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公開番号2025036359
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-14
出願番号2024148221
出願日2024-08-30
発明の名称光触媒部材及び光触媒部材の製造方法
出願人デクセリアルズ株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類B01J 35/39 20240101AFI20250306BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】産業上の生産性の高い光触媒を提供する。
【解決手段】基材と、下地層と、下地層に接して形成された光触媒層と、をこの順に備える光触媒部材であって、前記下地層がセリウム及び亜鉛の複合酸化物からなり、光触媒層が酸化チタンを含むことを特徴とする、光触媒部材。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
基材と、下地層と、下地層に接して形成された光触媒層と、をこの順に備える光触媒部材であって、
前記下地層がセリウム及び亜鉛の複合酸化物であり、
光触媒層が酸化チタンを含むことを特徴とする、光触媒部材。
続きを表示(約 740 文字)【請求項2】
前記下地層に含まれる酸化セリウム及び酸化亜鉛の物質量比が、3:1~1:1の範囲内にある、請求項1に記載の光触媒部材。
【請求項3】
前記光触媒層に含まれる酸化チタン以外の元素の元素比率は、10%以下であることを特徴とする、請求項1に記載の光触媒部材。
【請求項4】
前記下地層の厚みは、10nm以上であることを特徴とする、請求項1に記載の光触媒部材。
【請求項5】
前記光触媒層の厚みは、40nm以上であることを特徴とする、請求項1に記載の光触媒部材。
【請求項6】
前記光触媒層上に、親水保持層をさらに備え、
前記親水保持層は、酸化ケイ素もしくはケイ素と他の金属の複合酸化物を含む、請求項1に記載の光触媒部材。
【請求項7】
前記基材が透明基材であること特徴とする、請求項1に記載の光触媒部材。
【請求項8】
前記基材が高分子フィルムであることを特徴とする、請求項1に記載の光触媒部材。
【請求項9】
前記下地層は、III族元素をさらに含み、前記下地層に含まれる前記III族元素の総量は、物質量比で10%以下であることを特徴とする、請求項1に記載の光触媒部材。
【請求項10】
基材上に下地層を形成する下地層形成工程と
前記下地層上に酸化チタンを含む光触媒層を形成する光触媒層形成工程と、を有し、
前記下地層形成工程において、前記基材に対し、酸化セリウム及び酸化亜鉛を混合した複合ターゲットを用いてスパッタリングを行うことを特徴とする、光触媒部材の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、光触媒部材及び光触媒部材の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
紫外線、可視光線などの光により触媒作用が生じる光触媒は、様々な効果があるために現在注目されている。光触媒による効果としては、特に、本多-藤嶋効果にみられるように、水の光分解による水素/酸素生成や、表面で活性酸素が生成することによる強酸化性、表面に水酸基が多数生成することによる超親水性などが知られている。光触媒は、特に近年流行が著しいコロナウィルスなどのウィルスや病原菌などを光照射にて滅菌する、シックハウスの原因となるホルムアルデヒドを分解する、超親水性を応用した防曇フィルムなど様々な応用が考えられる。
【0003】
また、光触媒を反射防止膜に適用した場合、反射防止膜の表面に付着した指紋跡の分解に効果があると期待されている。特に厚み1μm以下の異なる屈折率を有する無機物を交互に積層した誘電体多層膜による反射防止膜は光の干渉を使用するため、表面にわずかな指紋跡のような透明異物が付着しても干渉効果が崩れ、透明異物が視認されやすい。従来はフッ素化合物などの低表面エネルギーを有する物質で反射防止膜を覆い、指紋跡等の透明異物の付着を抑制していたが、その効果は十分とはいえず、またふき取りなどの清掃も必要であった。そうした課題に対して有機物である透明異物が光触媒によって分解されることができれば、清掃不要となるため光触媒は非常に期待されている。
【0004】
光触媒能を有する材料としては酸化チタンが知られている。酸化チタンを何らかの基材の表面に形成する方法としては、スパッタリングなどの真空薄膜形成手法が知られている。しかし、酸化チタンが光触媒性能を発揮するためにはアナタース型もしくはルチル型などの結晶化が必要であり、結晶化のためには、成膜中もしくは成膜後300℃以上の熱処理が必要である。このため、耐熱性の低いプラスチックなどの部材への光触媒の適用は難しい。もう一つの方法として結晶化した酸化チタン微粉末を結合剤とともに基材に塗布して固定化する方法が提案されている。この塗布法は加熱などの処理を必要としないこと、大面積処理が可能なことなどから非常に幅広く用いられており、現在製品化されている光触媒のほとんどがこの塗布法によるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2007-308729号公報
特開2007-314835号公報
特許5217023号公報
特開2000-345320号公報
特許4460537号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、基材との固定に用いる結合剤は有機物であることが多く、光触媒と接するためにチョーキング現象と呼ばれる結合剤の分解が生じ、光触媒自体も脱落するという課題がある。また、基材と光触媒との結合を強めるために結合剤の比率を高くすると光触媒の比率が相対的に低下して触媒性能が低くなってしまうという課題もある。
【0007】
そのため、結合剤を含まない真空薄膜形成手法で酸化チタン薄膜を形成することが望ましいが、室温での成膜で如何に光触媒性能を実現できるかが課題である。
【0008】
室温で結晶化した酸化チタンを得る方法としては特許文献1には、シングルカソードもしくはデュアルカソードを用いて電圧印加のデューティー比を一定値以下とする方法が開示されている。特許文献1には、本手法で結晶化した酸化チタンが得られると記載されているが、本発明者が再現実験を行ったところ結晶化は確認できず、設備の構成などに依存する可能性がある。
【0009】
また、特許文献2、特許文献3には、チタン金属膜の成膜と酸化処理を2つに分けて行うことで結晶化を促進させる方法が開示されている。しかし、設備的に複雑な構成が必要となり、汎用的なスパッタリング装置では実現が難しい。
【0010】
汎用的なスパッタリング装置を用いた例としては、特許文献4に示すように、成膜時に水分を添加し、比較的低温(200℃以上)の熱処理を行うことで結晶化をさせる方法が試みられている。しかし、低温結晶化とはいえ200℃以上の加熱が必要であるため、多くのプラスチック基材は変形してしまう。このため汎用性に欠けるという問題がある。
(【0011】以降は省略されています)

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