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公開番号2025073690
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-13
出願番号2023184677
出願日2023-10-27
発明の名称二次電池、二次電池用セパレータ及びその製造方法
出願人本田技研工業株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類H01M 10/058 20100101AFI20250502BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】充放電を繰り返しても短絡が起こりにくく、充電状態の負極層の金属リチウム層の密度の低下が起こりにくい二次電池と、その二次電池用として有用なセパレータ及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】二次電池は、正極層と、負極層と、前記正極層と前記負極層との間に配置されたセパレータと、を備え、前記正極層は、正極集電体と、正極活物質層と、を有し、前記負極層は、負極集電体を有し、前記セパレータは、多孔質基材と、前記多孔質基材の一方の表面に、少なくとも一つの端部に沿って設けられた端部領域を残して形成された導電層と、前記端部領域に形成された絶縁層と、を有し、前記導電層の厚みと前記絶縁層の厚みとの差が前記多孔質基材と前記導電層の合計厚みの1/10以下であって、前記導電層の厚みが前記絶縁層の厚み以上であり、前記セパレータは、前記導電層が前記負極活物質層に対向するように配置されている。
【選択図】図3

特許請求の範囲【請求項1】
正極層と、負極層と、前記正極層と前記負極層との間に配置されたセパレータと、を備え、
前記正極層は、正極集電体と、正極活物質層と、を有し、
前記負極層は、負極集電体を有し、
前記セパレータは、多孔質基材と、前記多孔質基材の一方の表面に、少なくとも一つの端部に沿って設けられた端部領域を残して形成された導電層と、前記端部領域に形成された絶縁層と、を有し、前記導電層の厚みと前記絶縁層の厚みとの差が前記多孔質基材と前記導電層の合計厚みの1/10以下であって、前記導電層の厚みが前記絶縁層の厚み以上であり、
前記セパレータは、前記導電層が前記負極層に対向するように配置されている、二次電池。
続きを表示(約 970 文字)【請求項2】
前記正極集電体は正極タブと接続し、
前記正極タブは前記セパレータの前記絶縁層側に延びている、請求項1に記載の二次電池。
【請求項3】
前記負極層は負極活物質層を有し、前記正極タブが接続されている側において、前記導電層の端部は、前記正極活物質層の端部を外側に超えた位置にあり、前記負極活物質層の端部は、前記導電層の端部と同じもしくは前記導電層の端部を外側に超えた位置にある、請求項2に記載の二次電池。
【請求項4】
前記負極活物質層の端部は前記導電層の端部を外側に超えた位置にあり、前記絶縁層の前記導電層側の端部は、前記正極活物質層の端部と前記負極活物質層の端部との間にある、請求項3に記載の二次電池。
【請求項5】
多孔質基材と、前記多孔質基材の一方の表面に、少なくとも一つの端部に沿って設けられた端部領域を残して形成された導電層と、前記端部領域に形成された絶縁層と、を備え、
前記導電層の厚みと前記絶縁層の厚みとの差が前記多孔質基材と前記導電層の合計厚みの1/10以下であって、前記導電層の厚みが前記絶縁層の厚み以上である、セパレータ。
【請求項6】
長尺状多孔質基材シートを長手方向にロールトゥロールで搬送しながら、前記長尺状多孔質基材シートの一方の表面に、前記長手方向に直交する方向における少なくともの一方の端部を含む端部領域を残して、導電層を帯状に形成し、次いで、前記端部領域に、絶縁層を帯状に前記導電層の厚みとの差が前記長尺状多孔質基材シートと前記導電層の合計厚みの1/10以下であって、前記導電層の厚みが前記絶縁層の厚み以上となる厚みで形成する工程を含む、セパレータの製造方法。
【請求項7】
前記導電層の形成方法が、スパッタ法、ダイコート法及びインクジェット法のいずれかである、請求項6に記載のセパレータの製造方法。
【請求項8】
前記絶縁層の形成方法が、インクジェット法である、請求項6に記載のセパレータの製造方法。
【請求項9】
前記導電層の形成方法がインクジェット法であって、前記絶縁層の形成方法がインクジェット法である、請求項6に記載のセパレータの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池、二次電池用セパレータ及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
近年、より多くの人々が手ごろで信頼でき、持続可能かつ先進的なエネルギーへのアクセスを確保できるようにするため、エネルギーの効率化に貢献する二次電池に関する研究開発が行われている。例えば、リチウムイオン二次電池においては、負極層上への金属析出を防止することを目的として、正極層と負極層との間に導電性多孔質体を介在させ、正極層と導電性多孔質体との間及び負極層と導電性多孔質体との間にセパレータを配置することが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2015-141864号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、二次電池に関する技術においては、高容量化が課題である。二次電池の高容量化のため、負極活物質としてリチウムを用いたリチウム金属二次電池の実用化が望まれている。しかしながら、リチウム金属二次電池においては、充放電を繰り返すことによって、負極の集電体とリチウムとの界面にSEI層(固体電解質中間相)が蓄積し、充電時にリチウムのデンドライトが生成しやすくなる。リチウムのデンドライトが生成すると、リチウムのデンドライトがセパレータを貫通して正極層と負極層とが短絡するおそれがある。また、リチウムのデンドライトが生成すると、負極層に析出した金属リチウム層の密度が低下して、充電時のリチウム二次電池の膨張が過度に大きくなるおそれがある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、充放電を繰り返しても短絡が起こりにくく、充電状態の負極層の金属リチウム層の密度の低下が起こりにくい二次電池と、その二次電池用として有用なセパレータ及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記の課題を解決するために、負極活物質層に対向するセパレータの表面に導電層を設けることが有効であることを見出した。しかしながら、本発明者の検討によると、導電層を設けたセパレータは、導電層の領域と導電層が設けられていない領域との間に段差があり、その段差によってセパレータに皺が発生しやすことが判明した。セパレータに皺が発生すると、正極層と負極層とを確実に絶縁できずに、正極層と負極層とが短絡するおそれがある。
【0007】
本発明者はさらなる検討の結果、セパレータの導電層が設けられない領域に、導電層の厚みとの差が多孔質基材と導電層の合計厚みの1/10以下である絶縁層を、導電層の厚みが絶縁層の厚み以上となるように形成することが有効であることを見出した。したがって、本発明は、次のものを提供する。
【0008】
(1)正極層と、負極層と、前記正極層と前記負極層との間に配置されたセパレータと、を備え、前記正極層は、正極集電体と、正極活物質層と、を有し、前記負極層は、負極集電体を有し、前記セパレータは、多孔質基材と、前記多孔質基材の一方の表面に、少なくとも一つの端部に沿って設けられた端部領域を残して形成された導電層と、前記端部領域に形成された絶縁層と、を有し、前記導電層の厚みと前記絶縁層の厚みとの差が前記多孔質基材と前記導電層の合計厚みの1/10以下であって、前記導電層の厚みが前記絶縁層の厚み以上であり、前記セパレータは、前記導電層が前記負極層に対向するように配置されている、二次電池。
【0009】
(1)の二次電池によれば、セパレータの導電層が負極層に対向するように配置されているので、充電時において、負極層にリチウムが均一に析出しやすくなる。また、充電時において、導電層に電子が供給されることによって、導電層にもリチウムの析出場が多く形成されるため、充電時の電流密度を低下させることができる。充電時の電流密度が低下することによって、過電圧が減少するので電解液の分解が抑制される。また、セパレータは導電層が形成されていない端部領域を有し、端部領域に絶縁層が形成されているので、導電層を介して正極層と負極層とが短絡しにくくなる。さらに、導電層の厚みと絶縁層の厚みとの差が多孔質基材と導電層の合計厚みの1/10以下と少ないので、皺が発生しにくく、形状安定性が高い。また、負極層に対向する導電層の厚みが絶縁層の厚み以上であるので、導電層と負極層との間に隙間が生じにくい。よって、(1)の二次電池は、充放電を繰り返しても短絡が起こりにくく、充電状態の負極層の金属リチウム層の密度が低下しにくくなり、高容量となる。
【0010】
(2)前記正極集電体は正極タブと接続し、前記正極タブは前記セパレータの前記絶縁層側に延びている、(1)に記載の二次電池。
(【0011】以降は省略されています)

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