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公開番号2025081899
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-28
出願番号2023194969
出願日2023-11-16
発明の名称タイヤ用ゴム組成物およびタイヤ
出願人横浜ゴム株式会社
代理人個人
主分類C08L 7/00 20060101AFI20250521BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】耐亀裂成長性、耐セット性および耐摩耗性を維持しつつ、優れた発熱性(低発熱性)を有するタイヤ用ゴム組成物を提供する。
【解決手段】(A)(A1)天然ゴムを25～85質量部および(A2)ブタジエンゴムまたはスチレン-ブタジエン共重合体ゴム15～75質量部からなるゴム成分100質量部に対し、(B)窒素吸着比表面積(N₂SA)が40～90m²/gであるカーボンブラック、および/またはシリカからなる充填剤を65～100質量部、および(C)温度230℃、荷重2.16kgで測定されたメルトマスフローレート(MFR)が6～50g/10分であるランダムポリプロピレンを0.1～20質量部含有するタイヤ用ゴム組成物によって上記課題を解決した。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項１】
（Ａ）（Ａ１）天然ゴムを２５～８５質量部および（Ａ２）ブタジエンゴムまたはスチレン－ブタジエン共重合体ゴム１５～７５質量部からなるゴム成分１００質量部に対し、
（Ｂ）窒素吸着比表面積（Ｎ
２
ＳＡ）が４０～９０ｍ
２
／ｇであるカーボンブラック、および／またはシリカからなる充填剤を６５～１００質量部、および
（Ｃ）温度２３０℃、荷重２．１６ｋｇで測定されたメルトマスフローレート（ＭＦＲ）が６～５０ｇ／１０分であるランダムポリプロピレンを０．１～２０質量部含有する
ことを特徴とするタイヤ用ゴム組成物。
続きを表示（約 740 文字）【請求項２】
（Ａ）（Ａ１）天然ゴムを２５～８５質量部および（Ａ２）ブタジエンゴムまたはスチレン－ブタジエン共重合体ゴム１５～７５質量部からなるゴム成分１００質量部に対し、
（Ｂ）窒素吸着比表面積（Ｎ
２
ＳＡ）が４０～９０ｍ
２
／ｇであるカーボンブラック、および／またはシリカからなる充填剤を６５～１００質量部、および
（Ｃ）温度２３０℃、荷重２．１６ｋｇで測定されたメルトマスフローレート（ＭＦＲ）が６ｇ／１０分を超え１２ｇ／１０分未満であるランダムポリプロピレンを０．１～２０質量部含有する
ことを特徴とするタイヤ用ゴム組成物。
【請求項３】
前記（Ｃ）ランダムポリプロピレンが、分子中に加水分解縮合性シリル基を有することを特徴とする請求項１に記載のタイヤ用ゴム組成物。
【請求項４】
前記（Ｃ）ランダムポリプロピレンが、プロピレン－エチレンランダム共重合体、プロピレン－１－ブテンランダム共重合体およびプロピレン－エチレン－１－ブテンランダム共重合体から選択されることを特徴とする請求項１または２に記載のタイヤ用ゴム組成物。
【請求項５】
前記シリカの窒素吸着比表面積（Ｎ
２
ＳＡ）が６５～１００ｍ
２
／ｇであることを特徴とする請求項１または２に記載のタイヤ用ゴム組成物。
【請求項６】
タイヤリムクッションまたはタイヤビードフィラー用であることを特徴とする請求項１または２に記載のタイヤ用ゴム組成物。
【請求項７】
請求項１または２に記載のタイヤ用ゴム組成物を用いた重荷重用タイヤ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、タイヤ用ゴム組成物およびそれを用いたタイヤに関するものであり、詳しくは耐亀裂成長性、耐セット性および耐摩耗性を維持しつつ、優れた発熱性（低発熱性）を有するタイヤ用ゴム組成物およびそれを用いたタイヤに関するものである。
続きを表示（約 1,900 文字）【背景技術】
【０００２】
トラックおよびバス用タイヤとして使用される重荷重用タイヤは、国連欧州経済委員会（UN/ECE）のR-117での国際基準強化や、米国環境保護庁（EPA）による温室効果ガス（GHG）規制強化などにより低転がり抵抗化が求められている。しかし低転がり抵抗化の達成のため、タイヤを低発熱性にすると、一方で背反性能として耐亀裂成長性、耐セット性および耐摩耗性が悪化するという問題点がある。
【０００３】
下記特許文献１には、ジエン系ゴム及びポリオレフィン系熱可塑性樹脂エラストマーから選ばれる少なくとも１種；並びに、エチレンプロピレンゴム；を含む材料で形成され且つ環状のタイヤ骨格体と、前記タイヤ骨格体と少なくとも一部が直接接しており且つエチレンプロピレンゴムを含む外装用部材と、を含むタイヤが開示されている。
しかし、下記で説明する本発明における（Ｃ）温度２３０℃、荷重２．１６ｋｇで測定されたメルトマスフローレート（ＭＦＲ）が特定の範囲を有するランダムポリプロピレンを使用し、耐亀裂成長性、耐セット性および耐摩耗性を維持しつつ、優れた発熱性（低発熱性）を有するタイヤ用ゴム組成物を提供するという技術思想は何ら開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
特許第６３６２９２９号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
したがって本発明の目的は、耐亀裂成長性、耐セット性および耐摩耗性を維持しつつ、優れた発熱性（低発熱性）を有するタイヤ用ゴム組成物およびそれを用いたタイヤを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明は、（Ａ）（Ａ１）天然ゴムを２５～８５質量部および（Ａ２）ブタジエンゴムまたはスチレン－ブタジエン共重合体ゴム１５～７５質量部からなるゴム成分１００質量部に対し、（Ｂ）窒素吸着比表面積（Ｎ
２
ＳＡ）が４０～９０ｍ
２
／ｇであるカーボンブラック、および／またはシリカからなる充填剤を６５～１００質量部、および（Ｃ）温度２３０℃、荷重２．１６ｋｇで測定されたメルトマスフローレート（ＭＦＲ）が６～５０ｇ／１０分であるランダムポリプロピレンを０．１～２０質量部含有することを特徴とするタイヤ用ゴム組成物を提供するものである。
【発明の効果】
【０００７】
本発明によれば、耐亀裂成長性、耐セット性および耐摩耗性を維持しつつ、優れた発熱性（低発熱性）を有するタイヤ用ゴム組成物およびそれを用いたタイヤを提供することができる。
【０００８】
本発明に使用される（Ｃ）ランダムポリプロピレンは、高流動性であり、また結晶性が低いので（Ａ）ゴム成分との濡れ性や分子同士の絡み合いが促進され、マトリックスである（Ａ）ゴム成分中に良好に分散する。また、（Ｃ）ランダムポリプロピレンは、温度２３０℃の条件下で測定されるメルトマスフローレート（ＭＦＲ）を特定の範囲に定めているので、前記濡れ性および分子同士の絡み合いが促進し、（Ｃ）ランダムポリプロピレンの異物化を抑制し、耐亀裂成長性、耐セット性および耐摩耗性を維持しつつ、優れた発熱性（低発熱性）を有するタイヤ用ゴム組成物を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【０００９】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【００１０】
（Ａ）ゴム成分
本発明で使用されるゴム成分は、（Ａ）ゴム成分全体を１００質量部としたときに、（Ａ１）天然ゴム（ＮＲ）を２５～８５質量部および（Ａ２）ブタジエンゴム（ＢＲ）またはスチレン－ブタジエン共重合体ゴム（ＳＢＲ）１５～７５質量部からなる。なお必要に応じて、アクリロニトリル－ブタジエン共重合体ゴム（ＮＢＲ）等も併用できる。ゴム成分の分子量やミクロ構造はとくに制限されず、アミン、アミド、シリル、アルコキシシリル、カルボキシル、ヒドロキシル基等で末端変性されていても、エポキシ化されていてもよい。なお、合成イソプレンゴム（ＩＲ）は本発明で言う天然ゴムに含まれるものとする。
本発明のタイヤ用ゴム組成物において、（Ａ）ゴム成分全体を１００質量部としたときに、ＮＲの割合は３５～８５質量部が好ましく、ＢＲまたはＳＢＲの割合は１５～６５質量部が好ましい。
（【００１１】以降は省略されています）

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