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公開番号2025096079
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-26
出願番号2023212577
出願日2023-12-15
発明の名称ミシンにおける紐状素材の案内装置
出願人株式会社TISM
代理人個人
主分類D05B 35/06 20060101AFI20250619BHJP(縫製;刺しゅう;タフティング)
要約【課題】 紐状素材を案内する際に該紐状素材が受ける動摩擦力を低減させることができるようにし且つ紐状素材の噛み込みも防止できるようにする。
【解決手段】 供給源から繰り出された紐状素材Aを通過させる固定開口38eを有する固定部38と、ガイド先端部35の回動に追従して回動するように構成され、該固定開口を通過してきた紐状素材Aを通過させる通し孔37dを有し、該通し孔を通過した紐状素材Aをガイド先端部35に誘導する回動部37を備える。さらに、回動軸に略同心状に且つ該固定開口及び通し孔よりも回動軸寄りに配置され、且つ該回動部と固定部の両者に対して回転自在に構成された内部リング39を備え、該内部リングの少なくとも一端がフランジ形状39a、39bとなっている。紐状素材Aが内部リング39の端から外れるような動きをするとき該フランジ形状により止められる。
【選択図】 図4
特許請求の範囲【請求項1】
縫針の針元位置へ紐状素材を案内するためのガイド先端部の向きを、被縫製物の移動方向に応じて回動制御するように構成されたミシンにおいて、前記紐状素材の供給源から繰り出された前記紐状素材を前記ガイド先端部に誘導するための案内装置であって、
前記供給源から繰り出された前記紐状素材を通過させる固定開口を有する固定部と、
前記ガイド先端部の回動に追従して回動するように構成された回動部であって、前記固定開口を通過してきた前記紐状素材を通過させる通し孔を有し、該通し孔を通過した前記紐状素材を前記ガイド先端部に誘導するようにした前記回動部と、
前記回動部の回動軸に略同心状に且つ前記固定開口及び前記通し孔よりも該回動軸寄りに配置され、且つ前記回動部と前記固定部の両者に対して回転自在である内部リングとを備え、該内部リングは少なくともその一端がフランジ形状となっていることを特徴とする案内装置。
続きを表示(約 330 文字)【請求項2】
前記内部リングの前記フランジ形状に対面する前記回動部又は前記固定部の部分に、該フランジ形状を嵌入させる段差が形成されている請求項1の案内装置。
【請求項3】
前記回動部又は前記固定部は面状部分を有し、該面状部分の一部に前記段差が形成されており、前記内部リングの前記フランジ形状の表面が前記面状部分と略面一となるように構成した請求項2の案内装置。
【請求項4】
前記内部リングの両端が前記フランジ形状となっている請求項1から3までのいずれかの案内装置。
【請求項5】
前記固定部は、前記回動部と共に回転しないように該回動部の周囲をカバーするように構成されている請求項1から4までのいずれかの案内装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、テープやコードあるいはヒーター線などの紐状素材を本縫いによって布地に縫い付ける形式のミシンに適用されるもので、該紐状素材を案内するための案内装置に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
上下に駆動される針棒と、針棒の下端部に取付けられた縫針と、針棒と同軸心上に組付けられ、その軸心回りの回転が自由な回転体と、この回転体に取付けられて縫針の針元位置へ紐状素材を案内するガイド先端部とを備え、刺繍データに基づく布地の移動方向に応じて回転体を回転制御し、針元位置への紐状素材の案内方向が適正となるようにガイド先端部の向きを変更しつつ、この紐状素材を本縫いにより布地に縫い着ける形式のミシンが、従来から知られている。紐状素材の供給源として、大量の紐状素材を巻装した大型のボビンをミシンの上部に配置する構成が採用されるようになったことにより、供給源からガイド先端部に至る紐状素材の誘導ルートにおいて、針元の周囲で回動するガイド先端部の動きに対処し得るような仕組みを持つことが要求され、そのための工夫を施した案内補助機構が要求されている。
【0003】
例えば、下記特許文献1では、供給源から繰り出された紐状素材を可撓性のチューブに通してガイド先端部とへと誘導する構造からなる案内補助機構を開示している。この可撓性のチューブは、ガイド先端部の回動に追従できるように、十分な長さを有して大きく弛んだ状態を成すように構成される。しかし、該チューブに紐状素材を通す作業は人手で行わねばならないので煩雑であるという問題や、回転体にチューブが絡むという問題等があった。
【0004】
この点に鑑み、下記特許文献2では、そのような可撓性のチューブを用いる構造とは全く異なる案内補助機構を開示している。そこに開示された案内補助機構は、供給源から繰り出された紐状素材を固定開口にて通過させるように構成されたカバー部材と、該カバー部材の固定開口を通過してきた紐状素材を通過させる開口を有し且つガイド先端部の回動に追従して回動するように構成された環状案内体とを含み、該環状案内体の開口を通過した紐状素材をガイド先端部に導入するように構成されている。このような構成においては、環状案内体がガイド先端部の回動に追従して回動するので、カバー部材の固定開口から環状案内体の開口を通ってガイド先端部へと延びた紐状素材は、環状案内体の回動運動にサポートされつつ該ガイド先端部の回動に追従して円滑に案内されることになる。1ステッチ毎のガイド先端部の回動方向(時計方向又は反時計方向)及び回動角度は、縫いパターンに応じて様々に異なり、よって、複数ステッチにわたる累積的回動角度量は1回転以上になり得ることになり、これに追従する環状案内体の累積的回動角度量も1回転以上になり得ることになる。これに対して、カバー部材の固定開口の位置は常に固定されているため、環状案内体の回動若しくは累積的回動につれて、該固定開口から環状案内体の前記開口に至る紐状素材部分が、環状案内体の回動軸の周りで時計方向又は反時計方向に巻きつけられ或いは巻き戻されることが繰り返される。そのような環状案内体の回動軸の周りでの紐状素材部分の巻きつけをスムーズにするために、環状案内体においては、その回動軸心と略同心状に円筒部が立設されており、該紐状素材部分はこの円筒部に接触して摺動し且つ巻きつけられ或いは巻き解かれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2005-144056号公報
特開2014-46100号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した特許文献2に示された案内補助機構の構成によれば、紐状素材部分が接触して巻きつけられる前記円筒部は環状案内体に固定されているため、縫いの進行に伴って紐状素材が繰り出されるとき、該紐状素材部分は該円筒部の外周面上を摺動(擦動)しながらガイド先端部側に引っ張られていくことになり、そのため、円筒部から動摩擦力を受けることになる。これにより、紐状素材に余分な張力がかかってしまうという問題がある。この問題は、環状案内体の円筒部の外周に回転自在の回転リングを設け、回転リングに紐状素材が巻き掛けられるようにすることで解決することができる。しかし、そうすると回転リングの端部と環状案内体又はカバー部材の対向箇所との間には、必然的に、多少なりとも隙間ができるので、その隙間に紐状素材が噛み込まれるおそれがある。
【0007】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたもので、紐状素材を案内する際に該紐状素材が受ける動摩擦力を低減させることができるようにし且つ該紐状素材の噛み込みも防止できるようにした紐状素材の案内装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る案内装置は、縫針の針元位置へ紐状素材を案内するためのガイド先端部の向きを、被縫製物の移動方向に応じて回動制御するように構成されたミシンにおいて、前記紐状素材の供給源から繰り出された前記紐状素材を前記ガイド先端部に誘導するための案内装置であって、前記供給源から繰り出された前記紐状素材を通過させる固定開口を有する固定部と、前記ガイド先端部の回動に追従して回動するように構成された回動部であって、前記固定開口を通過してきた前記紐状素材を通過させる通し孔を有し、該通し孔を通過した前記紐状素材を前記ガイド先端部に誘導するようにした前記回動部と、前記回動部の回動軸に略同心状に且つ前記固定開口及び前記通し孔よりも該回動軸寄りに配置され、且つ前記回動部と前記固定部の両者に対して回転自在である内部リングとを備え、該内部リングは少なくともその一端がフランジ形状となっていることを特徴とする。
【0009】
前記内部リングは前記固定開口及び前記通し孔よりも回動軸寄りに配置されており、縫いの進行に伴って紐状素材が繰り出される際に、該固定開口から該通し孔に至る紐状素材の部分は該内部リングの外周に接し得ることになる。紐状素材の部分が該内部リングの外周に接した状態において、該紐状素材がガイド先端部側に引っ張られると、内部リングは、回転自在であるから、それに追従して自由に回転するので、紐状素材と内部リングとの間に動摩擦力は殆ど生じないか若しくは僅かにしか生じないことになる。従って、紐状素材が受ける動摩擦力を低減させることができる。内部リングは少なくともその一端がフランジ形状となっているので、該フランジ形状により、該内部リングに接触した又は巻き掛けられた或いは巻き解かれる紐状素材が該内部リングの端から軸方向に(上又は下方向に)外れることを未然に防止する。従って、紐状素材が該内部リングの端から軸方向に外れることによって生じ得る、該内部リングとそれに隣接する部材(前記回動部又は固定部)との間の隙間に紐状素材が噛み込まれることを防止することができる。
【0010】
一実施例において、前記内部リングの前記フランジ形状に対面する前記回動部又は前記固定部の部分に、該フランジ形状を嵌入させる段差が形成されていてもよい。このように内部リングのフランジ形状を回動部又は固定部の段差に嵌入させる構造としたことにより、回動軸の径方向(水平方向)に延びる隙間が生じないことになり、該径方向(水平方向)への紐状素材の動きに起因する該紐状素材の噛み込みが発生しないものとなる。さらに、前記回動部又は前記固定部は面状部分を有し、該面状部分の一部に前記段差が形成されていて、前記内部リングの前記フランジ形状の表面が前記面状部分と略面一となるように構成してもよい。これにより、該フランジ形状の外側から回転軸方向に向かう紐状素材の動きをスムーズにし、隙間への入り込みを効果的に防止することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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