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公開番号2025082733
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-29
出願番号2023196265
出願日2023-11-17
発明の名称鋼材と非鉄プレキャスト部材の接合構造及び非鉄プレキャスト部材
出願人オリエンタル白石株式会社,日鉄ケミカル&マテリアル株式会社
代理人個人,個人
主分類E01D 19/12 20060101AFI20250522BHJP(道路,鉄道または橋りょうの建設)
要約【課題】接合部分に鋼材を使用せずに腐食の懸念が無く高耐久化することができる鋼材と非鉄プレキャスト部材の接合構造及びプレキャスト部材を提供する。
【解決手段】構造体を支える支持材である鋼材に錆びる鉄を含まない非鉄プレキャスト部材を接合する鋼材と非鉄プレキャスト部材の接合構造において、格子状の繊維強化プラスチックであるグリッドを、前記非鉄プレキャスト部材の前記鋼材と接合する接合部側に一部突出した状態で前記非鉄プレキャスト部材に埋設し、前記グリッドの突出部分を前記鋼材に掛け止める。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
構造体を支える支持材である鋼材に錆びる鉄を含まない非鉄プレキャスト部材を接合する鋼材と非鉄プレキャスト部材の接合構造であって、
格子状の繊維強化プラスチックであるグリッドが、前記非鉄プレキャスト部材の前記鋼材と接合する接合部側に一部突出した状態で前記非鉄プレキャスト部材に埋設されており、
前記グリッドの突出部分が前記鋼材に掛け止められていること
を特徴とする鋼材と非鉄プレキャスト部材の接合構造。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記鋼材は、鋼桁であり、前記非鉄プレキャスト部材は、PC床版であること
を特徴とする請求項1に記載の鋼材と非鉄プレキャスト部材の接合構造。
【請求項3】
前記PC床版に埋設された前記グリッドの格子内に前記PC床版の緊張材が挿通され、
前記PC床版の下面から突出する前記グリッドの格子内に、前記鋼桁に接合された貫通棒が挿通されて前記グリッドの突出部分が前記鋼材に掛け止められていること
を特徴とする請求項2に記載の鋼材と非鉄プレキャスト部材の接合構造。
【請求項4】
前記グリッドは、前記PC床版に作用する曲げ応力により引き抜かれる力に対抗する引抜対抗グリッドに加え、前記PC床版と前記鋼桁との接合部に作用するせん断力に対抗するせん断対抗グリッドを備えること
を特徴とする請求項3に記載の鋼材と非鉄プレキャスト部材の接合構造。
【請求項5】
鉄を含まない非鉄プレキャスト部材であって、
構造体を支える支持材である鋼材に接合するための格子状の繊維強化プラスチックからなるグリッドが、前記鋼材と接合する接合部側に格子状の接点部分を含み一部突出した状態で埋設されていること
を特徴とする非鉄プレキャスト部材。
【請求項6】
前記非鉄プレキャスト部材は、PC床版であること
を特徴とする請求項5に記載の非鉄プレキャスト部材。
【請求項7】
前記グリッドの埋設された格子内に緊張材が挿通されていること
を特徴とする請求項6に記載の非鉄プレキャスト部材。
【請求項8】
前記グリッドは、前記PC床版に作用する曲げ応力により引き抜かれる力に対抗する引抜対抗グリッドに加え、前記鋼桁との接合部に作用するせん断力に対抗するせん断対抗グリッドを備えること
を特徴とする請求項6又は7に記載の非鉄プレキャスト部材。
【請求項9】
前記PC床版は、橋軸方向にポストテンション方式で緊張する炭素繊維複合材ケーブルからなるポステン緊張材、橋軸直角方向にプレテンション方式で緊張した炭素繊維複合材ケーブルからなるプレテン緊張材が、それぞれ配置された2方向にプレストレスが導入された2方向炭素ケーブルPC床版であること
を特徴とする請求項6又は7に記載の非鉄プレキャスト部材。
【請求項10】
前記PC床版は、コンクリートに非鉄の短繊維が混入された短繊維補強コンクリートからなること
を特徴とする請求項9に記載の非鉄プレキャスト部材。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼材と非鉄プレキャスト部材の接合構造及び非鉄プレキャスト部材に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
近年、PC床板における高耐久化が求められており、耐久性を確保するための設計が整備され、高耐久化を実現する材料(例えば、被覆ストランド、ステンレス)などが普及している。既設RC床版の老朽化は、コンクリートの疲労や塩害劣化が主要因である。そのため、塩害の抜本的対策として、非腐食材料によるPC床版構造を提案し、緊張材として炭素繊維複合材ケーブル(CFCC:Carbon Fiber Composite Cable)(登録商標)を橋軸直角方向及び橋軸方向の2方向に配置したCFCCスラブ(登録商標)(以下、2方向炭素ケーブルPC床版という)も開発されている。さらに、2方向炭素ケーブルPC床版は、短繊維補強コンクリートを採用して補強筋を不要とし、さらなる省力化を図っている。したがって、耐久性を確保しLCC(Life cycle cost)も低減できるため、厳しい塩害環境下での活用が期待される。
【0003】
2方向炭素ケーブルPC床版では床版部が非鉄で構成されているものの、設置される鋼桁との接合部に着目するとスタッド(スタッドジベル)がPC床版内に設置され、これによって引張やせん断に抵抗する形態となっている。しかし、スタッドは鋼材となるため、長期的な観点で腐食要因物質がコンクリート内に侵入し、スタッドが腐食することで接合部の機能が発揮されなくなる可能性がある。何故なら、スタッド孔は、床版を上下に貫通し、上部開口が床版天端に露出することが一般的であり、あと打ちされるモルタルとPC床版のコンクリートとの界面を通して、床版天端からの腐食要因物質の侵入リスクが高いからである。
【0004】
この場合、腐食したスタッドの補修・補強を考えると、2方向炭素ケーブルPC床版の一部を解体し交換する必要が生じる。そうなれば、橋軸方向に導入していたプレストレスが解放されてしまうなど構造的にも性能が低下してしまう。したがって、2方向炭素ケーブルPC床版内には非鉄の補強材によって接合すれば、腐食の懸念もなく、高耐久化に寄与する。
【0005】
一方、特許文献1には、コンクリート床版104と、コンクリート床版104を下方から支持する鋼桁102と、コンクリート床版104を鋼桁102に対して連結する連続繊維と、を有する橋梁構造物であって、前記連続繊維は、鋼桁102に接着により取り付けられている橋梁構造物が開示されている(特許文献1の特許請求の範囲の請求項1、明細書の段落[0038]~[0050]、図面の図1,図2等参照)。
【0006】
特許文献1に記載の橋梁構造物は、橋梁のコンクリート床版と鋼桁とを切断分離した後であっても、鋼桁に損傷を与えることなく両者を連結することにより、鋼桁から切断分離されたコンクリート床版を一定期間供用できるとされている。しかし、特許文献1に記載の橋梁構造物は、床版と鋼桁を鋼桁に損傷を与えることなく両者を連結することを目的とするものであり、腐食要因物質の侵入リスクを低減するために、鋼桁と床版の接合部分を非腐食材料にするという着想がない。
【0007】
また、本願の出願人は、特許文献2には、鋼材のさびによる体積膨張によってコンクリートにひび割れが生じたり、ひび割れが増加したりするおそれが無いように、両端部のフランジ5に渡って、繊維強化複合材料からなる帯板状部材6が配置されていると共に、その帯板状部材6の両端部が、それぞれ前記各フランジ5に埋め込み配置されている鋼材を使用しないプレキャスト製繊維補強埋設型枠を提案した(特許文献2の特許請求の範囲の請求項1、明細書の段落[0038]~[0050]、図面の図1,図2等参照)。
【0008】
しかし、特許文献2のプレキャスト製繊維補強埋設型枠は、あくまでも埋設型枠であり、特許文献2に記載の発明には、スタッドジベルはそのままあり、鋼材と非鉄プレキャスト部材の接合部分に適用できるものではなかった。要するに、特許文献2に記載の発明は、高耐久化の実現という着想ではなく、前記課題を解決できるものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2023-61226号公報
特開2006-283280号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、本発明は、前述した問題に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、接合部分に鋼材を使用せずに腐食の懸念が無く高耐久化することができる鋼材と非鉄プレキャスト部材の接合構造及びプレキャスト部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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