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公開番号2025120744
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-18
出願番号2024015800
出願日2024-02-05
発明の名称培養容器支持体並びにそれを用いた培養装置及び培養方法
出願人ZACROS株式会社
代理人個人,個人
主分類C12M 3/00 20060101AFI20250808BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】 培養容器の底部に注出口を設ける場合においても、前記培養容器の湾曲面(ドーム状面)の変形を抑制する、培養容器支持体等を提供すること。
【解決手段】 ドーム状面を有し、前記ドーム状面の一部に、培養容器の底面の変形を抑制する貫通可能部位を有することを特徴とする培養容器支持体である。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
ドーム状面を有し、
前記ドーム状面の一部に、培養容器の底面の変形を抑制する貫通可能部位を有することを特徴とする培養容器支持体。
続きを表示(約 650 文字)【請求項2】
前記貫通可能部位が、
前記ドーム状面を貫通する貫通孔における、前記ドーム状面側の開口部に位置し、
前記培養容器の底面を支持する支持部材であって前記支持部材を貫通する部材を支持する支持部材を有する、請求項1に記載の培養容器支持体。
【請求項3】
前記支持部材が、前記貫通孔に接続される接続部と、前記接続部と連続する変形可能部とを有する、請求項2に記載の培養容器支持体。
【請求項4】
前記変形可能部が、可撓性材料及び弾性材料の少なくともいずれかで形成された、請求項3に記載の培養容器支持体。
【請求項5】
前記可撓性材料が樹脂であり、前記弾性材料がゴムである、請求項4に記載の培養容器支持体。
【請求項6】
少なくとも一端が開口した、培養容器を収容する筒状部材を有し、前記ドーム状面が前記筒状部材の底部に位置する、請求項1に記載の培養容器支持体。
【請求項7】
培養容器と、請求項1に記載の培養容器支持体とを有することを特徴とする培養装置。
【請求項8】
前記培養容器の底面が、周辺部よりも中央部が高く位置するドーム状面である、請求項7に記載の培養装置。
【請求項9】
前記培養容器の体積が、10L以上である、請求項7に記載の培養装置。
【請求項10】
振とう培養装置である、請求項7に記載の培養装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、培養容器支持体並びにそれを用いた培養装置及び培養方法に関する。
続きを表示(約 4,800 文字)【背景技術】
【0002】
微生物、昆虫細胞、植物細胞、動物細胞などの培養は、医薬品、食品、化粧品、又はこれらの原材料などとして有用な各種物質の生産に広く用いられている。前記生産をラージスケールで行う場合は、培養容器として袋体などが用いられている。これらの袋体などの培養容器を用いた浮遊培養が行われている。
【0003】
前記浮遊培養では、前記培養容器の底部の中心部分にスフェロイドや足場材(マイクロキャリアなど)が集まる傾向がある。その結果、スフェロイド同士が接着して大きな塊になったり、足場材上の細胞を介して足場材が集合したような塊になったりする。塊が大きくなると、塊の中心部分には、酸素や栄養が届かなくなり、部分的に細胞が死んでしまう場合がある。
【0004】
特許文献1には、中心部が高く位置し、周辺部が前記中心部よりも低く位置する形状である湾曲面(以下、「ドーム状面」などと称することがある。)を底面とした培養容器(可撓性の内袋)と、前記湾曲面に対応した形状の表面を有し、前記培養容器の底面を支持する湾曲部材(支持部材)とを備えた振とう培養装置により、培養物に作用するシェアストレスを低減して、生育阻害を抑制することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2022-016884号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記培養容器における前記湾曲面には、培養した細胞や培地を抜き出すためのチューブ等が刺入される。この場合、前記湾曲部材(支持部材)の前記湾曲面(ドーム状面)に、前記チューブ等を貫入させるための孔部を設けておくと、前記チューブ等の刺入の操作が容易になる。ところが、前記湾曲部材(支持部材)における前記孔部が位置する箇所は、前記培養容器の底面を支持していないため、培養中に培地や培養液の重みにより、前記培養容器の底面が、前記孔部の内側に変形してしまい、この変形した箇所にスフェロイドや足場材(マイクロキャリアなど)が集まってしまうという問題が生ずることがわかった。
【0007】
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、前記培養容器の底部に注出口を設ける場合においても、前記培養容器の前記湾曲面(ドーム状面)の変形を抑制する、培養容器支持体並びにそれを用いた培養装置及び培養方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らが、前記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、前記湾曲部材(支持部材)の前記湾曲面(ドーム状面)に、前記チューブ等を貫入させるために設けた前記孔部を、培養容器の底面の変形を抑制すると共に前記チューブ等が貫通可能な貫通可能部位とすることで、前記培養容器の底部に注出口を設ける場合においても、前記培養容器の前記湾曲面の変形を抑制できる、培養容器支持体並びにそれを用いた培養装置及び培養方法を提供することができることを知見した。
【0009】
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては以下のとおりである。即ち、
<1> ドーム状面を有し、前記ドーム状面の一部に、培養容器の底面の変形を抑制する貫通可能部位を有することを特徴とする培養容器支持体である。
前記<1>に記載の培養容器支持体においては、前記ドーム状面の一部に、培養容器の底面の変形を抑制する貫通可能部位が設けられているので、前記貫通可能部位に当接する、前記培養容器の底面の前記湾曲面(ドーム状面)が、前記培地や培養液の重みにより変形することが抑制され、この変形した箇所にスフェロイドや足場材(マイクロキャリアなど)が集まってしまうことが抑制される。
<2> 前記貫通可能部位が、前記ドーム状面を貫通する貫通孔における、前記ドーム状面側の開口部に位置し、前記培養容器の底面を支持する支持部材であって前記支持部材を貫通する部材を支持する支持部材を有する、前記<1>に記載の培養容器支持体である。
前記<2>に記載の培養容器支持体においては、前記ドーム状面を貫通する貫通孔における、前記ドーム状面側の開口部に位置する前記支持部材が、前記培養容器の底面を支持する。このため、前記貫通可能部位に当接する、前記培養容器の底面の前記湾曲面(ドーム状面)が、前記培地や培養液の重みにより変形することが抑制され、この変形した箇所にスフェロイドや足場材(マイクロキャリアなど)が集まってしまうことが効果的に抑制される。また、前記支持部材が、前記支持部材を貫通する部材を支持する。このため、前記貫通孔に、前記培養容器に接続されるチューブ等が貫入された際に、前記チューブ等によって貫通された前記支持部材が、前記チューブ等を安定して保持するので、前記チューブ等の揺動を抑制でき、前記チューブ等をより強固に固定できる。
<3> 前記支持部材が、前記貫通孔に接続される接続部と、前記接続部と連続する変形可能部とを有する、前記<2>に記載の培養容器支持体である。
前記<3>に記載の培養容器支持体においては、前記支持部材が、前記貫通孔に接続される接続部を有するので、前記支持部材を前記培養容器支持体に脱着が可能である。このため、使用により劣化した前記支持部材の交換、チューブ等の大きさに応じた前記支持部材の交換などが容易となる。また、前記支持部材が、前記接続部と連続する変形可能部を有するので、前記培養容器に接続される前記チューブ等で前記変形可能部を貫通させると、前記変形可能部により前記チューブ等の揺動が抑制され、安定に前記チューブ等を保持できる。
<4> 前記変形可能部が、可撓性材料及び弾性材料の少なくともいずれかで形成された、前記<3>に記載の培養容器支持体である。
前記<4>に記載の培養容器支持体においては、前記変形可能部が、可撓性材料及び弾性材料の少なくともいずれかで形成されているので、前記培養容器に接続される前記チューブ等で前記変形可能部を貫通させると、前記変形可能部の復元力により前記チューブ等が安定に保持される結果、前記チューブの揺動を抑制できる。また、前記チューブ等を前記変形可能部に貫通させる操作が容易である。
<5> 前記可撓性材料が樹脂であり、前記弾性材料がゴムである、前記<4>に記載の培養容器支持体である。
前記<5>に記載の培養容器支持体においては、前記可撓性材料が樹脂であり、前記弾性材料がゴムであるので、前記培養容器に接続される前記チューブ等で前記変形可能部を貫通させると、前記変形可能部のゴムの復元力により前記チューブ等が安定に保持される結果、前記チューブの揺動を抑制できる。また、前記チューブ等を前記変形可能部に貫通させる操作が容易である。また、前記変形可能部の設計が容易である。
<6> 少なくとも一端が開口した、培養容器を収容する筒状部材を有し、前記ドーム状面が前記筒状部材の底部に位置する、前記<1>に記載の培養容器支持体である。
前記<6>に記載の培養容器支持体においては、少なくとも一端が開口した、培養容器を収容する筒状部材を有し、前記ドーム状面が前記筒状部材の底部に位置するので、前記筒状部材に収用された培養容器は、その周側面が前記筒状部材によって支持されると共に、その底面が前記ドーム状面によって支持される。その結果、前記培養容器の変形が効果的に抑制される。
<7> 培養容器と、前記<1>に記載の培養容器支持体とを有することを特徴とする培養装置である。
前記<7>に記載の培養装置においては、前記培養容器の底面が、前記培養容器支持体の前記ドーム状面によって支持される。前記培養容器支持体においては、前記ドーム状面の一部に、培養容器の底面の変形を抑制する貫通可能部位が設けられているので、前記貫通可能部位に当接する、前記培養容器の底面の前記湾曲面(ドーム状面)が、前記培地や培養液の重みにより変形してしまい、この変形した箇所にスフェロイドや足場材(マイクロキャリアなど)が集まってしまうことが抑制される。
<8> 前記培養容器の底面が、周辺部よりも中央部が高く位置するドーム状面である、前記<7>に記載の培養装置である。
前記<8>に記載の培養装置においては、前記培養容器の底面が、周辺部よりも中央部が高く位置するドーム状面であるため、前記培養容器の底部の中心部分にスフェロイドや足場材(マイクロキャリアなど)が集まることが抑制され、さらに、前記培養容器支持体の上に前記培養容器を配置させた際に、前記培養容器の底面のドーム状面と、前記培養容器支持体の前記ドーム状面とが容易に当接され、前記培養容器の底面のドーム状面が、前記培地や培養液の重みにより変形することが効果的に抑制できる。
<9> 前記培養容器の体積が、10L以上である、前記<7>に記載の培養装置である。
前記<9>に記載の培養装置においては、前記培養容器の体積が10L以上であるので、大量培養が可能となるのみならず、大量培養(ラージスケール培養)の場合、前記培養容器の底面の前記ドーム状面から細胞や培地を抜き出すことが必要になるため、前記培養容器支持体の孔部を設ける必要性が高くなるが、この場合、前記培養容器内の培地や培養液の重量が大きくなるため、前記培養容器の底面の前記ドーム状面がより変形し易くなるが、前記貫通可能部位によって、前記培養容器の底面のドーム状面が変形することが効果的に抑制できる。
<10> 振とう培養装置である、前記<7>に記載の培養装置である。
前記<10>に記載の培養装置は、振とう培養装置であるので、振とうにより、スフェロイドや足場材(マイクロキャリアなど)が集まってしまうことが前記培養容器の底面の前記ドーム状面によって抑制できるものの、前記培養容器内の細胞や培地の移動が大きくなるため、前記培養容器の底面の前記ドーム状面がより変形し易くなるが、前記貫通可能部位によって、前記培養容器の底面のドーム状面が変形することが効果的に抑制できる。
<11> 前記<1>に記載の培養容器支持体を、培養容器の底面に接するように配置して前記培養容器内で細胞を培養することを特徴とする細胞の培養方法である。
前記<11>に記載の細胞の培養方法においては、前記培養容器支持体を、培養容器の底面に接するように配置して前記培養容器内で細胞を培養するため、前記培養容器の底面が、前記培養容器支持体の前記ドーム状面によって支持される。前記培養容器支持体においては、前記ドーム状面の一部に、培養容器の底面の変形を抑制する貫通可能部位が設けられているので、前記貫通可能部位に当接する、前記培養容器の底面の前記湾曲面(ドーム状面)が、前記培地や培養液の重みにより変形してしまい、この変形した箇所にスフェロイドや足場材(マイクロキャリアなど)が集まってしまうことを抑制できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、前記培養容器の底部に注出口を設ける場合においても、前記培養容器の前記湾曲面(ドーム状面)の変形を抑制する、培養容器支持体並びにそれを用いた培養装置及び培養方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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