TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025115811
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-07
出願番号2024010467
出願日2024-01-26
発明の名称心筋細胞の拍動評価方法および接着分子
出願人日本ゼオン株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C12N 5/077 20100101AFI20250731BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】心筋細胞の拍動性を向上させた状態で、心筋細胞の拍動を評価可能な方法の提供。
【解決手段】培養容器内の心筋細胞の拍動を評価する方法。前記方法は、前記培養容器の培養面を接着分子でコートする工程と、培地存在下で、前記コートされた培養面に前記心筋細胞を接着させる工程と、前記心筋細胞の拍動が観察されるまで、前記心筋細胞を培養する工程とを含む。前記培養容器の培養面が脂環構造含有重合体で構成され、前記培養面の表面自由エネルギーが30mN/m以上37mN/m以下であり、前記接着分子が、前記脂環構造含有重合体に対して親和性を有するペプチド配列と、ラミニン細胞接着活性ペプチド配列とを有する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
培養容器内の心筋細胞の拍動を評価する方法であって、
前記培養容器の培養面を接着分子でコートする工程と、
培地存在下で、前記コートされた培養面に前記心筋細胞を接着させる工程と、
前記心筋細胞の拍動が観察されるまで、前記心筋細胞を培養する工程と
を含み、
前記培養容器の培養面が脂環構造含有重合体で構成され、
前記培養面の表面自由エネルギーが30mN/m以上37mN/m以下であり、
前記接着分子が、前記脂環構造含有重合体に対して親和性を有するペプチド配列と、ラミニン細胞接着活性ペプチド配列とを有する、方法。
続きを表示(約 590 文字)【請求項2】
前記心筋細胞が人工多能性幹細胞由来心筋細胞である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記脂環構造含有重合体に対して親和性を有するペプチド配列がThr-Val-Asp-Ser-Cys-Leu-Thr(配列番号1)である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ラミニン細胞接着活性ペプチド配列がTyr-Ile-Gly-Ser-Arg(配列番号2)である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記脂環構造含有重合体に対して親和性を有するペプチド配列がThr-Val-Asp-Ser-Cys-Leu-Thr(配列番号1)であり、
前記ラミニン細胞接着活性ペプチド配列がTyr-Ile-Gly-Ser-Arg(配列番号2)である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記接着分子の分子量が1000以上4000以下である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記脂環構造含有重合体がノルボルネン系開環重合体水素化物である、請求項1~6の何れかに記載の方法。
【請求項8】
Thr-Val-Asp-Ser-Cys-Leu-Thr(配列番号1)とTyr-Ile-Gly-Ser-Arg(配列番号2)とを有する、脂環構造含有重合体に対して親和性を有する接着分子。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、心筋細胞の拍動評価方法および脂環構造含有重合体に対して親和性を有する接着分子に関するものである。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
心疾患を診断する方法の1つとして、心筋細胞の拍動性を測定する方法が挙げられる。そこで、近年では、心筋細胞の拍動を評価する方法の改良が試みられている。
【0003】
例えば、特許文献1には、培養面に対して形成した足場の上に、心筋細胞を含む培地で形成される液滴を吐出することにより心筋細胞を培地とともに培養容器に播種した後、培養容器内に薬剤を添加し、心筋細胞の拍動数変化を測定する方法が開示されている。そして、特許文献1によれば、当該方法は少ない細胞量で正確に心毒性を評価することができる。
また、特許文献2には、心筋細胞を培地とともに培養容器に播種し、培養容器内の培地に薬剤を添加して、該薬剤を心筋細胞に接触させ、その後、心筋細胞から分泌される心疾患のバイオマーカーを測定して薬剤の心毒性を評価する方法が開示されている。そして、特許文献2によれば、当該方法は心疾患のバイオマーカーを高い精度で測定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2021-129518号公報
国際公開第2020/066396号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、心筋細胞の拍動評価を容易にする観点からは、心筋細胞の拍動性を向上させることが好ましい。しかしながら、上記従来の方法では、心筋細胞の拍動性を向上させるという点において更なる改善の余地があった。
【0006】
そこで、本発明は、心筋細胞の拍動性を向上させた状態で、心筋細胞の拍動を評価可能な方法の提供を目的とする。
また、本発明は、心筋細胞の拍動性を向上させ得る、脂環構造含有重合体に対して親和性を有する接着分子の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記課題を解決することを目的として鋭意検討を行った。そして、本発明者は、脂環構造含有重合体で構成され、且つ表面自由エネルギーが所定の範囲内である培養面を備える培養容器を用い、所定の工程を経ることで、心筋細胞の拍動性を向上させた状態で、心筋細胞の拍動を評価可能であることを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
即ち、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明によれば、下記〔1〕~〔7〕の心筋細胞の拍動評価方法と、下記〔8〕の脂環構造含有重合体に対して親和性を有する接着分子とが提供される。
【0009】
〔1〕培養容器内の心筋細胞の拍動を評価する方法であって、前記培養容器の培養面を接着分子でコートする工程と、培地存在下で、前記コートされた培養面に前記心筋細胞を接
着させる工程と、前記心筋細胞の拍動が観察されるまで、前記心筋細胞を培養する工程とを含み、前記培養容器の培養面が脂環構造含有重合体で構成され、前記培養面の表面自由エネルギーが30mN/m以上37mN/m以下であり、前記接着分子が、前記脂環構造含有重合体に対して親和性を有するペプチド配列と、ラミニン細胞接着活性ペプチド配列とを有する、方法。
脂環構造含有重合体で構成され、且つ表面自由エネルギーが上述の範囲内である培養面を備えた培養容器を用い、上述した工程を経ることで、心筋細胞の拍動性を向上させた状態で、心筋細胞の拍動評価を行うことができる。
なお、本発明において、「培養面」とは、培養心筋細胞が接着しうる培養容器の表面を意味する。例えば、培養容器が96ウェルプレートである場合、「培養面」はウェルの内底面を指す。
また、本発明において、培養面の「表面自由エネルギー」は、本明細書の実施例に記載の方法を用いて測定することができる。
そして、本発明において「心筋細胞の拍動が確認される(まで培養する)」とは、心筋細胞が培養容器内でほぼ全体が拍動していることが確認できれば良く、必ずしも拍動している細胞が同期していなくてもよい。心筋細胞の拍動性を更に向上させるとともに、心筋細胞の薬剤応答性を高める観点からは、培養細胞全体の拍動が同期していることが好ましい。
さらに、本発明において、「脂環構造含有重合体に対して親和性を有する」とは、脂環構造含有重合体で構成される表面に結合できることを意味する。
【0010】
〔2〕前記心筋細胞が人工多能性幹細胞由来心筋細胞である、上記〔1〕に記載の方法。
心筋細胞として人工多能性幹細胞(iPS細胞)由来心筋細胞を用いれば、心筋細胞の拍動性を更に向上させるとともに、心筋細胞の薬剤応答性を高めることができる。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

日本ゼオン株式会社
減光フィルム
1か月前
日本ゼオン株式会社
医療機器用偏向操作装置
29日前
日本ゼオン株式会社
フィルムの観察像のムラの検査方法
2日前
日本ゼオン株式会社
設備点検システム及び設備点検方法
16日前
日本ゼオン株式会社
心筋細胞の拍動評価方法および接着分子
7日前
日本ゼオン株式会社
多孔質複合材料の製造方法、及び多孔質複合材料
1日前
日本ゼオン株式会社
誘電体層用スラリー組成物、誘電体層、及び積層セラミックコンデンサ
1日前
日本ゼオン株式会社
熱伝導シートおよびその製造方法
1か月前
パナソニックホールディングス株式会社
電磁波遮蔽用積層シート
7日前
個人
細胞培養容器
1か月前
日本バイリーン株式会社
細胞用支持基材
1か月前
杏林製薬株式会社
核酸検出用PCR溶液
2か月前
日油株式会社
蛋白質安定化剤
1か月前
学校法人近畿大学
培養肉の製造方法
2か月前
東洋紡株式会社
改変型RNAポリメラーゼ
1か月前
株式会社タクマ
バイオマス処理装置
6日前
株式会社タクマ
バイオマス処理装置
6日前
サッポロビール株式会社
飲料
2か月前
JNC株式会社
アデノ随伴ウイルスの精製方法
3か月前
株式会社ファンケル
SEC12タンパク発現促進剤
28日前
株式会社東海ヒット
灌流培養ユニット
1か月前
個人
ナノ微粒子の製造方法
2か月前
アサヒビール株式会社
柑橘風味アルコール飲料
1か月前
アサヒビール株式会社
柑橘風味アルコール飲料
1か月前
オンキヨー株式会社
浸漬酒の製造方法、及び、浸漬酒
1か月前
個人
超音波機能着きウィスキー熟成ボトル用のキャップ
2か月前
ヤマト科学株式会社
インキュベータ
2か月前
日本特殊陶業株式会社
メタン発生抑制装置
3か月前
東洋紡株式会社
緩衝剤によるヘムタンパク質の安定化方法
2か月前
株式会社アテクト
培養シート
3か月前
花王株式会社
リパーゼ変異体
1か月前
住友化学株式会社
細胞チップ
3か月前
池田食研株式会社
抗疲労用組成物
1か月前
ニプロ株式会社
コネクタ及びバッグ
3か月前
個人
移植材料の評価方法
1か月前
ZACROS株式会社
排気ユニット、及び培養装置
1か月前
続きを見る