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公開番号2025099989
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-03
出願番号2023217047
出願日2023-12-22
発明の名称餅構造体およびその製造方法ならびに鏡餅の製造方法
出願人国立大学法人豊橋技術科学大学,個人
代理人個人,個人
主分類A23L 7/10 20160101AFI20250626BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】 大型の餅を硬化させたうえで奉納等に使用する場合に、従来と同様の質感や風合いを生じさせつつ軽量化を可能とする餅構造体を提供することであり、その製造方法と複数段の鏡餅の製造方法を提供する。
【解決手段】 餅構造体は、一般的な餅による場合に比較して軽量に構成され、全体構造における基礎となるべき部分を形成する基礎構成部材10と、基礎構成部材の少なくとも平面部および側面部を被覆するように設けられ、基礎構成部材を保護する保護層20と、餅または餅代替品によって構成され、保護層を介在させつつ基礎構成部材の少なくとも平面部および側面部に積層される表層部30とを備える。餅構造体の製造方法は、基礎構成部材の表面に表層部を供給し、側面部の表層部の表面に押圧帯体を装着して硬化させる。鏡餅の製造方法は、各段を個別の餅構造体として製造し、硬化後に積層する。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
飾り餅または鏡餅のように、餅を硬化させたうえで使用される餅構造体であって、前記餅構造体は、
餅米を使用して製造される一般的な餅による場合に比較して軽量に構成され、全体構造における基礎となるべき部分を形成する基礎構成部材と、
前記基礎構成部材の少なくとも平面部および側面部を被覆するように設けられ、前記基礎構成部材を保護する保護層と、
餅米を主たる材料としつつ製造される餅または餅代替品によって構成され、前記保護層を介在させつつ前記基礎構成部材の少なくとも平面部および側面部に積層される表層部と
を備えることを特徴とする餅構造体。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記基礎構成部材は、構成すべき前記餅構造体の外形に対して略相似形を有し、前記保護層および前記表層部の肉厚を控除した大きさの外形を形成するものである請求項1に記載の餅構造体。
【請求項3】
前記基礎構成部材は、所定材料を塊状として形成し、または骨組みを用いて内部を空洞として形成したものである請求項2に記載の餅構造体。
【請求項4】
前記保護層は、0.01mm~20mmの肉厚としたシート状部材によって構成されるものである請求項3に記載の餅構造体。
【請求項5】
前記表層部は、餅代替品によって構成されるものであり、前記餅代替品は、餅米に硬化抑制効果を有する添加剤が添加されたものである請求項1~4のいずれかに記載の餅構造体。
【請求項6】
請求項1~5のいずれかに記載の餅構造体を製造する方法であって、
前記餅構造体として製造される全体体積から前記保護層および前記表層部を控除した残余部分を想定し、この残余部分の体積に相当する基礎構成部材を作製する基礎構成部材作製工程と、
前記基礎構成部材の少なくとも平面部および側面部に対して、前記保護層を積層させて該平面部および側面部を保護層によって被覆する被覆工程と、
餅米を使用した餅、または餅米を主たる材料とした餅代替品を製造し、表層部の材料を準備する表層部準備工程と、
前記表層部準備工程で製造された表層部を前記保護層の表面に積層する表層部積層工程と、
前記表層部構成工程により、前記基礎構成部材の側面部に対して積層された表層部のさらに表面側に前記表層部を押圧する押圧帯体を装着し、側面形状を維持させる側面維持工程と、
前記表層部を構成する餅または餅代替品を適宜硬化させる硬化工程と、
前記押圧帯体を除去する押圧帯体除去工程と
を含むことを特徴とする餅構造体の製造方法。
【請求項7】
請求項1~5のいずれかに記載の餅構造体を使用し、平面視において円形の餅構造体によって複数段の鏡餅を製造する方法であって、
予定される鏡餅の段数に応じて、平面視における外径寸法を適宜な間隔で順次縮小させた餅構造体を想定しつつ、各々の餅構造体について、製造される全体体積から前記保護層および前記表層部を控除した残余部分を想定し、この残余部分の体積に相当する基礎構成部材を作製する基礎構成部材作製工程と、
各々の前記基礎構成部材の少なくとも平面部および側面部に対して、前記保護層を積層させて該平面部および側面部を保護層によって被覆する被覆工程と、
餅米を使用した餅、または餅米を主たる材料とした餅代替品を製造し、表層部の材料を準備する表層部準備工程と、
前記表層部準備工程で製造された表層部を各々の前記保護層の表面に積層する表層部積層工程と、
前記表層部構成工程により、各々の前記基礎構成部材の側面部に対して積層された表層部のさらに表面側に前記表層部を押圧する押圧帯体を装着し、側面形状を維持させる側面維持工程と、
各々の前記表層部を構成する餅または餅代替品を適宜硬化させる硬化工程と、
各々の前記押圧帯体を除去する押圧帯体除去工程と、
予定される最下段の餅構造体から順次上段の餅構造体を積層する積層工程と
を含むことを特徴とする鏡餅の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、飾り餅または鏡餅のように、餅を硬化させたうえで使用される餅構造体に関し、特に、神社や寺社における奉納用またはお供え用としての餅に使用される餅構造体と、それらの製造方法に関するものである。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
一般的な神社や寺社における奉納用またはお供え用としての餅は、丸く平らにして鏡のように作られた鏡餅が周知である。この鏡餅を1段で使用する場合もあれば、2段または3段に重ねて使用する場合がある。専ら市販されている鏡餅は、正月などの祝い物として使用され、一定期間が経過したときに食されるものである。そのため、これまで、鏡餅に関する従来例としては、鏡餅を長期保存に耐え得るように、合成樹脂で包装された包装鏡餅(特許文献1参照)のほか、容器入り鏡餅(特許文献2参照)などが開発されてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開昭64-005463号公報
特開2000-023629号公報
特開2018-167912号公報
実用新案登録第3158052号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前掲の特許文献1および2に開示される技術は、包装され、または容器に封入された餅を長期間保存させるために開発されたものであって、一般家庭で使用される場合を前提としたものであった。ところが、合成樹脂によって包装され、または容器に入れられた餅は、明らかに表面が合成樹脂によって被覆されていることが視認可能となり、人工的な外観となることから、餅米から製造した餅とは質感や風合いが大きく相違するものとなっていた。そのため、神社等に奉納等する場合には、奉納等する者が納得し難い状況ともなっていた。また、神社や寺社における奉納用またはお供え用としての餅は、直径500mmを超える大きさのものが使用され、これを複数段に重ねて奉納等されることがあり、小さい餅(最上段に置かれるもの)でも直径が300mm程度を超えるものとなっており、個々の餅が大重量であり、直径が1,000mm程度になると、100kgを超える餅(いわゆる大鏡餅)が製造されることも稀ではなかった。この種の餅を製造する際には、一度に何升もの餅米を蒸し、餅の形に成形しており、適度に硬化した段階で、複数人で所定の場所まで移動させていた。
【0005】
ところが、近年では、このような作業に従事する者が減少しつつあり、また、大量の餅米を使用して餅を作ったとしても、その後に、これら全部が食されるものでもなく、大量に廃棄せざるを得ない状況となっていた。このことは、近年のSDGsに代表されるような持続可能な開発目標の一種である環境劣化に関する目標に反することとなり、これを放置することを是とすべきでないことは明白となっている。また、餅米の不作の年には、餅米の価格が高騰し、大量の餅米を調達することが難しい場合もあり、餅米の使用量を軽減させる方策が切望されていた。
【0006】
なお、前掲の特許文献のほかに、内部を中空とし、この中に個別包装された切り餅等を封入するもの(特許文献3参照)または同様に内部を中空として、硬化後の切断を容易にするもの(特許文献4参照)なども開発されているが、これらについても鏡餅本体が包装された鏡餅または単なる容器として使用されるものであり、上述のような大鏡餅等の重量を軽減させるためのものではなかった。
【0007】
本発明は、上記諸点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、大型の餅を硬化させたうえで奉納等に使用する場合に、従来と同様の質感や風合いを生じさせつつ軽量化を可能とする餅構造体を提供することであり、その製造方法と複数段の鏡餅の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、餅構造体に係る第1の発明は、飾り餅または鏡餅のように、餅を硬化させたうえで使用される餅構造体であって、前記餅構造体は、餅米を使用して製造される一般的な餅による場合に比較して軽量に構成され、全体構造における基礎となるべき部分を形成する基礎構成部材と、前記基礎構成部材の少なくとも平面部および側面部を被覆するように設けられ、前記基礎構成部材を保護する保護層と、餅米を主たる材料としつつ製造される餅または餅代替品によって構成され、前記保護層を介在させつつ前記基礎構成部材の少なくとも平面部および側面部に積層される表層部とを備えることを特徴とする。
【0009】
上記構成によれば、餅構造体の全体構造における基礎となるべき基礎構成部材が、一般的な餅に比較して軽量に構成されるものであるから、保護層および表層部を合わせた総重量も全体として軽量に構成することができる。基礎構成部材の体積、特に全体に対する割合を大きくすれば、軽量化の度合いを大きくすることができる。他方において、表層部は、基本的に一般的な餅を使用し、また、餅米に添加物を付加することにより餅代替品として使用することにより、この表層部の質感・風合いが、これまでの一般的な餅を使用した場合と遜色ないものとなり得る。なお、「餅構造体」とは、飾り餅や鏡餅のように使用される「餅」と同様の外観を有しつつ、全体が「餅」または「餅代替品」によって製造されたものではなく、これらに似せて構成した物を指すものである。従って、餅代替品は、餅米を使用しないものであってもよく、「餅」と称されるものとは異質の物体である場合も含まれ得るものである。
【0010】
餅構造体に係る第2の発明は、前記第1の発明において、前記基礎構成部材が、構成すべき前記餅構造体の外形に対して略相似形を有し、前記保護層および前記表層部の肉厚を控除した大きさの外形を形成する構成としたことを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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