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公開番号2025101575
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-07
出願番号2023218517
出願日2023-12-25
発明の名称乾式吹き付け用不定形耐火物及びこれを用いた乾式吹き付け施工方法
出願人美濃窯業株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C04B 35/66 20060101AFI20250630BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】シリカゾルを使用することなく全てを乾粉の材料構成とし、水を使用して乾式吹き付け施工することで、従来のシリカゾルを添加した材料構成のものと同様な通気率を有し速やかに乾燥する施工体を形成できる、作業負荷を大幅に低減した乾式吹き付け用不定形耐火物の提供。
【解決手段】粉体混合物に水を添加してノズル先端から吹き付け施工する際に用いる不定形耐火物であり、粉体混合物が、乾粉の耐火材料に、乾粉の、アルミナセメント、塩基性乳酸アルミニウム及び珪酸アルカリを含み、アルミナセメントを、酸化カルシウム成分が、耐火材料100%に対して外掛けで0.3~3.0%の範囲内となる量で含み、乾粉の塩基性乳酸アルミニウムを、耐火材料100%に対して外掛けで0.1~3.0%の範囲内の量で含み、珪酸アルカリを、耐火材料100%に対して外掛けで0.1~3.0%の範囲内の量で含む乾式吹き付け用不定形耐火物。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
粉体混合物を、水を含む混合状態にしてノズルの先端から吹き付けて施工をする際に用いる乾式吹き付け用不定形耐火物であって、
前記粉体混合物が、乾粉の耐火材料に、硬化剤として、乾粉のアルミナセメント、乾粉の塩基性乳酸アルミニウム及び乾粉の珪酸アルカリを含んでなり、
前記アルミナセメントを、その酸化カルシウム成分が、前記耐火材料100質量%に対して外掛けで、0.3質量%以上3.0質量%以下の範囲内となる量で、
前記乾粉の塩基性乳酸アルミニウムを、前記耐火材料100質量%に対して外掛けで、0.1質量%以上3.0質量%以下の範囲内の量で、
前記珪酸アルカリを、前記耐火材料100質量%に対して外掛けで、0.1質量%以上3.0質量%以下の範囲内の量で、含んでなることを特徴とする乾式吹き付け用不定形耐火物。
続きを表示(約 430 文字)【請求項2】
前記施工によって形成される施工体である、不定形耐火物を養生後に110℃で24時間以上乾燥した乾燥体の通気率が、5×10
-15


以上である請求項1に記載の乾式吹き付け用不定形耐火物。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の乾式吹き付け用不定形耐火物を吹き付けノズルから被施工面に吹き付けて、乾式吹き付け施工する施工方法であって、
前記粉体混合物を前記吹き付けノズルに送り、該吹き付けノズルの先端部で水を添加して前記粉体混合物を水と混合し、得られた混合体を前記吹き付けノズル先端から被施工面に吹き付けて施工を行うことを特徴とする乾式吹き付け施工方法。
【請求項4】
前記得られた混合体を前記吹き付けノズル先端から被施工面に吹き付けて行う施工を、前記吹き付けノズルの先端部で水を添加して前記粉体混合物を水と混合した後、直ちに行う請求項3に記載の乾式吹き付け施工方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は乾式吹き付け用不定形耐火物の技術に関し、詳しくは、乾粉の、アルミナセメント、塩基性乳酸アルミニウム及び珪酸アルカリを硬化剤とし、これらを乾粉の耐火材料のバインダー(結合剤)にしてなる、全てを乾粉からなる材料構成としたことで、乾式吹き付け施工における取扱い性が格段に向上し、しかも、施工体の短時間乾燥、耐爆裂性にも優れた効果を示す、乾式吹き付け施工用不定形耐火物及びこれを用いた乾式吹き付け施工方法を提供する技術に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
耐火物の施工において、不定形耐火物の流し込み施工、塗り込み施工及び吹き付け施工等が行われている。中では、流し込み施工が主流であるが、流し込み施工は、施工現場での大型ミキサーによる混練作業、枠掛け作業及び脱枠作業が必要となり、作業は煩雑で、施工が大がかりになる。一方、吹き付け施工は、このような煩雑な作業がない点が長所として挙げられる。
【0003】
吹き付け施工は大きく、湿式吹き付け施工と乾式吹き付け施工とに大別される。湿式吹き付け施工は、ミキサー等の混練作業により耐火材料と水とを十分に混練し、得られたスラリー状の混練物をポンプで圧送しながら、吹き付けノズル先端部でエアーと急結剤(硬化剤)とを導入し、吹き付ける施工方法である。一方、乾式吹き付け施工は、水分を含まないことから小型、簡易設備で比較的作業性がよい乾粉の混合作業後にその混合物を圧縮空気で圧送し、吹き付けノズル先端部において乾粉状の耐火材料に水を添加してノズル内で混練し、これを吹き付けて施工体を得る施工方法である。そのため、乾式吹き付け施工は、より簡便な施工方法として、有用性が高い施工方法である。
【0004】
ここで、不定形耐火物を施工後、急激な昇温をした場合、内部蒸気圧が施工体強度を上回り、施工体が破裂する「爆裂」と呼ばれる現象が起こることが知られており、爆裂が起こらないようにしなければならない。上記した有用性が高い施工方法である乾式吹き付け施工においても、施工後、窯炉の温度を上げて、乾燥させていく際に、内部の水蒸気が耐火材料の気孔を介して抜けていく際に爆裂を生じることがあり、爆裂を防止することが要求される。
【0005】
例えば、乾式吹き付け施工用耐火物のバインダーとして、乾粉のアルミナセメントと第一リン酸カリウムを使用することで、接着性が高く、アンカーを設置しなくても施工可能であるとした乾式吹き付け施工用耐火物が提案されている(特許文献1参照)。しかし、従来の乾式吹き付け用耐火物では、乾粉のアルミナセメントをバインダーとして、吹き付け直前に、吹き付け用のノズル内で、乾粉の耐火材料に水を合わせて、被施工面(対象物)に耐火材料を吹き付けているため下記の課題があった。上記のようにして乾式吹き付け施工した場合、施工直後は水分を含んでいるため、炉の昇温とともに、その水分を水蒸気として抜いて乾燥させる必要がある。その際、室温でアルミナセメントの水和により硬化する従来の乾式吹き付け用耐火物の場合、吹き付け施工した施工体の表面は、空気透過性が低いものになる。このため、吹き付け施工をした施工体が内部水蒸気による圧力で爆裂しないように、時間をかけて炉の昇温をしなければならず、乾燥時間が長くなるという課題があった。
【0006】
上記の課題に対し、吹き付け施工してなる耐火物の気孔を増やすことで乾燥時間を短縮する手法として、アルミナセメントの量を減らし、水の代わりとして、水にシリカのコロイド粒子を分散させたシリカゾルを含有させる手法が提案されており、使用もされている。この手法によれば、下記の作用で乾燥時間の短縮を実現している。すなわち、シリカゾルの凝集及びゲル化により硬化する際に微細な亀裂を形成し気孔となることで空気透過率が高くなり、吹き付け施工してなる施工体内の気孔が増えて、内部の水蒸気が耐火材料の気孔を介して抜けていき爆裂しにくくなることから、施工体乾燥時の炉の昇温速度を高めることが可能となる。
【0007】
本願出願人は、特許文献2で、アルミナセメントの量を大幅に減らしてシリカゾルを添加した乾式吹き付け用不定形耐火物を提案している。この発明によれば、施工体乾燥時の炉の昇温速度を高めることができるとともに、シリカゾル添加乾式吹き付け用不定形耐火物の課題の一つである低い養生強度の問題が解決される。具体的には、アルミナセメントと水硬性アルミナを添加することで、施工体の24時間後の養生強度を1.0MPa以上とした有用な効果を得ている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2015-196638号公報
特許第7174184号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記したように、本願出願人が提案したシリカゾル添加乾式吹き付け用不定形耐火物によれば、上記の優れた効果が得られる。これに対し本発明者らは、上記従来技術の吹き付け用の不定形耐火物においては、材料に用いたシリカゾルの特性に起因する、ストレージ(保管)、ハンドリング、輸送などの取り扱いが煩雑であるという課題があり、この点を改善できればさらに有用な技術になるとの認識をもった。具体的には、シリカゾル添加乾式吹き付け用不定形耐火物を用いる場合、吹き付けノズルから被施工面に吹き付け施工する際に、乾粉材料に液状のシリカゾルを添加する必要があり、このことに起因して、下記に挙げるような種々の作業等が必要になる。まず、乾粉の耐火材料などの乾粉材料の混合物とは別に、一斗缶(18リッター)に入った液状のシリカゾルを準備する必要がある。そして、施工現場へ、乾粉の材料とともに、別途シリカゾルが入った一斗缶を必要量輸送しなければならない。また、施工する前には、シリカゾルが入った一斗缶を保管するための場所を施工現場に確保しなければならない。さらに、施工現場では、一斗缶を開封し、シリカゾルを、液体を貯める容器の中に流し込むことや、空になった一斗缶を潰して廃棄するなどの諸作業をする必要がある。
【0010】
上記した施工における作業の実情に対して、本発明者らは、シリカゾルを使用することなく、全てを乾粉からなる材料構成とし、該乾粉材料に水を加えて混合した混練物を吹き付けノズルから被施工面に吹き付けて施工をするという簡便な作業で、形成される施工体が、シリカゾルを添加した従来技術における材料構成の耐火物を使用した場合と同様に、適度な気孔が形成された、通気率を高めた構成になる乾式吹き付け不定形耐火物が実現できれば、施工体が短時間乾燥できる耐爆裂性を有するものになり、何より、上記のような煩雑な作業がなくなり作業負荷を格段に低減でき、効率のよい現場作業が実現可能となるとの認識をもった。
(【0011】以降は省略されています)

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