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公開番号2025059564
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-10
出願番号2023169722
出願日2023-09-29
発明の名称ウレタン結合を介してラジカル重合性基が導入された機能性微粒子の安定的製造方法
出願人株式会社松風
代理人
主分類A61K 6/887 20200101AFI20250403BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】
ウレタン結合を介してラジカル重合性基が無機充填材表面に導入された機能性微粒子の安定的製造方法を提供すること。
【解決手段】
無機充填材表面のヒドロキシ基またはシラノール基にウレタン結合を介してラジカル重合性基が導入された機能性微粒子の製造方法で、以下に示す工程を含むことを特徴とする製造方法。
(1) 片末端がラジカル重合性基であり、加熱によりイソシアネート基を生成する有機化合物、および無機充填材を均一混合させる工程。
(2) 工程(1)で得られた混合物を加熱させイソシアネート基を生成させる工程。
(3) 工程(2)で生成したイソシアネート基と無機充填材表面のヒドロキシ基またはシラノール基にウレタン結合を介してラジカル重合性基を導入する工程。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
無機充填材表面のヒドロキシ基またはシラノール基にウレタン結合を介してラジカル重合性基が導入された機能性微粒子の製造方法で、以下に示す工程を含むことを特徴とする製造方法。
(1) 片末端がラジカル重合性基であり、加熱によりイソシアネート基を生成する有機化合物、および無機充填材を均一混合させる工程。
(2) 工程(1)で得られた混合物を加熱させイソシアネート基を生成させる工程。
(3) 工程(2)で生成したイソシアネート基と無機充填材表面のヒドロキシ基またはシラノール基にウレタン結合を介してラジカル重合性基を導入する工程。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
さらに、
(4) 工程(2)で副生した残基を除去する工程、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
さらに、
(5) 工程(3)で得られた無機充填材と共存する有機溶媒・水分を乾燥除去する工程、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
片末端がラジカル重合性基であり、加熱によりイソシアネート基を生成する有機化合物、が、以下から選ばれる事を特徴とした請求項1記載の機能性微粒子の製造方法。
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43
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【請求項5】
片末端がラジカル重合性基であり、加熱によりイソシアネート基を生成する有機化合物、が、以下から選ばれる事を特徴とした請求項1記載の機能性微粒子の製造方法。
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74
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【請求項6】
無機充填材が二酸化珪素、アルミナ、シリカ-チタニア、シリカ-チタニア-酸化バリウム、シリカ-ジルコニア、シリカ-アルミナ、ランタンガラス、ホウケイ酸ガラス、ソーダガラス、バリウムガラス、ストロンチウムガラス、ガラスセラミック、アルミノシリケートガラス、バリウムボロアルミノシリケートガラス、ストロンチウムボロアルミノシリケートガラス、フルオロアルミノシリケートガラス、カルシウムフルオロアルミノシリケートガラス、ストロンチウムフルオロアルミノシリケートガラス、バリウムフルオロアルミノシリケートガラス、ストロンチウムカルシウムフルオロアルミノシリケートガラスである事を特徴とした請求項1記載の機能性微粒子の製造方法。
【請求項7】
請求項1工程(2)記載の加熱温度が大気圧下100℃から150℃の範囲である事を特徴とする請求項1記載の機能性微粒子の製造方法。
【請求項8】
請求項1工程(1)記載の混合工程で含水率50ppm以下の脱水有機溶媒を無機充填材に対して同質量以下添加する事を特徴とする請求項1記載の機能性微粒子の製造方法。
【請求項9】
請求項1工程(2)記載の加熱させる工程で耐圧10MPa以下の圧力容器内にてウレタン化反応させる請求項1記載の機能性微粒子の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ウレタン結合を介してラジカル重合性基が導入された機能性微粒子の安定的製造方法に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
医科歯科分野で骨や歯牙の欠損を修復するために金属補綴物や合成樹脂成型物などが用いられている。それらの生体硬組織への接着には、接着重合性モノマーを含有する接着剤が多用されている。保存修復分野では、所謂コンポジットレジンと呼ばれる硬化性組成物が日々臨床にて使用されている。これは未硬化体(ラジカル重合前)ペーストを、歯牙等の欠損部位に充填した後に光照射等の外的エネルギーを付与することでラジカル重合硬化体を得る。一般的にこれらの接着剤やコンポジットレジンには、メチルメタクリレートやトリエチレングリコールジメタクリレート、ウレタン系ジメタクリレート等の(メタ)アクリル酸誘導体モノマーが使用されている。これら(メタ)アクリル酸誘導体モノマー等のビニルモノマーのフリーラジカル重合(以下ラジカル重合と記す)では、炭素‐炭素の二重結合が解裂し単結合になることで高分子体を形成し硬化する。このコンポジットレジンにはビニルモノマーだけではなく、無機充填材が機械的強度向上の目的で添加される。一般的にそれらの無機充填材は重合性基を有するシランカップリング剤により表面処理され、濡れ性の向上や機械的強度向上が図られている。
【0003】
歯科分野では従来より、シランカップリング剤としてγ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(以下KBM-503と記す)が広く用いられている。該化合物で表面処理された粒子を用いた場合、確かに無機充填材表面は表面処理により疎水化され、若干の機械的強度向上は認められる。しかしながら、これらシランカップリング剤は炭素骨格のラジカル重合性基を有するために、表面処理後の乾燥温度が110℃程度と限界があった。ここで、シランカップリング剤のアルコキシ基は加水分解を受けた後に生成したシラノール基が脱水縮合してポリシロキサン結合になる。この脱水縮合を促進させるには高い乾燥温度が効果的である。十分な脱水縮合が行われないと、生成したシラノール基が残存するキセロゲル状態となり、十分な機械的強度が得られない。より詳細に説明すると、フィラー表面のシラノール基とシランカップリング剤の脱アルコールにより生成したシラノール基は脱水縮合することで化学的に強固に結合する。この脱水縮合は一般的には自発的に進行するが、反応点が離れている場合には加熱による分子振動が必要となる。より離れた反応点どうしが脱水縮合するには、より高い加熱が必要になる事は言うまでもない。しかしながら前述した様に、ラジカル重合性基を有するシランカップリング剤は150℃を超える高温下では重合が生じシランカップリング剤としての機能が消滅する。従って、加熱温度上限は限られており、その結果、脆弱なキセロゲル層が残存し機械的強度の低下をもたらす。この問題はアルコキシ基の加水分解・縮合にて無機充填材にラジカル重合性基を導入するシランカップリング剤を使用する限り避けられないものであった。その脆弱性を緩和するために、アルキル鎖の長いシランカップリング剤使用する方法(特許文献1、2)、フルオロアルキレン基を有するシランカップリング剤使用する方法(特許文献3)、重合性基を数多く有するシランカップリング剤使用する方法(特許文献4)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平2-134307号
特開平3-70778号
特開2007-238567号
特開2010-229054号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
アルコキシ基の加水分解・縮合にて無機充填材にラジカル重合性基を導入するシランカップリング剤は加水分解を受けた後に生成したシラノール基が脱水縮合してポリシロキサン結合になる。この脱水縮合を促進させるには高い乾燥温度が効果的である。十分な脱水縮合が行われないと、生成したシラノール基が残存するキセロゲル状態となり、十分な機械的強度が得られない。また、そのキセロゲルは親水性を示す。しかしながらシランカップリング剤は炭素骨格のラジカル重合性基を有するために、表面処理後の乾燥温度が150℃程度以下と限界があった。そのため、脱水・縮合が十分に行われずシラノール基が残存し親水性を有していた。従って、疎水性を高めるためにアルキル鎖の長いシランカップリング剤使用する方法(特許文献1、2)、フルオロアルキレン基を有するシランカップリング剤使用する方法(特許文献3)、重合性基を数多く有するシランカップリング剤使用する方法(特許文献4)が提案されている。しかしながら、特許文献1~特許文献3に記載の方法を、歯科材料に適用した際には、まだ機械的強度に改善の余地があった。また、特許文献4に記載の方法を歯科材料に適用した際には、材料の耐久性は不十分であった。このように、従来技術でのシランカップリング剤を使用した材料の耐久性及び機械的強度の両立は不十分であり、更なる改良の余地があった。しかしながら前述した様に、従来技術では科学的に達成は困難であると言わざるを得なかった。本発明は、ウレタン結合を介してラジカル重合性基が無機充填材表面に導入された機能性微粒子の安定的製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明者等の鋭意検討の結果、無機充填材表面のヒドロキシ基に片末端がラジカル重合性基と、加熱によりイソシアネート基を生成する有機化合物を脱を経て反応させて得られる機能性微粒子は脆弱なキセロゲル層の存在が一切なく、強固な共有結合でラジカル重合性基の無機充填材表面への導入が可能となった。これにより医科歯科用硬化性組成物のみならず電子工業部品等の一般工業材料に用いた際に高い機械的強度及び耐久性が得られた。
【0007】
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80
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【0008】
上記に従来技術であるシランカップリング剤を用いた無機充填材の表面改質の模式図を示す。すなわち、シランカップリング剤が部分的にあるいは完全に脱アルコールしシラノール基に変換された後に、ガラス等の無機充填材表面のシラノール基と脱水縮合し表面改質が行われる様子を模式的に描いたものである。炭素骨格のラジカル重合性などの反応基が存在する為に、150℃を超える高温での脱水縮合が完全には行えず、遊離したシラノール基も存在する。
【0009】
これに対して本発明の機能性微粒子製造方法では、以下に示すように、ガラス等の無機充填材表面のシラノール基とイソシアナート基が反応し、ウレタン結合により確実に表面改質が行われる。したがって、従来技術のシランカップリング剤を使用した場合の様な脆弱なキセロゲル層は一切存在せず、強固な共有結合でラジカル重合性基の無機充填材表面への導入が可能となった。
【0010】
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93
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(【0011】以降は省略されています)

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