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公開番号2025082402
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-29
出願番号2023195683
出願日2023-11-17
発明の名称ワックス用滑り性向上剤及びこれを含有するワックス組成物
出願人日油株式会社
代理人個人,個人
主分類C10M 129/40 20060101AFI20250522BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約【課題】ワックスに少量添加することにより、固体状態におけるワックス表面の摩擦係数を低減させることで、その融点を変化させずに滑性を向上させることが可能なワックス用滑り性向上剤及びこれを含有するワックス組成物を提供する。
【解決手段】本発明のワックス用滑り性向上剤は、式(I)で表されるβ-ケトカルボン酸からなる。式(I)中のR1、R2は炭素数14~22の直鎖アルキル基である。ワックス組成物に含まれるワックスとワックス用滑り性向上剤の質量比(ワックス:ワックス用滑り性向上剤)は、好ましくは99.99:0.01~98:2の範囲である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記式(I)で表されるβ-ケトカルボン酸からなる、ワックス用滑り性向上剤。
TIFF
2025082402000006.tif
43
76
(R

、R

はそれぞれ独立して炭素数14~22の直鎖アルキル基を示す。)
続きを表示(約 120 文字)【請求項2】
請求項1に記載のワックス用滑り性向上剤及びワックスを含有し、前記ワックスと前記ワックス用滑り性向上剤の質量比(ワックス:ワックス用滑り性向上剤)が99.99:0.01~98:2の範囲であることを特徴とする、ワックス組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ワックス用滑り性向上剤及びこれを含有するワックス組成物に関する。詳細には、ワックスに少量添加することにより、ワックスの融点を変化させることなく、固体状態のワックス表面の動摩擦係数を低減させることができるワックス用滑り性向上剤及びこれを含有するワックス組成物に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
ワックスには一般的に、ろう状の固形エステルや、パラフィンワックスなどの材料があり、前者は動植物油脂、高級脂肪酸、高級脂肪酸と高級アルコールからなる合成エステルワックスなどであり、後者は石油から精製して得られる炭素原子数がおよそ20以上のろう状アルカン群である。ワックスは滑性、耐水性、可塑性、光沢性などを示すことから、多種多様な分野にて、添加剤や基剤として使用されている。その中で、ワックスを粉末状や薄膜状といった固体状態での滑性を活かして利用する分野も多数存在し、このような分野においてはワックスの添加による滑性の向上が求められている。
例えば、特許文献1には、粉末冶金において、金属粉末同士及び金属粉末と金型との摩擦を低減し、その緻密性を改善するために特定の構造のアミドワックスを滑剤として添加する方法が記載されている。また、特許文献2には、表面に均一なワックス層を形成させ、動摩擦係数を低減することで耐スティックスリップ性を向上させたポリエステルフィルムが記載されている。更に、特許文献3には、ワックスの配合によって耐摩擦性を向上させた日焼け止め化粧料が記載されている。
特許文献1~3に記載されているように、多様な用途において、固体状態における優れた滑り性を示すワックスが求められており、基剤となる材料との相性を鑑みて、ワックスの構造を調整したり、異なる種類のワックスを配合したりして用いることで、その滑性を向上する取り組みがなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特表2016-537512号公報
特開2017-65057号公報
特開2021-54820号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、このような方法でワックスの滑性を向上させようとする際には、ワックスの融点が大きく変化する場合がある。上記特許文献で言及されたような用途に向けてワックスを選択する際には、その融点も非常に重要となり、例えばワックスの融点が所定温度よりも低くなると、固体滑剤として使用する際に、使用温度において過度に軟化あるいは融解してしまい滑性を発現しない恐れがある。また、トナーや化粧料にワックスを添加する際には、融点が所定温度よりも低くなると製品の保存安定性に悪影響を及ぼすおそれがあった。
本発明の目的は、ワックスに少量添加することにより、固体状態におけるワックス表面の摩擦係数を低減させることで、その融点を変化させずに滑性を向上させることが可能なワックス用滑り性向上剤及びこれを含有するワックス組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、ワックスに対して下記の式(I)で表されるβ-ケトカルボン酸化合物を少量添加することにより、ワックスの融点を変化させず、固体状態の表面摩擦係数を低減させることが可能なことを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下のワックス用滑り性向上剤及びワックス組成物を提供する。
[1] 下記式(I)で表されるβ―ケトカルボン酸化合物からなる、ワックス用滑り性向上剤。
【0006】
TIFF
2025082402000001.tif
43
76
【0007】
(R

、R

はそれぞれ独立して炭素数14~22の直鎖アルキル基を示す。)
[2] 前記[1]に記載のワックス用滑り性向上剤及びワックスを含有し、前記ワックスと前記ワックス用滑り性向上剤の質量比(ワックス:ワックス用滑り性向上剤)が99.99:0.01~98:2の範囲であることを特徴とする、ワックス組成物。
【発明の効果】
【0008】
本発明のワックス用滑り性向上剤によれば、ワックスに対して式(I)で表されるβ-ケトカルボン酸化合物を少量添加することにより、ワックスの融点を維持したまま、ワックスの固体状態における表面摩擦係数を低減することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明のワックス用滑り性向上剤は、ワックスに添加して用いられる。例えば、本発明のワックス用滑り性向上剤をワックスに添加し、融点以上の温度で加熱融解して均一に混合することによって、ワックス組成物を製造できる。
以下、本発明の実施形態を説明する。なお、本明細書において記号「~」を用いて規定された数値範囲は「~」の両端(上限及び下限)の数値を含むものとする。例えば「2~5」は「2以上かつ5以下」を表す。
【0010】
〔ワックス用滑り性向上剤〕
本発明のワックス用滑り性向上剤は、式(I)で表されるβ-ケトカルボン酸化合物からなる。
(【0011】以降は省略されています)

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