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公開番号2025083526
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-30
出願番号2025041596,2021186965
出願日2025-03-14,2021-11-17
発明の名称立体画像を有する記録物の製造方法、立体画像を有する記録物の製造装置、及び発泡促進液
出願人キヤノン株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類B41M 5/26 20060101AFI20250523BHJP(印刷;線画機;タイプライター;スタンプ)
要約【課題】鮮明な凹凸感が表現された立体画像を容易に形成すること、及び、基材からの発泡層の剥がれを抑制することが可能な、立体画像を有する記録物の製造方法を提供する。
【解決手段】基材、及び基材上に設けられた発泡粒子とバインダー樹脂とを含有する発泡層を有する記録媒体に発泡促進成分及び水を含有する発泡促進液を付与する工程と、発泡層を加熱し、発泡粒子を発泡させて立体画像を形成する工程と、を有する立体画像を有する記録物の製造方法である。発泡粒子が、熱可塑性樹脂を含有するシェル層、及びシェル層内に封入された揮発性材料を有し、発泡促進成分が、水酸基を有さない化合物を含み、発泡促進液が付与された記録媒体の発泡層を加熱する温度が、発泡促進成分を作用させた発泡粒子の発泡開始温度以上であり、かつ、発泡粒子の最大発泡温度未満である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
基材、及び前記基材上に設けられた、熱により発泡する発泡粒子とバインダー樹脂とを含有する発泡層を有する記録媒体に、前記発泡粒子の発泡開始温度を低下させる発泡促進成分及び水を含有する発泡促進液を付与する工程と、
前記発泡促進液が付与された前記記録媒体の前記発泡層を加熱し、前記発泡粒子を発泡させて立体画像を形成する工程と、を有する立体画像を有する記録物の製造方法であって、
前記発泡粒子が、熱可塑性樹脂を含有するシェル層、及び前記シェル層内に封入された揮発性材料を有し、
前記バインダー樹脂が、水不溶性樹脂を含み、
前記発泡促進成分が、水酸基を有さない化合物を含み、
前記発泡促進液が付与された前記記録媒体の前記発泡層を加熱する温度が、前記発泡促進成分を作用させた前記発泡粒子の発泡開始温度以上であり、かつ、前記発泡粒子の最大発泡温度未満であることを特徴とする立体画像を有する記録物の製造方法。
続きを表示(約 980 文字)【請求項2】
前記揮発性材料が、その分子量が120以下の炭化水素である請求項1に記載の立体画像を有する記録物の製造方法。
【請求項3】
前記発泡層中における前記発泡粒子の含有量が、前記発泡層の全質量を基準として、5質量%以上95質量%以下である請求項1又は2に記載の立体画像を有する記録物の製造方法。
【請求項4】
前記水不溶性樹脂が、非吸水性の樹脂である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の立体画像を有する記録物の製造方法。
【請求項5】
前記水不溶性樹脂が、エステル基を有さないアクリル樹脂及びエステル基を有さないウレタン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の立体画像を有する記録物の製造方法。
【請求項6】
前記発泡層中における前記水不溶性樹脂の含有量が、前記発泡層の全質量を基準として、10質量%以上95質量%以下である請求項1乃至5のいずれか1項に記載の立体画像を有する記録物の製造方法。
【請求項7】
前記化合物の沸点が、前記発泡促進液が付与された前記記録媒体の前記発泡層を加熱する温度よりも高い請求項1乃至6のいずれか1項に記載の立体画像を有する記録物の製造方法。
【請求項8】
前記化合物が、2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルホルムアミド、及びN-メチル-2-ピロリドンからなる群より選択される少なくとも1種である請求項1乃至7のいずれか1項に記載の立体画像を有する記録物の製造方法。
【請求項9】
前記発泡促進液中の前記化合物の含有量が、前記発泡促進液の全質量を基準として、10質量%以上70質量%以下である請求項1乃至8のいずれか1項に記載の立体画像を有する記録物の製造方法。
【請求項10】
前記熱可塑性樹脂の溶解度パラメータ(SP

)と、前記発泡促進成分の溶解度パラメータ(SP

)との差の絶対値(|SP

-SP

|)が、3.5以下である請求項1乃至9のいずれか1項に記載の立体画像を有する記録物の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、立体画像を有する記録物の製造方法、立体画像を有する記録物の製造装置、及び発泡促進液に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
従来、壁紙や点字などの立体画像は、UVインクによる重ね塗り方式、エンボスなどの物理的な押し出し方式、3Dプリンター、及び熱膨張性プラスチック発泡体などを用いる印刷方法により形成されている。なかでも、熱膨張性プラスチック発泡体は、発泡体の素材や形成される気泡の状態などに応じて、遮熱性、断熱性、遮音性、吸音性、防振性、及び軽量化などの機能を発現することが知られている。
【0003】
壁紙の分野では、アゾジカルボンアミド(ADCA)などのアゾ化合物を発泡剤として使用し、このような発泡剤とポリ塩化ビニルなどの樹脂とを含む発泡層を発泡させて凹凸構造を形成する技術が知られている。例えば、光吸収性の色材を含有するインクで画像を記録した後に光を照射して、光吸収性に応じた加熱の差を生じさせて発泡層を選択的に隆起させ、立体画像を形成する方法が提案されている(特許文献1)。
【0004】
また、発泡性シートの表面に平面画像を記録するとともに、発泡性シートの基材層の表面に立体形状を表現した距離画像データに基づく濃淡画像(光吸収性パターン)を形成する。そして、基材層側から光を照射して画像の濃淡に応じた熱を発生させ、発泡性シートを距離画像データに応じて膨張させる方法が提案されている(特許文献2)。さらに、ポリ塩化ビニル又はアクリル樹脂と、化学発泡剤とを含む熱膨張層に、膨張を抑制・阻止又は促進させる液体を付着させた後、加熱して凹凸構造を形成する方法が提案されている(特許文献3)。また、発泡性カプセルを含有する立体画像形成層を設けた立体画像形成用の被記録材料の立体画像形成層上に、発泡性カプセルの殻壁樹脂の可塑剤を塗布又は印刷した後、発泡性カプセルを加熱発泡させて立体画像を形成する方法が提案されている(特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平9-207428号公報
特開2001-150812号公報
特表2014-514187号公報
特開平10-129116号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1で提案された方法では、熱発泡させたい部分にはブラックインクなどの光吸収性の高い色材を含有するインクを付与する必要がある。このため、光吸収性の低い色材を含有するインクを付与した部分を発泡させるのは困難である。また、特許文献2で提案された方法の場合、発泡層に光吸収性パターンを直接形成していないため、十分に発泡させることが困難であった。さらに、特許文献3で提案された方法では化学発泡剤を用いるため、発泡部位にバラつきが生じやすく、鮮明な凹凸感を表現することが困難であった。また、特許文献4で提案された方法では、発泡性カプセルを発泡させた際に立体画像形成層が支持体から剥がれてしまうことがあったため、さらなる改善が必要であった。
【0007】
したがって、本発明の目的は、鮮明な凹凸感が表現された立体画像を容易に形成すること、及び、基材からの発泡層の剥がれを抑制することが可能な、立体画像を有する記録物の製造方法を提供することにある。また、本発明の目的は、鮮明な凹凸感が表現された立体画像を容易に形成すること、及び、基材からの発泡層の剥がれを抑制することが可能な、立体画像を有する記録物の製造装置を提供することにある。さらに、本発明の目的は、上記の立体画像を有する記録物の製造方法に用いられる発泡促進液を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明によれば、基材、及び前記基材上に設けられた、熱により発泡する発泡粒子とバインダー樹脂とを含有する発泡層を有する記録媒体に、前記発泡粒子の発泡開始温度を低下させる発泡促進成分及び水を含有する発泡促進液を付与する工程と、前記発泡促進液が付与された前記記録媒体の前記発泡層を加熱し、前記発泡粒子を発泡させて立体画像を形成する工程と、を有する立体画像を有する記録物の製造方法であって、前記発泡粒子が、熱可塑性樹脂を含有するシェル層、及び前記シェル層内に封入された揮発性材料を有し、前記バインダー樹脂が、水不溶性樹脂を含み、前記発泡促進成分が、水酸基を有さない化合物を含み、前記発泡促進液が付与された前記記録媒体の前記発泡層を加熱する温度が、前記発泡促進成分を作用させた前記発泡粒子の発泡開始温度以上であり、かつ、前記発泡粒子の最大発泡温度未満であることを特徴とする立体画像を有する記録物の製造方法が提供される。
【0009】
また、本発明によれば、基材、及び前記基材上に設けられた、熱により発泡する発泡粒子とバインダー樹脂とを含有する発泡層を有する記録媒体に、前記発泡粒子の発泡開始温度を低下させる発泡促進成分及び水を含有する発泡促進液を付与する発泡促進液付与手段と、前記発泡促進液が付与された前記記録媒体の前記発泡層を加熱し、前記発泡粒子を発泡させて立体画像を形成する加熱手段と、を備える立体画像を有する記録物の製造装置であって、前記発泡粒子が、熱可塑性樹脂を含有するシェル層、及び前記シェル層内に封入された揮発性材料を有し、前記バインダー樹脂が、水不溶性樹脂を含み、前記発泡促進成分が、水酸基を有さない化合物を含み、前記発泡促進液が付与された前記記録媒体の前記発泡層を加熱する温度が、前記発泡促進成分を作用させた前記発泡粒子の発泡開始温度以上であり、かつ、前記発泡粒子の最大発泡温度未満であることを特徴とする立体画像を有する記録物の製造装置が提供される。
【0010】
さらに、本発明によれば、基材、及び前記基材上に設けられた、熱により発泡する発泡粒子とバインダー樹脂とを含有する発泡層を有する記録媒体に、前記発泡粒子の発泡開始温度を低下させる発泡促進成分及び水を含有する発泡促進液を付与する工程と、前記発泡促進液が付与された前記記録媒体の前記発泡層を加熱し、前記発泡粒子を発泡させて立体画像を形成する工程と、を有する立体画像を有する記録物の製造方法に用いられる発泡促進液であって、前記発泡粒子が、熱可塑性樹脂を含有するシェル層、及び前記シェル層内に封入された揮発性材料を有し、前記バインダー樹脂が、水不溶性樹脂を含み、前記発泡促進成分は、水酸基を有さない化合物を含み、前記発泡促進液が付与された前記記録媒体の前記発泡層を加熱する温度が、前記発泡促進成分を作用させた前記発泡粒子の発泡開始温度以上であり、かつ、前記発泡粒子の最大発泡温度未満であることを特徴とする発泡促進液が提供される。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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