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公開番号
2025126924
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-29
出願番号
2025081055,2020077066
出願日
2025-05-14,2020-04-24
発明の名称
結晶膜
出願人
株式会社FLOSFIA
,
国立研究開発法人物質・材料研究機構
代理人
主分類
C30B
29/16 20060101AFI20250822BHJP(結晶成長)
要約
【課題】半導体装置等に有用な、Si等の不純物が低減された高品質な結晶膜を提供する。
【解決手段】 原料から結晶成長により基板上に結晶膜を形成する結晶膜の製造方法において、前記原料がGaCl
3
を含み、前記の結晶成長を、前記基板上に、直接または他の層を介して、凹部または凸部からなる凹凸部を形成し、ついで、該凹凸部上に原料の分圧1kPa以上の結晶成長条件にて結晶膜を形成することにより、ガリウムを含む結晶性金属酸化物を主成分として含む結晶膜であって、Siの含有量が2×10
15
cm
-3
以下である結晶膜を作製する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
ガリウムを含む結晶性金属酸化物を主成分として含む結晶膜であって、Si以外のドーパントをさらに含み、ドーパントではないSiの含有量が1×10
15
cm
-3
以下であり、Cの含有量が5×10
16
cm
-3
以下であることを特徴とする結晶膜。
続きを表示(約 440 文字)
【請求項2】
前記結晶性金属酸化物がコランダム構造を有する、請求項1に記載の結晶膜。
【請求項3】
膜厚が10μm以上である請求項1または2に記載の結晶膜。
【請求項4】
膜厚が25μm以上である請求項1~3のいずれかに記載の結晶膜。
【請求項5】
表面積が10cm
2
以上である請求項1~4のいずれかに記載の結晶膜。
【請求項6】
前記結晶膜が半導体膜である、請求項1~5のいずれかに記載の結晶膜。
【請求項7】
結晶膜を含む半導体装置であって、前記結晶膜が請求項1~6のいずれかに記載の結晶膜であることを特徴とする半導体装置。
【請求項8】
パワーデバイスである、請求項7記載の半導体装置。
【請求項9】
半導体装置を備える半導体システムであって、前記半導体装置が、請求項7または8に記載の半導体装置であることを特徴とする半導体システム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に有用な結晶膜に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)
【背景技術】
【0002】
高耐圧、低損失および高耐熱を実現できる次世代のスイッチング素子として、バンドギャップの大きな酸化ガリウム(Ga
2
O
3
)を用いた半導体装置が注目されており、インバータなどの電力用半導体装置への適用が期待されている。また、広いバンドギャップからLEDやセンサー等の受発光装置としての幅広い応用も期待されている。特に、酸化ガリウムの中でもコランダム構造を有するα―Ga
2
O
3
等は、非特許文献1によると、インジウムやアルミニウムをそれぞれ、あるいは組み合わせて混晶することによりバンドギャップ制御することが可能であり、InAlGaO系半導体として極めて魅力的な材料系統を構成している。ここでInAlGaO系半導体とはIn
X
Al
Y
Ga
Z
O
3
(0≦X≦2、0≦Y≦2、0≦Z≦2、X+Y+Z=1.5~2.5)を示し(特許文献9等)、酸化ガリウムを内包する同一材料系統として俯瞰することができる。
【0003】
しかしながら、酸化ガリウムは、最安定相がβガリア構造であるので、特殊な成膜法を用いなければ、準安定相であるコランダム構造の結晶膜を成膜することが困難である。また、コランダム構造を有するα―Ga
2
O
3
は準安定相であり、融液成長によるバルク基板が利用できない。そのため、現状はα―Ga
2
O
3
と同じ結晶構造を有するサファイアを基板として用いている。しかし、α―Ga
2
O
3
とサファイアとは格子不整合度が大きいため、サファイア基板上にヘテロエピタキシャル成長されるα―Ga
2
O
3
の結晶膜は、転位密度が高くなる傾向がある。また、コランダム構造の結晶膜に限らず、成膜レートや結晶品質の向上、クラックや異常成長の抑制、ツイン抑制、反りによる基板の割れ等においてもまだまだ課題が数多く存在している。このような状況下、現在、コランダム構造を有する結晶性半導体の成膜について、いくつか検討がなされている。
【0004】
特許文献1には、ガリウム又はインジウムの臭化物又はヨウ化物を用いて、ミストCVD法により、酸化物結晶薄膜を製造する方法が記載されている。特許文献2~4には、コランダム型結晶構造を有する下地基板上に、コランダム型結晶構造を有する半導体層と、コランダム型結晶構造を有する絶縁膜とが積層された多層構造体が記載されている。また、特許文献5~7のように、ELO基板やボイド形成を用いて、ミストCVDによる成膜も検討されている。しかしながら、いずれの方法も成膜レートにおいてまだまだ満足のいくものではなく、成膜レートに優れた成膜方法が待ち望まれていた。
特許文献8には、少なくとも、ガリウム原料と酸素原料とを用いて、ハライド気相成長法(HVPE法)により、コランダム構造を有する酸化ガリウムを成膜することが記載されている。しかしながら、α―Ga
2
O
3
は準安定相であるので、β―Ga
2
O
3
のように成膜することが困難であり、工業的にはまだまだ多くの課題があった。また、特許文献10および11には、PSS基板を用いて、ELO結晶成長を行い、表面積は9μm
2
以上であり、転位密度が5×10
6
cm
-2
の結晶膜を得ることが記載されている。しかしながら、パワーデバイスとして酸化ガリウムの性能を存分に発揮するには、転位密度だけでなく、さらにSi等の不純物を低減すること、すなわち、Siの含有量を1×10
16
cm
-3
以下とすることなどが必要であり、このような不純物の無い結晶膜を容易に製造できる方法が待ち望まれている。
なお、特許文献1~11はいずれも本出願人らによる特許または特許出願に関する公報であり、現在も検討が進められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第5397794号
特許第5343224号
特許第5397795号
特開2014-72533号公報
特開2016-100592号公報
特開2016-98166号公報
特開2016-100593号公報
特開2016-155714号公報
国際公開第2014/050793号公報
米国公開第2019/0057865号公報
特開2019-034883号公報
【非特許文献】
【0006】
金子健太郎、「コランダム構造酸化ガリウム系混晶薄膜の成長と物性」、京都大学博士論文、平成25年3月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、半導体装置等に有用な高品質な結晶膜を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、GaCl
3
を用いて分圧1kPa以上でGa
2
O
3
を形成すると、Siの含有量が2×10
15
cm
-3
以下である結晶膜が容易に得られることを知見し、このような結晶膜が上記した従来の問題を一挙に解決し得ることを見出した。
【0009】
また、本発明者らは、上記知見を得た後、さらに検討を重ねて本発明を完成させるに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、以下の発明に関する。
[1] ガリウムを含む結晶性金属酸化物を主成分として含む結晶膜であって、Siの含有量が2×10
15
cm
-3
以下であることを特徴とする結晶膜。
[2] 前記結晶性金属酸化物がコランダム構造を有する、前記[1]に記載の結晶膜。
[3] Cの含有量が5×10
16
cm
-3
以下である前記[1]または[2]に記載の結晶膜。
[4] 膜厚が10μm以上である前記[1]~[3]のいずれかに記載の結晶膜。
[5] 膜厚が25μm以上である前記[1]~[4]のいずれかに記載の結晶膜。
[6] 表面積が10cm
2
以上である前記[1]~[5]のいずれかに記載の結晶膜。
[7] 前記結晶膜が半導体膜である、前記[1]~[6]のいずれかに記載の結晶膜。
[8] 結晶膜を含む半導体装置であって、前記結晶膜が前記[1]~[7]のいずれかに記載の結晶膜であることを特徴とする半導体装置。
[9] パワーデバイスである、前記[8]記載の半導体装置。
[10] 半導体装置を備える半導体システムであって、前記半導体装置が、前記[8]または[9]に記載の半導体装置であることを特徴とする半導体システム。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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