TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
公開番号
2025037237
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-17
出願番号
2024141692
出願日
2024-08-23
発明の名称
液晶素子の色収差補正
出願人
ピクシーレイ オイ
,
Pixieray Oy
代理人
個人
主分類
G02F
1/133 20060101AFI20250310BHJP(光学)
要約
【課題】液晶素子を通過する際に多色光に生じる色収差を、簡単で実装が容易なソリューションを用いて、効果的に補正する。
【解決手段】好適な実施形態に係る光学装置のプロセッサ(208)は、一次能動物質(212)を備える一次LC素子(204)を駆動するための一次駆動信号を生成して、第1の設計波長に対する第1の一次屈折力(OP)及び第2の設計波長に対する第2の一次OPを生成し;一次OPと、二次能動物質及び一次能動物質の異なる分散特性とに基づいて、二次能動物質(210)を備える二次LC素子(206)を駆動するための二次駆動信号を生成して、第1の設計波長用の第1の二次OPと第2の設計波長用の第2の二次OPを生成するように構成される。第1及び第2の二次OPは、第1の設計波長及び第2の設計波長について、1次LC素子で多色光に発生する色収差を補正する。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
一次液晶素子と;
前記一次液晶素子を出射する多色光の光路上に配置された少なくとも1つの二次液晶素子であって、その分散特性が前記一次液晶素子の一次能動物質の分散特性とは異なる二次能動物質を含む二次液晶素子と;
少なくとも1つのプロセッサと;
を備え、
前記プロセッサが、前記一次液晶素子を駆動して、第1の設計波長に対して第1の一次屈折力を生成するための一次駆動信号を生成するように構成され、ここで前記一次液晶素子は、駆動されると、第2の設計波長に対して少なくとも第2の一次屈折力も生成し、
また前記プロセッサは、前記第1の一次屈折力、前記第2の一次屈折力、前記二次能動物質の分散特性及び前記一次能動物質の分散特性に基づいて、前記第1の設計波長に対する第1の二次屈折力及び前記第2の設計波長に対する少なくとも第2の二次屈折力を生成するように、前記少なくとも1つの二次液晶素子を駆動する二次駆動信号を生成するように構成され、
前記第1の二次屈折力及び前記第2の二次屈折力は、前記少なくとも1つの二次液晶素子で生成される場合、前記第1の設計波長及び前記第2の設計波長について、多色光に対して前記一次液晶素子によって生成される色収差を補償する、
光学装置。
続きを表示(約 1,200 文字)
【請求項2】
前記第1の一次屈折力と前記第1の二次屈折力との和である第1の和と、前記第2の一次屈折力と前記第2の二次屈折力との和である第2の和との差が、既定の閾値以下である、請求項1記載の光学装置。
【請求項3】
分散特性が、波長依存性複屈折、通常光線の屈折率、異常光線の屈折率、アッベ数、セルマイヤー係数、コーシーの透過係数のうち少なくとも1つを含む、請求項1から3のいずれかに記載の光学装置。
【請求項4】
前記第1の設計波長から前記第2の設計波長までの前記二次能動物質の複屈折の変化が、前記第1の設計波長から前記第2の設計波長までの前記一次能動物質の複屈折の変化と比較して反対方向である場合、前記第1の二次屈折力及び前記第2の二次屈折力の符号は、前記第1の一次屈折力及び前記第2の一次屈折力の符号と同じである、請求項1から3のいずれかに記載の光学装置。
【請求項5】
前記第1の設計波長から前記第2の設計波長までの前記二次能動物質の複屈折の変化の大きさは、前記第1の設計波長から前記第2の設計波長までの一次能動物質の複屈折の変化の大きさの0倍から1倍の範囲にある、請求項4に記載の光学装置。
【請求項6】
前記第1の設計波長から前記第2の設計波長までの前記二次能動物質の複屈折の変化は、前記第1の設計波長から前記第2の設計波長までの前記一次能動物質の複屈折の変化と比較して同じ方向である場合、前記第1の二次屈折力及び前記第2の二次屈折力の符号は、前記第1の一次屈折力及び前記第2の一次屈折力の符号と異なる、請求項1から5のいずれかに記載の光学装置。
【請求項7】
前記第1の設計波長から前記第2の設計波長までの前記二次能動物質の複屈折の変化の大きさは、前記第1の設計波長から前記第2の設計波長までの前記一次能動物質の複屈折の変化の大きさの2倍から5倍の範囲にある、請求項6に記載の光学装置。
【請求項8】
一次液晶素子の温度を感知するために採用される温度センサを更に備え、
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記一次液晶素子の温度に更に基づいて、前記少なくとも1つの二次液晶素子のための前記二次駆動信号を生成するように構成される、
前記請求項のいずれかに記載の光学装置。
【請求項9】
温度の関数としての前記二次能動物質の複屈折の変化の大きさは、温度の関数としての前記一次能動物質の複屈折の変化の大きさとは異なる、請求項8に記載の光学装置。
【請求項10】
前記二次能動物質のクリアリングポイントが前記一次能動物質のクリアリングポイントと少なくとも50ケルビン異なる、請求項8又は9に記載の光学装置。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本願の開示事項(以下、本開示という)は、液晶素子における色収差の補正を組み込んだ光学装置に関する。更に本開示は、そのような光学装置を備えるイメージングシステムに関する。更に本開示は、液晶素子における色収差の補償を組み込んだ方法に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)
【背景】
【0002】
「多色光」とは、複数の色(すなわち複数の波長)を持つ光のことであり、自然光源(太陽など)や人工光源(発光ダイオードや白熱電球など)など、さまざまな光源を用いて作り出すことができる。多色光がレンズなどの光学素子を通過すると、分散(dispersion)と呼ばれる現象により、望ましくない色収差が観察される。しかも、この色収差は、使用するレンズの種類に関係なく観察される。
【0003】
図1(先行技術を示す)は、液晶素子が、当該液晶素子が通過する多色光にどのように影響するかを示す光線図である。図1(先行技術)を参照すると、光線図は、液晶素子100がそこを通過する多色光102にどのように影響するかを示している。液晶素子100の能動物質104の屈折率は、分散として知られる現象により、そこを通過する光の波長によって変化する。このため、多色光102が液晶素子100を透過するとき、様々な波長を有するその構成光は、それぞれ異なる焦点面(すなわち、液晶素子100からそれぞれ異なる距離にある平面に存在するそれぞれ異なる焦点)に集光される。例えば、約480ナノメートル(nm)の波長を有する青色光は集光点F1に集光され、約550nmの波長を有する緑色光は集光点F2に集光され、約630nmの波長を有する赤色光は集光点F3に集光される。つまり、液晶素子100は、多色光102に色収差を発生させる、
【0004】
そのため、一つのレンズで様々な波長の光を同じ焦点面で集光するように設計することは不可能である。通常、レンズは、一般にレンズの設計波長と呼ばれる特定の波長の光を特定の焦点面で集光するように設計される。このため、設計波長ではない光は、異なる焦点面で集光される。(すなわち、そのような光は、設計波長の光の焦点距離とは異なる焦点距離を有する。)このようなレンズがカメラレンズとして実装された場合、現実のシーンから発せられる多色光は、レンズを通過する際に色収差を受け、その結果、イメージセンサでかなりぼやけた多色画像が形成される。
【0005】
従来のレンズでは、色収差の問題は、複数の設計波長の光の屈折率変化を一括して補正するレンズの組み合わせによって対処されている。このような組み合わせは、2枚のレンズを用いる場合はアクロマートペア、3枚のレンズを用いる場合はアクロマートトリプレットと呼ばれる。もっと多くのレンズを用いる場合もある。色収差の問題は液晶レンズにもあるが、その補正はまだ行われていない。また、液晶の分散には温度が強く影響するため、液晶レンズで発生する色収差の程度も温度によって変化するという問題もある。
これらの議論に鑑みると、前述の欠点を克服する必要性が存在する。
【摘要】
【0006】
本開示の目的は、一次液晶素子を通過する際に多色光に生じる色収差を、簡単で実装が容易なソリューションを用いて、効果的に補正することができる光学装置、イメージングシステム、及び方法を提供することである。本開示の目的は、添付の特許請求の範囲の独立請求項に定義されるように、液晶素子による色収差を補正する手段を組み込んだ光学装置、光学装置を含むイメージングシステム、及び方法によって達成される。有利な特徴は、添付の従属請求項に記載されている。
【0007】
本明細書の説明及び特許請求の範囲を通じて、「備える」、「含む」、「有する」等の語句は、ある要素を含むが、当該要素だけしか含まないという意味ではない。明示的に開示されていない他の構成要素、アイテム、数又はステップも存在することを排除しない。更に、文脈上別段の定めがない限り、単数の表現は複数であることも包含する。特に、原文で不定冠詞が使用されている場合、本明細書は、文脈上他に必要とされない限り、単数形だけでなく複数形も想定している。
【図面の簡単な説明】
【0008】
先行技術において、液晶素子が、通過する多色光にどのような影響を与えるかを示す光線図である。
本開示の一実施形態に係る、液晶素子における色収差の補償を組み込んだ光学装置と、その光学装置が通過する多色光に与える影響を示す光線図である。
本開示の一実施形態に係る液晶素子の断面図である。
本開示の一実施形態に係る、様々な能動物質の複屈折(birefringence)が温度の関数としてどのように変化するかを示すグラフ図である。
本開示の一実施形態に係る、液晶素子における色収差の補償を組み込んだ光学装置を備えるイメージングシステムと、多色光がイメージングシステムを通過する様子を示す概略図である。
本開示の一実施形態に係る、液晶素子における色収差の補償を組み込んだ方法のステップを示す図である。
【実施形態の詳細説明】
【0009】
以下の詳細説明は、本開示の実施形態及びそれらが実施され得る方法を例示する。本開示を実施するための形態をいくつか開示したが、当業者であれば、本開示を実施するための他の形態も実現可能であることを認識するであろう。
【0010】
第1の様相によれば、本開示は光学装置を提供する。この光学装置は、
一次液晶素子と;
前記一次液晶素子を出射する多色光の光路上に配置された少なくとも1つの二次液晶素子であって、その分散特性が前記一次液晶素子の一次能動物質の分散特性とは異なる二次能動物質を含む二次液晶素子と;
少なくとも1つのプロセッサと;
を備え、
前記プロセッサは、前記一次液晶素子を駆動して、第1の設計波長に対して第1の一次屈折力を生成するための一次駆動信号を生成するように構成され、ここで前記一次液晶素子は、駆動されると、第2の設計波長に対して少なくとも第2の一次屈折力も生成し、
また前記プロセッサは、前記第1の一次屈折力、前記第2の一次屈折力、前記二次能動物質の分散特性及び前記一次能動物質の分散特性に基づいて、前記第1の設計波長に対する第1の二次屈折力及び前記第2の設計波長に対する少なくとも第2の二次屈折力を生成するように、前記少なくとも1つの二次液晶素子を駆動する二次駆動信号を生成するように構成され、
前記第1の二次屈折力及び前記第2の二次屈折力は、前記少なくとも1つの二次液晶素子で生成される場合、前記第1の設計波長及び前記第2の設計波長について、多色光に対して前記一次液晶素子によって生成される色収差を補償する。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPatで参照する
関連特許
東レ株式会社
シート
4日前
個人
ライトグリップ
25日前
株式会社ハセガワ
眼鏡
15日前
恵和株式会社
光学素子
25日前
株式会社サンリーブ
跳ね上げ式眼鏡
5日前
個人
ネジ弛緩防止眼鏡
4日前
個人
ヘッドホン装着眼鏡
11日前
沖電気工業株式会社
光導波路素子
11日前
矢崎総業株式会社
光トランシーバ
29日前
TDK株式会社
網膜投影装置
5日前
TDK株式会社
網膜投影装置
5日前
キヤノン株式会社
画像表示装置
25日前
新光技研株式会社
光マイクロスイッチ
12日前
株式会社エニックス
着脱式跳ね上げ眼鏡
5日前
クアーズテック合同会社
蛍光体プレート
25日前
キヤノン株式会社
表示装置
5日前
アイカ工業株式会社
赤外線カットハードコートフィルム
1日前
旭化成株式会社
プラスチックレンズ
4日前
株式会社メガネトップ
眼鏡フレーム及び丁番構造
11日前
マクセル株式会社
空中浮遊映像表示装置
今日
株式会社エビデント
対物レンズ
6日前
キヤノン株式会社
光学系および撮像装置
5日前
シャープ株式会社
光走査装置及び画像形成装置
12日前
キヤノン株式会社
光学系および撮像装置
11日前
エクシオグループ株式会社
コネクタ作業用治具
18日前
協立化学産業株式会社
液晶シール剤組成物
1日前
株式会社フジクラ
光ファイバケーブル
5日前
キヤノン株式会社
表示光学系および表示装置
5日前
スタンレー電気株式会社
光偏向器
11日前
富士フイルム株式会社
レンズ装置
11日前
富士フイルム株式会社
レンズ装置
5日前
キヤノン株式会社
光学機器およびその制御方法
11日前
住友化学株式会社
光学積層体及び画像表示装置
4日前
キヤノン株式会社
光学装置及び撮像装置
25日前
キヤノン株式会社
光学機器およびその制御方法
25日前
株式会社アマダ
ガルバノミラー及びレーザ加工機
25日前
続きを見る
他の特許を見る