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公開番号
2025077866
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-19
出願番号
2023190368
出願日
2023-11-07
発明の名称
セラミックス摺動部材、およびその製造方法
出願人
株式会社プロテリアル
,
国立研究開発法人物質・材料研究機構
代理人
個人
主分類
C04B
35/596 20060101AFI20250512BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約
【課題】高い機械強度を確保することができるとともに、高温での摩擦係数を低減することが可能なセラミックス摺動部材等を提供する。
【解決手段】セラミックス摺動部材は、Siを含む非酸化物のセラミックス母材と、前記母材中に分散している酸化活性な非酸化物を含む。酸化活性な非酸化物は、酸素と接触することにより、その酸素と酸化反応を生じて酸化物を形成する能力を有する。酸化物は潤滑剤として機能するため、PB比が1.0以上であることが望ましいが、PB比が2.0を超えるものがより望ましい。特に、金属イオンがNbやTaであるNbC、NbN、TaC、TaNのようにPB比が2.5以上のものがより好ましく、さらには金属イオンがVであるVCやVNなどのようなPB比が3.0以上の値を示すものが特に好ましい。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
Siを含む非酸化物のセラミックス母材と、前記母材中に分散している酸化活性な非酸化物と、を含み、
前記酸化活性な非酸化物の下記(1)で表されるPB比が1.0以上であることを特徴とするセラミックス摺動部材。
PB比=金属イオン1個あたりの酸化物の体積/金属原子1個あたりの体積・・・(1)
続きを表示(約 410 文字)
【請求項2】
前記酸化活性な非酸化物は、V系非酸化物であることを特徴とする請求項1に記載のセラミックス摺動部材。
【請求項3】
請求項1に記載のセラミックス摺動部材の製造方法であって、
Siを含む粉末を有する非酸化物のセラミックス母材粉末と、酸化活性な非酸化物の粉末と、を混合したものを非酸化性雰囲気中で焼結して焼結体を得る工程と、
前記焼結体を所定の形状に加工して加工体を得る工程と、
を有することを特徴とするセラミックス摺動部材の製造方法。
【請求項4】
前記酸化活性な非酸化物は、V系非酸化物であることを特徴とする請求項3に記載のセラミックス摺動部材の製造方法。
【請求項5】
前記加工体を大気雰囲気中650℃以上1300℃以下で熱処理する工程を、さらに有することを特徴とする請求項3または請求項4に記載のセラミックス摺動部材の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミックス摺動部材、およびその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
セラミックス材は、耐熱性、耐高温強度、耐食性、高温硬度が優れていることから、ガスタービンなどの高温環境下での軸受などの摺動部材として使用されている。また金属製の軸受部材に比べて軽量であり、駆動させるのに必要なエネルギーが少ないことから、環境負荷を小さくすることも大いに期待されている。
【0003】
例えば特許文献1では、アルミナを主成分とするマトリックス中に、0.5体積%~20.0体積%の立方晶ZrO
2
を、凝集粒子サイズを10μm以下で分散させて機械強度を向上した、セラミックス転がり軸受材料について開示している。
【0004】
一方、セラミックスを母材とする部材の強度は、マトリックス表層の欠陥に非常に敏感であり、製品のロバスト性向上のためには、製造工程中に発生する部品の表層欠陥をできる限り低減することが求められる。これに対し、いわゆる酸化誘起型の自己治癒セラミックスが提案されている。酸化誘起型自己治癒セラミックスは、セラミックス母材に分散していて、高温大気中での酸化に対して高活性な非酸化物が、母材上に生じたき裂発生を引き金として、その外部に存在する大気中の酸素により高温酸化し、それにより生成した酸化物がき裂を自律的に充填及び接合して強度を完全に回復する機能、いわゆる「自己治癒機能」を有している。そのため、酸化誘起型自己治癒セラミックスは、高い性能と高度な安全性が要求される次世代の高温構造部材への適用が大いに期待されている。特許文献2では、酸化アルミニウムを母材に含むセラミックスに、酸化活性な非酸化物と、治癒促進剤、例えば、酸化マグネシウムもしくは酸化マンガンとを含ませることで、その自己治癒過程での強度回復に必要な速度を高速化させ、また、き裂治癒に必要な温度を低下させ、高機能化が実現する、酸化誘起型自己治癒セラミックスについて開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2000-319064号公報
特許6436513号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、このような自己治癒型セラミックスは、高温で使用されるさまざまな用途に適用可能であるとはいわれているが、実際には、これまでほとんど摺動部材としては適用されてこなかった。通常、摺動部材は潤滑が必要となるが、一般的に500℃以上の大気雰囲気下で使用する場合には、高分子系の潤滑油は揮発してしまい、グラファイトなどの固体潤滑剤では酸化によって潤滑機能自体が損なわれてしまうことから、オイレス環境下での摺動を強いられることが多い。これにより、相対的に摩擦係数は大きくなりやすく、発生する摩擦熱の増大による部材の高温化は、更なる摺動部材表層の摩耗(かじりや脱粒)を進行させ、結果、短命化しやすい課題がある。
【0007】
本発明は、前述の課題を解決するため、高い機械強度を確保することができるとともに、高温での摩擦係数を低減することが可能なセラミックス摺動部材等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のセラミックス摺動部材は、Siを含む非酸化物のセラミックス母材と、前記母材中に分散している酸化活性な非酸化物とを含み、前記酸化活性な非酸化物の下記(1)で表されるPB比が1.0以上である。
PB比=金属イオン1個あたりの酸化物の体積/金属原子1個あたりの体積・・・(1)
また、前記酸化活性な非酸化物は、V系非酸化物であることが好ましい。
【0009】
さらに、本発明のセラミックス摺動部材の製造方法は、Siを含む非酸化物のセラミックス母材粉末と、酸化活性な非酸化物の粉末とを混合したものを非酸化性雰囲気中で焼結して焼結体を得る工程と、前記焼結体を所定の形状に加工して加工体を得る工程と、を有する。
また、前記酸化活性な非酸化物は、V系非酸化物であることが好ましい。
また、前記加工体を大気雰囲気中650℃以上1300℃以下で熱処理する工程を、さらに有することが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、高い機械強度を確保することができるとともに、高温での摩擦係数を低減することが可能なセラミックス摺動部材等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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