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公開番号2025109026
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-24
出願番号2024002673
出願日2024-01-11
発明の名称単結晶シリコン試料の転位検出方法、単結晶シリコンウェーハの酸素濃度目標値決定方法、単結晶シリコンインゴットの製造方法および単結晶シリコンウェーハの製造方法
出願人株式会社SUMCO
代理人弁理士法人特許事務所サイクス
主分類C30B 29/06 20060101AFI20250716BHJP(結晶成長)
要約【課題】被覆物が形成された後の単結晶シリコン試料中に存在する転位を検出するための新たな方法を提供すること。
【解決手段】走査電子顕微鏡によって単結晶シリコン試料の表面に電子線を照射して取得される電子チャネリングコントラスト像において明線として観察される部分を転位として検出することを含み、上記電子線の照射は、上記単結晶シリコン試料の1つ以上の結晶面について電子チャネリング条件を満足する範囲内の入射方位にて上記電子線を照射することを含み、かつ上記1つ以上の結晶面は、{220}面を含む単結晶シリコン試料の転位検出方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
走査電子顕微鏡によって単結晶シリコン試料の表面に電子線を照射して取得される電子チャネリングコントラスト像において明線として観察される部分を転位として検出することを含み、
前記電子線の照射は、前記単結晶シリコン試料の1つ以上の結晶面について電子チャネリング条件を満足する範囲内の入射方位にて前記電子線を照射することを含み、かつ
前記1つ以上の結晶面は、{220}面を含む、単結晶シリコン試料の転位検出方法。
続きを表示(約 900 文字)【請求項2】
前記1つ以上の結晶面は、{400}面を更に含む、請求項1に記載の単結晶シリコン試料の転位検出方法。
【請求項3】
前記1つ以上の結晶面は、{400}面および2つの等価な{220}面である、請求項2に記載の単結晶シリコン試料の転位検出方法。
【請求項4】
前記電子線の照射を、前記表面に形成された被覆物を剥離した後に行う、請求項1に記載の単結晶シリコン試料の転位検出方法。
【請求項5】
前記被覆物は、窒化ケイ素である、請求項4に記載の単結晶シリコン試料の転位検出方法。
【請求項6】
前記電子線の照射を、前記表面の一部に被覆物を有する状態で行い、
前記検出される転位は、前記表面の前記被覆物によって被覆されていない領域内にある位置に前記電子線を照射して検出される転位である、請求項1に記載の単結晶シリコン試料の転位検出方法。
【請求項7】
前記被覆物は、窒化ケイ素である、請求項6に記載の単結晶シリコン試料の転位検出方法。
【請求項8】
前記単結晶シリコン試料は、単結晶シリコンウェーハである、請求項1に記載の単結晶シリコン試料の転位検出方法。
【請求項9】
酸素濃度が異なる複数の単結晶シリコン試料を用意すること、
前記複数の単結晶シリコン試料のそれぞれに同じ成膜条件下で被覆物を形成すること、
前記被覆物を部分的に除去すること、および
前記複数の単結晶シリコン試料中の転位の有無を、請求項1に記載の単結晶シリコン試料の転位検出方法によって評価すること、
を含み、
前記評価の結果、転位無しと評価された単結晶シリコン試料の酸素濃度を、実製造する単結晶シリコンウェーハの酸素濃度目標値として決定する、単結晶シリコンウェーハの酸素濃度目標値決定方法。
【請求項10】
前記被覆物が窒化ケイ素である、請求項9に記載の単結晶シリコンウェーハの酸素濃度目標値決定方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、単結晶シリコン試料の転位検出方法、単結晶シリコンウェーハの酸素濃度目標値決定方法、単結晶シリコンインゴットの製造方法および単結晶シリコンウェーハの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
単結晶シリコンウェーハは、半導体デバイスの基板として広く用いられている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2019-149471号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般の結晶材料では、転位は、既に結晶中に存在し、外力を受けて生じる応力によって結晶中を移動するか、または結晶中で増殖する。これに対し、単結晶シリコンウェーハについては、デバイス製造プロセスにおいてウェーハ上に形成された被覆物(例えば絶縁膜、デバイス構造等)とウェーハとの熱膨張率の違いによってもたらされる応力に起因してウェーハ中に転位が発生し得る(特許文献1の段落0007参照)。
【0005】
半導体デバイスでは、基板中の転位が電気特性に大きく影響する。したがって、被覆物が形成された後の単結晶シリコンウェーハ中に存在する転位を検出するための新たな方法を確立することが望まれる。
【0006】
本発明の一態様は、被覆物が形成された後の単結晶シリコン試料中に存在する転位を検出するための新たな方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、以下の通りである。
[1]走査電子顕微鏡によって単結晶シリコン試料の表面に電子線を照射して取得される電子チャネリングコントラスト像において明線として観察される部分を転位として検出することを含み、
上記電子線の照射は、上記単結晶シリコン試料の1つ以上の結晶面について電子チャネリング条件を満足する範囲内の入射方位にて上記電子線を照射することを含み、かつ
上記1つ以上の結晶面は、{220}面を含む、単結晶シリコン試料の転位検出方法。
[2]上記1つ以上の結晶面は、{400}面を更に含む、[1]に記載の単結晶シリコン試料の転位検出方法。
[3]上記1つ以上の結晶面は、{400}面および2つの等価な{220}面である、[2]に記載の単結晶シリコン試料の転位検出方法。
[4]上記電子線の照射を、上記表面に形成された被覆物を剥離した後に行う、[1]~[3]のいずれかに記載の単結晶シリコン試料の転位検出方法。
[5]上記被覆物は、窒化ケイ素である、[4]に記載の単結晶シリコン試料の転位検出方法。
[6]上記電子線の照射を、上記表面の一部に被覆物を有する状態で行い、
上記検出される転位は、上記表面の上記被覆物によって被覆されていない領域内にある位置に上記電子線を照射して検出される転位である、[1]~[3]のいずれかに記載の単結晶シリコン試料の転位検出方法。
[7]上記被覆物は、窒化ケイ素である、[6]に記載の単結晶シリコン試料の転位検出方法。
[8]上記単結晶シリコン試料は、単結晶シリコンウェーハである、[1]~[7]のいずれかに記載の単結晶シリコン試料の転位検出方法。
[9]酸素濃度が異なる複数の単結晶シリコン試料を用意すること、
上記複数の単結晶シリコン試料のそれぞれに同じ成膜条件下で被覆物を形成すること、
上記被覆物を部分的に除去すること、および
上記複数の単結晶シリコン試料中の転位の有無を、[1]~[8]のいずれかに記載の単結晶シリコン試料の転位検出方法によって評価すること、
を含み、
上記評価の結果、転位無しと評価された単結晶シリコン試料の酸素濃度を、実製造する単結晶シリコンウェーハの酸素濃度目標値として決定する、単結晶シリコンウェーハの酸素濃度目標値決定方法。
[10]上記被覆物が窒化ケイ素である、[9]に記載の単結晶シリコンウェーハの酸素濃度目標値決定方法。
[11][9]または[10]に記載の方法によって実製造する単結晶シリコンウェーハの酸素濃度目標値を決定すること、および、
上記決定された酸素濃度目標値を含む目標範囲内の酸素濃度を有する単結晶シリコンが得られる育成条件下で単結晶シリコンインゴットを育成すること、
を含む、単結晶シリコンインゴットの製造方法。
[12][11]に記載の方法によって単結晶シリコンインゴットを製造すること、および、
製造された単結晶シリコンインゴットからウェーハを切り出すこと、
を含む、単結晶シリコンウェーハの製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、被覆物が形成された後の単結晶シリコン試料中の転位を検出するための新たな方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、電子チャネリングパターン(ECP)の一例である。
図2は、図1に示すECPの一部拡大図の一例である。
図3は、図1に示すECPの一部拡大図の他の例である。
図4は、実施例で評価した試料の一部断面の透過電子顕微鏡像である。
図5は、実施例で評価した試料を走査電子顕微鏡観察して得られた走査電子顕微鏡像である。
図6は、実施例で評価した試料の電子チャネリングパターン(ECP)である。
図7は、実施例で評価した試料について各種条件で得られた電子チャネリングコントラスト像(ECCI)である。
図8は、輝度コントラストCを得るための強度プロファイルの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[単結晶シリコン試料の転位検出方法]
本発明の一態様は、単結晶シリコン試料の転位検出方法に関する。上記転位検出方法は、走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)によって単結晶シリコン試料の表面に電子線を照射して取得される電子チャネリングコントラスト像(ECCI:Electron Channeling Contrast Image)において明線として観察される部分を転位として検出することを含む。上記電子線の照射は、上記単結晶シリコン試料の1つ以上の結晶面について電子チャネリング条件を満足する範囲内の入射方位にて上記電子線を照射することを含み、かつ上記1つ以上の結晶面は、{220}面を含む。
(【0011】以降は省略されています)

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