特許ウォッチ

公開番号2025090371
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-17
出願番号2023205568
出願日2023-12-05
発明の名称車両用開閉部材のロック装置
出願人株式会社アイシン
代理人弁理士法人アイテック国際特許事務所
主分類E05B 81/20 20140101AFI20250610BHJP(錠;鍵;窓または戸の付属品;金庫)
要約【課題】開閉部材の閉動作でクローザにストライカを受け渡す際の負荷をより低減する。
【解決手段】車両用開閉部材のロック装置は、ラッチが係合開始位置に位置した状態でラッチと係合を開始しラッチと係合した状態でストライカを引き込んでラッチと噛み合うようにラッチを閉方向に回動させるクローザと、ラッチとストライカとの噛み合いが解除された際に開閉部材をポップアップ可能にラッチを開方向に付勢する付勢部材を備える。付勢部材は、ラッチとは別の別部材に取り付けられ、ラッチがフルロック位置から開方向に回動して所定回動角に達するまで別部材がラッチと係合して別部材を介してラッチを開方向に付勢する。所定回動角は、係合開始位置よりも閉方向側の回動角とされる。
【選択図】図23
特許請求の範囲【請求項１】
車両の開閉部材および車体の一方に固定されたベース部材と、
前記ベース部材に対して回動可能であると共に前記開閉部材および前記車体の他方に固定されたストライカと噛み合い可能なラッチと、
前記ベース部材に対して回動可能であると共に前記ラッチと係合して該ラッチの回動を規制するポールと、
前記ラッチが係合開始位置に位置した状態で前記ラッチと係合を開始し、該ラッチと係合した状態で前記ストライカを引き込んで前記ラッチと噛み合うように該ラッチを回動軸の軸心周りに閉方向に回動させるクローザと、
を有し、前記ラッチに前記ストライカを噛み合わせて前記開閉部材を全閉位置でロックする車両用開閉部材のロック装置であって、
前記ラッチと前記ストライカとの噛み合いが解除された際に前記開閉部材をポップアップ可能に該ラッチを回動軸の軸心周りに前記閉方向とは反対側の開方向に付勢する付勢部材を備え、
前記付勢部材は、前記ラッチとは別の別部材に取り付けられ、前記ラッチがフルロック位置から開方向に回動して所定回動角に達するまで前記別部材が該ラッチと係合して該別部材を介して該ラッチを回動軸の軸心周りに前記開方向に付勢し、
前記所定回動角は、前記係合開始位置よりも前記閉方向側の回動角である、
車両用開閉部材のロック装置。
続きを表示（約 990 文字）【請求項２】
請求項１に記載の車両用開閉部材のロック装置であって、
前記ラッチには、前記係合開始位置よりも前記閉方向側のハーフロック位置で前記ポールと係合するハーフロック係合部と、前記ハーフロック位置よりも前記閉方向側の前記フルロック位置で前記ポールと係合するフルロック係合部とが周方向に並ぶように形成され、
前記所定回動角は、前記係合開始位置よりも前記閉方向側で且つ前記ハーフロック位置よりも前記開方向側の回動角である、
車両用開閉部材のロック装置。
【請求項３】
請求項１または２に記載の車両用開閉部材のロック装置であって、
前記クローザは、前記ラッチが前記係合開始位置に位置した状態で前記ラッチと係合可能な係合部材と、該係合部材が回動可能に連結されたクローズレバーと、前記クローズレバーを駆動するクローザモータと、を有し、
前記ベース部材には、ガイド孔が形成され、
前記クローズレバーは、前記ガイド孔に挿通されると共に該ガイド孔に沿って移動可能な挿通部を有し、
前記付勢部材の一端部は、前記挿通部に係止され、
前記付勢部材の他端部は、前記ベース部材に係止され、
前記別部材は、前記クローズレバーであり、
前記クローズレバーは、前記係合部材が前記ラッチと係合した状態で前記クローザモータからの動力を受けて前記ラッチを回動軸の軸心周りに前記閉方向に回動可能であると共に、前記付勢部材からの付勢力により前記挿通部が前記ガイド孔の一端部に突き当たるまで前記ラッチと係合して該ラッチを回動軸の軸心周りに前記開方向に付勢可能であり、
前記所定回動角は、前記挿通部が前記ガイド孔の前記一端部に突き当たるときの前記ラッチの回動角である、
車両用開閉部材のロック装置。
【請求項４】
請求項１または２に記載の車両用開閉部材のロック装置であって、
前記開閉部材は、モータにより開閉され、
前記開閉部材を全閉するに際して、前記モータにより前記ラッチが前記係合開始位置に位置するまで前記開閉部材が閉動作させられ、
その後に、前記クローザは、前記ラッチを回動軸の軸心周りに前記閉方向に回動させる、
車両用開閉部材のロック装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本明細書は、車両用開閉部材のロック装置について開示する。
続きを表示（約 2,900 文字）【背景技術】
【０００２】
従来、この種の車両用開閉部材のロック装置としては、リリースケーブルに片側が結合された回転可能なポールと、ポールスプリングを介してポールに連結されると共にポールの回転に連動して回転し、フードストライカと締結固定できるラッチと、フードストライカと片側が相接するように形成されたポップアップスプリングと、を備えるものが提案されている（例えば、特許文献１参照）。ポップアップスプリングは、フードの閉時にフーとストライカがラッチに締結固定されることにより変形し、フードの開時にフードストライカが締結解除されることによって作用する復元力によりフードストライカをラッチから引き出す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
特開２０１２－５１５４２号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
ところで、クローザでラッチを駆動して当該ラッチによりストライカを引き込むことで開閉部材を全閉位置でロックし、ロックを解除する際にはポップアップスプリング（付勢部材）からの付勢力によってラッチからストライカを押し出して開閉部材を開方向にポップアップするロック装置においては、クローザでストライカの引き込みを開始するラッチの位置までは電動あるいは手動によって開閉部材を閉動作させる必要がある。ポップアップスプリングは開閉部材をポップアップさせるために比較的大きな付勢力をラッチに作用するから、ラッチに開方向にポップアップスプリングの付勢力が作用し続けると、開閉部材の閉動作でクローザにストライカを受け渡す際に過大な負荷がかかってしまう。
【０００５】
本開示の車両用開閉部材のロック装置は、クローザでラッチを駆動して当該ラッチによりストライカを引き込むことで開閉部材を全閉位置でロックし、ロックを解除する際には付勢部材の付勢力によってラッチからストライカを押し出して開閉部材を開方向にポップアップするロック装置において、開閉部材の閉動作でクローザにストライカを受け渡す際の負荷をより低減することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本開示の車両用開閉部材のロック装置は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【０００７】
本開示の車両用開閉部材のロック装置は、
車両の開閉部材および車体の一方に固定されたベース部材と、
前記ベース部材に対して回動可能であると共に前記開閉部材および前記車体の他方に固定されたストライカと噛み合い可能なラッチと、
前記ベース部材に対して回動可能であると共に前記ラッチと係合して該ラッチの回動を規制するポールと、
前記ラッチが係合開始位置に位置した状態で前記ラッチと係合を開始し、該ラッチと係合した状態で前記ストライカを引き込んで前記ラッチと噛み合うように該ラッチを回動軸の軸心周りに閉方向に回動させるクローザと、
を有し、前記ラッチに前記ストライカを噛み合わせて前記開閉部材を全閉位置でロックする車両用開閉部材のロック装置であって、
前記ラッチと前記ストライカとの噛み合いが解除された際に前記開閉部材をポップアップ可能に該ラッチを回動軸の軸心周りに前記閉方向とは反対側の開方向に付勢する付勢部材を備え、
前記付勢部材は、前記ラッチとは別の別部材に取り付けられ、前記ラッチがフルロック位置から開方向に回動して所定回動角に達するまで前記別部材が該ラッチと係合して該別部材を介して該ラッチを回動軸の軸心周りに前記開方向に付勢し、
前記所定回動角は、前記係合開始位置よりも前記閉方向側の回動角である、ことを要旨とする。
【０００８】
この本開示の車両用開閉部材のロック装置は、ラッチが係合開始位置に位置した状態でラッチと係合してラッチを閉方向に回動するクローザと、ラッチを開方向に付勢して開閉部材をポップアップする付勢部材と、を備える。付勢部材は、ラッチとは別の別部材に取り付けられ、ラッチがフルロック位置から開方向に回動して所定回動角に達するまで別部材がラッチと係合して別部材を介してラッチを開方向に付勢する。所定回動角は、係合開始位置よりも閉方向側の回動角とされる。これにより、クローザがストライカの引き込みを開始する位置（係合開始位置）よりも開方向側のラッチに対しては付勢部材の付勢力が作用しないため、開閉部材の閉動作でクローザ（係合開始位置）にストライカを受け渡す際の負荷をより低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【０００９】
本開示の車両用開閉部材のロック装置としてのフードロック装置を備える車両の斜視図である。
フードロック装置の正面側の外観斜視図である。
カバー部材を除くフードロック装置の正面側の外観斜視図である。
フードロック装置の背面側の外観斜視図である。
フードロック装置の分解斜視図である。
ラッチの概略構成図である。
ポールの概略構成図である。
ラッチのオープン状態、ハーフロック状態およびフルロック状態を示す説明図である。
ポール、オープンレバーおよびサブレバーの概略構成図である。
サブレバーの概略構成図である。
クローズレバーおよびフック部材の概略構成図である。
フードロック装置およびフード開閉装置の制御ブロック図である。
フードを全閉する際のスイッチおよびモータの状態を示すタイムチャートである。
初期状態（オープン状態）でのフードロック装置の正面図および背面図である。
ストライカの引き込み動作を開始するときのフードロック装置を示す説明図である。
ハーフロックする直前でのフードロック装置を示す説明図である。
ハーフロック状態でのフードロック装置を示す説明図である。
フルロック状態でのフードロック装置を示す説明図である。
ストライカの引き込み動作が完了したときのフードロック装置を示す説明図である。
フルロック状態が解除されてハーフロック状態となったときのフードロック装置を示す説明図である。
ハーフロック状態が解除されたときのフードロック装置を示す説明図である。
従来のフードロック装置においてラッチのクローズ側のストロークに対してかかる負荷を示す説明図である。
本実施形態のフードロック装置においてラッチのクローズ側のストロークに対してかかる負荷を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【００１０】
本開示を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。
（【００１１】以降は省略されています）

関連特許