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公開番号
2025086903
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-09
出願番号
2024206851
出願日
2024-11-28
発明の名称
天敵誘引方法
出願人
アース製薬株式会社
代理人
弁理士法人お茶の水内外特許事務所
主分類
A01M
1/02 20060101AFI20250602BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約
【課題】有機酸および/またはその塩を有効成分とする組成物を、植物体に施用することにより天敵を誘引する機能を見出し、その機能を利用する農薬資材を提供すること。
【解決手段】有機酸および/またはその塩を有効成分とする組成物を、植物体に施用することにより、前記植物体に揮発性物質を放散させて、前記植物体へ天敵を誘引する方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
有機酸および/またはその塩を有効成分とする組成物を、
植物体に施用することにより、
前記植物体に揮発性物質を放散させて、
前記植物体へ天敵を誘引する方法。
続きを表示(約 65 文字)
【請求項2】
酢酸および/またはその塩を有効成分とする、
植物体における揮発性天敵誘引物質の放散誘発剤。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機酸および/またはその塩を有効成分とする組成物を、植物体に施用することにより、前記植物体に揮発性物質を放散させて、前記植物体へ害虫の天敵を誘引する方法に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)
【背景技術】
【0002】
現在の農業は、病害虫防除の多くを化学合成農薬に頼らざるを得ない状況にある。その一方で、健康な食生活や持続的な生産・消費の活発化やESG投資市場の拡大を背景に、SDGsや環境を重視した農業への動きが加速しており、化学合成農薬のみへ依存した農業から脱却する試みが国内外で盛んとなっている。
また、家庭菜園や家庭園芸においては、使用者の安全志向の高まりにより、天然物由来の病害虫防除剤のニーズが高まっている。
これらの試みやニーズに対して、重曹や酢酸といった特定防除資材(特定農薬)と呼ばれる資材により、病害虫防除効果を得る提案(特許文献1、2等)がなされている。しかしながら、これらの特定防除資材(特定農薬)は、満足できる病害虫防除効果を得るためには、高濃度の散布液を用いる必要や、低濃度の散布液を多量に施用する必要があるため、植物体に薬害が生じるといった問題があった。
また、特定防除資材(特定農薬)により病害虫防除効果が得られるメカニズムについては、未だ、その詳細が解明されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2022-190198号公報
特開2007-320943号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、有機酸および/またはその塩を有効成分とする組成物を、植物体に施用することにより天敵を誘引する機能を見出し、その機能を利用する農薬資材の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、植物が揮発性物質を放散することに着目し、これらの植物の揮発性物質の放散を促進させることにより得られる効果について鋭意研究を重ねた結果、有機酸および/またはその塩を有効成分とする組成物を、植物体に施用することにより、前記植物体が放散する揮発性物質が増加し、当該揮発性物質により、天敵が当該植物体に誘引されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
本発明は、詳しくは以下の事項を要旨とする。
1.有機酸および/またはその塩を有効成分とする組成物を、植物体に施用することにより、前記植物体に揮発性物質を放散させて、前記植物体へ天敵を誘引する方法。
2.酢酸および/またはその塩を有効成分とする、植物体における揮発性天敵誘引物質の放散誘発剤。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、植物体が放散する揮発性物質が増加し、当該揮発性物質により、天敵が当該植物体に誘引されるので、害虫を防除することができ、植物体の生育を促進することが可能となる。
本発明によれば、化学合成農薬を使用することなく新たな害虫防除効果を得ることができ有用である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
実施例の「天敵誘引効果の確認試験」における、2枚のリーフディスクを用いた試験方法を示す概略図である。
実施例の「天敵誘引効果の確認試験」における、試験検体1、2の何れかを処理した植物体から放散される揮発性物質を選択した、チリカブリダニの個体の割合(%)を示すグラフである。
実施例の「揮発性物質による天敵誘引効果の確認試験方法」における、足場としてパラフィルムを用いた試験方法を示す概略図である。
実施例の「揮発性物質による天敵誘引効果の確認試験1」における、試験検体である揮発性物質を選択した、チリカブリダニの個体の割合(%)を示すグラフである。
実施例の「揮発性物質による天敵誘引効果の確認試験2」における、試験検体である揮発性物質を選択した、タバコカスミカメ、コレマンアブラバチの個体の割合(%)を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明について詳細に説明する。
<本発明における天敵誘引について>
本発明は、植物体に有機酸および/またはその塩を有効成分とする組成物を施用することにより、放散される揮発性物質量や放散される揮発性物質の種類が増加すること、さらには、当該揮発性物質に天敵が誘引されることにより、植物体への害虫被害が抑制されるという効果を発揮するものである。すなわち、本発明は、有機酸および/またはその塩を有効成分とする組成物の植物体への施用により、植物体から天敵が誘引される揮発性物質の放散を増加させることで、植物体に天敵を誘引し、結果として当該植物体への害虫による被害を抑制するものである。
なお、本発明における「誘引」とは、有機酸および/またはその塩を有効成分とする組成物を、植物体に施用することにより、施用以前には当該植物体上に存在していなかった天敵を当該植物体上に誘引させること、また、誘引および定着させること、ならびに、施用以前から存在していた天敵を定着させることを意味し、「放散」とは、有機酸および/またはその塩を有効成分とする組成物を、植物体に施用することにより、施用以前には放散していなかった揮発性物質を放散させること、および、施用以前から放散していた揮発性物質の放散量が、施用により増加することの両方を意味する。
【0010】
<有機酸および/またはその塩について>
本発明の方法における組成物の有効成分は、有機酸および/またはその塩であり、植物体に有機酸および/またはその塩を有効成分とする組成物を施用する発明である。
本発明における有機酸としては、カルボキシル基(-CO
2
H基)を有するカルボン酸と、スルホ基(-SO
3
H基)を有するスルホン酸が挙げられるが、中でも、カルボン酸が好ましい。カルボン酸としては、蟻酸、酢酸等の飽和カルボン酸、オレイン酸等の不飽和カルボン酸、リンゴ酸、クエン酸等のヒドロキシカルボン酸、安息香酸等の芳香族カルボン酸、シュウ酸、コハク酸等のジカルボン酸が挙げられる。中でも、炭素数1以上10以下の有機酸が好ましく、例えば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸等の飽和脂肪酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、フマル酸、マレイン酸等のジカルボン酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸等のヒドロキシカルボン酸、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、サリチル酸等の芳香族カルボン酸等が挙げられる。
これらの有機酸の中でも、本発明における有効成分として、炭素数1以上5以下の飽和カルボン酸が好適である。
また、本発明の方法における組成物の有効成分として、例えば、酢酸を用いる場合は、純粋な酢酸の他、食酢である醸造酢や合成酢が含まれる。これらは市販されており、例えば、穀物酢や特濃酢、高濃度醸造酢、粉末食酢(酢酸とデキストリン等の混合物)などを利用することができる。また、ワインビネガーやアップルビネガーといった果実酢も利用可能である。
有機酸の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩、エタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等が挙げられ、本発明における有効成分として、酢酸塩を使用する場合には、ナトリウム塩、トリエタノールアミン塩、アンモニウム塩、カリウム塩が好ましい。これらの塩は単体として、本発明の組成物中に加えてもよいが、有機酸と対応する中和剤とを別々に加えて製剤調製時に塩を形成させてもよい。例えば、酢酸と、中和剤として水酸化ナトリウムとを別々に加えて、ナトリウム塩として使用することができる。中和剤として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が好適である。
本発明における有効成分としては、上記の有機酸および/またはその塩を含有するものを、1種のみ使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
本発明の放散誘発剤における有効成分は、酢酸および/またはその塩である。
(【0011】以降は省略されています)
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