TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025091094
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-18
出願番号2023206093
出願日2023-12-06
発明の名称複合材の製造方法
出願人王子ホールディングス株式会社
代理人弁理士法人秀和特許事務所
主分類C08J 3/21 20060101AFI20250611BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】ゴム成分の凝集塊の発生を防ぎ、強度に優れる微細繊維状セルロースとゴム成分とを含む複合材の製造方法を提供する。
【解決手段】繊維状セルロースと、ゴム成分とを含む複合材の製造方法であって、前記繊維状セルロースの分散液に、前記ゴム成分のラテックスを投入する投入工程を含み、前記投入工程における投入手段が、位置エネルギーを動力源とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
繊維状セルロースと、ゴム成分とを含む複合材の製造方法であって、
前記繊維状セルロースの分散液に、前記ゴム成分のラテックスを投入する投入工程を含み、
前記投入工程における投入手段が、位置エネルギーを動力源とする、複合材の製造方法。
続きを表示(約 800 文字)【請求項2】
前記繊維状セルロースが、平均繊維幅1nm以上1000nm以下の微細繊維状セルロース、又はフリーネスが130mL以上350mL以下の高叩解パルプである、請求項1に記載の複合材の製造方法。
【請求項3】
前記投入工程において、前記繊維状セルロースの分散液に、前記ゴム成分のラテックスを上方から落下させて投入する、請求項1又は2に記載の複合材の製造方法。
【請求項4】
前記投入手段が、前記位置エネルギーのみを前記動力源とする、請求項1又は2に記載の複合材の製造方法。
【請求項5】
前記投入工程における、前記繊維状セルロースの分散液1Lに対する、前記ゴム成分のラテックスの投入速度が、0.01L/min~1.00L/minである、請求項1又は2に記載の複合材の製造方法。
【請求項6】
前記投入工程における、前記繊維状セルロースの分散液の粘度が、1mPa・s~20000mPa・sである、請求項1又は2に記載の複合材の製造方法。
【請求項7】
前記投入工程における、前記繊維状セルロースの分散液の固形分濃度が、0.1質量%~10.0質量%である、請求項1又は2に記載の複合材の製造方法。
【請求項8】
前記投入工程において、前記繊維状セルロースの分散液の撹拌中に前記ゴム成分のラテックスが投入される、請求項1又は2に記載の複合材の製造方法。
【請求項9】
前記投入工程における、前記繊維状セルロースの分散液の、以下の式(I)によって算出される撹拌速度(周速)が、1m/min~50m/minである、請求項8に記載の複合材の製造方法。
撹拌速度(周速)[m/min]=
撹拌翼の直径[m]×π×撹拌翼の回転数[rpm] ・・・(I)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、複合材の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
近年、石油資源の代替及び環境意識の高まりから、再生産可能な天然繊維を利用した材料が着目されている。天然繊維の中でも、繊維径が10μm以上50μm以下の繊維状セルロース、特に木材由来の繊維状セルロース(パルプ)は、主に紙製品としてこれまで幅広く使用されてきた。
【0003】
繊維状セルロースとしては、平均繊維幅が1000nm以下の微細繊維状セルロースも知られている。微細繊維状セルロースは、新たな素材として注目されており、その用途は多岐にわたる。例えば、微細繊維状セルロースを含むシートや樹脂複合体、増粘剤の開発が進められている。また、微細繊維状セルロースをゴムラテックスなどのゴム成分と複合した複合材とすることも検討されている。
【0004】
特許文献1には、(A)セルロース系原料をリン酸系化合物で処理し変性セルロースを得る工程と、(B)変性セルロースを解繊及び分散処理しセルロースナノファイバーを得る工程と、(C)セルロースナノファイバーを酸性化し酸型セルロースナノファイバーを得る工程と、(D)酸型セルロースナノファイバーとゴム成分を混合する工程を含むマスターバッチの製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2018-193465号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
微細繊維状セルロースなどの繊維状セルロースとゴム成分とを含む複合材の製造において、繊維状セルロースの分散液に、ゴム成分のラテックスを投入して混合する際、通常はポンプ等の投入装置を用いて投入される。しかし、ポンプ等の投入装置を用いる投入方法では、ゴム成分の凝集塊が発生してしまい、投入装置や混合装置の定期的な清掃(メンテナンス)が必要となる。そのため操業上不利となることを、本発明者らは認識した。さらにゴム成分の凝集塊が発生した状態で、繊維状セルロースとの複合材を製造すると、複合材の強度低下が起こることも分かってきた。
【0007】
本開示は上記課題を解決するものであり、ゴム成分の凝集塊の発生を防ぎ、強度に優れる繊維状セルロースとゴム成分とを含む複合材の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決すべく検討した結果、繊維状セルロースの分散液に、ゴム成分のラテックスを投入する際、位置エネルギーを動力源として投入することで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
【0009】
すなわち、本発明は以下の[1]~[9]に関する。
[1]
繊維状セルロースと、ゴム成分とを含む複合材の製造方法であって、
前記繊維状セルロースの分散液に、前記ゴム成分のラテックスを投入する投入工程を含
み、
前記投入工程における投入手段が、位置エネルギーを動力源とする、複合材の製造方法。
[2]
前記繊維状セルロースが、平均繊維幅1nm以上1000nm以下の微細繊維状セルロース、又はフリーネスが130mL以上350mL以下の高叩解パルプである、[1]に記載の複合材の製造方法。
[3]
前記投入工程において、前記繊維状セルロースの分散液に、前記ゴム成分のラテックスを上方から落下させて投入する、[1]又は[2]に記載の複合材の製造方法。
[4]
前記投入手段が、前記位置エネルギーのみを前記動力源とする、[1]~[3]のいずれかに記載の複合材の製造方法。
[5]
前記投入工程における、前記繊維状セルロースの分散液1Lに対する、前記ゴム成分のラテックスの投入速度が、0.01L/min~1.00L/minである、[1]~[4]のいずれかに記載の複合材の製造方法。
[6]
前記投入工程における、前記繊維状セルロースの分散液の粘度が、1mPa・s~20000mPa・sである、[1]~[5]のいずれかに記載の複合材の製造方法。
[7]
前記投入工程における、前記繊維状セルロースの分散液の固形分濃度が、0.1質量%~10.0質量%である、[1]~[6]のいずれかに記載の複合材の製造方法。
[8]
前記投入工程において、前記繊維状セルロースの分散液の撹拌中に前記ゴム成分のラテックスが投入される、[1]~[7]のいずれかに記載の複合材の製造方法。
[9]
前記投入工程における、前記繊維状セルロースの分散液の、以下の式(I)によって算出される撹拌速度(周速)が、1m/min~50m/minである、[8]に記載の複合材の製造方法。
撹拌速度(周速)[m/min]=
撹拌翼の直径[m]×π×撹拌翼の回転数[rpm] ・・・(I)
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、ゴム成分の凝集塊の発生を防ぎ、強度に優れる繊維状セルロースとゴム成分とを含む複合材の製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

東ソー株式会社
摺動部材
1か月前
東レ株式会社
多孔質構造体
2か月前
東ソー株式会社
ゴム組成物
26日前
東レ株式会社
CPUソケット
1か月前
東ソー株式会社
加飾フィルム
1か月前
東ソー株式会社
加飾フィルム
1か月前
東レ株式会社
CPUソケット
1か月前
東ソー株式会社
加飾フィルム
1か月前
ユニチカ株式会社
ビスマレイミド
22日前
東ソー株式会社
ハロゲン含有ポリマー
2か月前
東レ株式会社
ポリオレフィン微多孔膜
2か月前
愛知電機株式会社
加熱処理設備
6日前
東ソー株式会社
ゴム組成物及び加硫ゴム
2か月前
アイカ工業株式会社
光硬化性樹脂組成物
19日前
日本製紙株式会社
樹脂組成物
1か月前
富士フイルム株式会社
組成物
5日前
東レ株式会社
ポリプロピレン系樹脂フィルム
1か月前
住友精化株式会社
吸水性樹脂粒子の製造方法
2か月前
株式会社クラベ
耐摩耗性絶縁組成物及び電線
1か月前
東レ株式会社
二軸配向ポリプロピレンフィルム
28日前
東ソー株式会社
セルロース樹脂含有樹脂組成物
2か月前
大日精化工業株式会社
樹脂成形品
1か月前
ユニチカ株式会社
ポリ尿素およびその製造方法
2か月前
東ソー株式会社
クロロプレンラテックス組成物
1か月前
株式会社イーテック
組成物
1か月前
東ソー株式会社
クロロプレンラテックス組成物
1か月前
住友化学株式会社
ブロック共重合体
1か月前
遠東新世紀股分有限公司
防水透湿膜
2か月前
東洋紡株式会社
熱収縮性ポリエステル系フィルム
27日前
横浜ゴム株式会社
ゴム組成物およびタイヤ
27日前
株式会社大阪ソーダ
圧電デバイス用ポリマー材料
1か月前
上野製薬株式会社
液晶ポリマー組成物
2か月前
株式会社カネカ
メタクリル樹脂組成物
6日前
東ソー株式会社
組成物、ウレタン樹脂、および塗膜
1か月前
株式会社信日康
抗菌樹脂、抗菌繊維及びその加工物
1日前
デンカ株式会社
樹脂シート
1か月前
続きを見る