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公開番号
2025057964
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-09
出願番号
2023167829
出願日
2023-09-28
発明の名称
栄養飲料
出願人
日油株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
A23L
2/66 20060101AFI20250402BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約
【課題】たんぱく質を高濃度に含み、風味が良く、粘度が低く、状態安定性に優れ、飲用後の腹持ち感が良い飲料を提供することである。
【解決手段】総合乳たんぱく、トレハロース、液状油脂、および炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化カルシウムから選ばれる1つ以上の塩を含有することで、嗜好飲料として飲用が可能なレベルで風味が良く、飲みやすい粘度であり、経時的に凝集や沈殿、クリーミングの発生が少なく長期の状態安定性に優れ、食事の代替となり得る満足感(腹持ち感)が得られる栄養飲料が得られることを見出し、本発明を完成した。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
総合乳たんぱく、トレハロース、液状油脂、および炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化カルシウムから選ばれる1つ以上の塩を含む栄養飲料。
続きを表示(約 360 文字)
【請求項2】
たんぱく質を4.5~20.0g/100ml含有し、
前記総合乳たんぱく由来のカゼインミセルを3.0g~17.0g/100ml含有し、
前記総合乳たんぱく由来のカゼインミセルの含有量をAg/100mlとしたとき、前記トレハロースを(A-2.5)g~30.0g/100ml含有し、
前記炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化カルシウムから選ばれる1つ以上の塩を0.003×Ag~0.04×Ag/100ml含有する、
請求項1に記載の栄養飲料。
【請求項3】
前記総合乳たんぱく由来のカゼインミセルの含有量をAg/100mlとしたとき、前記液状油脂を0.06×Ag~3.5×Ag/100ml含有する、
請求項1又は2に記載の栄養飲料。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、総合乳たんぱくを含む栄養飲料に関する。
続きを表示(約 3,500 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、栄養補給への関心が高まっており、必要な栄養成分を必要なだけ補給したいというニーズが高まっている。そのなかで近年最も着目されている栄養成分がたんぱく質である。これまでたんぱく質の摂取と言うとアスリートやボディービルダーに需要が限定される傾向があった。しかし、一般消費者のたんぱく質の栄養学的な重要性の理解が進み、日常的な食生活からたんぱく質をしっかり摂取したいという消費者が増加している。さらには、ロコモやサルコペニア、フレイルという言葉の認知度が高まってきていることで分かるように、たんぱく質の摂取不足による筋力低下が早期の寝たきりを招くことへの理解が広まっている。高齢者においても積極的にたんぱく質を取る意識が高まっている。
このような背景により、たんぱく質を容易に摂取できる形態であるたんぱく質含有栄養飲料に注目が集まっている。たんぱく質含有栄養飲料においては、高齢者や女性でも一度に飲み切れる量で一定量のエネルギーが補給できることが求められている。飲料1本あたり200m1の容量を2本摂取する400mあたり、500~1000キロカロリー程度摂取できることが求められ、さらに飲料中にたんぱく質を多く含有することが求められる。
たんぱく質含有栄養飲料を一般消費者向けに汎用性高いものとするため、これまで以上に良好な風味が求められるようになってきている。栄養飲料として用いることができるたんぱく質の中で、総合乳たんぱくは非常に良好な風味を有する。しかし、総合乳たんぱくは、栄養飲料中に高濃度で含むと飲料の粘度が高くなり、沈殿が発生して状態安定性が悪くなる。
このような課題に対して、特許文献1では、総合乳タンパク質を配合した場合であっても、沈殿物・凝集物の発生がなく、高い流動性及び良好な乳化安定性を維持できる飲料が開示されている。
また、特許文献2では、総合乳たんぱく質を高濃度に含有しても粘度上昇を抑える高カロリーの液状栄養組成物が開示されている。
また、特許文献3では、総合乳たんぱくを高濃度化するとき発生するゲル化を防止する中性タンパク飲料が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2008-301723号公報
国際公開第2014/115768号公報
特開2022-70136号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、栄養素としてたんぱく質を摂取する目的のみならず、食事の代替機能もたんぱく質含有飲料に求められるようになってきている。食事の代替機能としては、良い風味であり、飲用後に長時間が経過しても空腹を感じにくい機能である腹持ち感がよいものが好まれる。
しかし、特許文献1~3のような従来のたんぱく質含有栄養飲料では、風味の点ではまだ十分に満足できるとは言えず、腹持ち感が得られるものではなかった。
本発明の課題は、以上のような背景に基づきなされたもので、たんぱく質を高濃度に含み、風味が良く、粘度が低く、状態安定性に優れ、飲用後の腹持ち感が良い飲料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、前記の課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、総合乳たんぱく、トレハロース、液状油脂、および炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化カルシウムから選ばれる1つ以上の塩を含有することで、嗜好飲料として飲用が可能なレベルで風味が良く、飲みやすい粘度であり、経時的に凝集や沈殿、クリーミングの発生が少なく長期の状態安定性に優れ、食事の代替となり得る満足感(腹持ち感)が得られる栄養飲料が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
【0006】
〔1〕総合乳たんぱく、トレハロース、液状油脂、および炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化カルシウムから選ばれる1つ以上の塩を含む栄養飲料。
〔2〕たんぱく質を4.5~20.0g/100ml含有し、
前記総合乳たんぱく由来のカゼインミセルを3.0g~17.0g/100ml含有し、
前記総合乳たんぱくの含有量をAg/100mlとしたとき、前記トレハロースを(A-2.5)g~30.0g/100ml含有し、前記炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化カルシウムから選ばれる1つ以上の塩を0.003g×Ag~0.04×Ag/100ml含有する、
〔1〕に記載の栄養飲料。
〔3〕前記総合乳たんぱく由来のカゼインミセルの含有量をAg/100mlとしたとき、前記液状油脂を0.06×Ag~3.5×Ag/100ml含有する、
〔1〕又は〔2〕に記載の栄養飲料。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、たんぱく質を高濃度に含み、風味が良く、粘度が低く、状態安定性に優れ、飲用後の腹持ち感が良い栄養飲料を提供することできる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
栄養飲料の配合および評価結果(実施例1-12)
栄養飲料の配合および評価結果(比較例1-9)
栄養飲料の配合および評価結果(実施例13)
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の栄養飲料は、総合乳たんぱく、トレハロース、液状油脂、および炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化カルシウムから選ばれる1つ以上の塩を含む。
また、本明細書において、好ましい数値範囲(例えば、配合量、含有量)を段階的に記載した場合、各下限値及び上限値は、それぞれ独立して組み合わせることができる。例えば、「好ましくは10~100、より好ましくは20~90」という記載において、「好ましい下限値:10」と「より好ましい上限値:90」とを組み合わせて「10~90」とすることができる。
【0010】
本発明の栄養飲料の効果である腹持ち感は、総合乳たんぱく由来のカゼインミセル、トレハロース、および炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化カルシウムから選ばれる1つ以上の塩が共存することにより得られる効果である。
そのメカニズムは明確にはわかっていないが、以下のように考えられている。
まず、総合乳たんぱくは、MPC(Milk Protein Concentrate)、MPI(Milk Protein Isorate)、MCC(Misera Casein Consentrate)、MCI(Misera Casein Isorate)とも呼ばれる食品原料の総称であるが、総合乳たんぱくはたんぱく質としてカゼインミセルを含む。
カゼインミセルは、分子量20,000~25,000であるカゼイン分子の巨大集合体である。カゼイン分子自体はプロリン残基を多く含むためα-ヘリックスやβ-シート構造が少なく高次構造を持たないため、酸などで変性をさせずともプロテアーゼなどの消化を受けやすく吸収されやすい。一方、カゼイン分子の巨大集合体であるカゼインミセルは比較的少数のカゼイン分子が集合した小さなサブミセルが、水に不溶なリン酸カルシウムにより結合し、巨大なミセルカゼインを構成している。通常、カゼインミセルは胃酸によりリン酸カルシウムが溶解することで、サブミセル単位に分解し、サブミセルが胃酸で酸変性することでたんぱく構造が崩壊し、プロテアーゼなどの消化を受けやすくなる。
しかし、塩基性である炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化カルシウムから選ばれる1つ以上の塩が存在することで、胃酸によるリン酸カルシウムの溶解が抑制され、さらに、トレハロースの水和効果によりたんぱく構造が安定化され、カゼインミセルまたはサブミセル構造の分解・崩壊が抑制され、その結果、プロテアーゼなどによる消化が遅延され、腹持ちがよくなると考えられる。
なお、総合乳たんぱく以外のたんぱく質はカゼインミセルなどの集合体を形成しないため、同様の現象は起きないと考えられる。
(【0011】以降は省略されています)
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