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公開番号
2025073756
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-13
出願番号
2023184807
出願日
2023-10-27
発明の名称
難燃性芳香族ポリカ―ボネート樹脂組成物およびその成形品
出願人
信越化学工業株式会社
代理人
弁理士法人英明国際特許事務所
主分類
C08L
69/00 20060101AFI20250502BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】フッ素化合物を使用せずとも、透明性、燃焼時のドリップ防止性に優れた難燃性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】(A)芳香族ポリカーボネート樹脂
(B)式(1)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン
(C)フッ素を含有しない有機金属塩
を含み、所定のMVRを有する芳香族ポリカーボネート樹脂を所定量含む難燃性芳香族ポリカ―ボネート樹脂組成物。
[(R
1
O)(R
2
)
2
SiO
1/2
]
a
[(R
3
)
3
SiO
1/2
]
b
[(H)(R
4
)SiO
2/2
]
c
[(Ar)
x
(R
5
)
2-x
SiO
2/2
]
d
[(R
6
)
2
SiO
2/2
]
e
[(R
7
)SiO
3/2
]
f
(1)
(R
1
~R
7
はアルキル基等、Arはアリール基、xは1又は2、0<a≦0.03、0<b≦0.30、0≦c≦0.45、0.20≦d≦0.70、0≦e≦0.20、0≦f≦0.70、a+b+c+d+e+fは1である。)
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
(A)芳香族ポリカーボネート樹脂:100質量部、
(B)下記式(1)で表される、重量平均分子量700~10,000のオルガノハイドロジェンポリシロキサン:0.1~10質量部、および
(C)フッ素を含有しない有機アルカリ金属塩およびフッ素を含有しない有機アルカリ土類金属塩から選択される少なくとも1種:0.001~1.0質量部
を含む難燃性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物であって、
ISO1133-1に準じて300℃、荷重1.2kgで測定したメルトボリュームフローレート(MVR)が2~8cm
3
/10分である芳香族ポリカーボネート樹脂を、(A)成分全体の質量に対して20質量%以上含む難燃性芳香族ポリカ―ボネート樹脂組成物。
[(R
1
O)(R
2
)
2
SiO
1/2
]
a
[(R
3
)
3
SiO
1/2
]
b
[(H)(R
4
)SiO
2/2
]
c
[(Ar)
x
(R
5
)
2-x
SiO
2/2
]
d
[(R
6
)
2
SiO
2/2
]
e
[(R
7
)SiO
3/2
]
f
(1)
(式中、R
1
は、水素原子または炭素数1~3のアルキル基であり、
R
2
およびR
3
は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~6のアルキル基または炭素数6~12のアリール基であり、
R
4
は、炭素数1~6のアルキル基または炭素数6~12のアリール基であり、
Arは、それぞれ独立して、炭素数6~12のアリール基であり、
R
5
およびR
6
は、それぞれ独立して、炭素数1~6のアルキル基であり、
R
7
は、それぞれ独立して、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数6~12のアリール基またはエポキシ基、アミノ基、アクリロイル基、メタクリロイル基もしくはチオール基で置換されていてもよい炭素数1~8のアルキル基である。
xは、1または2を表し、
aは0<a≦0.03を満たす数であり、
bは0<b≦0.30を満たす数であり、
cは0≦c≦0.45を満たす数であり、
dは0.20≦d≦0.70を満たす数であり、
eは0≦e≦0.20を満たす数であり、
続きを表示(約 240 文字)
【請求項2】
前記式(1)中、Arがフェニル基であり、xが2であり、fが0である請求項1記載の難燃性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
【請求項3】
前記(C)成分が、フッ素を含有しない芳香族スルホン酸のアルカリ金属塩またはフッ素を含有しない芳香族スルホン酸のアルカリ土類金属塩である請求項1記載の難燃性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項記載の難燃性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物より成形された成形品。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、難燃性芳香族ポリカ―ボネート樹脂組成物およびその成形品に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)
【背景技術】
【0002】
芳香族ポリカーボネート樹脂は、射出成形等の簡便で生産性に優れた加工法により、種々の成形品に形成され、幅広い産業分野で利用されている。とりわけ、各種照明カバー、透過型ディスプレイ用の保護カバー等の高い透明性が要求される用途には、芳香族ポリカーボネート樹脂の高い光線透過率と極めて低いヘーズに代表される優れた透明性を生かして幅広く使用されている。これらの用途においては、蛍光灯や電球等の光源が高温になる、あるいは浴室または屋外で使用する場合、高い湿気に曝される等の理由から、熱や湿気に曝されても透明性、色相、機械的特性を保持する必要があり、樹脂組成物の透明性に加えて樹脂組成物の耐湿熱性が重視されている。
【0003】
また、これらの用途では、近年、火災時の難燃性についても注目されており、上記の特性に加えて高度な難燃性を有する樹脂組成物が求められている。芳香族ポリカーボネート樹脂に難燃性を付与する方法としては、従来、ハロゲン系化合物やリン系化合物を添加した難燃性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が提案されており、難燃化の要望の強いOA機器、家電製品等に利用されているが、一方で、これらの難燃剤に代わる成分を含む難燃性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が開発され、上記に挙げた製品等に使用されつつある。この難燃剤変更の目的としては、成形時における腐蝕ガスの発生の抑制、製品のリサイクル性の向上等が挙げられる。
【0004】
上記に挙げた難燃剤に代わる新たな難燃剤としては、例えば、シリコーン化合物を挙げることができる。シリコーン化合物を芳香族ポリカーボネート樹脂に配合した難燃性樹脂組成物は、近年、精力的に検討され、種々の提案がされている。
【0005】
例えば、特許文献1では、ポリカーボネート樹脂にパーフルオロアルカンスルホン酸アルカリ(土類)金属塩とアルコキシ基、ビニル基およびフェニル基を有する有機シロキサンとを配合する方法が提案されており、特許文献2では、ポリカーボネート樹脂にパーフルオロアルカンスルホン酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩と2価炭化水素基を介してケイ素原子に結合したオルガノキシシリル基を含有するオルガノポリシロキサンとを配合する方法等が提案されている。
【0006】
また、特許文献3では、ポリカーボネート樹脂成分に特定の石油系重質油類またはピッチ類とシリコーン化合物とを配合する方法が提案されており、特許文献4では、芳香環を有する非シリコーン樹脂に式R
0
2
SiO
1.0
(R
0
は、一価炭化水素基を表す。以下、同じ。)で示される単位とR
0
SiO
1.5
で示される構成単位を持ち、重量平均分子量が10,000以上270,000以下であるシリコーン樹脂を配合する方法等が提案されている。
【0007】
しかし、上記提案のポリカーボネート樹脂組成物は、透明性、難燃性が十分とはいえないものであった。特に、薄肉の場合にドリップを生じ、UL規格94のV-0ランクを達成できない、シリコーン成分の分散が不十分で成形品に白濁が生じる、湿熱処理によりシリコーン成分が凝集して湿熱処理後の透明性が低下する等の問題があった。
【0008】
一方、特許文献5には、芳香族ポリカーボネート樹脂に有機アルカリ金属塩、およびポリ(メチル水素シロキサン)を添加した樹脂組成物が具体的に提案されている。しかし、この樹脂組成物は樹脂組成物自体が白濁し、さらには成形品表面で剥離等の分散不良が発生し、透明性が十分とはいえないものであった。
【0009】
さらには、特許文献6および7では、芳香族ポリカーボネート樹脂に対して、分子中にSi-H基および芳香族基を含有するシリコーン成分を配合してなる透明難燃性ポリカーボネート樹脂組成物も提案されている。
【0010】
特許文献8では、芳香族ポリカーボネート樹脂にブタジエン系ゴムをコアとする特定のコアシェル型グラフト共重合体を配合し、さらにフッ素化ポリオレフィン、および有機スルホン酸金属塩系難燃剤、具体的にパーフルオロブタンスルホン酸カリウムを含有する難燃性ポリカーボネート樹脂組成物が提案されている。
(【0011】以降は省略されています)
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