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公開番号2025059983
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-10
出願番号2023170435
出願日2023-09-29
発明の名称電極材料の製造方法
出願人日本ケミコン株式会社,国立大学法人東京農工大学,有限会社ケー・アンド・ダブル
代理人個人,個人,個人,個人
主分類H01M 4/485 20100101AFI20250403BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】リチウムバナジウム酸化物とカーボンの複合体である電極材料を短時間で製造する方法を提供する。
【解決手段】水又は水を含む混合液を用意し、調製工程、pH調整工程及びスプレードライ工程を経る。調製工程では、水または水を含む混合液にバナジウム源とリチウム源とカーボンを添加することで、リチウムバナジウム酸化物とカーボンとの複合体の原料液を調製する。pH調整工程では、前記原料液をpH5以上に調整する。スプレードライ工程では、前記原料液を噴霧して熱風に晒し、当該原料液から液体を気化させる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
リチウムバナジウム酸化物とカーボンとの複合体である電極材料の製造方法であって、
水又は水を含む混合液を用意する工程と、
水または水を含む混合液にバナジウム源とリチウム源と前記カーボンを添加することで、前記複合体の原料液を調製する調製工程と、
前記原料液をpH5以上に調整するpH調整工程と、
前記原料液を噴霧して熱風に晒し、当該原料液から液体を気化させるスプレードライ工程と、
を含むこと、
を特徴とする電極材料の製造方法。
続きを表示(約 860 文字)【請求項2】
前記スプレードライ工程にて、前記リチウムバナジウム酸化物を結晶化し、前記リチウムバナジウム酸化物をカチオンディスオーダー構造に変化させ、前記リチウムバナジウム酸化物と前記カーボンとを複合化させること、
を特徴とする請求項1記載の電極材料の製造方法。
【請求項3】
前記スプレードライ工程の前に、前記バナジウム源と前記リチウム源と前記カーボンを分散させる分散工程を含むこと、
を特徴とする請求項1記載の電極材料の製造方法。
【請求項4】
前記スプレードライ工程の前に、前記原料液をホモジナイザーにより分散する第一の分散工程と、
前記スプレードライ工程の前に、反応容器内に前記原料液を投入し、旋回する前記反応容器内で、前記バナジウム源と前記リチウム源と前記カーボンを分散させる第二の分散工程と、
を含むこと、
を特徴とする請求項1記載の電極材料の製造方法。
【請求項5】
前記調製工程では、球状又はアスペクト比が40以下の前記カーボンを添加すること、
を特徴とする請求項1記載の電極材料の製造方法。
【請求項6】
前記調製工程では、前記カーボンとしてカーボンブラックを添加すること、
を特徴とする請求項4記載の電極材料の製造方法。
【請求項7】
前記調製工程では、前記カーボンとしてケッチェンブラックを添加すること、
を特徴とする請求項5記載の電極材料の製造方法。
【請求項8】
前記調製工程では、前記カーボンを前記複合体に対して20wt%以下となるように添加すること、
を特徴とする請求項6又は7記載の電極材料の製造方法。
【請求項9】
前記調製工程では、前記カーボンとしてカーボンナノチューブを、前記複合体に対して40wt%以上となるように添加すること、
を特徴とする請求項1記載の電極材料の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池やコンデンサの電極材料として用いることができ、リチウムバナジウム酸化物とカーボンの複合体の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
化学式Li

VO

のバナジン酸リチウムに代表されるリチウムバナジウム酸化物は二次電池やコンデンサの電極材料として用いられる。このリチウムバナジウム酸化物は、チタン酸リチウム(Li

Ti


12
)及びB型酸化チタン(TiO

(B))よりも低充放電電位(V vs Li/Li+)である。しかも、リチウムバナジウム酸化物は、グラファイトよりも高充放電電位(V vs Li/Li+)である。従って、このリチウムバナジウム酸化物を負極材料に適用した蓄電デバイスには、高エネルギー密度と高い安全性が期待できる。
【0003】
また、リチウムバナジウム酸化物を負極材料として用いたキャパシタの理論容量は、チタン酸リチウムと比べると2倍以上になるとの報告がある。サイクル特性においても、リチウムバナジウム酸化物を負極材料として用いたキャパシタは、高い容量維持率及び高い充放電効率を維持する。
【0004】
そのため、このリチウムバナジウム酸化物は、各種蓄電デバイスの用途が想定されて研究されている。蓄電デバイスとしては、正極及び負極にそれぞれ金属化合物粒子を用いたリチウムイオン二次電池、及び正極に活性炭、負極にリチウムイオンを可逆的に吸着/脱着可能な材料を用いたハイブリッドキャパシタが挙げられる。リチウムバナジウム酸化物を電極活物質として含む電極材料には、電極の電気伝導性を高めるために、電気伝導性の高いカーボンを導電助剤として添加される。導電助剤であるカーボンをリチウムバナジウム酸化物と複合化させることで、電極材料のレート特性、即ち、高レートでの充放電容量を高めている。
【0005】
リチウムバナジウム酸化物の製造方法としては、次の方法が一般的に知られている。即ち、固相法又は液相法によってリチウム源とバナジウム源を混ぜ合わせる。そして、600℃以上の焼成によって結晶化及び結晶成長させる(例えば、非特許文献1参照)。
【0006】
但し、リチウムバナジウム酸化物結晶体は、通常はβ相の結晶構造を有する。β相の結晶構造は、ウルツ鉱型であり、空間群がPmn2

である。β相の結晶構造を有するリチウムバナジウム酸化物結晶体を電極材料として用いた蓄電デバイスには、レート特性に問題を有する。具体的には、Cレートを上げると急激に入力特性及び出力特性が悪化する。または、充放電密度を上げると、充電できる充電容量及び放電できる放電容量が少なくなる。
【0007】
そこで、770℃以上の焼成によって、β相からγ相へリチウムバナジウム酸化物結晶体の構造を相転移させる方法が提案されている(例えば、非特許文献2参照。)。γ相の結晶構造は、所謂LISICON(Lithium Super Ionic CONductor)型であり、Pnma結晶構造である。γ相の結晶構造を有するリチウムバナジウム酸化物結晶体は、四面体のLiO

配位構造及び四面体のVO

配位構造を基本骨格とし、八面体のLiO

配位構造を有する。
【0008】
更に、リチウムバナジウム酸化物結晶体をカチオンディスオーダー構造に変化させるために、焼成後にメカニカルミリング法を実施することができる(例えば特許文献1参照)。メカニカルミリング法では、例えば、遊星ボールミル、ボールミル、ビーズミル、回転ミル、振動ミル等を用いて、機械的エネルギーを与える。
【0009】
カチオンディスオーダー構造は、カチオンがディスオーダー化された構造である。このカチオンディスオーダー構造は、粉末X線解析で分析した入射角2θが32.2度付近のピークよりも低角の範囲に現れる各種長距離秩序の全て又は一部が崩れてランダムになっている。換言すれば、カチオンディスオーダー構造は、32.2度付近のピークよりも低角の範囲に現われる距離でのVO

配位構造とLiO

配位構造の配列の規則性が失われている。
【0010】
リチウムバナジウム酸化物の生成を終えた後は、リチウムバナジウム酸化物にカーボンを混合し、リチウムバナジウム酸化物とカーボンとを複合化する。複合化の工程ではメカニカルミリング法が用いられる。メカニカルミリング法では、例えば、遊星ボールミル、ボールミル、ビーズミル、回転ミル、振動ミル等を用いて、機械的エネルギーを与える。
【先行技術文献】
【非特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

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