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公開番号2025122126
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-20
出願番号2025086498,2022056613
出願日2025-05-23,2022-03-30
発明の名称排水配管構造
出願人株式会社クボタケミックス
代理人安田岡本弁理士法人
主分類F16L 5/00 20060101AFI20250813BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】薄肉スラブであっても最適な延焼防止効果を発現(所望の耐火構造を実現)できる樹脂製継手を提供する。
【解決手段】樹脂製継手100は、1以上の分岐管を備え、薄肉スラブの上方に突出する樹脂製の上部材140と、上部材140の下側に接続され、樹脂製継手100が薄肉スラブに施工された状態において上部が薄肉スラブに埋設されるとともに下部が薄肉スラブの下方に突出する樹脂製の下部材110と、熱膨張材と、を含む。この熱膨張材は、樹脂製継手100の外表面の上下2箇所に、上部熱膨張材711および下部熱膨張材712が上下方向に離隔して設けられ、下部材110は下側に縮径部118を備え、上部熱膨張材711および下部熱膨張材712は縮径部118よりも上側に設けられ、上部熱膨張材711および下部熱膨張材712の少なくとも一方が、薄肉スラブの位置で膨張可能に存在する。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
予め定められた範囲の厚みを備えた薄肉スラブに施工可能な樹脂製継手であって、
1以上の分岐管を備え、前記樹脂製継手が前記薄肉スラブに施工された状態において前記薄肉スラブの上方に突出する樹脂製の上部材と、
前記上部材の下側に接続され、前記樹脂製継手が前記薄肉スラブに施工された状態において上部が前記薄肉スラブに埋設されるとともに下部が前記薄肉スラブの下方に突出する樹脂製の下部材と、
熱膨張材と、を含み、
前記熱膨張材は、前記樹脂製継手の外表面の上下2箇所に、上部熱膨張材および下部熱膨張材が上下方向に離隔して設けられ、
前記下部材は下側に縮径部を備え、前記上部熱膨張材および前記下部熱膨張材は前記縮径部よりも上側に設けられ、
前記上部熱膨張材および前記下部熱膨張材の少なくとも一方が、前記薄肉スラブの位置で膨張可能に存在することを特徴とする、樹脂製継手。
続きを表示(約 920 文字)【請求項2】
前記予め定められた範囲は、150mm未満であることを特徴とする、請求項1に記載の樹脂製継手。
【請求項3】
前記上下2箇所に設けられた熱膨張材の体積は、前記上部熱膨張材が前記下部熱膨張材より小さいことを特徴とする、請求項1に記載の樹脂製継手。
【請求項4】
前記下部熱膨張材の体積が72cm
3
以上145cm
3
以下であって、前記上部熱膨張材の体積が72cm
3
未満であることを特徴とする、請求項1に記載の樹脂製継手。
【請求項5】
前記上下2箇所に設けられた熱膨張材の間隔は、30mm以上離れていることを特徴とする、請求項1に記載の樹脂製継手。
【請求項6】
前記下部熱膨張材の上端は、前記薄肉スラブの上面から80mm以内に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の樹脂製継手。
【請求項7】
前記縮径部に旋回羽根を備え、
前記下部熱膨張材の上端は、前記薄肉スラブの上面よりも下側、かつ、前記旋回羽根の下端よりも上側に存在し、
前記下部熱膨張材の下端は、前記旋回羽根の上端よりも下側、かつ、前記旋回羽根の下端よりも上側に存在し、
前記上部熱膨張材は、前記旋回羽根の上端よりも上側に存在することを特徴とする、請求項1に記載の樹脂製継手。
【請求項8】
前記下部熱膨張材の上端が前記薄肉スラブの下面よりも下側にある場合には、
前記上部熱膨張材は、前記薄肉スラブと上下方向で重なる部分を備えることを特徴とする、請求項1に記載の樹脂製継手。
【請求項9】
前記上部熱膨張材の下端が前記薄肉スラブの上面よりも上側にある場合には、
前記下部熱膨張材は、前記薄肉スラブと上下方向で重なる部分を備えることを特徴とする、請求項1に記載の樹脂製継手。
【請求項10】
前記樹脂製継手は、不燃性の振動絶縁体、遮音カバーの順に外層部材を備えることを特徴とする、請求項1~請求項9のいずれかに記載の樹脂製継手。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物の床スラブを貫通して設けられる樹脂製継手に関し、特に、床スラブが薄肉スラブであっても最適な延焼防止効果を発現し得る(所望の耐火構造を実現し得る)樹脂製継手に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
集合住宅やオフィスビルなどには、給水設備および排水設備が設けられる。このうちの排水設備は、建物の各階層を上下に貫く縦管(上立管、下立管)と、各階層内に設置される横管(横枝管、枝管)と、これらを接続する排水配管継手とを備えた排水配管構造が代表的なものとして広く知られている。
そして、このような排水配管継手は、建築物に施工された際に、床スラブの貫通孔に配置される管本体と、床スラブの上方に突出し上階からの排水を流入させる排水立管を接続する上立管接続部と、床スラブの下方に突出し下階に排水を流下させる排水立管を接続する下立管接続部と、床スラブの上方で排水横枝管を接続する横枝管接続部とを備える。さらに、管本体には、排水配管継手内の排水の流れを変化させる部分(たとえば旋回羽根、整流羽根、偏流板等)を備えるものが多い。また、このような排水配管継手として、ひとつまたは複数の樹脂製の射出成形品で形成されたものが広く知られている。
【0003】
このような排水配管継手を用いた排水配管構造が備え付けられた建築物において、階下にて火災等が発生した場合に火炎や煤煙、有毒ガスが排水配管構造の焼損部位または溶損部位を通じて上層階へ流出することを防止するために、排水配管継手に熱膨張性耐火材を、配管材の外周に別途設けたり、配管材の壁部内に埋設したりして、火災時には床スラブの貫通孔をこの熱膨張性耐火材によって閉塞された状態を維持することが行われている。
【0004】
このような技術として、特開2019-049167号(特許文献1)は、下方で発生した煙や炎を良好に遮断可能な継手を開示する。この特許文献1に開示された継手は、床スラブに挿通可能に構成された継手であって、複数の分岐管を備え、前記継手が前記床スラブに挿通された状態において前記床スラブの上方に突出する上部材と、前記上部材に接続され、前記継手が前記床スラブに挿通された状態において上部が前記床スラブの内部に埋設されると共に下部が前記床スラブの下方に突出する下部材と、前記下部材の前記上部内に収容された整流羽根と、前記下部材の周壁に設けられた熱膨張材と、を備え、前記継手が前記床スラブに挿通された状態において、前記熱膨張材の上端は前記床スラブの上端面より低い位置に配され、前記熱膨張材の下端は前記整流羽根の上端より低い位置に配されていることを特徴とし(特許文献1の請求項1)、好ましくは、高さ方向における前記熱膨張材の幅は30mm以上60mm以下であり、前記熱膨張材の下端は前記床スラブの上端面から30mm下方の高さと100mm下方の高さとの間に配されていることを特徴とする(特許文献1の請求項2)。そして、上述の構成によれば、床スラブの厚みが100m以上という一般的な条件において、熱膨張材と整流羽根との相対位置が適切になるので、継手の耐火性能が発揮される(特許文献1の第0013段落)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2019-049167号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示された継手は、上述したように床スラブの厚みが10
0m以上という一般的な条件の元でしか継手の耐火性能が発揮されるものに過ぎない。ところが、床の軽量化、積載能力の増大化、施工の簡易化、工期の短縮化等を目的として、鉄骨造建築物の床スラブとして、厚みが異なる厚肉スラブと薄肉スラブとが予め定められたピッチで繰り返されて上面が平面で形成されたデッキスラブが採用される場合が多くなってきている。この場合には、薄肉スラブの厚みは100mm未満となる場合が多い。また、このようなデッキスラブにおける薄肉スラブ部分のみで構成される薄肉スラブが床スラブに採用されると、一般的な条件よりも床スラブの厚みが薄くなる。さらに、床スラブの厚みが一般的な条件であっても、床スラブの上方に突出する上部材を(特許文献1のような転がし配管ではなく)浮かせ配管して施工する場合もある。このように、一般的な条件よりも床スラブの厚みが薄い場合、上部材を浮かせ配管した場合には、特許文献1に開示された継手では耐火性能が十分には発揮されないという問題点がある。
【0007】
本発明は、上述の問題点に鑑みて開発されたものであり、その目的とするところは、床スラブが一般的な条件よりも床スラブの厚みが薄い薄肉スラブであっても、最適な延焼防止効果を発現し得る樹脂製継手を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る樹脂製継手は以下の技術的手段を講じている。
すなわち、本発明に係る樹脂製継手は、予め定められた範囲の厚みを備えた薄肉スラブに施工可能な樹脂製継手であって、1以上の分岐管を備え、前記樹脂製継手が前記薄肉スラブに施工された状態において前記薄肉スラブの上方に突出する樹脂製の上部材と、前記上部材の下側に接続され、前記樹脂製継手が前記薄肉スラブに施工された状態において上部が前記薄肉スラブに埋設されるとともに下部が前記薄肉スラブの下方に突出する樹脂製の下部材と、熱膨張材と、を含み、前記熱膨張材は、前記樹脂製継手の外表面の上下2箇所に、上部熱膨張材および下部熱膨張材が上下方向に離隔して設けられ、前記下部材は下側に縮径部を備え、前記上部熱膨張材および前記下部熱膨張材は前記縮径部よりも上側に設けられ、前記上部熱膨張材および前記下部熱膨張材の少なくとも一方が、前記薄肉スラブの位置で膨張可能に存在することを特徴とする。
【0009】
好ましくは、前記予め定められた範囲は、150mm未満であるように構成することができる。
さらに好ましくは、前記上下2箇所に設けられた熱膨張材の体積は、前記上部熱膨張材が前記下部熱膨張材より小さいように構成することができる。
さらに好ましくは、前記下部熱膨張材の体積が72cm
3
以上145cm
3
以下であって、前記上部熱膨張材の体積が72cm
3
未満であるように構成することができる。
さらに好ましくは、前記上下2箇所に設けられた熱膨張材の間隔は、30mm以上離れているように構成することができる。
【0010】
さらに好ましくは、前記下部熱膨張材の上端は、前記薄肉スラブの上面から80mm以内に配置されるように構成することができる。
さらに好ましくは、前記縮径部に旋回羽根を備え、前記下部熱膨張材の上端は、前記薄肉スラブの上面よりも下側、かつ、前記旋回羽根の下端よりも上側に存在し、前記下部熱膨張材の下端は、前記旋回羽根の上端よりも下側、かつ、前記旋回羽根の下端よりも上側に存在し、前記上部熱膨張材は、前記旋回羽根の上端よりも上側に存在するように構成することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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