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公開番号
2025033410
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-13
出願番号
2023139115
出願日
2023-08-29
発明の名称
熱分解型処理システムおよび熱分解型処理方法
出願人
荏原環境プラント株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C10G
1/00 20060101AFI20250306BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約
【課題】バイオマスなどの酸素原子を含む処理対象物から高品質の油を回収することができる熱分解型処理システムを提供する。
【解決手段】熱分解型処理システムは、処理対象物を熱分解することにより熱分解ガスを生成する熱分解炉1、および熱分解された処理対象物の残渣を燃焼する媒体再生炉44を有する流動床炉40と、熱分解ガス中の油成分と水分を凝縮させて、油水混合物と軽質ガスを別々に回収する凝縮装置7と、軽質ガスから還元性ガスを回収するガス分離装置15と、ガス分離装置15によって回収された還元性ガスを熱分解炉に移送する還元性ガス移送ライン17と、還元性ガスが分離された軽質ガスを媒体再生炉44に移送する燃料ライン21を備えている。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
酸素原子を含む処理対象物を処理する熱分解型処理システムであって、
前記処理対象物を熱分解することにより熱分解ガスを生成する熱分解炉、および熱分解された前記処理対象物の残渣を燃焼する媒体再生炉を有する流動床炉と、
前記熱分解ガス中の油成分と水分を凝縮させて、油水混合物と軽質ガスを別々に回収する凝縮装置と、
前記軽質ガスから還元性ガスを回収するガス分離装置と、
前記ガス分離装置によって回収された前記還元性ガスを前記熱分解炉に移送する還元性ガス移送ラインと、
前記還元性ガスが分離された前記軽質ガスを前記媒体再生炉に移送する燃料ラインを備えている、熱分解型処理システム。
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
前記流動床炉は、流動媒体が前記熱分解炉と前記媒体再生炉との間で循環する内部循環流動床ガス化システムである、請求項1に記載の熱分解型処理システム。
【請求項3】
前記熱分解炉と前記凝縮装置との間に配置され、前記熱分解炉から排出された前記熱分解ガスから粒子を分離させる固気分離装置をさらに備えている、請求項1に記載の熱分解型処理システム。
【請求項4】
前記凝縮装置は、油スクラバと水スクラバを含む、請求項1に記載の熱分解型処理システム。
【請求項5】
前記水スクラバから排出された油水混合物を油と水に分ける油水分離器をさらに備えている、請求項4に記載の熱分解型処理システム。
【請求項6】
前記油水混合物から回収された油に対して水素化処理を行う水素化分解装置をさらに備えている、請求項1に記載の熱分解型処理システム。
【請求項7】
酸素原子を含む処理対象物を処理する熱分解型処理方法であって、
前記処理対象物を流動床炉の熱分解炉内で熱分解することにより熱分解ガスを生成し、
前記熱分解ガス中の油成分と水分を凝縮装置により凝縮させて、油水混合物と軽質ガスを別々に回収し、
ガス分離装置により前記軽質ガスから還元性ガスを回収し、
前記ガス分離装置によって回収された前記還元性ガスを前記熱分解炉に移送して、前記還元性ガスに含まれる水素により、前記熱分解炉内の酸素原子を含む処理対象物および熱分解ガスに対して水素化処理を行い、
前記還元性ガスが分離された前記軽質ガスを燃料として前記流動床炉の媒体再生炉に移送して、熱分解された前記処理対象物の残渣を燃焼させる、熱分解型処理方法。
【請求項8】
前記流動床炉は、流動媒体が前記熱分解炉と前記媒体再生炉との間で循環する内部循環流動床ガス化システムである、請求項7に記載の熱分解型処理方法。
【請求項9】
前記熱分解炉と前記凝縮装置との間に配置された固気分離装置により、前記熱分解炉から排出された前記熱分解ガスから粒子を分離させることをさらに含む、請求項7に記載の熱分解型処理方法。
【請求項10】
前記凝縮装置は、油スクラバと水スクラバを含む、請求項7に記載の熱分解型処理方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、バイオマス、都市ごみなどの酸素原子を含む処理対象物を熱分解し、発生した熱分解ガスから油を回収する熱分解型処理システムおよび熱分解型処理方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
バイオマス、都市ごみなどの酸素原子を含む処理対象物を処理して再利用するマテリアルリサイクルおよびケミカルリサイクルの開発が進められている。特に、熱分解炉を使用して、バイオマスから油を回収するケミカルリサイクルへの注目が高まっている。
【0003】
ケミカルリサイクルに使用される流動床炉は、炉の内部が仕切壁で熱分解炉と媒体再生炉に分けられた構造を有している。流動媒体は熱分解炉と媒体再生炉との間を循環しながら、バイオマスなどの処理対象物は熱分解炉に投入される。処理対象物は熱分解炉内で流動媒体により加熱され、熱分解されることで大部分はガス化される。処理対象物の残渣は、流動媒体によって媒体再生炉に運ばれる。処理対象物の残渣は媒体再生炉内で燃焼して、流動媒体を加熱する。加熱された流動媒体は、熱分解炉内に移動し、熱分解炉内で熱源として機能する。
【0004】
処理対象物は熱分解により熱分解ガスを発生する。この熱分解ガス中に含まれるガス状の炭化水素を凝縮させることで、分解油を回収する。上述した内部循環流動床ガス化システムは、処理対象物を熱分解し、処理対象物から分解油および分解ガスを熱分解生成物として回収することができる技術として期待されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第6933577号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、処理対象物の熱分解により回収された分解油は、多くの酸素原子を含んでいるため、化学原料や燃料としての質が低く、化学基礎製品としての使用や、エンジンや高効率発電設備への使用が困難である。特に、バイオマスを熱分解することによって得られたバイオ油は、酸素原子含有率が高く、発熱量が石油系燃料油の半分以下である。さらに、水、および酸の副生成物により装置が腐食し、コーク生成量の増加に起因する装置および触媒のファウリングを引き起こすことがある。
【0007】
そこで、本発明は、バイオマスなどの酸素原子を含む処理対象物から高品質の油を回収することができる熱分解型処理システムおよび熱分解型処理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一態様では、酸素原子を含む処理対象物を処理する熱分解型処理システムであって、前記処理対象物を熱分解することにより熱分解ガスを生成する熱分解炉、および熱分解された前記処理対象物の残渣を燃焼する媒体再生炉を有する流動床炉と、前記熱分解ガス中の油成分と水分を凝縮させて、油水混合物と軽質ガスを別々に回収する凝縮装置と、前記軽質ガスから還元性ガスを回収するガス分離装置と、前記ガス分離装置によって回収された前記還元性ガスを前記熱分解炉に移送する還元性ガス移送ラインと、前記還元性ガスが分離された前記軽質ガスを前記媒体再生炉に移送する燃料ラインを備えている、熱分解型処理システムが提供される。
【0009】
一態様では、前記流動床炉は、流動媒体が前記熱分解炉と前記媒体再生炉との間で循環する内部循環流動床ガス化システムである。
一態様では、前記熱分解型処理システムは、前記熱分解炉と前記凝縮装置との間に配置され、前記熱分解炉から排出された前記熱分解ガスから粒子を分離させる固気分離装置をさらに備えている。
一態様では、前記凝縮装置は、油スクラバと水スクラバを含む。
一態様では、前記熱分解型処理システムは、前記水スクラバから排出された油水混合物を油と水に分ける油水分離器をさらに備えている。
一態様では、前記熱分解型処理システムは、前記油水混合物から回収された油に対して水素化処理を行う水素化分解装置をさらに備えている。
【0010】
一態様では、酸素原子を含む処理対象物を処理する熱分解型処理方法であって、前記処理対象物を流動床炉の熱分解炉内で熱分解することにより熱分解ガスを生成し、前記熱分解ガス中の油成分と水分を凝縮装置により凝縮させて、油水混合物と軽質ガスを別々に回収し、ガス分離装置により前記軽質ガスから還元性ガスを回収し、前記ガス分離装置によって回収された前記還元性ガスを前記熱分解炉に移送して、前記還元性ガスに含まれる水素により、前記熱分解炉内の酸素原子を含む処理対象物および熱分解ガスに対して水素化処理を行い、前記還元性ガスが分離された前記軽質ガスを燃料として前記流動床炉の媒体再生炉に移送して、熱分解された前記処理対象物の残渣を燃焼させる、熱分解型処理方法が提供される。
(【0011】以降は省略されています)
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