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公開番号
2025071436
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-08
出願番号
2023181595
出願日
2023-10-23
発明の名称
イオン分析装置及びイオン分析方法
出願人
株式会社島津製作所
代理人
弁理士法人京都国際特許事務所
主分類
G01N
27/62 20210101AFI20250428BHJP(測定;試験)
要約
【課題】ラジカル化されない分子とイオンとの反応によって生じたイオンとラジカル誘起解離により生成されたイオンとをマススペクトル上で区別し、化合物の構造解析を良好に行う。
【解決手段】発明に係るイオン分析装置の一態様は、反応室(132)においてラジカルを試料由来のイオンに接触させて該イオンを解離させるイオン分析装置であって、ラジカルの元となる原料ガスがその内部に導入される生成室(210)と、生成室の内部に放電を生じさせる電力を供給する電力供給部(25)と、原料ガスを生成室を通して反応室へ供給する原料ガス供給部(26)と、原料ガス供給部及び電力供給部を制御するものであって、原料ガスを生成室へ流し該生成室への電力の供給を行うラジカル生成モードと、原料ガスを生成室へ流し該生成室への電力の供給を行わない原料ガスのみ導入モードと、を切り替え可能に実施する制御部(3)と、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
反応室においてラジカルを試料由来のイオンに接触させて該イオンを解離させるイオン分析装置であって、
ラジカルの元となる原料ガスがその内部に導入される生成室と、
前記生成室の内部に放電を生じさせる電力を供給する電力供給部と、
前記原料ガスを前記生成室を通して前記反応室へ供給する原料ガス供給部と、
前記原料ガス供給部及び前記電力供給部を制御するものであって、前記原料ガスを前記生成室へ流し該生成室への電力の供給を行うラジカル生成モードと、前記原料ガスを前記生成室へ流し該生成室への電力の供給を行わない原料ガスのみ導入モードと、を切り替え可能に実施する制御部と、
を備えるイオン分析装置。
続きを表示(約 1,100 文字)
【請求項2】
同一の試料に対し、前記ラジカル生成モードの下で取得された質量分析データと、前記原料ガスのみ導入モードの下で取得された質量分析データとに基いて、前記試料中の化合物の解析を実施する解析部、
をさらに備える、請求項1に記載のイオン分析装置。
【請求項3】
所定の試料に対し、前記原料ガスのみ導入モードの下で取得された質量分析データに基いて質量校正情報を算出する校正情報算出部、をさらに備える、請求項1に記載のイオン分析装置。
【請求項4】
前記質量校正情報を利用して、前記原料ガスのみ導入モードの下で取得された質量分析データにおける質量情報を校正する校正部、をさらに備える、請求項3に記載のイオン分析装置。
【請求項5】
前記原料ガス供給部は、前記生成室に接続されたガス流路に流す原料ガスの流量を調整する又は該流路への原料ガスの流れを許可/停止するガス調整部を含み、
前記制御部は、所定の条件が満たされるまで前記ガス調整部において原料ガスを前記ガス流路に流す配管ガス抜きモードを実施するように前記ガス調整部を制御する、請求項1に記載のイオン分析装置。
【請求項6】
生成室で生成したラジカルを反応室に導入し、該反応室においてラジカルを試料由来のイオンに接触させて該イオンを解離させるイオン分析方法であって、
ラジカルの元となる原料ガスを前記生成室を通して前記反応室へ供給し、該生成室に放電を生じさせるための電力を供給することで、該原料ガスをラジカル化し得る状態で分析を実行する第1ステップと、
前記原料ガスを前記生成室を通して前記反応室へ供給し、該生成室への前記電力の供給を行わないことで、該原料ガスをラジカル化し得ない状態で分析を実行する第2ステップと、
を有するイオン分析方法。
【請求項7】
同一の試料に対し、前記第1ステップにおいて取得された質量分析データと、前記第2ステップにおいて取得された質量分析データとに基いて、前記試料中の化合物の解析を実施する解析ステップ、
をさらに有する、請求項6に記載のイオン分析方法。
【請求項8】
所定の試料に対し、前記第2ステップにおいて取得された質量分析データに基いて質量校正情報を算出する校正情報算出ステップ、をさらに有する、請求項6に記載のイオン分析方法。
【請求項9】
前記質量校正情報を利用して、前記第1ステップにおいて取得された質量分析データにおける質量情報を校正する校正実行ステップ、をさらに有する、請求項8に記載のイオン分析方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料に含まれる目的成分由来のイオンを分析するイオン分析装置及びイオン分析方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
試料に含まれる高分子化合物等の試料成分を同定したりその構造を解析したりするために、試料成分由来のイオンから特定のm/z(質量電荷比)を有するイオンを選別し、そのイオンを解離させて生成した種々のプロダクトイオンをm/zに応じて分離して検出する質量分析法が広く利用されている。イオンの解離手法としては様々な方法が知られているが、その一つとして、各種のラジカルをイオンに付着させる又はイオンと反応させることによってイオンを解離させるラジカル誘起解離法(「ラジカル付着解離法」とも呼ばれるが本明細書では「ラジカル誘起解離法」という)が知られている。
【0003】
例えば特許文献1には、高周波放電によって生成したヒドロキシル(OH)ラジカル、酸素ラジカル、窒素ラジカルなどをイオンに照射することでラジカル誘起解離を生じさせ、それにより生成されたプロダクトイオンを質量分析することが記載されている。また、特許文献2には、ヒドロキシルラジカル及び酸素ラジカルを用いたラジカル誘起解離法によるMS/MS分析によって、脂質の生体活性を決定付ける二重結合位置の分析が可能であることが記載されている。
【0004】
特許文献3には、上述したラジカル誘起解離法において使用するラジカルを生成するためのラジカル生成装置の一例が記載されている。このラジカル生成装置は、石英管とその外周に帯状の導電体を巻回した構成であるヘリカルアンテナを有しており、石英管の内部に水蒸気等の原料ガスを導入し、ヘリカルアンテナに高周波(マイクロ波)電力を供給することによって該石英管の内部にプラズマを発生させ、そのプラズマ中でラジカルを生成させる。また、強い磁場を発生する磁石を石英管の外側に配置し、この磁場を利用した電子サイクロトロン共鳴によって、石英管内のプラズマの密度を高めるとともにプラズマの生成を安定化させる。このラジカル生成装置は、プラズマの生成及び維持に、局所的な誘導型放電と電子サイクロトロン共鳴とを利用しているため、ECR-LICP(Electron Cyclotron Resonance - Localized Inductively Coupled Plasma)型と呼ばれることもある。
【0005】
ラジカル誘起解離法では様々なラジカル種の利用が可能であり、解析の目的や化合物の種類などに応じてラジカル種を使い分けることが望ましい。1台の質量分析装置で様々なラジカル種を使い分けるには、上述したようなラジカル生成装置に供給する原料ガスの種類を切り替えればよい。例えば特許文献4に記載の質量分析装置では、原料ガスとして水蒸気と水素ガスとを切替えることで、コリジョンセル内にヒドロキシルラジカル及び酸素ラジカルと水素ラジカルとを選択的に導入可能な構成が採用されている。水素ラジカルは、イオンを解離させるのに利用できるほか、その還元作用によって、ヒドロキシルラジカル等によってコリジョンセル内の電極の表面に形成された酸化膜を除去する働きも有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開第2018/186286号
国際公開第2019/155725号
国際公開第2022/059247号
国際公開第2021/053865号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、ラジカル生成装置では水蒸気、水素ガス等の原料ガスからラジカルを生成するが、原料ガス中の全ての水蒸気や水素分子がラジカルになるわけではなく、実際には、多くのラジカル化されていない水蒸気や水素分子もコリジョンセル内に導入される。水蒸気や水素分子は反応性が高いため、コリジョンセル内では、目的試料由来のイオンとラジカルとが反応するだけでなく、それらイオンとラジカル化されていない水蒸気や水素分子とが反応してしまう場合がある。後者の反応の起こり易さは試料の種類等に依存する。そうした非ラジカル粒子とイオンとの反応が起こると、ラジカル誘起解離を利用したMS/MS分析(以下「ラジカル誘起型MS/MS分析」という)によって得られたマススペクトルにおいて、ラジカルとの反応によって生成されたプロダクトイオンのピークと非ラジカル粒子との反応によって生成されたイオンのピークとの区別がつきにくくなり、マススペクトルの解析作業に支障をきたす。
【0008】
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その主たる目的は、目的試料由来のイオンとラジカルの元となる原料ガス中の成分との反応により生成されたイオンとラジカルとの反応により生成されたイオンとを的確に区別して解析を行うことができるイオン分析装置及びイオン分析方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るイオン分析装置の一態様は、反応室においてラジカルを試料由来のイオンに接触させて該イオンを解離させるイオン分析装置であって、
ラジカルの元となる原料ガスがその内部に導入される生成室と、
前記生成室の内部に放電を生じさせる電力を供給する電力供給部と、
前記原料ガスを前記生成室を通して前記反応室へ供給する原料ガス供給部と、
前記原料ガス供給部及び前記電力供給部を制御するものであって、前記原料ガスを前記生成室へ流し該生成室への電力の供給を行うラジカル生成モードと、前記原料ガスを前記生成室へ流し該生成室への電力の供給を行わない原料ガスのみ導入モードと、を切り替え可能に実施する制御部と、
を備える。
【0010】
また本発明に係るイオン分析方法の一態様は、生成室で生成したラジカルを反応室に導入し、該反応室においてラジカルを試料由来のイオンに接触させて該イオンを解離させるイオン分析方法であって、
ラジカルの元となる原料ガスを前記生成室を通して前記反応室へ供給し、該生成室に放電を生じさせるための電力を供給することで、該原料ガスをラジカル化し得る状態で分析を実行する第1ステップと、
前記原料ガスを前記生成室を通して前記反応室へ供給し、該生成室への前記電力の供給を行わないことで、該原料ガスをラジカル化し得ない状態で分析を実行する第2ステップと、
を有する。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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