TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025066523
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-23
出願番号2023176193
出願日2023-10-11
発明の名称復調装置およびプログラム
出願人日本放送協会,一般財団法人NHK財団
代理人個人,個人,個人,個人
主分類H04L 27/26 20060101AFI20250416BHJP(電気通信技術)
要約【課題】ACE法が適用されたOFDM信号の復調におけるBER特性の劣化を抑制する。
【解決手段】
本開示に係る復調装置300は、時間領域のOFDM信号をFFTして周波数領域のキャリアシンボルに変換するFFT部307と、周波数領域のキャリアシンボルに対して伝送路等化処理を行う伝送路等化部311と、伝送路等化処理後のキャリアシンボルをIQ信号空間の一定の範囲にクリップするコンスタレーションクリップ部317と、クリップ後のキャリアシンボルをデマッピングして、ビットごとの対数尤度比を算出するデマッピング・LLR算出部318と、ビットごとの対数尤度比に基づき、誤り訂正を行うLDPC復号部321とを備える。
【選択図】図26
特許請求の範囲【請求項1】
所定の変調方式によりIQ信号空間にマッピングされたキャリアシンボルの信号点のうち、所定の信号点を前記所定の変調方式のコンスタレーションの外側に向かって拡張するACE処理が行われた時間領域のOFDM信号を復調する復調装置であって、
前記時間領域のOFDM信号をFFTして周波数領域のキャリアシンボルに変換するFFT部と、
前記周波数領域のキャリアシンボルに対して伝送路等化処理を行う伝送路等化部と、
前記伝送路等化処理後のキャリアシンボルを前記IQ信号空間の一定の範囲にクリップするコンスタレーションクリップ部と、
前記クリップ後のキャリアシンボルをデマッピングして、ビットごとの対数尤度比を算出するデマッピング・LLR算出部と、
前記ビットごとの対数尤度比に基づき、誤り訂正を行う復号部と、を備える復調装置。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
請求項1に記載の復調装置において、
前記コンスタレーションは、信号点が均一に配置されたUC(Uniform Constellation)、または、信号点が一次元に不均一に配置された、1D-NUC(Non-Uniform Constellation)であり、
前記コンスタレーションクリップ部は、前記伝送路等化後のキャリアシンボルのI軸成分の絶対値がI軸について定められた第1のクリップレベルを超えると、前記I軸成分の絶対値が前記第1のクリップレベルとなるように、かつ、前記伝送路等化後のキャリアシンボルのQ軸成分の絶対値がQ軸について定められた第2のクリップレベルを超えると、前記Q軸成分の絶対値が前記第2のクリップレベルとなるように、前記伝送路等化処理後のキャリアシンボルをクリップする、復調装置。
【請求項3】
請求項1に記載の復調装置において、
前記コンスタレーションは、信号点が二次元に不均一に配置された2D-NUCであり、
前記コンスタレーションクリップ部は、前記伝送路等化後のキャリアシンボルの絶対値が予め定められたクリップレベルを超えると、前記伝送路等化後のキャリアシンボルの位相角を変化させることなく、前記伝送路等化後のキャリアシンボルの絶対値が前記クリップレベルとなるように、前記伝送路等化処理後のキャリアシンボルをクリップする、復調装置。
【請求項4】
請求項2に記載の復調装置において、
前記第1のクリップレベルは、前記コンスタレーション上の信号点のI軸成分の最大値であり、
前記第2のクリップレベルは、前記コンスタレーション上の信号点のQ軸成分の最大値である、復調装置。
【請求項5】
請求項3に記載の復調装置において、
前記クリップレベルは、前記コンスタレーション上の信号点の絶対値の最大値である、復調装置。
【請求項6】
請求項2に記載の復調装置において、
前記第1のクリップレベルをCL

とし、前記コンスタレーション上の信号点のI軸成分の最大値をI
MAX
とし、CL

=I
MAX
×α

(α

>1)とし、
前記第2のクリップレベルをCL

とし、前記コンスタレーション上の信号点のQ軸成分の最大値をQ
MAX
とし、CL

=Q
MAX
×α

(α

>1)とすると、
前記α

およびα

は、復調後の前記OFDM信号の所要C/Nが所定の閾値以下となるように定められた定数である、復調装置。
【請求項7】
請求項3に記載の復調装置において、
前記クリップレベルをCL

とし、前記コンスタレーション上の信号点の絶対値の最大値をR
MAX
とし、CL

=R
MAX
×α

(α

>1)とすると、
前記α

は、復調後の前記OFDM信号の所要C/Nが所定の閾値以下となるように定められた定数である、復調装置。
【請求項8】
コンピュータを、請求項1に記載の復調装置として動作させるプログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式を用いる地上デジタル放送の復調装置およびプログラムに関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
近年、地上デジタル放送では、伝送方式として、マルチパス妨害に強いOFDM方式が採用されている。地上デジタル放送のOFDM信号は、数千~数万という非常に多くの互いに直交するサブキャリアで構成されており、伝送帯域内で矩形な形状のスペクトルを有する。一方、OFDM信号の時間波形は、白色ガウス雑音とほぼ同じであり、平均電力とピーク電力との比が大きい、すなわち、ピーク率の高い波形になっている。こうした多数のサブキャリアで構成され、ピーク率が高いOFDM信号を増幅する場合、増幅器の直線性が悪い(非線形特性を有する)と、それぞれのサブキャリアの間に相互変調が生じて干渉妨害を引き起こすことがある。そのため、直線性の優れた増幅器を使用する必要がある。
【0003】
増幅器の直線性を確保する方法としては、増幅器の入力バックオフ(増幅器の出力が飽和する入力レベルと、実際に入力する信号レベルとの比、dB表示では差)を大きくとって、増幅器の入出力特性の直線性のよい領域を使用する方法がある。しかしながら、この方法では、増幅器の効率(増幅器に与える電力と取り出される出力信号の電力との比)が低く、増幅器の消費電力が大きく、発熱量も多くなる。
【0004】
この問題を解決する方法として、プリディストーション方式あるいはフィードフォワード方式の非線形歪み補償機能付きの電力増幅器が開発され、ISDB-T(Integrated Services Digital Broadcasting-Terrestrial)方式による日本の地上デジタル放送の送信機で使用されている。一方、こうした増幅器の非線形特性による特性劣化を軽減するアプローチとして、信号処理によりOFDM信号のピーク率を抑圧する様々な手法(PAPR(Peak to Average Power Ratio)低減手法)が考案されている。その代表的な手法として、TR(Tone Reservation)法と、ACE(Active Constellation Extension)法とがあり、欧州の第2世代地上デジタル放送方式であるDVB-T2および米国の地上デジタル放送方式であるATSC-3.0などで採用されている(非特許文献1-3参照。)。日本の次世代地上デジタル放送方式(地上高度化方式とも呼ばれている)においても、こうしたPAPR低減手法の導入が望まれている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
DVB Document A133 Implementation guidelines for a second generation digital terrestrial television broadcasting system (DVB-T2)
DVB Document A122 Frame structure channel coding and modulation for a second generation digital terrestrial television broadcasting system (DVB-T2)
ATSC Standard: Physical Layer Protocol Doc. A/322:2017
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ACE法には、1D-ACE法と2D-ACE法という2つの手法がある。1D-ACE法は、コンスタレーションが、信号点が均一に配置されたUC(Uniform Constellation)、および、信号点が一次元に不均一に配置された1D-NUC(1 dimension Non Uniform Constellation)のOFDM信号(「1D-ACE信号」と称することがある。)に適用される。2D-ACE法は、コンスタレーションが、信号点が二次元に不均一に配置された2D-NUC(1 dimension Non Uniform Constellation)のOFDM信号(「2D-ACE信号」と称することがある。)に適用される。いずれの手法も、SP(Scattered Pilot)およびCP(Continual Pilot)のようなパイロットシンボル、および、TMCC(Transmission and Multiplexing Configuration and Control)およびLchのような制御シンボルを除く、伝送データによって変調されたキャリアシンボル(「データシンボル」ともいう。)に適用される。
【0007】
図1は、1D-ACE法の信号処理系統100を示す図である。図2は、2D-ACE法の信号処理系統200を示す図である。まず、図1を参照して、1D-ACE法による信号処理について説明する。
【0008】
伝送データによって変調されたキャリアシンボル(データシンボル)、パイロットシンボル(SP,CP)および制御シンボル(TMCC、付加情報を伝送するLch)で構成されるOFDMフレームがIFFT部101に入力される。IFFT部101は、OFDMフレームに含まれるキャリアシンボル(以下、「原キャリアシンボル」と称する。)を、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)によって時間領域波形に変換し、アップサンプリング部102に出力する。
【0009】
IFFT部101から出力された時間領域波形は、アップサンプリング部102および補間フィルタ103による、ゼロ内挿によるアップサンプリングおよび補間フィルタ処理により、サンプリング周波数を4倍にオーバーサンプリングした時間領域波形に変換される。オーバーサンプリングされた時間領域波形は、時間領域クリップ処理部104に入力される。
【0010】
時間領域クリップ処理部104は、オーバーサンプリングされた時間領域波形を、予め定められた信号振幅値(以下、「ACEクリップレベル」と称する。)でクリップする(以下、「ACEクリップ処理」と称する。)。すなわち、時間領域クリップ処理部104は、ACEクリップレベルを超える時間領域波形を、ACEクリップレベルに抑制する。時間領域クリップ処理部104は、ACEクリップ処理した時間領域波形を前置フィルタ105に出力する。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

日本放送協会
撮像装置
3か月前
日本放送協会
撮像装置
11か月前
日本放送協会
撮像装置
11か月前
日本放送協会
液晶表示装置
8か月前
日本放送協会
光学計測装置
2か月前
日本放送協会
マイクロホン
1か月前
日本放送協会
無線通信装置
1か月前
日本放送協会
磁性細線メモリ
5日前
日本放送協会
光制御デバイス
8か月前
日本放送協会
磁性細線デバイス
3か月前
日本放送協会
情報提示システム
10か月前
日本放送協会
360度撮影装置
10か月前
日本放送協会
レンズアダプター
5か月前
日本放送協会
有機光電変換素子
9か月前
日本放送協会
無線伝送システム
3か月前
日本放送協会
垂直分離型撮像素子
7か月前
日本放送協会
データ管理システム
3か月前
日本放送協会
3次元映像表示装置
4日前
日本放送協会
LDM送信システム
10か月前
日本放送協会
送信装置及び受信装置
5か月前
日本放送協会
衛星放送受信システム
5か月前
日本放送協会
送信装置及び受信装置
2か月前
日本放送協会
送信装置及び受信装置
6か月前
日本放送協会
送信装置及び受信装置
3か月前
日本放送協会
受信装置及び送出装置
4か月前
日本放送協会
送信装置及び受信装置
8か月前
日本放送協会
同軸切替器の着脱機構
7か月前
日本放送協会
撮像素子及び撮像装置
8か月前
日本放送協会
送出装置及び受信装置
9か月前
日本放送協会
送信装置及び受信装置
9か月前
日本放送協会
撮像装置及び撮像方法
10か月前
日本放送協会
送信装置及び受信装置
11か月前
日本放送協会
送信装置及び受信装置
12か月前
日本放送協会
送信装置及び受信装置
12か月前
日本放送協会
送信装置及び受信装置
2か月前
日本放送協会
再生装置及びプログラム
7か月前
続きを見る