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公開番号2025110886
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-29
出願番号2025000141
出願日2025-01-06
発明の名称β-ファルネセン類及び関連する構造を有する2-(3-アルケニル)-1,3-ブタジエン化合物の製造方法、並びにその合成中間体化合物
出願人信越化学工業株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C07C 1/30 20060101AFI20250722BHJP(有機化学)
要約【課題】本発明は、公知のβ-ファルネセンの合成方法の問題を回避できる、β-ファルネセン類及びその関連誘導体の効率的な製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は一つの態様によれば、下記一般式(G)(式中、R1、R2はそれぞれ独立して、水素原子、または炭素数1から20の、1又は複数の不飽和結合を含んでもよい、直鎖状、分岐状もしくは環状の炭化水素基、Wはアレーンスルホニル基、Zはハロゲン原子を表す。)で表される二級アリルスルホン化合物のアリル位のアレーンスルホニル基Wの還元的除去反応及びハロゲン化水素HZの脱離反応をこの順または逆の順で実施することにより、下記一般式(A)(R1、R2は上記で定義された通りである。)で表される2-(3-アルケニル)-1,3-ブタジエン化合物を得る工程を少なくとも含む、2-(3-アルケニル)-1,3-ブタジエン化合物(A)の製造方法が提供される。
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>JPEG</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2025110886000108.jpg</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">34</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">170</com:WidthMeasure> </com:Image> 【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記一般式(G)
JPEG
2025110886000098.jpg
35
170
(式中、R

、R

はそれぞれ独立して、水素原子、または炭素数1から20の、1又は複数の不飽和結合を含んでもよい、直鎖状、分岐状もしくは環状の炭化水素基、Wはアレーンスルホニル基、Zはハロゲン原子を表す。)
で表される二級アリルスルホン化合物のアリル位のアレーンスルホニル基Wの還元的除去反応及びハロゲン化水素HZの脱離反応をこの順または逆の順で実施することにより、下記一般式(A)
JPEG
2025110886000099.jpg
29
170
(式中、R

、R

はそれぞれ独立して、水素原子、または炭素数1から20の、1又は複数の不飽和結合を含んでもよい、直鎖状、分岐状もしくは環状の炭化水素基を表す。)
で表される2-(3-アルケニル)-1,3-ブタジエン化合物を得る工程
を少なくとも含む、2-(3-アルケニル)-1,3-ブタジエン化合物(A)の製造方法。
続きを表示(約 2,100 文字)【請求項2】
下記一般式(G)
JPEG
2025110886000100.jpg
36
170
(式中、R

、R

はそれぞれ独立して、水素原子、または炭素数1から20の、1又は複数の不飽和結合を含んでもよい、直鎖状、分岐状もしくは環状の炭化水素基、Wはアレーンスルホニル基、Zはハロゲン原子を表す。)
で表される二級アリルスルホン化合物のアリル位のアレーンスルホニル基Wの還元的除去反応により、下記一般式(D)
JPEG
2025110886000101.jpg
35
170
(式中、R

、R

はそれぞれ独立して、水素原子、または炭素数1から20の、1又は複数の不飽和結合を含んでもよい、直鎖状、分岐状もしくは環状の炭化水素基、Zはハロゲン原子を表す。)
で表されるハライド化合物を得る工程、
得られたハライド化合物(D)のハロゲン化水素HZの脱離反応により、下記一般式(A)
JPEG
2025110886000102.jpg
29
170
(式中、R

、R

はそれぞれ独立して、水素原子、または炭素数1から20の、1又は複数の不飽和結合を含んでもよい、直鎖状、分岐状もしくは環状の炭化水素基を表す。)
で表される2-(3-アルケニル)-1,3-ブタジエン化合物を得る工程
を少なくとも含む、2-(3-アルケニル)-1,3-ブタジエン化合物(A)の製造方法。
【請求項3】
下記一般式(G)
JPEG
2025110886000103.jpg
35
170
(式中、R

、R

はそれぞれ独立して、水素原子、または炭素数1から20の、1又は複数の不飽和結合を含んでもよい、直鎖状、分岐状もしくは環状の炭化水素基、Wはアレーンスルホニル基、Zはハロゲン原子を表す。)
で表される二級アリルスルホン化合物のハロゲン化水素HZの脱離反応により、下記一般式(E)
JPEG
2025110886000104.jpg
35
170
(式中、R

、R

はそれぞれ独立して、水素原子、または炭素数1から20の、1又は複数の不飽和結合を含んでもよい、直鎖状、分岐状もしくは環状の炭化水素基、Wはアレーンスルホニル基を表す。)
で表される二級アリルスルホン化合物を得る工程、
得られた二級アリルスルホン化合物(E)のアリル位のアレーンスルホニル基Wの還元的除去反応により、下記一般式(A)
JPEG
2025110886000105.jpg
30
170
(式中、R

、R

はそれぞれ独立して、水素原子、または炭素数1から20の、1又は複数の不飽和結合を含んでもよい、直鎖状、分岐状もしくは環状の炭化水素基を表す。)
で表される2-(3-アルケニル)-1,3-ブタジエン化合物を得る工程
を少なくとも含む、2-(3-アルケニル)-1,3-ブタジエン化合物(A)の製造方法。
【請求項4】
下記一般式(G)
JPEG
2025110886000106.jpg
35
170
(式中、R

、R

はそれぞれ独立して、水素原子、または炭素数1から20の、1又は複数の不飽和結合を含んでもよい、直鎖状、分岐状もしくは環状の炭化水素基、Wはアレーンスルホニル基、Zはハロゲン原子を表す。)
で表される二級アリルスルホン化合物。
【請求項5】


、R

の一方がメチル基、他方が4-メチル-3-ペンテニル基またはメチル基である、請求項1~3のいずれか1項に記載の、2-(3-アルケニル)-1,3-ブタジエン化合物(A)の製造方法。
【請求項6】


、R

の一方がメチル基、他方が4-メチル-3-ペンテニル基またはメチル基である、請求項4に記載の二級アリルスルホン化合物。
【請求項7】
下記一般式(D’)
JPEG
2025110886000107.jpg
35
170
(式中、R
1’
、R
2’
の一方はメチル基、他方は4-メチル-3-ペンテニル基またはメチル基、Zはハロゲン原子を表す。)
で表されるハライド化合物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、香料として、あるいは昆虫等に対する生物活性物質として有用なセスキテルペン(sesquiterpene)であるβ-ファルネセン類及び関連する構造を有する2-(3-アルケニル)-1,3-ブタジエン化合物の製造方法、および有用な合成中間体化合物に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
古くから知られるテルペン(terpene)化合物であるファルネセン(farnesene)類には、二重結合位置の異なるα型とβ型が存在し、α-ファルネセンには3位と6位に存在する三置換二重結合の幾何異性体である四種が、β-ファルネセンには6位に存在する三置換二重結合の幾何異性体である二種が存在する。
【0003】
JPEG
2025110886000001.jpg
65
170
(式中、数字は炭素の位置番号を表す。)
【0004】
ファルネセン類の内、α―ファルネセンはリンゴ、ナシ、キク(
Chrysanthemum
)、エゴマ(
Perilla
)、ノコギリソウ(
Achillea
)等の多くの植物から同定されている。(3E,6E)-α-ファルネセンはリンゴの果実の皮に多く含まれ(この化合物の天然の給源となる)ており、青りんご臭(green apple odor)をもたらす。(3Z,6E)-α-ファルネセンはエゴマ(
Perilla
)やクチナシ(
Gardenia
)等の植物の精油(essential oil)に含まれる。α-ファルネセンはまた、複数のアリ類やコットン=シード=バグ(cotton seed bug;
Oxycarenus hyalinipennis
)等を含む多くの昆虫の抽出物に含まれており、多様な生物活性が報告されている。例えば、膜翅目昆虫ヒアリのレッド=インポーテッド=ファイヤー=アント(red imported fire ant;
Solenopsis invicta
)の道標フェロモン(trail pheromone)、等翅目昆虫シロアリ(termite)の警報フェロモン(alarm pheromone)、双翅目昆虫ミバエのカリビアン=フルート=フライ(caribbean fruit fly)やメディタレニアン=フルート=フライ(mediterranean fruit fly;チチュウカイミバエ)の集合フェロモン(aggregation phermone)、鱗翅目昆虫コドリンガの誘引物質(attractant)等が含まれる。また、β-ファルネセンは、種々の植物の精油の成分であり、半翅目アブラムシ科昆虫(aphid)に対して警報フェロモン活性が知られている。また、これらの天然由来及び合成ファルネセン類は、ヒトの嗅覚に対する生物活性の応用として、香料(フレグランス;fragranceやフレーバー;flavor)としても利用される。
【0005】
β-ファルネセン類は、下記に示す2-(3-アルケニル)-1,3-ブタジエン構造が特徴となっている。
【0006】
JPEG
2025110886000002.jpg
31
170
(式中、R

、R

はそれぞれ独立して、水素原子、または炭素数1から20の、1又は複数の不飽和結合を含んでもよい、直鎖状、分岐状もしくは環状の炭化水素基を表す。)
【0007】
β-ファルネセン類は、R

、R

の一方がメチル基で、他方が4-メチル-3-ペンテニル基である場合に相当する。また、この特徴的構造を有する他の重要な関連化合物も知られている。関連化合物として、例えば、対応するモノテルペン(monoterpene)であるβ-ミルセン(Myrcene)が知られている。ミルセン類(下記に示すβ-ミルセンとその異性体α-ミルセン)は、ゲッケイジュ(
Laurus
)、バーベナ(クマツヅラ;
Verbena
)、キャラウェイ(ヒメウイキョウ;
Carum
)、フェンネル(ウイキョウ;
Foeniculum
)、タラゴン(
Artemisia
)、イノンド(
Anethum
)、セイヨウトウキ(
Angelica
)、ミルキア(
Myrcia
)、マツ(
Pinus
)、カルダモン(
Amomum
)、ハッカ(
Mentha
)、アキギリ(
Salvia
)、カラハナソウ(
Humulus
)、アサ(
Cannabis
)等の植物に含まれる。また、ミルセンは甲虫目昆虫キクイムシ(
Scolytidae
)のフェロモンであり、誘引物質として作用する。
【0008】
JPEG
2025110886000003.jpg
26
170
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
R.K.Vander Meer et al,Tetrahedron Lett.,1981,22,1651
T.Nakai et al,Chem.Lett.,1979,1361
J.Otera et al,J.Org.Chem.,1983,48,5183
S.-K.Kang et al,Bull.Korean Chem.Soc.,1986,7,157
C.Stantay et al,Synth.Commun.,1987,17,173
S.-K.Kang et al,Bull.Korean Chem.Soc.,1987,351
V.V.Veselovskii et al,Izv.Akad.Natuk SSSR, Ser.Khim.,1987,2787
M.Kawashima et al,Bull.Chem.Soc.Japan,1988,61,4051
P.Baeckstrom et al,Synth.Commun.,1990,20,423
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
これらのファルネセン類及びその関連誘導体等の基礎研究、応用研究や実用のためには、これらを経済的に合成、製造することが必要とされる。天然に大量に存在する異性体は安価に販売されている場合もあるが、天然に存在しない非天然型異性体は合成によって供給される。また、天然物の異性化により種々の別の異性体を得ることも可能であるが、それらは通常複雑な異性体混合物となっていて特定異性体の単離や純度の向上には多大な困難を伴う。例えば、基礎的な研究として、異性体の活性比較研究や部分的に構造を改変した誘導体の活性相関研究等のためには、二重結合の位置及び幾何異性等の異性体を選択的に合成することや置換基を別なものに置き換えた誘導体合成に適用できる自由度の高さ等が望まれる。フェロモン活性を利用した昆虫等の生物の発生予察や害虫防除、ヒトへの香り活性を利用した香料への適用等の応用や実用のためには大量合成が必要となり、工業的スケールアップに適した効率の良い合成が望まれる。応用や実用の際には、必ずしも純粋な異性体でなくともよく、活性がある異性体混合物を用いる方が経済的に有利な場合もある。このような目的のために、基礎と応用のいずれにも適用できるファルネセン類及びその関連誘導体の効率的な製造方法が強く望まれていた。
(【0011】以降は省略されています)

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