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公開番号2025076851
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-16
出願番号2023188763
出願日2023-11-02
発明の名称位相調整器
出願人株式会社デンソー,トヨタ自動車株式会社,株式会社ミライズテクノロジーズ
代理人弁理士法人ゆうあい特許事務所
主分類G02B 6/122 20060101AFI20250509BHJP(光学)
要約【課題】2つの導波路における導波路幅に対する実効屈折率の変化量の差および素子長を所定以下としつつ、製造誤差に起因する位相誤差を低減可能な位相調整器を提供する。
【解決手段】位相調整器は、第1光路L1に配置される第1位相調整部4と、第2光路L2に配置される第2位相調整部5と備え、光路L1、L2の光に所定の位相差を付与する。位相調整部4、5は、クラッド材料で構成されるクラッド層2と、当該クラッド材料よりも屈折率が高い高屈折率材料で構成されるコア層3とを有する。第1位相調整部4は、位相調整領域に、伝搬する光の強度が内部で最大となる導波路を備える。第2位相調整部5は、位相調整領域において、隣接して平行配置される2つのパターン部を有し、クラッド層2のうち当該2つのパターン部の隙間に位置する部位が光を伝搬し、当該光の強度が当該部位の内部またはパターン部との境界部分で最大となる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
第1光路(L1)の光と第2光路(L2)の光との間に所定の位相差を付与する位相調整器であって、
前記第1光路に配置される第1位相調整部(4)と、
前記第2光路に配置される第2位相調整部(5)と、を備え、
前記第1位相調整部および前記第2位相調整部は、クラッド材料で構成されるクラッド層(2)と、前記クラッド材料よりも屈折率が高い高屈折率材料で構成されるコア層(3)とを有してなり、
前記第1位相調整部は、前記高屈折率材料からなり、伝搬する光の強度が前記高屈折率材料の内部で最大となる導波路(33)を備える第1の位相調整領域(42)を有し、
前記第2位相調整部は、前記高屈折率材料が隣接して平行配置される2つのパターン部(36)と、前記クラッド層のうち2つの前記パターン部の隙間に位置し、光を伝搬する伝搬部(21)とを備える第2の位相調整領域(52)を有し、
前記伝搬部は、伝搬する光の強度が内部または前記パターン部との境界部分で最大となる、位相調整器。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記コア層が形成される平面上において、前記導波路が延設される方向に沿った方向を第1方向(D1)とし、前記平面上において前記第1方向に対して直交する方向を第2方向(D2)とし、
前記導波路の前記第2方向における幅を導波路幅(W1)とし、前記パターン部の前記第2方向における幅をパターン幅(W2)とし、
前記導波路幅の変化量に対する前記導波路の実効屈折率n
eff1
の変化量をdn
eff1
/dW1とし、前記パターン幅の変化量に対する前記伝搬部の実効屈折率n
eff2
の変化量をdn
eff2
/dW2として、
前記第1位相調整部および前記第2位相調整部は、||dn
eff1
/dW1|-|dn
eff2
/dW2||の値が所定以下である、請求項1に記載の位相調整器。
【請求項3】
前記第1位相調整部は、前記導波路に隣接して配置され、前記高屈折率材料で構成される第1ダミーパターン(6)を有し、
前記第2位相調整部は、前記パターン部に隣接して配置され、前記高屈折率材料で構成される第2ダミーパターン(7)を有する、請求項1に記載の位相調整器。
【請求項4】
前記第1位相調整部における前記導波路および前記第1ダミーパターンの合計数は、前記第2位相調整部における前記パターン部および前記第2ダミーパターンの合計数と同じである、請求項3に記載の位相調整器。
【請求項5】
前記コア層が形成される平面上において、前記導波路が延設される方向に沿った方向を第1方向(D1)とし、前記平面上において前記第1方向に対して直交する方向を第2方向(D2)として、
前記第1ダミーパターンのうち前記導波路に隣接するものの前記第2方向における幅(W3)は、前記パターン部の前記第2方向における幅であるパターン幅(W2)に等しく、
前記第2ダミーパターンの前記第2方向における幅(W5)は、前記導波路の前記第2方向における幅である導波路幅(W1)に等しい、請求項3または4に記載の位相調整器。
【請求項6】
前記第1ダミーパターンのうち前記導波路に隣接するものの前記第2方向における幅(W3)は、前記導波路幅とは異なっており、
前記第2ダミーパターンの前記第2方向における幅(W5)は、前記パターン幅とは異なっている、請求項5に記載の位相調整器。
【請求項7】
前記第1位相調整部は、前記第1の位相調整領域よりも前記第1光路へ外部からの光が入射される側に形成され、変換器として機能する変換領域(41)を有し、
前記第2位相調整部は、前記第2の位相調整領域を挟んだ両側に形成される2つの変換領域(51、53)を有する、請求項1に記載の位相調整器。
【請求項8】
前記コア層が形成される平面上において、前記導波路が延設される方向に沿った方向を第1方向(D1)として、前記第1の位相調整領域の前記第1方向における幅(L3)は、2つの前記パターン部の前記第1方向における幅(L4)に等しい、請求項7に記載の位相調整器。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、位相調整器に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
従来、入射する2つの光それぞれが伝搬される2つの導波路を有し、当該2つの導波路の形状の違いによって、これら入射する2つの光それぞれの位相を調整するパッシブ型の位相調整器としては、例えば、特許文献1に記載のものが挙げられる。特許文献1に記載の位相調整器は、2つの導波路を伝搬する2つの光の位相差を調整する。
【0003】
この位相調整器は、導波路において光が伝搬される方向を伝搬方向とし、伝搬方向に対して直交する方向における当該導波路の幅を導波路幅Wとして、2つの導波路について導波路幅Wが異なる値とされている。この位相調整器は、導波路幅Wに応じて伝搬される光の実効屈折率n
eff
が変化することを利用し、導波路幅Wを調整することで当該導波路を伝搬する2つの光に所定の位相差Δφを付与する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2007-163825号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の構造の位相調整器は、位相差Δφを生じさせるための位相調整領域における導波路幅Wが製造誤差により設計値がずれると、実効屈折率n
eff
もずれてしまい、ひいては位相差Δφも設定値からの誤差が生じる。この製造誤差に起因する位相誤差φ
error
を低減するため、2つの導波路について、導波路幅Wの変化量に対する実効屈折率n
eff
の変化量dn
eff
/dWの差が小さくなるように設計することが考えられる。
【0006】
以下、説明の簡便化のため、導波路幅Wの製造誤差に起因する位相誤差φ
error
を単に「位相誤差φ
error
」といい、導波路幅Wの変化量に対する実効屈折率n
eff
の変化量dn
eff
/dWを単に「変化量dn
eff
/dW」という。この場合、位相調整器のうち導波路幅Wの調整をしている部分の伝搬方向における長さを素子長Lとして、所定の位相差Δφを得るためには素子長Lを長くする必要がある。
【0007】
ここで、位相差Δφは、素子長Lおよび2つの導波路の実効屈折率n
eff
の差の絶対値に比例する。このため、素子長Lを大きくすると、位相誤差φ
error
の値も大きくなってしまうため、位相誤差φ
error
を低減する効果も抑えられてしまう。
【0008】
一方、素子長Lを小さくすると、所定の位相差Δφを得るためには2つの導波路幅Wの差を大きくしなければならない。しかしながら、この場合、2つの導波路における変化量dn
eff
/dWの差が大きくなってしまい、位相誤差φ
error
を低減する設計とはならなくなる。つまり、上記の位相調整器は、2つの導波路における変化量dn
eff
/dWの差と素子長Lとがトレードオフの関係となる構造であるため、位相誤差φ
error
を低減することが困難である。
【0009】
本開示は、上記の点に鑑み、2つの導波路におけるdn
eff
/dWの差を所定以下としつつも、素子長Lを小さく抑え、位相誤差φ
error
を低減可能な構造の位相調整器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の1つの観点によれば、位相調整器は、第1光路(L1)の光と第2光路(L2)の光との間に所定の位相差を付与する位相調整器であって、第1光路に配置される第1位相調整部(4)と、第2光路に配置される第2位相調整部(5)と、を備え、第1位相調整部および第2位相調整部は、クラッド材料で構成されるクラッド層(2)と、クラッド材料よりも屈折率が高い高屈折率材料で構成されるコア層(3)とを有してなり、第1位相調整部は、高屈折率材料からなり、伝搬する光の強度が高屈折率材料の内部で最大となる導波路パターン(33)を備える第1位相調整領域(42)を有し、第2位相調整部は、高屈折率材料が隣接して平行配置される2つのパターン部(36)と、クラッド層のうち該2つのパターン部の隙間に位置し、光を伝搬する伝搬部(21)とを備える第2位相調整領域(52)を有し、伝搬部は、伝搬する光の強度が内部またはパターン部との境界部分で最大となる。
(【0011】以降は省略されています)

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