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公開番号2025070723
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-02
出願番号2023181232
出願日2023-10-20
発明の名称樹脂部材の製造方法
出願人株式会社豊田自動織機
代理人弁理士法人あいち国際特許事務所
主分類C08J 7/046 20200101AFI20250424BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】基材との密着性及び傷に対する耐久性に優れたコーティング膜を簡素な作業により形成することができるとともに、プレスにより基材を変形させた際のコーティング膜へのクラックの発生を抑制することができる樹脂部材の製造方法を提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂からなる基材2上に、特定の組成式で表されるTa構造単位とTc構造単位とを有するシルセスキオキサン及び(メタ)アクリレートを含む膜形成成分と、紫外光が照射された場合に塩基及びラジカルを発生させることができるように構成された膜硬化成分と、を含むコーティング剤を塗布する。その後、コーティング剤に紫外光を照射することにより基材2上にコーティング膜3を形成する。その後、基材2とコーティング膜3との積層体を加熱するとともにプレスすることにより所望の形状を備えた樹脂部材1が得られる。
【選択図】図1

特許請求の範囲【請求項1】
熱可塑性樹脂からなる基材上に、下記組成式(1)で表されるTa構造単位と下記組成式(2)で表されるTc構造単位とを有するシルセスキオキサン及び(メタ)アクリレート(ただし、前記シルセスキオキサンを除く)を含む膜形成成分と、紫外光が照射された場合に塩基及びラジカルを発生させることができるように構成された膜硬化成分と、を含むコーティング剤を塗布し、
その後、前記コーティング剤に紫外光を照射することにより前記基材上に前記コーティング剤の硬化物からなるコーティング膜を形成し、
その後、前記基材と前記コーティング膜との積層体を加熱するとともにプレスすることにより所望の形状を備えた樹脂部材を得る、樹脂部材の製造方法。
(R
1
SiO
3/2
) ・・・(1)
(R
2
SiO
3/2
) ・・・(2)
(ただし、前記組成式(1)におけるR
1
はアクリロイル基またはメタクリロイル基であり、前記組成式(2)におけるR
2
は1価の炭化水素基である。)
続きを表示(約 510 文字)【請求項2】
前記プレスにおいて、前記基材の温度が(前記熱可塑性樹脂のガラス転移温度Tg-15℃)以上(Tg+65℃)以下である間に前記積層体をプレスする、請求項1に記載の樹脂部材の製造方法。
【請求項3】
前記シルセスキオキサンは、さらに、下記組成式(3)で表されるQ構造単位を含んでいる、請求項1または2に記載の樹脂部材の製造方法。
(SiO
4/2
) ・・・(3)
【請求項4】
前記シルセスキオキサンの含有量が前記(メタ)アクリレート100質量部に対して30質量部以上150質量部以下である、請求項1または2に記載の樹脂部材の製造方法。
【請求項5】
前記膜硬化成分は、紫外光を照射した際に塩基を発生させることができるように構成された光塩基発生剤と、紫外光を照射した際にラジカルを発生させることができるように構成された光ラジカル重合開始剤を含んでいる、請求項1または2に記載の樹脂部材の製造方法。
【請求項6】
前記(メタ)アクリレートはイソシアヌル環を有している、請求項1または2に記載の樹脂部材の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂部材の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
従来、自動車や鉄道等の車両を構成する部品には、鋼やアルミニウム、ガラス等の無機材料が使用されてきた。近年では、車両の軽量化を目的として、無機材料からなる部品から、プラスチック等の有機材料からなる部品への置き換えが進んでいる。しかし、有機材料は、無機材料に比べて軽量である反面、軟らかく、傷がつきやすい。
【0003】
そこで、有機材料からなる部品の傷に対する耐久性を向上させるために、部品の表面に硬い皮膜を形成する技術が提案されている。例えば、特許文献1には、樹脂製基材と、樹脂製基材の表面に形成されたプライマー層と、プライマー層の上に形成されたハードコート層とを有する被覆部材が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2006-240294号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来、被覆部材を作製するに当たっては、平板状の樹脂製基材を所望の形状に成形した後に皮膜の形成が行われている。しかし、皮膜を形成する前に樹脂製基材を所望の形状に成形すると、樹脂製基材の保管などのために比較的広いスペースを要する。また、樹脂製基材の形状によっては、樹脂製基材上に皮膜を均一に形成することが難しくなることがある。これらの問題を解決する観点から、樹脂製基材を所望の形状に形成する前に、樹脂製基材上に皮膜を形成することが望まれている。
【0006】
しかし、特許文献1に記載されたような2層構造を有する皮膜は靭性が不十分であるため、樹脂製基材上に皮膜を形成した後に樹脂製基材を成形すると、皮膜が樹脂製基材の変形に追従しきれずにクラックが発生するという問題がある。
【0007】
また、樹脂製基材上に2層構造の皮膜を形成するに当たっては、樹脂製基材上にプライマーを塗布する工程、プライマーを乾燥させてプライマー層を形成する工程、プライマー層上にコーティング剤を塗布する工程及びコーティング剤を硬化させてハードコート層を形成する工程を順次行う必要がある。そのため、皮膜の形成作業が煩雑になるとともに、皮膜の形成作業に要するコストの増大を招いている。
【0008】
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、基材との密着性及び傷に対する耐久性に優れたコーティング膜を簡素な作業により形成することができるとともに、プレスにより基材を変形させた際のコーティング膜へのクラックの発生を抑制することができる樹脂部材の製造方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様は、熱可塑性樹脂からなる基材上に、下記組成式(1)で表されるTa構造単位と下記組成式(2)で表されるTc構造単位とを有するシルセスキオキサン及び(メタ)アクリレート(ただし、前記シルセスキオキサンを除く)を含む膜形成成分と、紫外光が照射された場合に塩基及びラジカルを発生させることができるように構成された膜硬化成分と、を含むコーティング剤を塗布し、
その後、前記コーティング剤に紫外光を照射することにより前記基材上に前記コーティング剤の硬化物からなるコーティング膜を形成し、
その後、前記基材と前記コーティング膜との積層体を加熱するとともにプレスすることにより所望の形状を備えた樹脂部材を得る、樹脂部材の製造方法にある。
(R
1
SiO
3/2
) ・・・(1)
(R
2
SiO
3/2
) ・・・(2)
【0010】
ただし、前記組成式(1)におけるR
1
はアクリロイル基またはメタクリロイル基であり、前記組成式(2)におけるR
2
は1価の炭化水素基である。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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