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公開番号2025092596
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-19
出願番号2025054050,2022526785
出願日2025-03-27,2020-11-11
発明の名称アロステリックEGFR阻害剤及びその使用方法
出願人デイナ ファーバー キャンサー インスティチュート,インコーポレイテッド
代理人個人,個人
主分類C07D 401/14 20060101AFI20250612BHJP(有機化学)
要約【課題】本発明が解決しようとする課題は、変異体EGFRを標的とする、代替の作用メカニズムを有する強力な低分子EGFR阻害剤を提供することである。
【解決手段】本発明は、上皮成長因子受容体(EGFR)のアロステリック阻害剤として作用する化合物、本化合物を含む医薬組成物、並びにがん及び他の増殖疾患を含めたキナーゼが媒介する障害の処置又は予防方法に関する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
式X:
JPEG
2025092596000230.jpg
37
170
の化合物又はその薬学的に許容される塩
(式中、
AはO又はSであり、
W及びZはそれぞれ独立にN、CH、C-ハロ、C-(C
1
~C
3
アルキル)又はC-(C
1
~C
3
アルコキシ)であり、
X及びYはそれぞれ独立にN、CH又はCR
3
であり、
ただしW、X、Y又はZの少なくとも1つはCHであり、
R
1
は、6~10員アリール、5~10員ヘテロアリール、3~10員ヘテロシクロアルキル及び3~10員シクロアルキルからなる群から選択され、そのすべてが場合により1つ、2つ又は3つのR
8
で置換されており、
R
2
は、6~10員アリール、5~10員ヘテロアリール、3~10員ヘテロシクロアルキル及び3~10員シクロアルキルからなる群から選択され、そのすべてが場合により1つ、2つ又は3つのR
6
で置換されており、
R
3
は出現毎に独立に、ハロゲン、OR
4
、NR
4
R
4
、SO
2
R
4
、SO
2
NHR
4
、NHSO
2
R
4
、C(O)OR
4
、C(O)NHR
4
、C(O)R
4
、C
1
~C
6
アルキル、C
2
~C
6
アルケニル、C
2
~C
6
アルキニル、3~7員シクロアルキル、C
4
~C
7
シクロアルケニル、C
6
~C
10
アリール、5~6員ヘテロアリール及び5~7員ヘテロシクリルからなる群から選択され、ここでアルキル、アルケニル又はアルキニルはそれぞれ場合によりR
4
で1回、2回又は3回置換されており、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルはそれぞれ場合によりR
5
で1回、2回又は3回置換されており、
R
4
は出現毎に独立に、H、(CH
2
)
0~3
-(C
3
~C
7
シクロアルキル)、(CH
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記化合物が式IIa:
JPEG
2025092596000231.jpg
37
170
の化合物又はその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
R
6
が出現毎に独立に、ヒドロキシ又はハロである、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
R
1
が、ベンズイミダゾール、イミダゾピラジン、プリン、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール及びイミダゾピリジンからなる群から選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
R
1

JPEG
2025092596000232.jpg
43
170
からなる群から選択され、そのすべてが場合により1つ、2つ又は3つのR
8
で置換されている、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
R
3
がフェニル又はC
2
~C
3
アルキニルであり、ここでフェニルは場合によりR
5
で1回又は2回置換されており、アルキニルは場合によりR
4
で1回又は2回置換されている、請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
前記化合物が
JPEG
2025092596000233.jpg
185
170
JPEG
2025092596000234.jpg
185
170
JPEG
2025092596000235.jpg
190
170
JPEG
2025092596000236.jpg
175
170
JPEG
2025092596000237.jpg
186
170
JPEG
2025092596000238.jpg
181
170
JPEG
2025092596000239.jpg
152
170
又はそれらの薬学的に許容される塩からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、及び少なくとも1つの薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項9】
第2の活性薬剤を更に含む、請求項8に記載の医薬組成物。
【請求項10】
第2の活性薬剤が、MEK阻害剤、PI3K阻害剤及びmTor阻害剤からなる群から選択される、請求項9に記載の医薬組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
連邦政府による資金提供を受けた研究又は開発に関する記載
本発明は、米国国立衛生研究所(NIH)により授与された助成金第R01 CA201049号の下で政府の支援により行われた。政府は本発明において一定の権利を有する。
続きを表示(約 5,600 文字)【0002】
関連出願
本出願は、2019年11月11日出願の米国仮出願第62/933,776号及び2020年5月27日出願の米国仮出願第63/030,655号の優先権を主張するものであり、その内容はその全体が本明細書に組み込まれている。
【背景技術】
【0003】
上皮成長因子受容体(EGFR、Erb-B1)は、正常細胞及び悪性細胞の増殖、分化及び生存を媒介する受容体型チロシンキナーゼファミリーに属する(Arteaga、C. L.、J. Clin. Oncol. 19、2001、32~40頁)。EGFRの脱制御は多くのタイプのヒトのがんと関係していることが示唆されており、ヒトのがんの少なくとも70%に該受容体が過剰発現しており(Seymour、L. K.、Curr. Drug Targets 2、2001、117~133頁)、それらには非小肺細胞癌、乳がん、神経膠腫、頭頸部扁平上皮癌及び前立腺がんが含まれる(Raymond、E.ら、Drugs 60(Suppl. 1)、2000、15~23頁、discussion 41~2頁;Salomon、D. S.ら、Crit. Rev. Oncol. Hematol. 19、1995、183~232頁;Voldborg B. R.ら、Ann. Oncol. 8、1997、1197~1206頁)。従って、EGFRは、診断薬及び治療薬であって、がん細胞内で特異的に結合すること及び該受容体のチロシンキナーゼ活性及びシグナル伝達経路を阻害することができる診断薬及び治療薬のデザイン及び開発のための魅力的な標的として知られるようになった。例えば、NSCLC及び進行型膵がんの処置用に、EGFRチロシンキナーゼ(EGFR-TK)可逆的阻害剤のTARCEVA RTMがFDAによって承認されている。ラパチニブ RTM及びIRESSA RTMを含めた他の抗EGFR標的化分子も承認されてきた。
【0004】
上皮成長因子受容体(EGFR)チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)は、EGFR変異進行型非小細胞肺がん(NSCLC)の患者にとって有効な臨床治療である(Mok、T. S.ら、N. Engl. J. Med. 361、2009、947~57頁;Paez、J. G.ら、Science 304、2004、1497~500頁;Lynch、T. J.ら、N. Engl. J. Med. 350、2004、2129~39頁;Rosell、R.ら、Lancet Oncol. 13、2012、239~46頁)。進行型EGFR変異NSCLCに対して最初の全身処置として使用した場合には、奏効率(RR)及び無増悪生存期間(PFS)で評価する限り、EGFR TKIは化学療法よりも有効であることが複数の無作為化臨床試験によって実証されている(Mok、T. S.ら、N. Engl. J. Med. 361、2009、947~57頁;Rosell、R.ら、Lancet Oncol. 13、2012、239~46頁; Sequest、L. V.ら、J. Clin. Oncol. 31、2013、3327~34頁; Wu、Y. L.ら、Lancet Oncol. 15、2014、213~22頁;Maemondo、M.ら、N. Engl. J. Med. 362、2010、2380~8頁;Zhou、C.ら、Lancet Oncol. 12、2011、735~42頁;Mitsudomi、T.ら、Lancet Oncol. 11、2010、121~8頁)。しかし、患者の大部分では、EGFR TKIでの処置が成功した後に、疾患の進行が現れることになる。患者の60%で検出される獲得耐性の最も共通するメカニズムは、EGFRの位置T790における二次変異(T790M)である(Yu、H. A.ら、Clin. Cancer Res. 19、2013、2240~7頁)。この変異はATPの親和性向上につながり、それにより可逆的EGFR TKIのゲフィチニブ及びエルロチニブのEGFR TKIドメインへの結合がより困難になる(Yun C. H.ら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 105、2008、2070~5頁)。
【0005】
共有結合性のEGFR阻害剤が、EGFR T790Mを含有するがんを阻害するものとして知られるようになった。しかし肺がん患者においては、アファチニブのみがEGFR TKIナイーブのEGFR変異がんにおいて有効であり、ゲフィチニブ又はエルロチニブに対して耐性を獲得したNSCLCの患者においては10%未満のRRである(Miller、V. A.ら、Lancet Oncol. 13、2012、528~38頁)。アファチニブは、変異体及び野生型(WT)の両EGFRの強力な阻害剤である。WT EGFRの阻害は皮膚の発疹及び下痢を含めた毒性につながり、患者におけるアファチニブの用量をEGFR T790Mを阻害するために必要な用量にまで高めていくための能力を制限する。ツール化合物WZ4002並びに臨床化合物CO-1686及びAZD9291を含めた不可逆的ピリミジンEGFR阻害剤は、アファチニブの制限の多くを克服している(Zhou、W.ら、Nature 462、2009、1070~4頁;Walter、A. O.ら、Cancer Discov. 3、2013、1404~15頁;Cross、D. A. E.ら、Cancer Discov. 4、2014、1046~61頁)。それらはEGFR T790Mに対してより強力であるだけではなく、変異体をWT EGFRよりも選択的に阻害するため、アファチニブと比較して高い臨床効果及び低い毒性へとつながるものとなる(Zhou、W.ら;Walter A. O.ら、Cross、D. A. E.ら)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
Arteaga、C. L.、J. Clin. Oncol. 19、2001、32~40頁
Seymour、L. K.、Curr. Drug Targets 2、2001、117~133頁
Raymond、E.ら、Drugs 60 (Suppl. 1)、2000、15~23頁、discussion 41~2頁
Salomon、D. S.ら、Crit. Rev. Oncol. Hematol. 19、1995、183~232頁
Voldborg B. R.ら、Ann. Oncol. 8、1997、1197~1206頁
Mok、T. S.ら、N. Engl. J. Med. 361、2009、947~57頁
Paez、J. G.ら、Science 304、2004、1497~500頁
Lynch、T. J.ら、N. Engl. J. Med. 350、2004、2129~39頁
Rosell、R.ら、Lancet Oncol. 13、2012、239~46頁
Sequest、L. V.ら、J. Clin. Oncol. 31、2013、3327~34頁
Wu、Y. L.ら、Lancet Oncol. 15、2014、213~22頁
Maemondo、M.ら、N. Engl. J. Med. 362、2010、2380~8頁
Zhou、C.ら、Lancet Oncol. 12、2011、735~42頁
Mitsudomi、T.ら、Lancet Oncol. 11、2010、121~8頁
Yu、H. A.ら、Clin. Cancer Res. 19、2013、2240~7頁
Yun C. H.ら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 105、2008、2070~5頁
Miller、V. A.ら、Lancet Oncol. 13、2012、528~38頁
Zhou、W.ら、Nature 462、2009、1070~4頁
Walter、A. O.ら、Cancer Discov. 3、2013、1404~15頁
Cross、D. A. E.ら、Cancer Discov. 4、2014、1046~61頁
Remington's Pharmaceutical Sciences、第17版、Mack Publishing Company、Easton、Pa.、1985、1418頁
Journal of Pharmaceutical Science、66、2(1977)
Deuterium Labeling in Organic Chemistry by Alan F. Thomas (New York、N.Y.、Appleton-Century-Crofts、1971)
The Renaissance of H/D Exchange by Jens Atzrodt、Volker Derdau、Thorsten Fey及びJochen Zimmermann、Angew. Chem. Int. Ed. 2007、7744~7765頁
The Organic Chemistry of Isotopic Labelling by James R. Hanson、Royal Society of Chemistry、2011
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、現行のすべてのEGFR TKIはATP部位を標的にしており、第三世代の不可逆的阻害剤がT790Mを克服し得る一方で、処置されている患者において既に発生しているC797S変異によってそれらはすべて無力となる。キナーゼの変異による活性化は受容体二量体化の事実上「下流」であるため、受容体の二量体化を妨害する抗EGFR抗体のセツキシマブは、EGFR変異NSCLCにおいて有効ではない。それゆえ、EGFRを阻害するための代替の戦略が必要となる。現時点では、変異体EGFRを標的とする、代替の作用メカニズムを有する適した化合物は入手可能ではない。従って、変異体EGFRを標的とする、代替の作用メカニズムを有する強力な低分子EGFR阻害剤が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ある態様では、本明細書で提供されるのは、式I:
【0009】
JPEG
2025092596000001.jpg
33
170
【0010】
の化合物又はその薬学的に許容される塩である
(式中、
A及びA'はそれぞれ独立にCH、CR
8
又はNであり、
W及びZはそれぞれ独立にN、CH、C-ハロ、C-(C
1
~C
3
アルキル)又はC-(C
1
~C
3
アルコキシ)であり、
X及びYはそれぞれ独立にN、CH又はCR
3
であり、
ただしW、X、Y又はZの少なくとも1つはCHであり、
R
1
は、6~10員アリール、5~10員ヘテロアリール、3~10員ヘテロシクロアルキル及び3~10員シクロアルキルからなる群から選択され、そのすべてが場合により1つ、2つ又は3つのR
8
で置換されており、
R
2
は、6~10員アリール、5~10員ヘテロアリール、3~10員ヘテロシクロアルキル及び3~10員シクロアルキルからなる群から選択され、そのすべてが場合により1つ、2つ又は3つのR
6
で置換されており、
R
3
は出現毎に独立に、ハロゲン、OR
4
、NR
4
R
4
、SO
2
R
4
、SO
2
NHR
4
、NHSO
2
R
4
、C(O)OR
4
、C(O)NHR
4
、C(O)R
4
、C
1
~C
6
アルキル、C
2
~C
6
アルケニル、C
2
~C
6
アルキニル、3~7員シクロアルキル、C
4
~C
7
シクロアルケニル、C
6
~C
10
アリール、5~6員ヘテロアリール及び5~7員ヘテロシクリルからなる群から選択され、ここでアルキル、アルケニル又はアルキニルはそれぞれ場合によりR
4
で1回、2回又は3回置換されており、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルはそれぞれ場合によりR
5
で1回、2回又は3回置換されており、
R
4
は出現毎に独立に、H、(CH
2
)
0~3
-(C
3
~C
7
シクロアルキル)、(CH
2
(【0011】以降は省略されています)

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