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公開番号
2025043097
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-28
出願番号
2023150420
出願日
2023-09-15
発明の名称
チップ抵抗器
出願人
KOA株式会社
代理人
弁理士法人武和国際特許事務所
主分類
H01C
17/24 20060101AFI20250321BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】サージ特性に優れて小型化にも好適なチップ抵抗器を提供する。
【解決手段】本発明のチップ抵抗器1は、第1抵抗体部7aと第2抵抗体部7bおよび第3抵抗体部7cを有するクランク状の抵抗体7に対し、第1トリミング溝12と第2トリミング溝13が第1抵抗体部7aの上辺と下辺における略点対称の位置を始端位置として形成されており、第1トリミング溝12と第2トリミング溝13の終端位置は、第1抵抗体部7aの中心(O点)を通ってX軸方向に延びる第1の直線Aを超えておらず、かつ、同じY軸上で重ならないように設定されている。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
直方体形状の絶縁基板と、前記絶縁基板の両端部に一定幅の間隔を存して対向配置された第1電極および第2電極と、前記間隔に配置されて前記第1電極と前記第2電極との間を橋絡する抵抗体とを備え、前記抵抗体に抵抗値調整用の第1トリミング溝と第2トリミング溝が形成されているチップ抵抗器において、
前記抵抗体は、前記第1電極および前記第2電極と平行に延びる矩形状の第1抵抗体部と、前記第1電極から前記第2電極に向かい前記間隔の途中まで延びて前記第1抵抗体部の一方の側部に接続する矩形状の第2抵抗体部と、前記第2電極から前記第1電極に向かい前記間隔の途中まで延びて前記第1抵抗体部の他方の側部に接続する第3抵抗体部とを有し、
前記第1抵抗体部の中心をO点としたとき、前記第1トリミング溝と前記第2トリミング溝は、前記O点に対して略点対称の位置に存する前記第1抵抗体部の相対向する外縁部を始端位置として形成されており、
前記第1トリミング溝と前記第2トリミング溝の終端位置は、前記O点を通って前記第1電極および前記第2電極の延出方向と平行に延びる直線を超えておらず、かつ、前記第1電極および前記第2電極の延出方向と直交する直線上で重ならないように設定されている、
ことを特徴とするチップ抵抗器。
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【請求項2】
請求項1の記載において、
前記第1トリミング溝と前記第2トリミング溝は、前記始端位置から前記第1抵抗体部の内部に向かって直線状に延びる粗調整部と、前記粗調整部の先端から屈曲する微調整部とを有するLカット形状である、
ことを特徴とするチップ抵抗器。
【請求項3】
請求項2の記載において、
前記第1トリミング溝の前記微調整部と前記第2トリミング溝の前記微調整部は、前記O点を通って前記第1電極および前記第2電極の延出方向と直交する直線を超えた位置まで延びている、
ことを特徴とするチップ抵抗器。
【請求項4】
請求項2の記載において、
前記第1トリミング溝の前記微調整部と前記第2トリミング溝の前記微調整部は、互いに離反する方向へ延びている、
ことを特徴とするチップ抵抗器。
【請求項5】
直方体形状の絶縁基板と、前記絶縁基板の両端部に一定幅の間隔を存して対向配置された第1電極および第2電極と、前記間隔に配置されて前記第1電極と前記第2電極との間を橋絡する抵抗体とを備え、前記抵抗体に抵抗値調整用の第1トリミング溝と第2トリミング溝が形成されているチップ抵抗器において、
前記抵抗体は、前記第1電極および前記第2電極と平行に延びる矩形状の第1抵抗体部と、前記第1電極から前記第2電極に向かい前記間隔の途中まで延びて前記第1抵抗体部の一方の側部に接続する矩形状の第2抵抗体部と、前記第2電極から前記第1電極に向かい前記間隔の途中まで延びて前記第1抵抗体部の他方の側部に接続する第3抵抗体部とを有し、
前記第1抵抗体部の中心をO点としたとき、前記第1トリミング溝と前記第2トリミング溝は、前記O点に対して略点対称の位置に存する前記第2抵抗体部と前記第3抵抗体部の外縁部を始端位置としてIカット形状に形成されており、
前記第1トリミング溝と前記第2トリミング溝の少なくとも一方は、前記O点を通って前記第1電極および前記第2電極の延出方向と直交する直線を超えた位置まで延びており、
前記第1トリミング溝と前記第2トリミング溝の終端位置は、前記O点を通って前記第1電極および前記第2電極の延出方向と平行に延びる直線を超えておらず、かつ、前記第1電極および前記第2電極の延出方向と直交する直線上で重ならないように設定されている、
ことを特徴とするチップ抵抗器。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、抵抗体にトリミング溝を形成することで抵抗値が調整されるチップ抵抗器に関するものである。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
チップ抵抗器は、直方体形状の絶縁基板と、絶縁基板の表面に所定間隔を存して対向配置された一対の表電極と、絶縁基板の裏面に所定間隔を存して対向配置された一対の裏電極と、表電極と裏電極を橋絡する端面電極と、対をなす表電極どうしを橋絡する抵抗体と、抵抗体を覆う保護膜等によって主に構成されている。
【0003】
一般的に、この種のチップ抵抗器を製造する場合、シート状の大判基板に対して多数個分の電極や抵抗体や保護膜等を一括して形成した後、この大判基板を格子状の分割ライン(例えば分割溝)に沿って分割してチップ抵抗器を多数個取りするようにしている。かかるチップ抵抗器の製造過程で、大判基板の片面には抵抗ペーストを印刷・焼成することにより多数の抵抗体が形成されるが、印刷時の位置ずれや滲み、あるいは焼成炉内の温度むら等の影響により、各抵抗体の大きさや膜厚に若干のばらつきを生じることは避け難いため、大判基板の状態で各抵抗体にトリミング溝を形成して所望の抵抗値に設定するという抵抗値調整作業が行われる。
【0004】
このような構成のチップ抵抗器において、静電気や電源ノイズ等で発生するサージ電圧が印加すると、過剰な電気的ストレスにより抵抗器の特性に影響を与えることになり、最悪の場合に抵抗器が破壊されてしまうことがある。サージ特性を向上させるためには、抵抗体を蛇行形状(ミアンダ形状)にして全長を長くすれば、電位降下がなだらかになってサージ特性を改善できることが知られている。
【0005】
例えば、特許文献1に記載されているように、絶縁基板の主面に印刷技法によって蛇行形状の抵抗体を形成した後、この抵抗体の相対向する両辺から直線状に延びるトリミング溝をそれぞれ逆向きに形成し、これら2本のトリミング溝を互いの先端部が交わる位置まで延ばすことにより、抵抗体を2本のトリミング溝の先端部付近で蛇行させて全長を長くするようにしたチップ抵抗器が提案されている。
【0006】
このように構成されたチップ抵抗器では、抵抗体に対して直線状に延びる2本のトリミング溝を180度逆向きに形成することにより、抵抗体の主電流経路が2本のトリミング溝の先端同士が交わる部位で180度変化するため、印刷形成された抵抗体の全長が長くなってサージ特性の向上を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2006-19694号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1に記載された従来技術のように、2本のトリミング溝の先端同士が交わるような配置にして電流経路を180度ターンさせるという形態では、2本のトリミング溝の先端部に生じるマイクロクラックが負荷の集中するターン部に発生するため、高電圧を印加すると、局所的な温度上昇によって抵抗体が破壊してしまう虞がある。特に、基板面積が小さい小型サイズのチップ抵抗器においては、トリミング溝によって抵抗体の全長を長くすることに伴って抵抗体の幅寸法が非常に狭くなるため、当該チップ抵抗器が電力負荷の大きな使用に供された場合、単位面積当たりの電流(電流密度)が大きくなってしまい、抵抗体が負荷に耐えられずに破壊しやすくなるという課題が発生する。
【0009】
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、サージ特性に優れて小型化にも好適なチップ抵抗器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、本発明の一形態に係るチップ抵抗器は、直方体形状の絶縁基板と、前記絶縁基板の両端部に一定幅の間隔を存して対向配置された第1電極および第2電極と、前記間隔に配置されて前記第1電極と前記第2電極との間を橋絡する抵抗体とを備え、前記抵抗体に抵抗値調整用の第1トリミング溝と第2トリミング溝が形成されているチップ抵抗器において、前記抵抗体は、前記第1電極および前記第2電極と平行に延びる矩形状の第1抵抗体部と、前記第1電極から前記第2電極に向かい前記間隔の途中まで延びて前記第1抵抗体部の一方の側部に接続する矩形状の第2抵抗体部と、前記第2電極から前記第1電極に向かい前記間隔の途中まで延びて前記第1抵抗体部の他方の側部に接続する第3抵抗体部とを有し、前記第1抵抗体部の中心をO点としたとき、前記第1トリミング溝と前記第2トリミング溝は、前記O点に対して略点対称の位置に存する前記第1抵抗体部の相対向する外縁部を始端位置として形成されており、前記第1トリミング溝と前記第2トリミング溝の終端位置は、前記O点を通って前記第1電極および前記第2電極の延出方向と平行に延びる直線を超えておらず、かつ、前記第1電極および前記第2電極の延出方向と直交する直線上で重ならないように設定されている、ことを特徴としている。
(【0011】以降は省略されています)
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