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公開番号2025059131
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-10
出願番号2023168946
出願日2023-09-29
発明の名称連結ピンおよびコンパクト容器
出願人株式会社吉野工業所
代理人個人,個人,個人,個人
主分類A45D 33/00 20060101AFI20250403BHJP(手持品または旅行用品)
要約【課題】蓋体を連結ピン回りに回転させるのに要する力を抑えつつ、フリーストップ機能を具備させる。
【解決手段】蓋体に形成された装着孔の内周面を摺動する、摺動部の外周面の少なくとも一部は、硬度の高い第1樹脂材料からなる硬質部と、硬度の低い第2樹脂材料からなる軟質部と、が連結ピンの中心軸線回りに沿う周方向に沿って設けられて構成されており、第1樹脂材料で形成されると共に、前記中心軸線と同軸に配設された本体軸を備え、本体軸の外周面に、径方向の内側に向けて窪む充填凹部が形成され、充填凹部に、第2樹脂材料で形成された軟質部材が満たされ、本体軸の外周面における充填凹部の開口周縁部に、径方向の内側に向けて窪む逃げ凹部が形成され、摺動部の硬質部は、本体軸の外周面における充填凹部および逃げ凹部それぞれの非形成部分のうちの少なくとも一部とされ、摺動部の軟質部は、軟質部材の外周面のうちの少なくとも一部とされている。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項１】
内容物が収容される収容部を有する容器本体と、前記収容部を開放可能に閉塞する蓋体と、を互いに連結する連結ピンであって、
前記蓋体が、前記容器本体に対して前記連結ピン回りに回転することで、前記収容部が開閉され、
前記収容部の開閉に伴い、前記蓋体に形成された装着孔の内周面を摺動する外周面を有する摺動部を備え、
前記摺動部の外周面の少なくとも一部は、硬度の高い第１樹脂材料からなる硬質部と、硬度の低い第２樹脂材料からなる軟質部と、が、前記連結ピンの中心軸線回りに沿う周方向に沿って設けられて構成されており、
前記第１樹脂材料で形成されるとともに、前記中心軸線と同軸に配設された本体軸を備え、
前記本体軸の外周面に、径方向の内側に向けて窪む充填凹部が形成され、
前記充填凹部に、前記第２樹脂材料で形成された軟質部材が満たされ、
前記本体軸の外周面における前記充填凹部の開口周縁部に、径方向の内側に向けて窪む逃げ凹部が形成され、
前記摺動部の硬質部は、前記本体軸の外周面における前記充填凹部および前記逃げ凹部それぞれの非形成部分のうちの少なくとも一部とされ、
前記摺動部の軟質部は、前記軟質部材の外周面のうちの少なくとも一部とされている、連結ピン。
続きを表示（約 320 文字）【請求項２】
前記充填凹部、前記軟質部材、および前記逃げ凹部は、少なくとも前記中心軸線を径方向に挟む両側に１つずつ設けられている、請求項１に記載の連結ピン。
【請求項３】
前記軟質部のうち、周方向の少なくとも一部に、前記硬質部より径方向の外側に張り出した張出部が形成されている、請求項１または２に記載の連結ピン。
【請求項４】
前記第１樹脂材料は、ポリエステル系樹脂とされ、
前記第２樹脂材料は、エラストマー樹脂とされている、請求項１または２に記載の連結ピン。
【請求項５】
請求項１または２に記載の連結ピンと、扁平な前記容器本体と、前記蓋体と、を有する、コンパクト容器。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、連結ピンおよびコンパクト容器に関する。
続きを表示（約 2,000 文字）【背景技術】
【０００２】
従来から、内容物が収容される収容部を有する扁平な容器本体と、収容部を開放可能に閉塞する蓋体と、容器本体および蓋体を互いに連結する連結ピンと、を備え、蓋体が、容器本体に対して連結ピン回りに回転することで、収容部が開閉されるコンパクト容器が知られている。
近年では、コンパクト容器の廃棄に際して分別を不要にすることで、材料のリサイクル性を高めるために、例えば下記特許文献１に示されるように、樹脂材料で形成された連結ピンが採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
特開２００７－３７６２２号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら、従来のコンパクト容器では、蓋体を連結ピン回りに回転させるのに要する力を抑えつつ、手を離した状態でも蓋体を収容部が開いた任意の回転位置に仮固定できる、いわゆるフリーストップ機能を具備させることに改善の余地があった。
【０００５】
本発明は、蓋体を連結ピン回りに回転させるのに要する力を抑えつつ、フリーストップ機能を具備させることができる連結ピンおよびコンパクト容器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明の一態様に係る連結ピンは、内容物が収容される収容部を有する容器本体と、前記収容部を開放可能に閉塞する蓋体と、を互いに連結する連結ピンであって、前記蓋体が、前記容器本体に対して前記連結ピン回りに回転することで、前記収容部が開閉され、前記収容部の開閉に伴い、前記蓋体に形成された装着孔の内周面を摺動する外周面を有する摺動部を備え、前記摺動部の外周面の少なくとも一部は、硬度の高い第１樹脂材料からなる硬質部と、硬度の低い第２樹脂材料からなる軟質部と、が、前記連結ピンの中心軸線回りに沿う周方向に沿って設けられて構成されており、前記第１樹脂材料で形成されるとともに、前記中心軸線と同軸に配設された本体軸を備え、前記本体軸の外周面に、径方向の内側に向けて窪む充填凹部が形成され、前記充填凹部に、前記第２樹脂材料で形成された軟質部材が満たされ、前記本体軸の外周面における前記充填凹部の開口周縁部に、径方向の内側に向けて窪む逃げ凹部が形成され、前記摺動部の硬質部は、前記本体軸の外周面における前記充填凹部および前記逃げ凹部それぞれの非形成部分のうちの少なくとも一部とされ、前記摺動部の軟質部は、前記軟質部材の外周面のうちの少なくとも一部とされている。
【０００７】
本発明の一態様に係るコンパクト容器は、本発明の一態様に係る連結ピンと、扁平な前記容器本体と、前記蓋体と、を有する。
【０００８】
連結ピンの摺動部の外周面が軟質部を備えているので、軟質部を、弾性変形させた状態で、蓋体の装着孔の内周面に圧接させることにより、手を離した状態でも蓋体を収容部が開いた任意の回転位置に仮固定できる、いわゆるフリーストップ機能を具備させることができる。
連結ピンの摺動部の外周面の少なくとも一部が、硬質部と軟質部とが周方向に沿って設けられて構成されているので、摺動部の外周面の少なくとも一部が全周にわたって軟質部となっている場合と比べて、摺動部の外周面が装着孔の内周面を摺動するときに、軟質部を弾性変形させ易くすることが可能になり、蓋体を連結ピン回りに回転させるのに要する力を抑えることができる。
本体軸の外周面における充填凹部の開口周縁部に、径方向の内側に向けて窪む逃げ凹部が形成されているので、軟質部材の周方向の端部を、蓋体に形成された装着孔の内周面から径方向に離し易くすることができるとともに、軟質部材を充填凹部に充填したときに、軟質部材に充填凹部からはみ出るバリが生じても、このバリを、逃げ凹部内に位置させて装着孔の内周面から径方向に離し易くすることができる。これにより、蓋体を連結ピン回りに回転させたときに、軟質部材における周方向の端部やバリに、装着孔の内周面から周方向の引張力が加えられるのを抑制することが可能になり、軟質部材が充填凹部の内面から剥がれたり、バリが引きちぎられたりするのを防ぐことができる。
【０００９】
前記充填凹部、前記軟質部材、および前記逃げ凹部は、少なくとも前記中心軸線を径方向に挟む両側に１つずつ設けられてもよい。
【００１０】
充填凹部、軟質部材、および逃げ凹部が、少なくとも前記中心軸線を径方向に挟む両側に１つずつ設けられているので、複数の硬質部および複数の軟質部が、周方向に交互に設けられることとなり、フリーストップ機能を安定して発揮させることができるとともに、蓋体を連結ピン回りに回転させたときに、軟質部材に生ずる負荷を抑えることができる。
（【００１１】以降は省略されています）

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