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公開番号2025055369
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-08
出願番号2023164664
出願日2023-09-27
発明の名称電池モジュール
出願人株式会社SUBARU
代理人個人
主分類H01M 10/6566 20140101AFI20250401BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】エネルギー密度を低下させることなく冷却を効率良く行う電池モジュールを提供する。
【解決手段】電池パック12において、電池モジュールは、複数の円筒形蓄電体14と、円筒形蓄電体を収容するケースと、ケースの蓋部10bに設けられ全ての円筒形蓄電体の正極14aに電気的に接続された正極側バスバー16と、ケースの底部10cに設けられ全ての円筒形蓄電体の負極14bに電気的に接続された負極側バスバー18と、を有し、円筒形蓄電体は、隣り合う円筒形蓄電体との間に冷却用の流動体が流れる間隔を確保して配置され、正極側バスバーと負極側バスバーとによる各円筒形蓄電体の保持は、それぞれ円筒形蓄電体が導電ベアリング28を介して正極側バスバー及び負極側バスバーに対して回転可能に取り付けられることで行われ、ケースは、円筒形蓄電体に対して円筒形蓄電体の軸方向と直交する方向から冷却用の流動体を流入させる流動体流入口を有する。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
複数の円筒形蓄電体と、該円筒形蓄電体が収容されるケースと、を有し、前記円筒形蓄電体の該ケースへの収容は、該ケースに設けられ前記収容された全ての円筒形蓄電体の正極に電気的に接続された正極側バスバーと、前記ケースに設けられ前記収容された全ての円筒形蓄電体の負極に電気的に接続された負極側バスバーとによって保持されて行われ、前記正極側バスバーと前記負極側バスバーを介して前記円筒形蓄電体の充電及び前記円筒形蓄電体から負荷への電力の供給が行われる電池モジュールにおいて、
前記円筒形蓄電体は、隣り合う該円筒形蓄電体との間に冷却用の流動体が流れる間隔を確保して配置され、前記正極側バスバーと前記負極側バスバーとによる前記各円筒形蓄電体の保持は、それぞれ円筒形蓄電体が電導性を有する回転部材を介して前記正極側バスバー及び負極側バスバーに対して回転可能に取り付けられることで行われ、前記ケースには、前記円筒形蓄電体に対して該円筒形蓄電体の軸方向と直交する方向から前記冷却用の流動体を流入させる流動体流入口が設けられたことを特徴とする電池モジュール。
続きを表示(約 870 文字)【請求項2】
前記円筒形蓄電体は、複数の列を為すように配置され、
前記流動体流入口は、前記複数の列の列間に前記流動体が流入して流れる流動体流路が形成されるように配置され、
前記円筒形蓄電体の列が3つ以上の場合、隣り合う前記流動体流路では、前記流動体の流れ方向が反対方向となるように前記流動体流入口が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項3】
前記円筒形蓄電体の列を為す配置は、
前記列の伸長方向にジグザグ状となるように行われていることを特徴とする請求項2に記載の電池モジュール。
【請求項4】
複数の前記円筒形蓄電体の温度をそれぞれ測定する温度センサと、
前記流動体を前記流動体導流入口から流し込む流動体流し込み機構と、
前記温度センサで計測された温度が所定の温度を超えたときに、当該所定の温度を超えた前記円筒形蓄電体の属する列の両側に前記流動体を流す様に前記流動体流し込み機構を作動制御する制御部と、を備えることを特徴とする請求項3に記載の電池モジュール。
【請求項5】
前記正極側バスバー及び負極側バスバーは、それぞれ板状の正極側導電板及び負極側導電板として構成され、
前記回転部材は導電ベアリングで構成され、
前記正極側導電板は前記ケースの上部側、前記負極側導電板は前記ケースの下部側に設けられ、
前記正極側導電板及び前記負極側導電板は、前記導電ベアリングの外輪が接続・固定される孔部を有し、
前記円筒形蓄電体の正極及び負極にはそれぞれ前記導電ベアリングの内輪が接続・固定され、
前記円筒形蓄電体の前記正極側導電板及び前記負極側導電板による保持は、
前記ケース上部側の前記正極側導電板と、前記ケース下部側の前記負極側導電板との間で各前記円筒形蓄電体が前記導電ベアリングを介して挟持されて行われていることを特徴とする請求項1に記載の電池モジュール。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電池モジュール、特に、ケースに複数の円筒形蓄電体が電気的に接続された状態で保持されて構成される電池モジュールに関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
ケースに複数の円筒形蓄電体が電気的に接続された状態で保持されて構成される電池モジュールは、単位体積当たりのエネルギー密度を高めるために、限られた空間に密に配置される。特に、電気自動車やハイブリッド車などの車載用として用いる場合には、限られたスペースにおいて電池モジュールの設置面積を、できるだけ小さくすることが要求される。
【0003】
しかしながら、限られた空間に密に円筒形蓄電体を配置した状況では、電池モジュールを冷却する場合に不具合が生じる。例えば、空気などの流動体で冷却する場合、電池モジュールの中央部に配置された円筒形蓄電体は、周りの円筒形蓄電体に阻まれて、流動体が通過し難くなり、十分な冷却効果が得られない。それ故、電池モジュールの流動体が当たり易い位置に配置された円筒形蓄電体と、流動体の当たり難い中央部に配置された円筒形蓄電体とでは温度に差が生じるおそれが有る。この状況では、温度差により各円筒形蓄電体の電気的特性にバラツキが生じ、電池モジュールの性能劣化の原因となり、十分な冷却効果が得られない場合には、円筒形蓄電体の熱破壊の恐れ等、安全性にも影響する可能性が有る。
【0004】
特許文献1において開示された電源装置では、ケース内部に冷却液が充填され、この冷却液に複数の円筒型蓄電体が浸漬されている。そして、個々の円筒型蓄電体を囲むように回転部材が回転可能な状態でそれぞれ設けられている。この回転部材を回転させることで、円筒型蓄電体の周囲の冷却液を撹拌させ、冷却液の温度のばらつきを抑制するように構成されている。
【0005】
特許文献2において開示された組電池装置では、複数の電池が横置きで筐体内に収容され、筐体の一対の側パネルに第1冷却風導入口と第2冷却風導入口が形成され、第1冷却風導入口と第2冷却風導入口には、それぞれ第1整流フィン及び第2整流フィンが配置されて冷却風の流れる方向が調整できるように構成されている。冷却風は、横置きの電池に電池の軸方向と直交する方向から当てられる。この構成により、冷却風が、温度が高くなった電池を狙って流すことが可能になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2008-192379号公報
特開2010-225472号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の電源装置では、個々の円筒形蓄電体を取り囲んでそれぞれ回転部材が設けられ、これらの回転部材は相互に連動して回転し、隣り合う回転部材の回転方向は逆方向となるように制御されている。これにより、円筒形型蓄電体を冷却する冷却液は温度のバラツキが少なくなるように撹拌される。しかし、全ての回転部材をそれぞれ動作させるための構成が煩雑であり、円筒型蓄電体にそれぞれ回転部材を設けることから単位体積当たりのエネルギー密度を高める方向には反することとなる。
【0008】
特許文献2の組電池装置では、温度が高くなった電池を狙って冷却風を当てて冷却する構成になっているが、冷却の対象の電池の前に他の電池が存在する場合は冷却の効率は良好とは言えない。すなわち、冷却風が他の電池に遮られ対象の電池に十分に当たらず冷却不十分となる。
【0009】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、その目的は、単位面積当たりのエネルギー密度を低下させることなく、且つ全ての円筒形蓄電体の冷却を効率良くムラなく行うことのできる電池モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の一実施の形態の電池モジュールは、
複数の円筒形蓄電体と、該円筒形蓄電体が収容されるケースと、を有し、前記円筒形蓄電体の該ケースへの収容は、該ケースに設けられ前記収容された全ての円筒形蓄電体の正極に電気的に接続された正極側バスバーと、前記ケースに設けられ前記収容された全ての円筒形蓄電体の負極に電気的に接続された負極側バスバーとによって保持されて行われ、前記正極側バスバーと前記負極側バスバーを介して前記円筒形蓄電体の充電及び前記円筒形蓄電体から負荷への電力の供給が行われる電池モジュールにおいて、
前記円筒形蓄電体は、隣り合う該円筒形蓄電体との間に冷却用の流動体が流れる間隔を確保して配置され、前記正極側バスバーと前記負極側バスバーとによる前記各円筒形蓄電体の保持は、それぞれ円筒形蓄電体が電導性を有する回転部材を介して前記正極側バスバー及び負極側バスバーに対して回転可能に取り付けられることで行われ、前記ケースには、前記円筒形蓄電体に対して該円筒形蓄電体の軸方向と直交する方向から前記冷却用の流動体を流入させる流動体流入口が設けられたことを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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