TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
公開番号
2025061389
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-10
出願番号
2025006085,2021544418
出願日
2025-01-16,2020-02-27
発明の名称
細胞外マトリックス調節剤
出願人
クルーゼ,フリードリッヒ イー.
,
シュロッツァーシュレハルト,ウルスラ
,
興和株式会社
代理人
弁理士法人アルガ特許事務所
主分類
A61K
31/551 20060101AFI20250403BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】角膜内皮細胞による細胞外マトリックスの発現を調節するための薬剤を提供する。
【解決手段】1-(4-フルオロ-5-イソキノリンスルホニル)-2-メチル-1,4-ホモピペラジンまたはその塩、またはそれらの溶媒和物を含有する、角膜内皮細胞による細胞外マトリックスの発現を調節するための薬剤である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
1-(4-フルオロ-5-イソキノリンスルホニル)-2-メチル-1,4-ホモピペラジンまたはその塩、またはそれらの溶媒和物を含む、角膜内皮細胞による細胞外マトリックスの発現を調節するための薬剤。
続きを表示(約 560 文字)
【請求項2】
1-(4-フルオロ-5-イソキノリンスルホニル)-2-メチル-1,4-ホモピペラジンが、(S)-(-)-1-(4-フルオロ-5-イソキノリンスルホニル)-2-メチル-1,4-ホモピペラジンである、請求項1に記載の角膜内皮細胞による細胞外マトリックスの発現を調節するための薬剤。
【請求項3】
グッテー形成を予防および/または抑制するための薬剤である、請求項1または2に記載の角膜内皮細胞による細胞外マトリックスの発現を調節するための薬剤。
【請求項4】
FECD患者におけるグッテー形成を予防および/または抑制するための薬剤である、請求項3に記載のグッテー形成を予防および/または抑制するための薬剤。
【請求項5】
グッテー形成の再発を予防および/または抑制するための薬剤である、請求項1または2に記載の角膜内皮細胞による細胞外マトリックスの発現を調節するための薬剤。
【請求項6】
FECD患者におけるグッテー形成の再発を予防および/または抑制するための薬剤である、請求項5に記載のグッテー形成の再発を予防および/または抑制するための薬剤。
【請求項7】
液体製剤である、請求項1から6のいずれか一項に記載の薬剤。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、角膜内皮細胞による細胞外マトリックスの発現を調節するための薬剤に関する。より詳細には、本発明は、活性成分として1-(4-フルオロ-5-イソキノリンスルホニル)-2-メチル-1,4-ホモピペラジンまたはその塩、またはそれらの溶媒和物を含有する、角膜内皮細胞による細胞外マトリックスの発現を調節するための薬剤に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)
【背景技術】
【0002】
角膜は、強膜と共に眼球の壁を構成するだけでなく、透明な組織であることから外部の像を眼内に取り込むための入口としても挙動する重要な組織である。角膜の厚さは、中心部でおよそ500μmであり、外側から出発して角膜上皮、ボーマン膜、角膜実質、デスメ膜、および角膜内皮の5層からなる。
【0003】
角膜内皮細胞は、種々の細胞外マトリックス構成成分を産生して、特殊化した基底膜、すなわちデスメ膜を形成する。デスメ膜は、前側の縞状層(胎児層)と、内皮細胞の分泌活性によって継続的に成長し、生涯を通して肥厚する後側の非縞状層(生後)の2つの層で構成される。正常なデスメ膜は、角膜実質側にVIII型コラーゲン、IV型コラーゲン(鎖α1~α2)、およびフィブロネクチンを含有し、内皮側にエンタクチン、ラミニン、パールカン、およびIV型コラーゲン(鎖α3~α6)を含有する。偽水晶体水疱性角膜症などの角膜内皮障害は、事実上全てが、異常な細胞外マトリックス蓄積に関連付けられる。これらの状態では、角膜内皮細胞がストレス誘導性トランス分化を受けて筋線維芽細胞になり、それにより過剰量のコラーゲン(大部分はI型コラーゲン)が産生され、デスメ膜の表面に異常な後側原線維層が形成される。そのような後側の線維化層は、内皮機能障害における一般的な最終的経路の結果であると考えられる(非特許文献1参照)。
【0004】
デスメ膜のマトリックス組成の変化も、疣贅様突出物、いわゆるグッテー(guttae)の形成と共に、フックス角膜内皮ジストロフィー(FECD)の特徴的な初期の臨床的特質である(図1)。これらのマトリックスの変化により、罹患している患者において光散乱に起因したコントラスト感度の喪失およびグレアの増大が導かれ(非特許文献2参照)、それにより、患者の視覚の質が重度の影響を受ける。角膜内皮細胞機能障害により、さらに角膜浮腫、角膜の透明度の喪失、および不可逆的失明が生じる。FECDは、ゆっくりと進行する両側性角膜疾患であり、40歳を超えた成人において臨床的に明らかになる。2015年には、FECDは世界中で実施された角膜移植(corneal graft)の39%を占めた。現在のところ、角膜移植(corneal transplantation)以外にFECDに対する治療法は存在しない。
【0005】
最近の刊行物において、FECDが、マトリックスタンパク質の発現パターンの、偽水晶体性水疱性角膜症の患者および正常な対象の発現パターンとは異なる特異的変化によって特徴付けられることが示された(非特許文献3参照)。FECD検体において、I型、III型およびXVI型コラーゲン、フィブロネクチン、アグリン、ラミニンα1、TGFBIならびにクラスタリンを含めたいくつかのマトリックスタンパク質がmRNAレベルおよびタンパク質レベルの両方で選択的に上方制御されることが同定された。免疫組織化学的検査により、これらのマトリックスタンパク質、特にIII型コラーゲンがデスメ膜肥厚およびグッテー形成に関与することが確認された(図2)。FECDにおける異常なマトリックス沈着は、FECD患者の房水中のTGF-β2のレベルの上昇によって誘導される可能性がある。VI型コラーゲン、ラミニンα3、およびフィブロネクチンの上方制御が、最近、FECD患者由来の培養内皮細胞において確認された(非特許文献4参照)。
【0006】
デスメ膜肥厚およびグッテー形成がFECDの最初の臨床徴候であることが分かっているので、異常なマトリックス沈着を阻害することにより、疾患の増悪を緩徐化し、最終的に角膜移植を回避することができる。本発明者らは、ストレス誘導性またはTGFβ誘導性Rhoキナーゼ(Rho関連、コイルドコイル含有プロテインキナーゼ:ROCK)シグナル伝達活性化が線維化応答および角膜内皮細胞による異常なマトリックス産生に関与すること、ならびに、ROCK阻害によりこれらの変化を減弱させる、予防する、またはさらには逆転させ、それにより、FECD患者における視覚機能を正常化することができるという仮説を立てた。
【0007】
Rhoは、小さなGTPアーゼであり、グアニンヌクレオチド交換因子により活性化されると、ミオシン軽鎖およびLIMキナーゼを含めた種々の基質をリン酸化するROCKを活性化する。ROCKシグナル伝達は、創傷、インテグリン刺激、サイトカインおよび増殖因子によって活性化され、接着、遊走、増殖、分化およびアポトーシスを含めた広範にわたる基本的な細胞事象を制御する。これらのプロセスは、主に細胞骨格の調節によって媒介される。
【0008】
腎臓および肺を含めた多数の器官系における線維化病変の発生におけるRho-ROCKシグナル伝達経路の関与に関しては多数の証拠が蓄積されている(非特許文献5~8参照)。ROCKシグナル伝達活性化は、ストレスまたは傷害に応答した上皮細胞、内皮細胞および間葉細胞の線維化促進応答に関与し、それにより、線維芽細胞の、変化したコラーゲンリッチ細胞外マトリックスを産生する筋線維芽細胞への移行が駆動されると思われる。一貫して、ROCK阻害剤は、動物モデルにおける線維症を抑制または予防するために使用されており、より重要なことに、すでに確立された線維症からの回復を誘導する(非特許文献6参照)。これらの抗線維化効果は、TGFβにより誘導される筋線維芽細胞形質転換および過剰なマトリックス産生の防止によって媒介される可能性がある(非特許文献9~12参照)。ROCKの小分子阻害剤であるファスジルは、種々の線維性疾患において抗線維化効果を有することが示されており、例えば、ファスジルにより、ヒト線維芽細胞におけるα-SMA、MLCP、LIMK1、p-コフィリン、I型コラーゲン、およびIII型コラーゲンタンパク質の発現が減弱した(非特許文献12参照)。したがって、一連の証拠から、ROCK阻害が線維症の治療における強力な治療ツールとしての大きな可能性を有することが示される。
【0009】
トランスフォーミング増殖因子-β(TGF-β)シグナル伝達経路は、線維性疾患における細胞外マトリックスの異常な合成を駆動する線維芽細胞活性化の重要なメディエーターである。さらに、TGF-β媒介性線維症には標準的なWntシグナル伝達の活性化が必要であり、線維性疾患の病理発生における両方の経路の相互作用の重要な役割が強調される(非特許文献13参照)。Wntシグナル伝達およびTGF-βシグナル伝達はまた、内皮間葉移行(EMT)を活性化することも示唆されている。
【0010】
以前の試験により、Y-27632、H-1152およびチアゾビビンを使用してROCKシグナル伝達を阻害することにより、in vitroおよびin vivo動物モデルにおいて細胞接着、遊走、増殖および創傷治癒が刺激され、角膜内皮細胞のアポトーシスおよび内皮間葉移行(EMT)が抑制されることが示された(非特許文献14~25参照)。K-115について、内皮細胞の増殖および創傷治癒の刺激、機能的内皮マーカーの上方制御ならびにEMTマーカーの下方制御について、同様の所見が報告されている(非特許文献26および27参照)。これらの試験により、角膜内皮細胞培養(cultivation)のための細胞注射療法における補助薬として(非特許文献28参照)、および、FECDに対する、いわゆるDWEK(内皮角膜形成術を伴わないデスメ膜剥離)またはDSO(デスメ膜剥離のみ)手順である角膜ドナー移植を伴わないデスメ膜剥離(descemetorhexis)(デスメ膜除去)戦略の失敗をレスキューするための点眼剤として(非特許文献29参照)、ROCK阻害剤が有用であることについて証拠がもたらされた。
【先行技術文献】
【非特許文献】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPatで参照する
関連特許
個人
健康器具
1か月前
個人
鼾防止用具
1か月前
個人
歯茎みが品
2か月前
個人
脈波測定方法
1か月前
個人
塗り薬塗り具
4か月前
個人
脈波測定方法
2か月前
個人
白内障治療法
1か月前
個人
導電香
2か月前
個人
マッサージ機
2か月前
個人
洗井間専家。
19日前
個人
健康器具
4か月前
個人
収納容器
4か月前
個人
染毛方法
4か月前
個人
クリップ
2か月前
個人
片足歩行支援具
3か月前
個人
ホバーアイロン
7日前
個人
車椅子持ち上げ器
1か月前
個人
口内洗浄具
2か月前
三生医薬株式会社
錠剤
1か月前
個人
眼科診療車
3か月前
株式会社コーセー
化粧料
3か月前
株式会社コーセー
美爪料
3か月前
東レ株式会社
吸収制御剤
4か月前
株式会社 MTG
浴用剤
2か月前
個人
服薬支援装置
28日前
株式会社結心
手袋
1か月前
個人
除菌システム
3か月前
個人
避難困難者救出台車
3か月前
株式会社ニデック
眼科装置
2か月前
個人
歯列矯正用器具
1か月前
株式会社ダリヤ
毛髪化粧料
2か月前
個人
尿バッグカバー
2か月前
株式会社ファンケル
化粧料
4か月前
個人
Dr.なかまつよい耳
4か月前
個人
立位姿勢支持具
4か月前
個人
腰用サポーター
1か月前
続きを見る
他の特許を見る