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公開番号2025059028
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-09
出願番号2024165856
出願日2024-09-25
発明の名称ポリエチレングリコール化合物の製造方法
出願人日油株式会社
代理人個人,個人
主分類C08G 65/333 20060101AFI20250401BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】活性化ポリエチレングリコール化合物を効率良く、かつ、純度良く精製でき、工業的に実施可能な活性化ポリエチレングリコール化合物の製造方法を提供する。
【解決手段】生体関連物質と反応可能な官能基または前記官能基の前駆体とポリエチレングリコール部位との間にカーバメート結合を有する活性化ポリエチレングリコール化合物を製造する際に、以下の工程(1)(2)(3)を実施する。
工程(1):末端にニトロフェニル基を有するポリエチレングリコール原料を、非プロトン性溶媒を含む溶液中で、生体関連物質と反応可能な官能基または官能基の前駆体を有するアミン化合物と反応させることで、活性化ポリエチレングリコール化合物および4-ニトロフェノールを含む反応混合物を得る。
工程(2):工程(1)で得られた反応混合物に対して、pH10以上、14以下の塩基性水溶液を添加することで2相系混合物を得る。
工程(3):2相系混合物の有機層を水層から分離させ、有機層から活性化ポリエチレングリコール化合物を回収する。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
生体関連物質と反応可能な官能基または前記官能基の前駆体とポリエチレングリコール部位との間にカーバメート結合を有する活性化ポリエチレングリコール化合物を製造する方法であって、
以下の工程(1)、工程(2)及び工程(3)を有することを特徴とする、活性化ポリエチレングリコール化合物の製造方法。
工程(1):
末端にニトロフェニル基を有するポリエチレングリコール原料を、非プロトン性溶媒を含む溶液中で、前記生体関連物質と反応可能な前記官能基または前記官能基の前記前駆体を有するアミン化合物と反応させることで、前記活性化ポリエチレングリコール化合物および4-ニトロフェノールを含む反応混合物を得る工程
工程(2):
前記工程(1)で得られた前記反応混合物に対して、pH10以上、14以下の塩基性水溶液を添加することで2相系混合物を得る工程
工程(3):
前記2相系混合物の有機層を水層から分離させ、前記有機層から前記活性化ポリエチレングリコール化合物を回収する工程
続きを表示(約 650 文字)【請求項2】
前記活性化ポリエチレングリコール化合物が、前記前駆体と前記ポリエチレングリコール部位との間に前記カーバメート結合を有しており、前記前駆体は前記官能基の保護基であることを特徴とする、請求項1記載の活性化ポリエチレングリコール化合物の製造方法。
【請求項3】
前記工程(1)後かつ前記工程(2)の前に、前記保護基を脱保護する脱保護工程を実施することを特徴とする、請求項2記載の活性化ポリエチレングリコール化合物の製造方法。
【請求項4】
前記脱保護工程において、前記活性化ポリエチレングリコール化合物及び4-ニトロフェノールを含む前記反応混合物に対して、アミノ基を有する有機塩基からなる脱保護試薬を添加することを特徴とする、請求項3記載の活性化ポリエチレングリコール化合物の製造方法。
【請求項5】
前記活性化ポリエチレングリコール化合物が、下記式(1)で表されることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の活性化ポリエチレングリコール化合物の製造方法。
TIFF
2025059028000013.tif
28
123
(式(1)中、
PEGは、前記ポリエチレングリコール部位であり、
Xは、前記生体関連物質と反応可能な前記官能基または前記官能基の前記前駆体であり、
Aは、前記官能基または前記前駆体と、カーバメート基とを結合する二価のリンカーである。)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬用途に適したポリエチレングリコール化合物の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
ホルモンやサイトカイン、酵素などの生体関連物質を用いた医薬品は、通常、生体内へ投与されると、腎臓における糸球体濾過や肝臓や脾臓などにおけるマクロファージによる取り込みによって、生体内から速やかに排出されてしまう。そのため生体関連物質の血中半減期が短く、十分な薬理効果を得ることが困難であることが多い。
【0003】
この問題を解決する手段として、活性化ポリエチレングリコールが広く使用されている。活性化ポリエチレングリコールは、生体関連物質と反応をさせるためにポリエチレングリコールの末端を反応性官能基に置換したものであり、活性化ポリエチレングリコールが結合した生体関連物質は、分子量の増大や水和層の形成などにより生体関連物質の血中半減期を延長することが可能となる。また、活性化ポリエチレングリコールを生体関連性物質に修飾(PEG化)することにより、生体関連物質の毒性や抗原性の低下、凝集性の改善などの効果が得られることも知られている。
【0004】
活性化ポリエチレングリコールのポリエチレングリコール部位と末端官能基との間には、ポリエチレングリコール部位に由来しないリンカーを含むことが一般的である。このリンカーの鎖長、立体障害及び結合は、活性化ポリエチレングリコール化合物自体の安定性や、生体関連物質に修飾した後の修飾体の安定性に影響を与えることがある。例えば、エステル結合やカーボネート結合は加水分解の影響を受けやすい。そのため、リンカーとしてこれらの結合を使用すると、リンカー部が水溶液中または系内の水分により徐々に加水分解されて、活性化ポリエチレングリコール化合物またはその修飾体が切断されてしまうことから、好ましくない。一方、リンカーとしてカーバメート結合を使用した活性化ポリエチレングリコール化合物は、加水分解による影響を受けにくい。そのため、カーバメート結合を有する活性化ポリエチレングリコール化合物は安定性の高いPEG化試薬として知られており、関節リウマチ用治療薬のCimzia(登録商標)にも使用されている。
【0005】
このようなカーバメート結合をもつ活性化ポリエチレングリコール化合物は、4-ニトロフェニルカーボネートのような活性カーボネート基を有するポリエチレングリコール化合物とアミン化合物を反応させることで得ることができ、あるいは、アミノ基を有するポリエチレングリコール化合物と活性カーボネート化合物を反応させることで得ることができる。これらの反応により、4-ニトロフェノールが目的物と共に副生される。この4-ニトロフェノールが少量であっても活性化ポリエチレングリコール化合物に残存した場合、本来白色~灰白色である活性化ポリエチレングリコール化合物の外観が黄色くなることがある。このため、4-ニトロフェノールの量を低減させることが望ましい。
【0006】
一般的に、ポリエチレングリコールのような両親媒性の高分子化合物から不純物である低分子化合物を除去する場合、吸着、晶析などの精製方法を用いることができる。
【0007】
特許文献1では、活性カーボネート基を有するポリエチレングリコール化合物とアミン化合物とを反応させて得られた活性化ポリエチレングリコール化合物に対して、200容量倍以上の溶媒を用いることで白色粉末を得ている。
【0008】
特許文献2では、アミノ基を有するポリエチレングリコールと4-ニトロフェニルカーボネートとを反応させ、不純物として副生した4-ニトロフェノールを樹脂に吸着させることにより精製し薄黄色の固体を得ている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2008-545371号公報
特開2020-7562号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、特許文献1の製造方法において大容量での製造を想定した場合には、使用溶媒量が多量である点から、設備の関係上、一度に製造できる量が限られてしまい、工業的生産に好ましくない。
(【0011】以降は省略されています)

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