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公開番号
2025104170
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-09
出願番号
2024028953
出願日
2024-02-28
発明の名称
電子タバコの加熱素子
出願人
個人
,
株式会社ワカヤマ
代理人
個人
主分類
A24F
40/46 20200101AFI20250702BHJP(たばこ;葉巻たばこ;紙巻たばこ;喫煙具)
要約
【課題】 カートリッジ内のタバコ成分を400℃以上まで短時間で加熱することができる簡素な構成の電子タバコの加熱素子を提供する。
【解決手段】 内部に収容されたエアロゾル生成成分を加熱することでエアロゾルを発生させる電子タバコの加熱素子10において、前記エアロゾル生成成分が挿入される筒状のケース100と、このケース100の外周面に設けられた筒状の第一のセラミック層101と、この第一のセラミック層101の外周面に設けられ、発熱塗料によって発熱パターンが形成された発熱層102と、この発熱層102を被覆して形成された筒状の第二のセラミック層103と、を有し、少なくとも前記第一のセラミック層101、前記発熱層102及び前記第二のセラミック層103が一体となった構成としてある。
【選択図】 図1
特許請求の範囲
【請求項1】
内部に収容されたエアロゾル生成成分を加熱することでエアロゾルを発生させる電子タバコの加熱素子において、
前記エアロゾル生成成分が挿入される筒状のケースと、
このケースの外周面に設けられた筒状の第一のセラミック層と、
この第一のセラミック層の外周面に設けられ、発熱塗料によって発熱パターンが形成された発熱層と、
この発熱層を被覆して形成された筒状の第二のセラミック層と、
を有し、
少なくとも前記第一のセラミック層、前記発熱層及び前記第二のセラミック層が一体となっていること、
を特徴とする電子タバコの加熱素子。
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【請求項2】
前記第二のセラミック層の外側に筒状の断熱層を設けたことを特徴とする請求項1に記載の電子タバコの加熱素子。
【請求項3】
前記第一のセラミック層及び前記第二のセラミック層のうちの少なくとも一方が、セラミック樹脂塗料を前記ケース又は前記発熱層に塗布して形成されたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子タバコの加熱素子。
【請求項4】
前記ケースがセラミックで形成され、前記第一のセラミック層を構成することを特徴とする請求項1又は2に記載の電子タバコの加熱素子。
【請求項5】
前記第二のセラミック層が、板状のセラミックグリーン体を前記第一のセラミック層の表面に巻き付け、前記第一のセラミック層及び前記発熱層と一体に焼結したものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子タバコの加熱素子。
【請求項6】
内部に収容されたエアロゾル生成成分を加熱することでエアロゾルを発生させる電子タバコ用加熱素子の製造方法において、
前記エアロゾル生成成分が挿入される筒状のケースを準備し、
このケースの表面にセラミック樹脂塗料を塗布した後、表面を平滑化して第一のセラミック層を形成し、
この第一のセラミック層の表面に、発熱塗料の塗布による発熱パターンを備えた発熱層を形成し、
前記発熱パターン層の外側に、セラミック樹脂塗料を塗布して第二のセラミック層を形成し、
前記第一のセラミック層、前記発熱層及び前記第二のセラミック層を焼成して一体としたこと、
を特徴とする電子タバコ用加熱素子の製造方法。
【請求項7】
内部に収容されたエアロゾル生成成分を加熱することでエアロゾルを発生させる電子タバコ用加熱素子の製造方法において、
前記エアロゾル生成成分が挿入されるセラミック製の筒状のケースを準備し、
このケースを第一のセラミック層として、その表面に発熱塗料の塗布による発熱パターンを備えた発熱層を形成し、
前記発熱パターン層の外側に、セラミック樹脂塗料を塗布して第二のセラミック層を形成し、
前記第一のセラミック層、前記発熱層及び前記第二のセラミック層を焼成して一体としたこと、
を特徴とする電子タバコ用加熱素子の製造方法。
【請求項8】
前記第二のセラミック層の表面を平滑にし、その外側に筒状の断熱層を設けたことを特徴とする請求項6又は7に記載の電子タバコ用加熱素子の製造方法。
【請求項9】
前記セラミック樹脂塗料がチタン系セラミック樹脂塗料で、350℃~450℃で焼成したことを特徴とする請求項6又は7に記載の電子タバコ用加熱素子の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部に収容されたエアロゾル生成成分を加熱することでエアロゾルを発生させる電子タバコに関し、特に、前記エアロゾル生成成分を400℃以上の高温に短時間で均一に加熱することができ、かつ、低廉なコストで製造が可能な電子タバコの加熱素子に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)
【背景技術】
【0002】
電子タバコの一例として、タバコ成分(エアロゾル生成成分)を含んだカートリッジを加熱することで前記タバコ成分を含むエアロゾルを生成し、それを吸引ノズルに導いて吸引するものが知られている。
図5は、タバコ成分をエアロゾル化して喫煙するための電子タバコの構成を説明する概略図である。
この種の電子タバコとしては種々の形態のものが市販されているが、図示の例の電子タバコ1は、紙巻タバコを模した筒状の本体11を主構成要素としたもので、本体11の後端に吸い口15が形成され、吸い口15の前方にタバコ成分17を含むカートリッジ14が収納されている。カートリッジ14の外周には、カートリッジを加熱する加熱素子10が設けられていて、加熱素子10に電力を供給するバッテリ12は、本体11の前部に収容されている。また、バッテリ12とカートリッジ14との間には制御部13が配置され、導線16を介してバッテリ12と加熱素子10とを電気的に接続するとともに、バッテリ12から加熱素子10への電力の供給のON/OFFの切り替え及び電力量などを制御している。加熱素子10によってカートリッジ14が加熱されると、カートリッジ14に含まれるタバコ成分がエアロゾル化し、吸い口15からエアロゾル化した前記タバコ成分を吸うことができるようになる。
【0003】
ところで、カートリッジ14は、筒状のステンレスのカートリッジケース14aの内部に、細く刻んだタバコ葉とグリセリン等の有機溶剤を混合させたタバコ成分17を収容したものである。加熱素子10は、カートリッジ14を構成するカートリッジケース14aの外周面に設けられるのが一般的である。また、加熱素子10としては、絶縁材であるポリイミドの表面にエッチングにより導電性のパターンを形成したポリイミドヒーターが一般的に用いられている(例えば、特許文献1の段落0051等参照)。
【0004】
ポリイミドヒーターは、ポリイミドの耐熱温度が300℃程度であることから、ポリイミドヒーターを使った加熱素子10によるカートリッジ14の加熱温度は250℃~300℃に制限される。
しかし、愛煙家が好むに十分なエアロゾルを発生させるには、400℃以上にタバコ成分17を加熱する必要があるが、ポリイミドヒーターでは加熱温度が低く、十分なエアロゾルを発生させることは困難であるという問題がある。また、ポリイミドヒーターは均一加熱が難しいという問題がある。
さらに、加熱素子10は、スイッチをONとしてからエアロゾルを発生させる温度までカートリッジ14を速やかに昇温させる必要があるが、前述のとおりポリイミドの耐熱温度は300℃程度であることから、250℃程度までは短時間で昇温できるものの、250℃~300℃までの昇温には時間がかかり、スイッチをONとしてから喫煙を始めるまでに長時間を要する、という問題がある。
【0005】
そのため、特許文献1に記載のヒーターアッセンブリでは、加熱要素20の内側にグラファイト層40を設けることで加熱要素20を均一分散させ、加熱チャンバ60(図5のカートリッジ14に相当)を均一昇温できるようにしている。しかしながら、ポリイミドヒーターを用いているため加熱温度が低いという問題と、速やかな昇温という問題は解決することができない。
【0006】
また、特許文献2に記載の電子タバコヒーターでは、高温に耐えることができ、カートリッジを均一に加熱できるセラミック発熱体10を備えているとともに、予備加熱装置20を設けていて、喫煙を開始する前にカートリッジを200℃まで予加熱することで、セラミック発熱体10によるカートリッジの昇温時間の短縮を図っている。さらに、特許文献2に記載の電子タバコヒーターでは、セラミック発熱体10を密封カバー4内に収容していて、セラミック発熱体10によって加熱された空気が放散されないようにしている。
この密封カバー4の材質やセラミック発熱体10との隙間寸法については明細書等に記載が見当たらず不明であるが、この文献に記載の電子タバコヒーターでは、ポリイミドヒーターと同程度の280℃~320℃までの加熱を前提としていて、それ以上の温度に加熱するという概念は存在しない(例えば段落0109の記載参照)ことから、密封カバー4はポリイミド等の樹脂で形成されているものと推測することができる。また、この文献に記載の電子タバコヒーターでは、セラミック発熱体10とは別に予備加熱装置20を設けていて、この予備加熱装置20予め200℃程度まで予加熱することで加熱時間の短縮を図っているが、予加熱することは加熱時間短縮の根本的な解決にはならず、バッテリの寿命が短くなるうえ、電子タバコの装置構成が複雑になってコスト高になるという問題がある。
【0007】
さらに、特許文献3に記載の電子タバコ発熱体は、セラミックパイプ1の外周に、発熱塗料で厚膜抵抗3を印刷した基板2を巻き付けたものである。特許文献3の記載からは基板2の材質は不明であるが、厚膜抵抗3と基板2との間に絶縁層(符号及び説明は見当たらない)と思われる部材が介在していることから、基板2はステンレス等の金属シートであると推測できる。
この文献3に記載の電子タバコ発熱体によれば、前記絶縁層の材質が不明であるものの、一般的な樹脂フィルムの絶縁層であるとすればその耐熱温度はポリイミドと同程度であり、均一加熱という問題点は解決できるものの、加熱温度の向上と加熱時間の短縮という二つの問題については解決することができない。
【0008】
また、特許文献4に記載のセラミックヒータは、セラミックから形成されたシート材11の表面に抵抗発熱体を形成し、シート材11をセラミック製の芯材12の周囲に三重に巻き付け、1500℃~1600℃の高温で焼成したものである。
しかし、この文献に記載されたセラミックヒータにおいてシート材11の表面に形成する抵抗発熱体は、タングステン、モリブデン、タンタル、ニオブ、チタン等の一般的な導電材料にAl2O3、CaO及びSiO2を構成成分とするガラス成分を含有させなければならないことから、精密な導電パターンの形成が困難で、量産性が低く、コスト高になるという問題がある。
また、シート材11を三重に巻いているため、一層目と二層目の段差部分及び二層目と三層目の段差部分で隙間が生じやすく、当該隙間でクラック等の欠陥が発生しやすいほか、発熱効率も低下するという問題がある。
さらに、この文献に記載のセラミックヒータは、1000℃以上の高温で加熱が可能であるものの、大容量の電源を必要とするため電子タバコのような小型機器には不向きであること、450℃~550℃の加熱で十分である電子タバコ用の加熱素子としては過剰性能であり、コスト的に無駄であるとい問題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2023-505331号公報(段落0051等の記載参照)
特許第7292756号公報(段落0109等及び図面の記載参照)
中国公開特許CN104703308号(図1参照)
特開2018-166044号公報(図面の図2の記載参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、これら従来技術が有する問題点を解決するためになされたもので、カートリッジ内のタバコ成分を400℃以上まで均一、かつ、短時間で加熱することが可能であり、低廉なコストで製造が可能で電子タバコに適した加熱素子の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPatで参照する
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