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公開番号2025080576
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-26
出願番号2023193825
出願日2023-11-14
発明の名称溶射膜被覆部材、およびその製造方法
出願人日本特殊陶業株式会社
代理人弁理士法人i-MIRAI,個人,個人
主分類C23C 4/10 20160101AFI20250519BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】接合体の絶縁性能を向上させ沿面放電を抑制できる溶射膜被覆部材および溶射膜被覆部材の製造方法を提供する。
【解決手段】溶射膜被覆部材100であって、セラミックス焼結体基材110と、前記セラミックス焼結体基材110と接合された金属基台120と、前記金属基台120の特定の表面122、前記セラミックス焼結体基材110と前記金属基台120との接合界面の表面152、および前記接合界面の表面152の近傍の前記セラミックス焼結体基材の表面112に連続的に形成された絶縁性セラミックス溶射膜140と、を備える。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
溶射膜被覆部材であって、
セラミックス焼結体基材と、
前記セラミックス焼結体基材と接合された金属基台と、
前記金属基台の特定の表面、前記セラミックス焼結体基材と前記金属基台との接合界面の表面、および前記接合界面の表面の近傍の前記セラミックス焼結体基材の表面に連続的に形成された絶縁性セラミックス溶射膜と、を備えることを特徴とする溶射膜被覆部材。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
前記絶縁性セラミックス溶射膜は、気孔率が0.5%以上7%以下であることを特徴とする請求項1に記載の溶射膜被覆部材。
【請求項3】
前記絶縁性セラミックス溶射膜は、組織の異なる2層構造からなることを特徴とする請求項1に記載の溶射膜被覆部材。
【請求項4】
前記絶縁性セラミックス溶射膜の前記金属基台の特定の表面に垂直な方向の厚さは、50μm以上であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の溶射膜被覆部材。
【請求項5】
前記セラミックス焼結体基材の被溶射面の空間容積Vvv(μm

/μm

)、および前記絶縁性セラミックス溶射膜を形成するセラミックス原料の平均粒子径D50(μm)に対して、
0.001≦(Vvv/(D50)

)≦0.40
を満たすことを特徴とする請求項1に記載の溶射膜被覆部材。
【請求項6】
前記セラミックス焼結体基材の被溶射面の空間容積Vvv(μm

/μm

)、および前記セラミックス焼結体基材側の前記絶縁性セラミックス溶射膜を形成するセラミックス原料の平均粒子径D50(μm)に対して、
0.001≦(Vvv/(D50)

)≦0.40
を満たすことを特徴とする請求項3に記載の溶射膜被覆部材。
【請求項7】
溶射膜被覆部材の製造方法であって、
セラミックス焼結体基材の被溶射面の空間容積Vvv(μm

/μm

)を所定の範囲に調整する第1の調整工程と、
金属基台の被溶射面の表面粗さSa(μm)を所定の範囲に調整する第2の調整工程と、
前記セラミックス焼結体基材と前記金属基台を接合する接合工程と、
前記セラミックス焼結体基材の被溶射面、前記セラミックス焼結体基材と前記金属基台との接合界面の表面、および前記金属基台の被溶射面に対し、水と平均粒子径D50が0.5μm以上10μm以下の範囲に含まれる絶縁性セラミックス原料粉末とからなるスラリーをプラズマ溶射して絶縁性セラミックス溶射膜を形成する被覆工程と、を含み、
前記第1の調整工程は、前記空間容積Vvvおよび前記平均粒子径D50に対して、
0.001≦(Vvv/(D50)

)≦0.40
の範囲になるように調整することを特徴とする溶射膜被覆部材の製造方法。
【請求項8】
溶射膜被覆部材の製造方法であって、
セラミックス焼結体基材の被溶射面の空間容積Vvv(μm

/μm

)を所定の範囲に調整する第1の調整工程と、
金属基台の被溶射面の表面粗さSa(μm)を所定の範囲に調整する第2の調整工程と、
前記セラミックス焼結体基材と前記金属基台を接合する接合工程と、
前記セラミックス焼結体基材の被溶射面、前記セラミックス焼結体基材と前記金属基台との接合界面の表面、および前記金属基台の被溶射面に対し、水と平均粒子径D50が0.5μm以上10μm以下の範囲に含まれる第1の絶縁性セラミックス原料粉末とからなる第1のスラリーをプラズマ溶射して第1の絶縁性セラミックス溶射膜を形成する第1の被覆工程と、
前記第1の絶縁性セラミックス溶射膜の表面に対し、第2の絶縁性セラミックス原料粉末を溶射して第2の絶縁性セラミックス溶射膜を形成する第2の被覆工程と、を含み、
前記第1の調整工程は、前記空間容積Vvvおよび前記平均粒子径D50に対して、
0.001≦(Vvv/(D50)

)≦0.40
の範囲になるように調整することを特徴とする溶射膜被覆部材の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、溶射膜被覆部材、およびその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
セラミックス焼結体基材と金属基台を接合した接合体は、半導体製造装置用部材として様々な用途に使用されてきた。例えば、AlN基材と金属基台を接合した接合体は、高周波を用いた半導体製造部材として使用されることがある。その際、金属基台から処理する基板や周辺の導体部材への沿面放電を防止するため、金属基台の側面に絶縁膜となるAl



等からなる絶縁性セラミックス溶射膜を成膜することがあった。従来は、例えば、図9のように、金属基台の側面にのみ絶縁性セラミックス溶射膜を成膜し、AlN基材の側面には絶縁膜は成膜していなかった。図9は、従来の接合体に絶縁性セラミックス溶射膜を形成した部材の一例を示した模式的な部分断面図である。
【0003】
このような接合体の金属基台に絶縁膜が形成されている部材において、金属基台やセラミックス焼結体基材と金属基台との接合界面が露出していると、電気的な絶縁が不十分となり、沿面放電が生じることがあった。
【0004】
特許文献1には、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる基材の表面に酸化イットリウム(Y



)からなる溶射膜が密着してなる溶射部材であって、前記溶射膜の気孔が2%以下であり、前記基板と前記溶射膜との密着強度が20MPa以上であることを特徴とする溶射部材が開示されている。
【0005】
特許文献2には、アルミニウムの基材と、イットリウム含有ジルコニアの溶射膜を備え、基材の、被溶射面と溶射膜との界面に対して直交する面の断面において、界面を挟んだ平行な2直線の距離は、10μm以上の長さにわたって0.2μm以下である溶射部材が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2021-179013号公報
特開2023-79783号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1および特許文献2は、金属部材の表面に絶縁性の溶射膜を形成することで金属部材の機能性を向上している。しかしながら、特許文献1および特許文献2は、接合体の金属基台に絶縁性の溶射膜を形成したときに沿面放電の虞があることに着目をしていない。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、接合体の絶縁性能を向上させ沿面放電を抑制できる溶射膜被覆部材および溶射膜被覆部材の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)上記の目的を達成するため、本発明の溶射膜被覆部材は、以下の手段を講じた。すなわち、本発明の適用例の溶射皮膜被服部材は、溶射膜被覆部材であって、セラミックス焼結体基材と、前記セラミックス焼結体基材と接合された金属基台と、前記金属基台の特定の表面、前記セラミックス焼結体基材と前記金属基台との接合界面の表面、および前記接合界面の表面の近傍の前記セラミックス焼結体基材の表面に連続的に形成された絶縁性セラミックス溶射膜と、を備えることを特徴としている。
【0010】
このように、金属基台の特定の表面、セラミックス焼結体基材と金属基台との接合界面の表面、および接合界面の表面の近傍のセラミックス焼結体基材の表面に絶縁性セラミックス溶射膜を連続的に形成することで、金属基台のわずかな露出や接合界面の露出を防止でき、溶射膜被覆部材を半導体製造装置用部材として使用したときに、沿面放電を抑制できる。
(【0011】以降は省略されています)

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