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公開番号
2025080085
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-23
出願番号
2023193093
出願日
2023-11-13
発明の名称
サワー環境での使用に適した鋼材
出願人
日本製鉄株式会社
代理人
アセンド弁理士法人
主分類
C22C
38/00 20060101AFI20250516BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約
【課題】高い降伏強度と、低温サワー環境における優れた破壊靭性とを有する鋼材を提供する。
【解決手段】本開示による鋼材は、明細書に記載の化学組成を有し、式(1)で定義されるFn1が2.80以上を満たし、式(2)で定義されるFn2が41.0~150.0を満たし、降伏強度が862~965MPa未満であり、鋼材中において、円相当径20nm以上の析出物のうち、円相当径20~100nmの析出物の個数割合をNRと定義したとき、式(3)で定義されるFn3が0.74以上を満たす。
Fn1=3.3×Si-1.4×Mn+1.1×Mo (1)
Fn2=390×C-57.5×Cr-21.4×Mo-114.1×V (2)
Fn3=NR×(C+4×Si-1.5×Mn-0.5×Cr+0.2×Mo-0.5×V-Ti)
1/2
(3)
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
鋼材であって、
質量%で、
C:0.35~0.50%、
Si:0.80~1.50%、
Mn:0.02~0.50%未満、
P:0.025%以下、
S:0.0100%以下、
Al:0.005~0.100%、
Cr:0.20~1.50%、
Mo:0.35~3.00%、
V:0.01~0.60%、
Ti:0.002~0.050%、
B:0.0001~0.0050%、
N:0.0100%以下、
O:0.0100%以下、
Nb:0~0.030%、
Co:0~0.50%、
W:0~0.50%、
Ni:0~1.20%、
Cu:0~0.50%、
Ca:0~0.0100%、
Mg:0~0.0100%、
Zr:0~0.0100%、
希土類元素:0~0.0100%、及び、
残部がFe及び不純物からなり、
式(1)で定義されるFn1が2.80以上を満たし、
式(2)で定義されるFn2が41.0~150.0を満たし、
降伏強度が862~965MPa未満であり、
前記鋼材中において、
円相当径20nm以上の析出物のうち、円相当径20~100nmの析出物の個数割合をNRと定義したとき、
式(3)で定義されるFn3が0.74以上を満たす、
鋼材。
Fn1=3.3×Si-1.4×Mn+1.1×Mo (1)
Fn2=390×C-57.5×Cr-21.4×Mo-114.1×V (2)
Fn3=NR×(C+4×Si-1.5×Mn-0.5×Cr+0.2×Mo-0.5×V-Ti)
1/2
(3)
ここで、式(1)~(3)中の元素記号には、対応する元素の含有量が、単位:質量%で代入される。また、式(3)中のNRには、円相当径20nm以上の析出物のうち、円相当径20~100nmの析出物の個数割合が代入される。
続きを表示(約 310 文字)
【請求項2】
請求項1に記載の鋼材であって、
Nb:0.001~0.030%、
Co:0.01~0.50%、
W:0.01~0.50%、
Ni:0.01~1.20%、
Cu:0.01~0.50%、
Ca:0.0001~0.0100%、
Mg:0.0001~0.0100%、
Zr:0.0001~0.0100%、及び、
希土類元素:0.0001~0.0100%、からなる群から選択される1元素以上を含有する、
鋼材。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の鋼材であって、
前記鋼材は、油井用鋼管である、鋼材。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、鋼材に関し、さらに詳しくは、サワー環境での使用に適した鋼材に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
油井及びガス井(以下、油井及びガス井を総称して、単に「油井」という)の深井戸化により、油井用鋼管に代表される油井用鋼材の高強度化が求められている。具体的には、80ksi級(降伏強度が80~95ksi未満、つまり、552~655MPa未満)や、95ksi級(降伏強度が95~110ksi未満、つまり、655~758MPa未満)の油井用鋼材が広く利用されており、最近ではさらに、110ksi級(降伏強度が110~125ksi未満、つまり、758~862MPa未満)、及び、125ksi級(降伏強度が125~140ksi未満、つまり、862~965MPa未満)の油井用鋼管が求められ始めている。
【0003】
一方、深井戸の多くは、腐食性を有する硫化水素を含有するサワー環境である。本明細書において、サワー環境とは、硫化水素を含み、酸性化した環境を意味する。なお、サワー環境では、二酸化炭素を含む場合もある。このようなサワー環境で使用される油井用鋼管は、高強度だけでなく、耐硫化物応力割れ性(耐Sulfide Stress Cracking性:以下、耐SSC性という)も要求される。
【0004】
油井用鋼管に代表される鋼材の耐SSC性を高める技術が、特開2000-297344号公報(特許文献1)、特開2001-271134号公報(特許文献2)、及び、国際公開第2008/123422号(特許文献3)に提案されている。
【0005】
特許文献1に開示されている油井用鋼は、質量%で、C:0.15~0.3%、Cr:0.2~1.5%、Mo:0.1~1%、V:0.05~0.3%、Nb:0.003~0.1%を含有する。この油井用鋼は、析出している炭化物の総量が1.5~4質量%、炭化物の総量に占めるMC型炭化物の割合が5~45質量%、M
23
C
6
型炭化物の割合が製品の肉厚をt(mm)とした時(200/t)質量%以下である。この油井用鋼は、耐SSC性に優れる、と特許文献1には記載されている。
【0006】
特許文献2に開示されている低合金鋼材は、質量%で、C:0.2~0.35%、Si:0.05~0.5%、Mn:0.1~1%、P:0.025%以下、S:0.01%以下、Cr:0.1~1.2%、Mo:0.1~1%、B:0.0001~0.005%、Al:0.005~0.1%、N:0.01%以下、V:0.05~0.5%、Ni:0.1%以下、W:1.0%以下、O:0.01%以下を含有し、残部Fe及び不純物からなり、式(0.03≦Mo×V≦0.3)、及び、式(0.5×Mo-V+GS/10≧1)を満たし、降伏強度が1060MPa以上である。なお、式中のGSとは、旧オーステナイト粒のASTM粒度番号を意味する。この低合金鋼材は、耐SSC性に優れる、と特許文献2には記載されている。
【0007】
特許文献3に開示されている低合金鋼は、質量%で、C:0.10~0.20%、Si:0.05~1.0%、Mn:0.05~1.5%、Cr:1.0~2.0%、Mo:0.05~2.0%、Al:0.10%以下、及び、Ti:0.002~0.05%を含有し、かつ、Ceq(=C+(Mn/6)+(Cr+Mo+V)/5)が0.65以上であり、残部がFe及び不純物からなり、不純物中、P:0.025%以下、S:0.010%以下、N:0.007%以下、B:0.0003%未満である。この低合金鋼は、粒径が1μm以上のM
23
C
6
型析出物が0.1個/mm
2
以下である。この低合金鋼は、耐SSC性が向上されている、と特許文献3には記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2000-297344号公報
特開2001-271134号公報
国際公開第2008/123422号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、近年、耐SSC性のうち、サワー環境において、鋼材に形成されたき裂の伝播の抑制について、着目されてきている。微小な疵が形成された鋼材に応力が負荷されると、微小な疵がき裂の起点となり、き裂が伝播する懸念がある。一方、き裂の伝播が抑制できれば、破壊に対する優れた抵抗力(すなわち、優れた破壊靭性)を有すると考えられる。そのため、高強度であり、さらにサワー環境において優れた破壊靭性を有する油井用鋼材が求められてきている。
【0010】
さらに近年、海面下の深井戸についても、開発が活発になってきている。たとえば、水深2000m以上のいわゆる深海の海底油田では、水温が低い。また、通常、環境の温度が低下するほど、破壊靭性が低下しやすい傾向がある。したがって、高強度であり、さらに低温サワー環境においても優れた破壊靭性を有する、油井用鋼管に代表される油井用鋼材が求められ始めている。
(【0011】以降は省略されています)
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