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公開番号2025059030
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-09
出願番号2024165918
出願日2024-09-25
発明の名称末端にカルボキシル基を有するポリエチレングリコール誘導体の製造方法
出願人日油株式会社
代理人個人,個人
主分類C08G 65/333 20060101AFI20250401BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】末端カルボキシル基含有ポリエチレングリコール(以下PEG)誘導体中のN-オキシル化合物の還元体を除去し、N-オキシル化合物の還元体の残存量が少ないPEG誘導体を得る、PEG誘導体の製造方法の提供。
【解決手段】下記工程を有する、末端にカルボキシル基を有するPEG誘導体の製造方法。工程1:PEG化合物を、N-オキシル化合物を利用した酸化反応に供し、末端にカルボキシル基を有するPEG誘導体を得た後、還元剤を添加して酸化反応をクエンチする。工程2:pH3.0以下に調整した混合水溶液と、芳香族炭化水素等より選ばれた有機溶剤とを0℃以上の条件で混合し、有機層と水層とに分層させる。工程3:工程2で得られた有機層と、pH3.0以下に調整した水溶液とを0℃以上の条件で混合することにより、有機層と水層とに分層させる。工程4:工程3で得られた有機層を濃縮してカルボキシル基を有するPEG誘導体を回収する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
下記の工程1、工程2、工程3および工程4を有することを特徴とする、末端にカルボキシル基を有するポリエチレングリコール誘導体の製造方法。
工程1:
末端に水酸基またはアルデヒド基を有する分子量1,000から80,000のポリエチレングリコール化合物を、N-オキシル化合物を利用した酸化反応に供し、末端にカルボキシル基を有するポリエチレングリコール誘導体を得た後、還元剤を添加して前記酸化反応をクエンチすることにより、前記N-オキシル化合物の還元体と末端にカルボキシル基を有する前記ポリエチレングリコール誘導体とを含む混合水溶液を得る工程
工程2:
pH3.0以下に調整した前記混合水溶液と、芳香族炭化水素、カルボン酸アルキルエステルおよびハロゲン化炭化水素からなる群より選ばれた一種以上を含む有機溶剤とを0℃以上の条件で混合し、有機層と水層とに分層させる抽出工程
工程3:
前記工程2で得られた前記有機層と、pH3.0以下に調整した水溶液とを0℃以上の条件で混合することにより、有機層と水層とに分層させる水洗工程
工程4:
前記工程3で得られた前記有機層を濃縮することにより、末端にカルボキシル基を有するポリエチレングリコール誘導体を回収する回収工程。
続きを表示(約 330 文字)【請求項2】
末端にカルボキシル基を有するポリエチレングリコール誘導体は、線状ポリエチレングリコール、分岐鎖状ポリエチレングリコール、マルチアーム型ポリエチレングリコールのいずれかであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
末端にカルボキシル基を有する前記ポリエチレングリコール誘導体の平均分子量が1,000~80,000であることを特徴とする、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記工程2における前記混合水溶液および前記工程3における前記水溶液のpH調整に使用する酸は、オクタノール/水分配係数が0.5以下かつpKa6以下を満たす酸であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、末端にカルボキシル基を有するポリエチレングリコール誘導体の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
ホルモンやサイトカイン、酵素などの生体関連物質を用いた医薬品は、通常生体内へ投与されると腎臓における糸球体濾過や肝臓や脾臓などにおけるマクロファージによる取り込みによって、生体内から速やかに排出されてしまう。そのため血中半減期が短く、十分な薬理効果を得ることができないケースがある。この問題を解決するため、生体関連物質をポリエチレングリコールなどの水溶性ポリマーやアルブミンなどによって化学修飾した医薬品が開発されている。化学修飾された生体関連物質は、分子量の増大や水和層の形成などにより血中半減期を延長させることが可能となる。
【0003】
特に、末端にカルボキシル基を有するポリエチレングリコール誘導体は、タンパク質のリジン残基やN末端の1級アミノ基と安定なアミド結合を形成する活性化エステル体や、その他の活性基に変換するための原料となるため、特に重要な素材である。カルボキシル基を有するポリエチレングリコール誘導体を原料として使用したPEG化製剤としては、SOMAVERT(登録商標):PEGVISOMANT(Pfizer)、Mircera(登録商標):Methoxy Polyethylene glycol-epoetin beta(F Hoffmann-La Roche)、Macugen(登録商標):Pegaptanib(Eyetech)などが既に上市されている。加えて、他にも多くのPEG化製剤の臨床試験が行なわれており、その有用性を立証している。
【0004】
末端にカルボキシル基を有するポリエチレングリコール誘導体の製造方法としては、以下のような方法を例示できる。
・ポリエチレングリコール化合物の末端ヒドロキシ基とアクリル酸エステル化合物をMichael反応により結合させた後、エステル加水分解を行なう方法
・ポリエチレングリコールの末端ヒドロキシル基と脱離基を有するオルトエステル化合物をWilliamson反応により結合させた後、加水分解を行なう方法
・N-オキシル化合物またはその誘導体を用いてポリエチレングリコールの末端水酸基を酸化する方法
【0005】
このN-オキシル化合物を用いたポリエチレングリコールの末端水酸基の酸化反応により、高いカルボン酸純度を有するポリエチレングリコール誘導体が得られるものの、反応のクエンチ後に、N-オキシル化合物の還元体が不純物として生じる。医薬品原料または医薬品添加剤として用いられるポリエチレングリコール誘導体は、医薬品の性能や安全性の観点より、不純物が少ないものが求められている。ポリエチレングリコール末端を誘導体化する際に使用される低分子化合物由来の不純物は、生体関連物質を化学修飾する際に予期せぬ副反応を起こし、医薬品の不純物が生成してしまうし、また医薬品の純度を低下させる。このため、上述のN-オキシル化合物の還元体の含量は低いことが望ましい。
【0006】
この点、N-オキシル化合物を用いた酸化反応を利用したカルボキシル基を有するポリエチレングリコール誘導体の合成において、N-オキシル化合物の還元体除去に関する報告は少ない。
【0007】
例えば、特許文献1では、水溶液中でTEMPO(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-N-オキシル)にてポリエチレングリコール化合物の末端水酸基をカルボン酸に変換した後、エタノールを加えて反応をクエンチのうえ、酢酸エチルにて水層を洗浄することで、TEMPO還元体と想定される着色不純物が酢酸エチル層に移行することを報告している。
【0008】
また、非特許文献1では、水溶液中でTEMPOにてポリエチレングリコールの末端水酸基をカルボン酸に変換した後、亜硫酸ナトリウムを加えて反応をクエンチのうえ、ヘキサンにて水層を洗浄することで、TEMPO残渣を除去するとの報告がなされている。
【0009】
さらに、非特許文献2では、水溶液中でTEMPOにてポリエチレングリコールの末端水酸基をカルボン酸に変換した後、透析により反応にて用いる低分子不純物を除去することが報告されている。
【0010】
このほか、特許文献2には、加温した酢酸エチルに溶解させたポリエチレングリコール誘導体に、貧溶媒であるヘキサンを添加して再沈殿を行うことで低分子不純物を除去することが報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

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