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公開番号
2025036225
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-14
出願番号
2024140838
出願日
2024-08-22
発明の名称
ヘビーデューティ潤滑剤中の改善されたスチールピストン清浄性のための清浄剤系及び分散剤系
出願人
アフトン・ケミカル・コーポレーション
,
Afton Chemical Corporation
代理人
弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
主分類
C10M
163/00 20060101AFI20250306BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約
【課題】スチールピストンを有するヘビーデューティディーゼルエンジンを潤滑する方法及び高いピストン清浄性を達成するクランクケース潤滑油組成物を提供する。
【解決手段】ヘビーデューティディーゼルエンジンを潤滑する方法は、スチールピストンを潤滑油組成物で潤滑することを含み、前記潤滑油組成物が、(i)前記潤滑油組成物に0.3~約1重量パーセントのスルホネート石鹸をもたらす1種以上のアルカリ土類金属スルホネート清浄剤からなる清浄剤系と、(ii)前記潤滑油組成物に少なくとも約5重量パーセントの1種以上の分散剤をもたらす1種以上のポリイソブチレンスクシンイミド分散剤を含む分散剤系と、を含み、前記1種以上のポリイソブチレンスクシンイミド分散剤が、約1,200~約2,500の数平均分子量を有し、前記潤滑油組成物に650ppm超の窒素をもたらす高反応性ポリイソブチレンから誘導される、方法である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
スチールピストンを有するヘビーデューティディーゼルエンジンを潤滑する方法であって、
前記ヘビーデューティディーゼルエンジンの前記スチールピストンを潤滑油組成物で潤滑することを含み、
前記潤滑油組成物が、(i)前記潤滑油組成物に0.3~約1重量パーセントのスルホネート石鹸をもたらす1種以上のアルカリ土類金属スルホネート清浄剤からなる清浄剤系と、(ii)前記潤滑油組成物に少なくとも約5重量パーセントの1種以上の分散剤をもたらす1種以上のポリイソブチレンスクシンイミド分散剤を含む分散剤系と、を含み、
前記1種以上のポリイソブチレンスクシンイミド分散剤が、約1,200~約2,500の数平均分子量を有し、前記潤滑油組成物に650ppm超の窒素をもたらす高反応性ポリイソブチレンから誘導される、方法。
続きを表示(約 1,800 文字)
【請求項2】
前記ヘビーデューティディーゼルエンジンが、CEC L-118-21のOM471 ピストン清浄性試験に示される条件下で運転され、かつ/又は前記ヘビーデューティディーゼルエンジンが、約6,000ポンド以上の総車両重量定格を有する車両に動力を供給するように構成されている、請求項1に記載のスチールピストンを有するヘビーデューティディーゼルエンジンを潤滑する方法。
【請求項3】
前記清浄剤系が、1種以上の過塩基性カルシウムスルホネート清浄剤及び1種以上の低塩基性カルシウムスルホネート清浄剤からなり、過塩基性清浄剤が、少なくとも約300mg KOH/gの全塩基価(TBN)を有し、低塩基性清浄剤が、約175mg KOH/g以下の全塩基価(TBN)を有し、全塩基価(TBN)が、ASTM D2896によって決定される、請求項1に記載のスチールピストンを有するヘビーデューティディーゼルエンジンを潤滑する方法。
【請求項4】
潤滑組成物が、約0.3~約0.7重量パーセントのスルホネート石鹸を含む、請求項3に記載のスチールピストンを有するヘビーデューティディーゼルエンジンを潤滑する方法。
【請求項5】
前記清浄剤系が、前記清浄剤系に少なくとも約5mg KOH/gを提供するための有効量の前記1種以上の過塩基性スルホネート清浄剤と、約25~約40重量パーセントの清浄剤石鹸を提供するための有効量の前記1種以上の低塩基性スルホネート清浄剤と、を含む、請求項3に記載のスチールピストンを有するヘビーデューティディーゼルエンジンを潤滑する方法。
【請求項6】
前記清浄剤系が、カルシウムスルホネート清浄剤から本質的になり、かつ/又は前記清浄剤系が、マグネシウムスルホネート清浄剤を実質的に含まないか、フェネート清浄剤を実質的に含まないか、若しくはそれらの組み合わせである、請求項1に記載のスチールピストンを有するヘビーデューティディーゼルエンジンを潤滑する方法。
【請求項7】
前記潤滑油組成物が、モリブデンジチオカルバメート、モリブデンジアルキルジチオホスフェート、有機アミドの硫黄不含有機モリブデン錯体、又はそれらの混合物の群から選択される油溶性モリブデン化合物によって提供された約50ppm~約200ppmのモリブデンを含む、請求項1に記載のスチールピストンを有するヘビーデューティディーゼルエンジンを潤滑する方法。
【請求項8】
前記潤滑油組成物が、ヒンダードフェノール、芳香族アミン、アルキル化ジフェニルアミン、フェニル-α-ナフチルアミン、アルキル化フェニル-α-ナフチルアミン、ヒンダード非芳香族アミン、硫化オレフィン、又はそれらの混合物から選択される、約0.5~約5重量パーセントの1種以上の無灰酸化防止剤を更に含む、請求項1に記載のスチールピストンを有するヘビーデューティディーゼルエンジンを潤滑する方法。
【請求項9】
前記潤滑油組成物が、線状又は分岐状一級アルコール及び線状又は分岐状二級アルコールの混合物から誘導されたヒドロカルビル基を有する1種以上の金属ジヒドロカルビルジチオホスフェート化合物からの最大約1200ppmのリンを含む、請求項1に記載のスチールピストンを有するヘビーデューティディーゼルエンジンを潤滑する方法。
【請求項10】
約6,000ポンド以上の総車両重量を有するディーゼルエンジンに好適なヘビーデューティクランクケース潤滑油組成物であって、
潤滑粘度の1種以上の基油と、
前記潤滑油組成物に最大約1重量パーセントのスルホネート石鹸をもたらす1種以上のアルカリ土類金属スルホネート清浄剤からなる清浄剤系と、
前記潤滑組成物に少なくとも約5重量パーセントの前記1種以上の分散剤をもたらす1種以上のポリイソブチレンスクシンイミド分散剤を含む分散剤系と、を含み、
前記1種以上のポリイソブチレンスクシンイミド分散剤が、約1,200~約2,500の数平均分子量を有し、前記潤滑油組成物に650ppm超の窒素をもたらす高反応性ポリイソブチレンから誘導される、ヘビーデューティクランクケース潤滑油組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、潤滑組成物に関し、具体的には、スチールピストンとともに、かつ精選された清浄剤系並びに分散剤系とともに使用されるときに、向上したピストン清浄性を示すヘビーデューティ潤滑組成物に関する。
続きを表示(約 7,100 文字)
【背景技術】
【0002】
自動車メーカーは、効率、流体寿命、及び燃費の改善を求め続けており、そのため、エンジン、潤滑剤、及びそれらの成分に対する要求事項は増加し続けている。これらの要件はまた、エンジン油の性能が、そのような現代のエンジンのより高い要求と、それらの独自の使用及び用途に関連付けられたそれらの対応する性能基準と、を満たすように進化しなければならないことも意味している。エンジン油に対するそのような厳しい要求により、潤滑剤メーカーは、多くの場合、潤滑剤及びそれらの添加剤を、産業及び/又はメーカーの用途のため一定の性能要件を満たすように調整する。典型的には、業界基準及び/又は自動車メーカーは、ある使用又は用途のために設計された潤滑剤が、異なる使用又は用途の全ての性能仕様を満たさなくてもよい、一定の性能基準を要求する。
【0003】
例えば、エンジン油配合物における清浄剤及び分散剤の選択は、多くの場合、ピストン清浄性、酸中和、TBN保持率、酸化、低速早期点火、摩耗、摩擦性能、燃料経済性、供給、及び/又はコスト要因を含むがこれらに限定されないいくつもの要因に基づいて、ほんのいくつかの関連する考慮事項を示唆するものであった。しかしながら、ディーゼルエンジンにおけるピストン清浄性は、典型的には、スルホネート以外の清浄剤源の使用を必要とすることが以前に受け入れられており、したがって、ディーゼルピストン清浄性は、概して、例えばフェネート清浄剤とスルホネート清浄剤との組み合わせを必要とした。これらの組み合わせは、配合物中の補助成分の選択を制限することによって配合物の欠点をもたらす傾向があり、かつ/又は全体性能に影響を及ぼす可能性のある配合物のトレードオフを引き起こす傾向があった。
【0004】
従来のヘビーデューティエンジン(すなわち、約6,000ポンド以上の総車両重量を有する車両用に構成されたエンジン)は、アルミニウムピストンを使用することが多く、従来のフェネート清浄剤系及びスルホネート清浄剤系は、そのようなエンジン構成でピストン清浄性を維持するのに有効であった。以前は、特定の用途のためのピストン清浄性は、アルミニウムピストンを使用するOM501LA(CEC L-101-08)試験に従って評価された。最近、いくつかのヘビーデューティエンジン、約6,000ポンド以上の総車両重量を有する車両用に構成されたエンジンは、概して、より少ない摩擦、高トルク管理、及び/又は長期耐久性を有することによって、改善された燃費性能を達成することを補助するために、シリンダ内の圧力及び温度の上昇を可能にするスチールピストンの使用に移行している。しかしながら、アップグレードされたエンジン及びスチールピストンへの移行に伴い、産業界は、CEC L-118-21のOM471ピストン清浄性試験として指定される、より要求の厳しいピストン清浄性試験も開発した。この試験は、スチールピストンを有し、OM501LA試験で使用されるエンジンよりも大きい出力及び大きいトルクをもたらすように構成されたエンジンを使用する。スチールピストン用に設計されたこの新しいピストン清浄性試験は、圧力及び温度に関してOM501LA試験よりも厳しいだけでなく、試験期間も2倍長く(約300時間の代わりに約600時間)、並びに/又はより高い最大出力及びトルクレベルにおけるものである。OM471試験は、約358kWのエンジン出力を生成するOM501LA試験に対して、約391kWの著しく増加したエンジン出力を生成する。
【0005】
したがって、ヘビーデューティエンジン潤滑剤は、現在、CEC L-118-21の新しいOM471試験のより厳しい運転条件にさらされたときに、合格性能を実証しなければならない。しかしながら、多くの状況において、より新しい性能特性を満足するように潤滑剤組成物内の成分を変動させることは、1つ以上の他の性能特性に悪影響を及ぼす傾向がある。したがって、潤滑剤製造業者が、より新しい産業性能要求を満たす一方で、同時に従来の流体性能も維持することは困難になる。
【発明の概要】
【0006】
1つのアプローチ又は実施形態では、本開示は、ディーゼルエンジン、特に、スチールピストンを有するヘビーデューティディーゼルエンジンを潤滑する方法に関する。本発明は、スチールピストンを有するエンジンを潤滑するのに、具体的には、スチールピストンを有するヘビーデューティディーゼルエンジンを潤滑するのに特に好適である。一態様では、本方法は、ディーゼルエンジンの、特に、ヘビーデューティディーゼルエンジンのスチールピストンを潤滑油組成物で潤滑することを含む。別の態様では、潤滑油組成物は、(i)潤滑油組成物に最大約1重量パーセントのスルホネート石鹸(好ましくは、約0.3~約1重量パーセントのスルホネート石鹸)をもたらす1種以上のアルカリ土類金属スルホネート清浄剤からなる清浄剤系と、(ii)潤滑油組成物に少なくとも約5重量パーセントの1種以上の分散剤をもたらす1種以上のポリイソブチレンスクシンイミド分散剤を含む分散剤系と、を含み、1種以上のポリイソブチレンスクシンイミド分散剤は、約1,200~約2,500の数平均分子量を有し、潤滑油組成物に650ppm超の窒素をもたらす高反応性ポリイソブチレンから誘導される。いくつかの実施形態では、ディーゼルエンジン、特に、ヘビーデューティディーゼルエンジンは、CEC L-118-21のOM471ピストン清浄性試験に示され、いくつかの実施形態では、最大約600時間(又は最大約400時間若しくは約400~約600時間)、及び/又は最大約391kWのエンジン出力にわたる、条件下で運転される。いくつかの実施形態では、潤滑油組成物は、1種以上の無灰酸化防止剤(好ましくは、アルキル化ジフェニルアミン並びにヒンダードフェノール)及びモリブデン含有酸化防止剤の酸化防止剤系を更に含み、モリブデン含有酸化防止剤は、モリブデンジチオカルバメート、モリブデンジアルキルジチオホスフェート、有機アミドの硫黄不含有機モリブデン錯体、又はそれらの混合物の群から選択される油溶性モリブデン化合物を含み、1種以上の無灰酸化防止剤は、ヒンダードフェノール、芳香族アミン、アルキル化ジフェニルアミン、フェニル-α-ナフチルアミン、アルキル化フェニル-α-ナフチルアミン、ヒンダード非芳香族アミン、硫化オレフィン、又はそれらの混合物から選択され、一実施形態では、潤滑組成物は、少なくとも約2重量パーセント、少なくとも約2.2重量パーセント、又は少なくとも約2.5重量パーセントの酸化防止剤系を含む。1つのアプローチでは、酸化防止剤系は、潤滑組成物中に少なくとも1.0重量パーセントのジフェニルアミン、少なくとも1.0重量パーセントのヒンダードフェノール、及び0.2重量パーセント未満のモリブデン含有化合物を含むことができる。
【0007】
なお更なるアプローチ又は実施形態では、前段落のスチールピストンを有するディーゼルエンジン、特にヘビーデューティディーゼルエンジンを潤滑する方法は、任意選択的な特徴、ステップ、又は実施形態を任意の組み合わせで含んでもよい。これらの任意選択的な特徴、ステップ、又は実施形態は、以下のうちの1つ以上を含むことができる:ディーゼルエンジン、特に、ヘビーデューティディーゼルエンジンは、約6,000ポンド以上の総車両重量定格を有する車両に動力を供給するように構成され、かつ/又は清浄剤系は、1種以上の過塩基性カルシウムスルホネート清浄剤及び1種以上の低塩基性カルシウムスルホネート清浄剤からなり、過塩基性清浄剤は、少なくとも約200mg KOH/gの全塩基価(total base number、TBN)を有し、低塩基性清浄剤は、約175mg KOH/g以下の全塩基価(TBN)を有し、全塩基価(TBN)は、ASTM D2896によって決定され、かつ/又は清浄剤系は、約3:1~約8:1(他の実施形態では、約3:1~約6:1、約3:1~約5:1、若しくは約3:1~約4:1)の、1種以上の過塩基性スルホネート清浄剤対1種以上の低塩基性スルホネート清浄剤の重量比を含み、かつ/又は清浄剤系は、約2:1~約4:1(他の実施形態では、約2.1:1~約3.5:1、約2.2:1~約3:1、若しくは約2.3:1~約2.8:1)の過塩基性スルホネート石鹸対低塩基性スルホネート石鹸の重量比を含み、かつ/又は清浄剤系は、清浄剤系に少なくとも約5mg KOH/gを提供するための有効量の1種以上の過塩基性スルホネート清浄剤と、約25~約40重量パーセントの清浄剤石鹸を提供するための有効量の1種以上の低塩基性スルホネート清浄剤と、を含み、かつ/又は清浄剤系は、カルシウムスルホネート清浄剤から本質的になり、かつ/又は清浄剤系は、マグネシウムスルホネート清浄剤を実質的に含まないか、フェネート清浄剤を実質的に含まないか、若しくはそれらの組み合わせであり、かつ/又は潤滑油組成物は、モリブデンジチオカルバメート、モリブデンジアルキルジチオホスフェート、有機アミドの硫黄不含有機モリブデン錯体、若しくはそれらの混合物の群から選択される油溶性モリブデン化合物によって提供された約50ppm~約200ppmのモリブデンを含み、かつ/又は潤滑油組成物は、ヒンダードフェノール、芳香族アミン、アルキル化ジフェニルアミン、フェニル-α-ナフチルアミン、アルキル化フェニル-α-ナフチルアミン、ヒンダード非芳香族アミン、硫化オレフィン、若しくはそれらの混合物から選択される、約0.5~約5重量パーセントの1種以上の無灰酸化防止剤を更に含み、かつ/又は潤滑油組成物は、線状若しくは分岐状一級アルコール及び線状若しくは分岐状二級アルコールの混合物から誘導されたヒドロカルビル基を有する1種以上の金属ジヒドロカルビルジチオホスフェート化合物からの最大約1200ppmのリンを含み、かつ/又はヘビーデューティクランクケース潤滑組成物は、無視できる量のマグネシウム、例えば、約20ppm以下若しくは約10ppm以下のマグネシウムを有する。
【0008】
更に他のアプローチ又は実施形態では、本明細書の開示は、約6,000ポンド以上の総車両重量を有し、スチールピストンを備えたエンジンを有するディーゼルエンジンに好適なクランクケース潤滑油組成物、特に、ヘビーデューティクランクケース潤滑油組成物を提供する。この実施形態の態様では、クランクケース潤滑油組成物、特に、ヘビーデューティクランクケース潤滑油組成物は、潤滑粘度の1種以上の基油と、潤滑油組成物に最大約1重量パーセントのスルホネート石鹸(好ましくは、約0.3~約1重量パーセントのスルホネート石鹸)をもたらす1種以上のアルカリ土類金属スルホネート清浄剤からなる清浄剤系と、潤滑油組成物に少なくとも約5重量パーセントの1種以上の分散剤をもたらす1種以上のポリイソブチレンスクシンイミド分散剤を含む分散剤系と、を含み、1種以上のポリイソブチレンスクシンイミド分散剤は、約1,200~約2,500の数平均分子量を有し、潤滑油組成物に650ppm超の窒素をもたらす高反応性ポリイソブチレンから誘導される。いくつかの実施形態では、ディーゼルエンジン、特に、ヘビーデューティディーゼルエンジンは、CEC L-118-21のOM471ピストン清浄性試験に示され、いくつかの実施形態では、最大約600時間(又は最大約400時間若しくは約400~約600時間)、及び/又は最大約391kWのエンジン出力にわたる、条件下で運転される。いくつかの実施形態では、潤滑油組成物は、OM471ピストン清浄性試験(CEC L-118-21)によって測定したときに、少なくとも90%のスチールピストン清浄性格付けを達成する(より高いパーセンテージ格付けは、より清浄なピストンである)。他の実施形態では、クランクケース潤滑油組成物、特に、ヘビーデューティクランクケース潤滑油組成物は、1種以上の無灰酸化防止剤(好ましくは、アルキル化ジフェニルアミン並びにヒンダードフェノール)及びモリブデン含有酸化防止剤の酸化防止剤系を更に含み、モリブデン含有酸化防止剤は、モリブデンジチオカルバメート、モリブデンジアルキルジチオホスフェート、有機アミドの硫黄不含有機モリブデン錯体、又はそれらの混合物の群から選択される油溶性モリブデン化合物を含み、1種以上の無灰酸化防止剤は、ヒンダードフェノール、芳香族アミン、アルキル化ジフェニルアミン、フェニル-α-ナフチルアミン、アルキル化フェニル-α-ナフチルアミン、ヒンダード非芳香族アミン、硫化オレフィン、又はそれらの混合物から選択され、一実施形態では、潤滑組成物は、少なくとも約2重量パーセント、少なくとも約2.2重量パーセント、又は少なくとも約2.5重量パーセントの酸化防止剤系を含む。1つのアプローチでは、酸化防止剤系は、潤滑組成物中に少なくとも1.0重量パーセントのジフェニルアミン、少なくとも1.0重量パーセントのヒンダードフェノール、及び0.2重量パーセント未満のモリブデン含有化合物を含むことができる。
【0009】
更に他のアプローチ又は実施形態では、前段落に記載されたクランクケース潤滑油、特に、ヘビーデューティクランクケース潤滑油は、任意選択的な特徴又は実施形態を任意の組み合わせで含んでもよい。これらの任意選択的な特徴又は実施形態は、以下のうちの1つ以上を含むことができる:清浄剤系は、1種以上の過塩基性カルシウムスルホネート清浄剤及び1種以上の低塩基性カルシウムスルホネート清浄剤からなり、過塩基性清浄剤は、少なくとも約200mg KOH/gの全塩基価(TBN)を有し、低塩基性清浄剤は、約175mg KOH/g以下の全塩基価(TBN)を有し、全塩基価(TBN)は、ASTM D2896によって決定され、かつ/又は清浄剤系は、約3:1~約8:1(他の実施形態では、約3:1~約6:1、約3:1~約5:1、若しくは約3:1~約4:1)の、1種以上の過塩基性スルホネート清浄剤対1種以上の低塩基性スルホネート清浄剤の重量比を含み、かつ/又は清浄剤系は、約2:1~約4:1(他の実施形態では、約2.1:1~約3.5:1、約2.2:1~約3:1、若しくは約2.3:1~約2.8:1)の過塩基性スルホネート石鹸対低塩基性スルホネート石鹸の重量比を含み、かつ/又は清浄剤系は、清浄剤系に少なくとも約5mg KOH/gを提供するための有効量の1種以上の過塩基性スルホネート清浄剤と、約25~約40重量パーセントの清浄剤石鹸を提供するための有効量の1種以上の低塩基性スルホネート清浄剤と、を含み、かつ/又は清浄剤系は、カルシウムスルホネート清浄剤から本質的になり、かつ/又は清浄剤系は、マグネシウムスルホネート清浄剤を実質的に含まないか、フェネート清浄剤を実質的に含まないか、若しくはそれらの組み合わせであり、かつ/又は潤滑油組成物は、モリブデンジチオカルバメート、モリブデンジアルキルジチオホスフェート、有機アミドの硫黄不含有機モリブデン錯体、若しくはそれらの混合物の群から選択される油溶性モリブデン化合物によって提供された約50ppm~約200ppmのモリブデンを含み、かつ/又は潤滑油組成物は、ヒンダードフェノール、芳香族アミン、アルキル化ジフェニルアミン、フェニル-α-ナフチルアミン、アルキル化フェニル-α-ナフチルアミン、ヒンダード非芳香族アミン、硫化オレフィン、若しくはそれらの混合物から選択される、約0.5~約5重量パーセントの1種以上の無灰酸化防止剤を更に含み、かつ/又は潤滑油組成物は、線状若しくは分岐状一級アルコール及び線状若しくは分岐状二級アルコールの混合物から誘導されたヒドロカルビル基を有する1種以上の金属ジヒドロカルビルジチオホスフェート化合物からの最大約1200ppmのリンを含み、かつ/又はヘビーデューティクランクケース潤滑組成物は、無視できる量のマグネシウム、例えば、約20ppm以下若しくは約10ppm以下のマグネシウムを含む。
【0010】
なお更なるアプローチ又は実施形態では、本明細書の開示は、OM471ピストン清浄性試験(CEC L-118-21)に従って改善されたスチールピストン清浄性、他の実施形態では、OM471ピストン清浄性試験(CEC L-118-21)によって測定したときに、少なくとも約90%のスチールピストン清浄性格付けを達成するための、本発明の概要の潤滑油組成物、特に、ヘビーデューティ潤滑油組成物の任意の実施形態の使用を提供する。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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