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公開番号
2025119476
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-14
出願番号
2024014380
出願日
2024-02-01
発明の名称
ムタンの製造方法、及びグルコシルトランスフェラーゼJをコードする遺伝子が導入されたスクロース非資化細菌
出願人
国立大学法人東京科学大学
,
群栄化学工業株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C12N
9/10 20060101AFI20250806BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】ムタン合成酵素の精製が不要なムタンの製造方法を提供すること。
【解決手段】(i)グルコシルトランスフェラーゼJ(GtfJ)をコードする遺伝子をスクロース非資化細菌に導入して、GtfJ発現株を作製する工程、
(ii)前記発現株をスクロース存在下に培養する工程、及び
(iii)培養物から、ムタンを採取する工程
を含む、ムタンの製造方法;及び、グルコシルトランスフェラーゼ(GtfJ)をコードする遺伝子が導入された、ラルストニア・ユートロファ(Ralstonia eutropha)株、又は、前記遺伝子が導入された、ラルストニア・ユートロファからポリヒドロキシアルカン酸合成酵素をコードする遺伝子を欠損させたラルストニア・ユートロファ株。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
(i)グルコシルトランスフェラーゼJ(GtfJ)をコードする遺伝子をスクロース非資化細菌に導入して、GtfJ発現株を作製する工程、
(ii)前記発現株をスクロース存在下に培養する工程、及び
(iii)培養物から、ムタンを採取する工程
を含む、ムタンの製造方法。
続きを表示(約 580 文字)
【請求項2】
前記スクロース非資化細菌が水素酸化細菌である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記水素酸化細菌として、ラルストニア・ユートロファ(Ralstonia eutropha)株、又はラルストニア・ユートロファからポリヒドロキシアルカン酸(PHA)合成酵素をコードする遺伝子を欠損させた改変ラルストニア・ユートロファ株を用いる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記水素酸化細菌として前記改変ラルストニア・ユートロファ株を用い、ムタンのみを製造する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記水素酸化細菌としてラルストニア・ユートロファ株を用い、前記(ii)の工程で副生したフルクトースを炭素源としてPHAを更に製造する、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
スクロースの添加量が0.1~20重量%である、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
グルコシルトランスフェラーゼ(GtfJ)をコードする遺伝子が導入された、ラルストニア・ユートロファ(Ralstonia eutropha)株、又は、前記遺伝子が導入された、ラルストニア・ユートロファからポリヒドロキシアルカン酸合成酵素をコードする遺伝子を欠損させたラルストニア・ユートロファ株。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクロース非資化細菌を用いるスクロースからのムタンの製造方法に関する。また、本発明は、グルコシルトランスフェラーゼJをコードする遺伝子が導入されたスクロース非資化細菌、特に当該遺伝子が導入されたラルストニア・ユートロファ株に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
ムタンは、グルコースがα-1,3-結合でつながった水不溶性の高分子多糖で、自然界ではう蝕の原因菌として知られるストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus mutans)、ストレプトコッカス・ソブリナス(Streptococcus sobrinus)などの口腔レンサ球菌が生産するグルカンとして存在する。
【0003】
ムタンは、近年、歯垢形成抑制効果を有する口腔用組成物としての利用や、保湿剤としての利用が見出され、またその水不溶性の性質から担体等への応用も見込まれる極めてユニークな素材として着目されている。
【0004】
従来、ムタンを得るためには、口腔レンサ球菌をスクロース存在下に培養し、グルカン(α-1,3-グルカンとα-1,6-グルカンとの混合物)を得た後、デキストラナーゼでα-1,6-グルカンを分解除去する方法が用いられてきた(非特許文献1)。
しかしながら、α-1,6-グルカンの処理に長い日数を要するばかりか、雑菌のコンタミネーションのリスクもあり、高品質のムタンを工業的に製造することは難しかった。
この問題を解決するために、培養工程においてデキストラナーゼを添加する改良法も報告されている(特許文献1)。
【0005】
このような発酵法とは別に、菌体からムタン合成酵素(グルコシルトランスフェラーゼ-I(以下、GTF-I))のみを分離精製し、ムタンの製造に利用することは理論的には可能であるが、現実には酵素の凝集や吸着及びプロテオリシスなどの問題点がある。そこで、口腔レンサ球菌による発酵法ではなく、GTF-Iをコードする遺伝子を保持した組換え大腸菌を培養し、当該菌体からGTF-Iを抽出し、スクロースにGTF-Iを添加する方法が報告されている(特許文献2)。組換え株からのGTF-Iの抽出は、オリジナルな菌株からの分離精製と異なり、得られる酵素量が多く、酵素が凝集することもない。
しかしながら、酵素を用いる方法はやはり分離精製の手間がかかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開平10-262692
特開2000-83665
【非特許文献】
【0007】
う蝕と歯周病 Vol.2、1982、歯科評論社
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、ムタン合成酵素の精製が不要なムタンの製造方法が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、斯かる実状に鑑み鋭意検討した結果、ストレプトコッカス・サリバリウス(Streptococcus salivarius)が持つグルコシルトランスフェラーゼJ(以下、「GtfJ」と表記)がα-1,3-グルカンを選択的に合成することに注目し、GtfJをコードする遺伝子をスクロース非資化細菌に導入して、GtfJ発現株を作製し、前記発現株をスクロース存在下に培養すれば、α-1,6-グルカンを含まないムタンが効率良く得られることを見出し、本発明を完成させた。
【0010】
すなわち、本発明は以下を提供する。
[1](i)グルコシルトランスフェラーゼJ(GtfJ)をコードする遺伝子をスクロース非資化細菌に導入して、GtfJ発現株を作製する工程、
(ii)前記発現株をスクロース存在下に培養する工程、及び
(iii)培養物から、ムタンを採取する工程
を含む、ムタンの製造方法。
[2]前記スクロース非資化細菌が水素酸化細菌である、[1]に記載の方法。
[3]前記水素酸化細菌として、ラルストニア・ユートロファ(Ralstonia eutropha)株、又はラルストニア・ユートロファからポリヒドロキシアルカン酸(PHA)合成酵素をコードする遺伝子を欠損させた改変ラルストニア・ユートロファ株を用いる、[2]に記載の方法。
[4]前記水素酸化細菌として前記改変ラルストニア・ユートロファ株を用い、ムタンのみを製造する、[3]に記載の方法。
[5]前記水素酸化細菌としてラルストニア・ユートロファ株を用い、前記(ii)の工程で副生したフルクトースを炭素源としてPHAを更に製造する、[3]に記載の方法。
[6]スクロースの添加量が0.1~20重量%である、[1]~[5]のいずれか1に記載の方法。
[7]グルコシルトランスフェラーゼ(GtfJ)をコードする遺伝子が導入された、ラルストニア・ユートロファ(Ralstonia eutropha)株、又は、前記遺伝子が導入された、ラルストニア・ユートロファからポリヒドロキシアルカン酸合成酵素をコードする遺伝子を欠損させたラルストニア・ユートロファ株。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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