する場合がある。
【０００５】
本発明は、針本体の損傷を防止できる指針、時計、及び指針の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明の一形態にかかる指針は、金属材料で構成され、孔が形成された針体と、前記針体の一方の面側に配置されたベース部と、少なくとも一部が前記針体の前記孔に配置される係合部と、を有するはかまと、を備え、前記係合部は縁部の前記針体の長手方向両端部に、前記長手方向両側に突出して前記針体にかしめ固定され、前記針体の厚み方向の移動を規制する抜け止め部を有する。
【発明の効果】
【０００７】
本発明によれば、針本体の損傷を防止できる指針、時計、及び指針の製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【０００８】
第１実施形態に係る時計の構成を示す平面図である。
同時計の指針モジュールの構成を示す断面図である。
同指針モジュールの指針の構成を示す上面から見た平面図である。
同指針の構成を示す下面から見た平面図である。
同指針の構成を示す図３、図４に示すＡ－Ａ断面の断面図である。
（ａ）は同指針の針体に固定されたはかまの構成を示す斜視図である。（ｂ）は同指針の針体に固定されたはかまの構成を示す断面図である。
同指針の針体の構成を示す斜視図である。
同指針の一部の構成を示す平面図及び断面図である。
第２実施形態に係る指針の構成を示す平面図及び断面図である。
第３実施形態に係る指針の構成を示す平面図及び断面図である。
（ａ）は、第４実施形態に係る同指針の製造方法におけるはかまのかしめ加工前を示す斜視図である。（ｂ）は、同指針の製造方法におけるはかまのかしめ加工後を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【０００９】
［第１実施形態］
以下、本発明の第１実施形態にかかる時計１０の構成について、図１乃至図９を参照して説明する。例えば時計１０は、時計ガラス側を表側とし、裏蓋側を裏側として、説明する。図中Ｘ、Ｙ、Ｚは互いに直交する三方向をそれぞれ示す。例えば本実施形態において、時計１０は、Ｚ軸に沿う第１方向が時計１０の表裏方向に沿う姿勢を例として説明するが、これに限られるものではない。なお、各図において、適宜構成を拡大、縮小、省略して概略的に示す。
【００１０】
図１に示すように、時計１０は、例えば腕時計であり、外郭を構成するケース１１と、ケース１１内に設けられた時計モジュール１３と、時計モジュール１３の表側を覆う時計ガラスと、時計モジュール１３の裏側を覆う裏蓋（図示せず）と、ケース１１の外周に配された複数のスイッチ１７と、を備える。
（【００１１】以降は省略されています）

関連特許