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公開番号2025061765
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-11
出願番号2025009810,2020207201
出願日2025-01-23,2020-12-15
発明の名称電極および蓄電デバイス
出願人日本特殊陶業株式会社
代理人弁理士法人真明センチュリー
主分類H01M 4/13 20100101AFI20250403BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】活物質の利用率を高くしつつ蓄電デバイスの破損を低減できる電極および蓄電デバイスを提供する。
【解決手段】電極は集電層および複合層を含み、複合層は固体電解質および活物質を含む。複合層は、固体電解質と活物質とに接するイオン導電材をさらに含む。固体電解質および活物質からなる粒子群は、集電層と複合層との間の界面を含む第1群と、複合層の表面を含み第1群と複合層の表面との間に位置する第2群と、を含み、第1群には、第2群に含まれる酸化物である固体電解質の粒径よりも粒径が大きい酸化物である固体電解質が多く含まれる。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
集電層および複合層を含み、
前記複合層は、固体電解質および活物質を含む電極であって、
前記複合層は、前記固体電解質と前記活物質とに接するイオン導電材をさらに含み、
前記固体電解質および前記活物質からなる粒子群は、前記集電層と前記複合層との間の界面を含む位置に配された第1群と、前記複合層の表面を含む位置に配され前記第1群と前記表面との間に位置する第2群と、を含み、
前記第1群には、前記第2群に含まれる酸化物である前記固体電解質の粒径よりも粒径が大きい酸化物である前記固体電解質が多く含まれる電極。
続きを表示(約 340 文字)【請求項2】
前記第1群に含まれる前記固体電解質の粒子は、前記第2群に含まれる前記固体電解質の粒子に比べて、粒径が1μm以上である粒子の個数が多く、かつ、
前記第2群に含まれる前記固体電解質の粒子は、前記第1群に含まれる前記固体電解質の粒子に比べて、粒径が1μm未満である粒子の個数が多い請求項1記載の電極。
【請求項3】
前記イオン導電材は、イオン伝導性を有するイオン液体を含む請求項1又は2に記載の電極。
【請求項4】
前記第1群に占める前記活物質の体積は、前記第2群に占める前記活物質の体積よりも小さい請求項1から3のいずれかに記載の電極。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の電極を備える蓄電デバイス。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は電極および蓄電デバイスに関するものである。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
活物質および固体電解質を含む複合層と、集電層と、を含む電極は知られている。特許文献1に開示された蓄電デバイスの電極は、粒径が小さい固体電解質と粒径が大きい固体電解質とを複合層に混在させ、固体電解質と活物質との間のイオンの出入りを円滑にし、活物質の利用率を確保する。さらに複合層のうち集電層の近くの、粒径が小さい固体電解質の割合を大きくし、集電層の近くの複合層の空隙率を増やし、充電・放電時の電極の伸縮を抑える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2014/132333号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし特許文献1の技術では、複合層は、集電層から遠ざかると粒径が大きい固体電解質の割合が大きくなるので、表面の凹凸が激しくなる。電極を互いに向き合わせたときに複合層の凸の部分は電極間の距離が短くなり易く、さらに複合層の凸の部分に電極反応が集中し易いので、短絡などの破損のおそれがある。
【0005】
本発明はこの問題点を解決するためになされたものであり、活物質の利用率を高くしつつ蓄電デバイスの破損を低減できる電極および蓄電デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために本発明の電極は集電層および複合層を含み、複合層は固体電解質および活物質を含む。複合層は、固体電解質と活物質とに接するイオン導電材をさらに含む。固体電解質および活物質からなる粒子群は、集電層と複合層との間の界面を含む位置に配された第1群と、複合層の表面を含む位置に配され第1群と複合層の表面との間に位置する第2群と、を含み、第1群には、第2群に含まれる固体電解質の粒径よりも粒径が大きい固体電解質が多く含まれる。本発明の蓄電デバイスは前記電極を備える。
【発明の効果】
【0007】
第1の態様によれば、固体電解質および活物質からなる粒子群の、集電層と複合層との間の界面を含む位置に配された第1群には、複合層の表面を含む位置に配され第1群と複合層の表面との間に位置する第2群に含まれる固体電解質の粒径よりも粒径が大きい固体電解質が多く含まれる。よって集電層の近くでは、固体電解質の粒子内をイオンが拡散し易くなる。イオン導電材は固体電解質と活物質とに接するので、第1群に含まれる固体電解質と活物質との間のイオンの出入りに起因する抵抗を低減し、活物質の利用率を高くできる。
【0008】
一方、複合層の表面を含む位置に配された第2群には、第1群に含まれる固体電解質の粒径よりも粒径が小さい固体電解質が多く含まれるので、複合層の表面の凹凸が少なくなる。複合層の表面に分散して電極反応が生じるので、電極が配置された蓄電デバイスの破損を低減できる。
【0009】
第2の態様によれば、第1群に含まれる固体電解質の粒子は、第2群に含まれる固体電解質の粒子に比べて、粒径が1μm以上である粒子の個数が多く、かつ、第2群に含まれる固体電解質の粒子は、第1群に含まれる固体電解質の粒子に比べて、粒径が1μm未満である粒子の個数が多い。これにより集電層の近くでは、固体電解質の粒子内をイオンがより拡散し易くなる。よって第1の態様の効果に加え、活物質の利用率をより高くできる。さらに複合層の表面の凹凸がより少なくなるので、蓄電デバイスの破損をより低減できる。
【0010】
第3の態様によれば、固体電解質が酸化物であると、湿度に対する安定性を向上できる。酸化物の固体電解質は粒界抵抗が大きいが、複合層は固体電解質と活物質とに接するイオン導電材を含むので、第1又は第2の態様の効果に加え、複合層の粒界抵抗を低減しつつ湿度に対する安定性を向上できる。
(【0011】以降は省略されています)

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