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公開番号2025039011
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-21
出願番号2023145734
出願日2023-09-08
発明の名称循環型の下水汚泥資源化システム
出願人株式会社杜と水技研
代理人個人,個人,個人
主分類C02F 11/02 20060101AFI20250313BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】短時間で堆肥が可能な密閉型の下水汚泥資源化システムを提供する。
【解決手段】下水汚泥の含水率を予め設定された所定の原料含水率値まで脱水する脱水手段15、横型円筒形状で中心軸の周りに回転する発酵処理容器で所定日数をかけて好気性好熱菌により、発酵処理し第1設定含水率値以下の一次製品を製造する一次製品製造手段11、一次製品を発酵処理容器外に排出するための一次製品排出手段を備える循環型の下水汚泥資源化システムで、一次製品製造手段からの一次製品を乾燥処理し、一次製品より含水率の低い二次製品を製造する二次製品製造手段82を有する装置とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
有機性廃棄物である下水汚泥を有用資源への資源化を行う循環型の下水汚泥資源化システムであって、
下水汚泥の含水率を予め設定された所定の原料含水率値まで脱水して原料を形成する脱水手段、
横型円筒形状で中心軸の周りに回転する発酵処理容器を有し、この発酵処理容器を中心軸周りに回転させつつ、所定日数かけて原料を前記発酵処理容器内の一端側から他端側に向けて徐々に移動させ、好気性好熱菌により、前記原料を発酵処理して、第1設定含水率値以下の一次製品を製造する一次製品製造手段、
前記発酵処理容器の一端側に設けられ、前記脱水手段からの原料を受け、この原料を前記発酵処理容器内に供給する原料供給手段、および
前記発酵処理容器の他端側に設けられ、前記一次製品を、前記発酵処理容器外に排出するための一次製品排出手段を備える
循環型の下水汚泥資源化システムにおいて、この下水汚泥資源化システムが、
前記一次製品製造手段からの前記一次製品を受け、該一次製品を乾燥処理して、前記一次製品より含水率の低い第2設定含水率値以下の二次製品を製造する二次製品製造手段、
前記一次製品排出手段から排出される前記一次製品の含水率値を測定する第1含水率測定手段、および
この第1含水率測定手段で測定した前記一次製品の含水率値が前記第1設定含水率値以下の正常時には、前記一次製品の第1所定量を前記二次製品製造手段に、残量を第1形態の第1有用資源に加工する第1有用資源加工手段にそれぞれ配分し、前記含水率値が前記所定の一次製品含水率値を超える非常時には、前記一次製品の全量を前記二次製品製造手段に供給する第1配分手段を備え、
前記二次製品製造手段は、一端側に設けられた前記一次製品を受け入れる受け入れ部と、少なくともこの受け入れ部近傍に設けられ、前記一次製品を乾燥手段により乾燥して、該一次製品の前記第1設定含水率値より低い値の第2設定含水率値の二次製品を製造する乾燥手段を有する製造部、および他端側に設けられ、前記製造部で製造された前記二次製品を貯蔵する貯蔵部、並びにこの貯蔵部から前記二次製品を所定量排出する二次製品排出手段を備え、
前記下水汚泥資源化システムは、さらに前記二次製品排出手段からの前記二次製品の所定量を前記原料供給手段に搬送する二次製品搬送通路を備えている、
ことを特徴とする下水汚泥資源化システム。
続きを表示(約 980 文字)【請求項2】
前記二次製品排出手段で排出される前記二次製品の排出量が、前記正常時の第1排出量と、前記非常時の第2排出量の間で切り換えが可能となっており、前記第2排出量が前記第2排出量の1~5倍である請求項1の下水汚泥資源化システム。
【請求項3】
前記製造時において、前記二次製品の前記原料供給手段へ搬送する前記所定量(時間当たりの重量)が、前記脱水機から前記原料供給手段へ搬送する脱水汚泥の時間当たりの量を100質量部とした場合、2~10質量部である請求項1または2の下水汚泥資源化システム。
【請求項4】
前記前記二次製品製造手段の製造部は、前記一次製品を前記受け入れ部から前記貯蔵部に向けて移送する製造部移送手段を備えている請求項1の下水汚泥資源化システム。
【請求項5】
前記二次製品製造手段は、前記製造部で製造した前記二次製品を、該製造部から前記貯蔵部に向けて移送する二次製品移送手段を備えている請求項1の下水汚泥資源化システム。
【請求項6】
前記二次製品製造手段の製造部は、製造した二次製品の含水率値を測定する第2含水率測定手段、およびこの第2含水率測定手段により測定された含水率値が前記第2設定含水率値以下となるまで、前記一次製品を該製造部に滞留させておく滞留手段を備えている請求項1の下水汚泥資源化システム。
【請求項7】
前記製造部移送手段が、その作動を切り換えることにより、前記滞留手段としても機能することができる請求項6の下水汚泥資源化システム。
【請求項8】
前記第1設定含水率値が、35%以下の値であり、そして前記第2設定含水率値が、前記第1設定含水率値より2~15%低く設定されている請求項1の下水汚泥資源化システム。
【請求項9】
前記乾燥手段が送風機である請求項1の下水汚泥資源化システム。
【請求項10】
下水汚泥資源化システムが、第2形態の第2有用資源に加工する第2有用資源加工手段を備え、前記二次製品搬送通路には、前記二次製品製造手段からの二次製品を前記第2有用資源加工手段へも供給できるようにする第2配分手段を廃した請求項1の下水汚泥資源化システム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、循環型の下水汚泥資源化システムに関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
国土交通省は、令和5年3月17日の国水下企第99号において、各都道府県下水道担当部局長および各政令都市下水道担当部局長宛に次のような通知をなしている。
『 発生汚泥等の処理に関する基本的考え方について
下水道法第 21 条の 2 第 2 項において、「発生汚泥等の処理に当たつては、脱水、焼却等により その減量に努めるとともに、発生汚泥等が燃料又は肥料として再生利用されるよう努めなければな らない」と規定しているところ、我が国における 2050 年カーボンニュートラルの実現、さらに は、食料安全保障の強化に向けた生産資材の国内代替転換等が重要課題となっている中で、下水汚 泥のエネルギー・肥料としての利用に対する必要性が一層高まっているところである。
特に、肥料としての利用については、「食料安全保障強化政策大綱」(令和4年 12 月 27 日 食 料安定供給・農林水産業基盤強化本部決定)において、2030 年までに、下水汚泥資源・堆肥の肥料 利用量を倍増し、肥料の使用量(リンベース)に占める国内資源の利用割合を 40%まで拡大する旨 が示された。
このような背景を踏まえ、下水道事業を通じた循環型社会の実現への貢献を更に拡大するべく、 今後の発生汚泥等の処理に関する基本的考え方を下記の通り定めたところ、本方針を十分に御了知 の上、下水道事業の実施に努めていただくようお願いする。
各都道府県におかれては、貴管内市町村(政令指定都市を除く。)にもこの旨周知されたい。
本通知は、地方自治法(昭和 22 年法律第 67 号)第 245 条の4第1項の規定に基づく技術的助言 であることを申し添える。』
【0003】
下水汚泥のような有機性廃棄物を資源化装置としては、横型円筒形状で、好気性超好熱菌(以下、超高温菌と称することがある)により、原料である有機性廃棄物を発酵処理する発酵処理容器、この発酵処理容器の一端に設けられ、原料である有機性廃棄物を一時的に貯蔵する原料ホッパーを有し、この原料ホッパーに一時的に貯蔵された原料を前記発酵処理容器内に供給する原料供給手段、および前記発酵処理容器の他端に設けられ、発酵処理された処理済み原料を、前記発酵処理容器外に排出するための排出手段を備え、前記発酵処理容器を中心軸周りに回転させることにより、所定日数かけて原料を前記発酵処理容器内の一端側から他端側に向けて徐々に移動させつつ発酵処理を行い、有機性廃棄物の資源化、すなわち堆肥化・肥料化を行う下水汚泥資源化システム、すなわち密閉型下水汚泥資源化システム(以下、密閉型堆肥化装置という)が知られている。
【0004】
また、特開2005-320182号公報では、有機性廃棄物から堆肥を生成し、その堆肥を循環させて新たな液肥や堆肥を生成するとともに、エネルギー効率に優れ、環境保全にも寄与する技術を提供することを目的とし、この目的を達成するため、その請求項1では、、『固体ゴミと液体ゴミの有機性廃棄物を堆肥および液肥として生成するための有機性廃棄物堆肥化処理システムに係る。すなわち、前記固体ゴミを破砕する破砕機構および破砕または破砕段階の固体ゴミに対し、微生物を抽入して混合する微生物抽入機構を備えた破砕混合装置と、前記破砕混合装置によって破砕混合された固体ゴミを、微生物の活動によって分解発酵する分解発酵機構に送入し、固体ゴミから完熟堆肥へと生成する分解発酵装置と、分解発酵装置によって生成された完熟堆肥の一部と、前記液体ゴミとを原料として液肥を生成する液肥製造装置と、を備えた有機性廃棄物堆肥化処理システム』を提供し、また請求項2では、請求項1記載の有機性廃棄物堆肥化処理システムを限定したものであり、前記破砕混合装置は、破砕された固体ゴミに対し、前記完熟堆肥を抽入して混合させる循環機構を備えたことを特徴とする有機性廃棄物堆肥化処理システムを提案している。
【0005】
上記請求項2記載の有機性廃棄物堆肥化処理システムによれば、破砕混合装置の循環機構が完熟堆肥の一部を装置内に取り入れる。破砕混合装置は、固体ゴミおよび完熟堆肥を混合させる。したがって、循環機構による完熟堆肥の戻しが行われるので、培養材などの微生物抽入機構を必要としないでも分解発酵を促進させることができる。このため、微生物抽入機構で使用する微生物の使用率を減少させることができ、コスト低減に寄与する。
【0006】
前記請求項2記載の有機性廃棄物堆肥化処理システムによれば、破砕混合装置の循環機構が完熟堆肥の一部を装置内に取り入れる。破砕混合装置は、固体ゴミおよび完熟堆肥を混合させる。したがって、循環機構による完熟堆肥の戻しが行われるので、培養材などの微生物抽入機構を必要としないでも分解発酵を促進させることができる。このため、微生物抽入機構で使用する微生物の使用率を減少させることができ、コスト低減に寄与するとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2005-320182号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のように、前記請求項2記載の有機性廃棄物堆肥化処理システムによれば、循環機構による完熟堆肥の戻しが行われるので、培養材などの微生物抽入機構を必要としないでも分解発酵を促進させることができ、微生物抽入機構で使用する微生物の使用率を減少させることができ、コスト低減に寄与するという効果が見込まれるが、当該明細書にも記載があるとおり、用いる完熟堆肥となるまでに、30日から90日かかってしまう。
【0009】
これに対して、最初に述べた密閉型堆肥化装置においては、20日前後で完熟堆肥を製造することができるが、原料の状態等によっては、未熟のまま該装置から排出されてしまうことがある。
【0010】
そこで本発明は、前記密閉型堆肥化装置の構造を土台として、その利点を生かしつつ、上記特開2005-320182号公報の有機性廃棄物堆肥化処理システムの利点を取り入れ、更に改良して、該密閉型堆肥化装置の上記したような問題点を解消した下水汚泥資源化システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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