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公開番号
2025068721
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-30
出願番号
2023178683
出願日
2023-10-17
発明の名称
有機スルホン酸化合物の製造方法
出願人
竹本油脂株式会社
代理人
弁理士法人岡田国際特許事務所
主分類
C07C
303/08 20060101AFI20250422BHJP(有機化学)
要約
【課題】
精製途中で析出を起こすことなく、効率よく塩素イオンを低減した有機スルホン酸化合物を製造する方法を提供する。
【解決手段】
反応工程1:塩素系化合物を含有する反応基剤を用いて有機スルホン酸化合物を合成する工程と、接触工程2:反応工程1で得られた有機スルホン酸化合物の溶液をアニオン交換樹脂に接触させる工程と、接触工程3:接触工程2を経た有機スルホン酸化合物の溶液をカチオン交換樹脂に接触させる工程とを含む有機スルホン酸化合物の製造方法であって、前記接触工程2のアニオン交換樹脂と前記接触工程3のカチオン交換樹脂とが相互に離間していることを特徴とする製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
下記の反応工程1、接触工程2及び接触工程3を含む有機スルホン酸化合物の製造方法であって、
前記接触工程2のアニオン交換樹脂と前記接触工程3のカチオン交換樹脂とが相互に離間していることを特徴とする製造方法。
反応工程1:塩素系化合物を含有する反応基剤を用いて有機スルホン酸化合物を合成する工程
接触工程2:反応工程1で得られた有機スルホン酸化合物の溶液をアニオン交換樹脂に接触させる工程
接触工程3:接触工程2を経た有機スルホン酸化合物の溶液をカチオン交換樹脂に接触させる工程
続きを表示(約 400 文字)
【請求項2】
前記有機スルホン酸化合物が、界面活性剤である請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記接触工程2において、有機スルホン酸化合物濃度が1~50質量%である前記溶液を前記アニオン交換樹脂に接触させる請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
前記接触工程3において、有機スルホン酸化合物濃度が1~40質量%である前記溶液を前記カチオン交換樹脂に接触させる請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
前記接触工程2において、前記溶液を空間速度(SV)0.3~4.9h
-1
で前記アニオン交換樹脂に接触させる請求項1に記載の製造方法。
【請求項6】
前記接触工程3において、前記溶液を空間速度(SV)0.3~4.9h
-1
で前記カチオン交換樹脂に接触させる請求項1に記載の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、有機スルホン酸化合物の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)
【背景技術】
【0002】
電子部品や半導体等のデバイスの製造及び精密加工の技術分野などにおいて、界面活性剤を含有した高機能洗浄剤が使用されている。シリコンウエハーや半導体などの製造工程において生じる恐れのある汚染物質や付着物には、パーティクルと呼ばれるゴミや塵埃、種々の不純物イオンなどが挙げられる。半導体上にパーティクルがあると、回路が断線するなどして、不良動作を起こしてしまう。その結果、半導体が使用できなくなり、製品の歩留まりが低下する。また、半導体の金属配線上に塩素イオンや金属イオンなどの不純物イオンが存在すると、金属配線の隙間にそれらの不純物イオンが入り込み、電流が漏れて半導体が正常に動作しなくなるという事態が起こり得る。不純物イオンの存在は、電気的特性の変動に起因する不十分な性能など、製造されたデバイスに対して重大な問題を呈する可能性がある。さらに、半導体の金属配線上に塩素イオンが存在していると金属配線の腐食が進行しやすく、傷が生じやすいため、金属配線の抵抗値が上昇してしまう。このように、パーティクルや不純物イオンの存在は、半導体の品質に著しく影響を及ぼす。近年はスマートフォンやパソコン等のデバイスの小型化が目覚ましく、それらに使用される半導体についても小型化が進んでいる。小型化された半導体は、回路の線幅が細くなっており、より小さなパーティクルによって回路の変形等が起こるため、より高い精度のパーティクルや不純物イオン除去が必要となる。そのため、塩素イオンおよび金属イオンの濃度をより低減した、精製度の高い界面活性剤が望まれている。
【0003】
従来から、界面活性剤の精製方法については、一般的な濃縮、晶析、抽出による方法の他に、イオン交換樹脂を用いたイオン交換法による方法等が知られている。例えば、特開2009-143842号公報には、有機スルホン酸のアルカリ金属塩を、強酸性カチオン交換樹脂を用いたイオン交換法に供して処理することにより、各種の金属イオン濃度を低減させる方法が開示されている(特許文献1)。また、特開2015-38051号公報には、有機スルホン酸のアルカリ金属塩及び/又はアンモニウム塩を、強酸性カチオン交換樹脂を用いたイオン交換法に供して処理することにより、各種の金属イオンを低減させる方法が開示されている(特許文献2)。さらに、特開2001-64249号公報には、アルカンスルホン酸中の硫酸の含有率を低下させるために、アルカンスルホン酸の水溶液を塩基性アニオン交換樹脂と接触させる方法が開示されている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2009-143842号公報
特開2015-38051号公報
特開2001-64249号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来から行われている晶析、抽出等の精製方法によって不純物を低減した界面活性剤では、半導体分野で要求される品質には程遠い。また、特許文献1または特許文献2に開示されている方法では、界面活性剤溶液が含有する金属イオン濃度を低減することは可能であるが、塩素イオン濃度の低減については不明である。特許文献3に開示されている方法では、界面活性剤溶液が含有する硫酸イオン濃度を低減することは可能であるが、塩素イオン濃度および金属イオン濃度の低減については不明である。いずれにおいても、半導体製造の分野において要求される品質にまで塩素イオンおよび金属イオン等が低減されていることは明示されていない。
【0006】
有機スルホン酸化合物を用いた界面活性剤溶液は、分散、表面改質、洗浄等の目的で半導体の製造時に使用されている。有機スルホン酸の合成法としては、塩素系化合物を用いて製造する方法、および、硫酸系化合物を用いて製造する方法が広く知られている。塩素系化合物を使用して製造する場合には、合成した有機スルホン酸中に塩化スルホン酸等の反応物由来の塩素イオンが多く含有される。硫酸系化合物を使用して製造する場合には、反応の溶媒としてクロロホルム等の塩素系の溶媒を用いることが多いため、合成したスルホン酸化合物中に塩素イオンが含有されてしまう。このように、塩素系化合物を使用して製造する場合には、塩化スルホン酸等の反応物由来の塩素イオンが含有され、硫酸系化合物を使用して製造する場合にも、ナトリウム等の塩を形成する際に塩の不純物由来の塩素イオンを多く含有するため、半導体製造分野では問題となっており、これらの塩素イオンの低減が望まれている。
【0007】
そこで本開示は、効率よく塩素イオン含有量および金属イオン含有量を低減した有機スルホン酸化合物を製造する方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本開示の技術は以下の手段をとる。
[1]下記の反応工程1、接触工程2および接触工程3を含む有機スルホン酸化合物の製造方法であって、
前記接触工程2のアニオン交換樹脂と前記接触工程3のカチオン交換樹脂とが相互に離間していることを特徴とする製造方法。
反応工程1:塩素系化合物を含有する反応基剤を用いて有機スルホン酸化合物を合成する工程
接触工程2:反応工程1で得られた有機スルホン酸化合物の溶液をアニオン交換樹脂に接触させる工程
接触工程3:接触工程2を経た有機スルホン酸化合物の溶液をカチオン交換樹脂に接触させる工程
[2]前記有機スルホン酸化合物が、界面活性剤である[1]の製造方法。
[3]前記接触工程2において、有機スルホン酸化合物濃度が1~50質量%である前記溶液を前記アニオン交換樹脂に接触させる[1]の製造方法。
[4]前記接触工程3において、有機スルホン酸化合物濃度が1~40質量%である前記溶液を前記カチオン交換樹脂に接触させる[1]の製造方法。
[5]前記接触工程2において、前記溶液を空間速度(SV)0.3~4.9h
-1
で前記アニオン交換樹脂に接触させる[1]の製造方法。
[6]前記接触工程3において、前記溶液を空間速度(SV)0.3~4.9h
-1
で前記カチオン交換樹脂に接触させる[1]の製造方法。
【0009】
なお、本明細書において「A~B」で示される数値範囲は、特段の記載が無い限り、その上限及び下限を含む。つまり、「A~B」は「A以上、B以下」を意味する。
【発明の効果】
【0010】
以上説明した本開示の製造方法によれば、効率よく塩素イオン含有量および金属イオン含有量を低減した有機スルホン酸化合物を製造する方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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