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公開番号2025035492
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-13
出願番号2023142556
出願日2023-09-01
発明の名称ポリマーと金属との接着結合のための、TiとAlとを同一条件で表面処理する方法
出願人ジオネーション株式会社,株式会社東亜電化
代理人弁理士法人共生国際特許事務所
主分類C25D 11/26 20060101AFI20250306BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約【課題】種類が全く異なる金属であるTiとAlを同一条件で表面処理を行い、表面に多孔性酸化被膜を形成する方法を提供する。
【解決手段】本発明のポリマーとTi又はポリマーとAlとの組み合わせによるポリマーと金属との接着結合のための同一条件の金属の表面処理方法は、
前記金属の表面を脱脂洗剤を用いて汚染物を除去する脱脂処理段階、
前記金属の表面をアルカリ溶液を用いてエッチングする1次エッチング処理段階、
前記金属の表面のスマットを除去するデスマット処理段階、
前記金属の表面を強酸性溶液を用いてエッチングする活性化処理段階、
活性化処理された金属の表面に多孔質を形成する酸化アノダイジング処理段階、及び
前記アノダイジング処理した金属の表面を乾燥する乾燥段階を含むことを特徴とする。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
ポリマーとTi又はポリマーとAlとの組み合わせによるポリマーと金属との接着結合のための同一条件の金属の表面処理方法であって、
前記金属の表面を脱脂洗剤を用いて汚染物を除去する脱脂処理段階、
前記金属の表面をアルカリ溶液を用いてエッチングする1次エッチング処理段階、
前記金属の表面のスマットを除去するデスマット処理段階、
前記金属の表面を強酸性溶液を用いて2次エッチングする活性化処理段階、
活性化処理された前記金属の表面に多孔質を形成する酸化アノダイジング処理段階、
前記アノダイジング処理した前記金属の表面を乾燥する乾燥段階を含むことを特徴とするポリマーと金属との接着結合のための同一条件の金属の表面処理方法。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記酸化アノダイジング処理段階において、
硫酸:濃度1~3g/L、燐酸:濃度2~7g/L、クロム酸:濃度1~5g/L、シュウ酸:濃度1~5g/L、及びフッ酸:濃度0.5~2g/Lのうちの一つ以上と、硫酸ナトリウム:濃度5~10g/L、燐酸塩:濃度1~5g/L、及びシュウ酸塩:濃度1~3g/Lのうちの一つ以上を含む混合酸性溶液:pH4.5~5.5を用いて、添加剤であるシランカップリング剤(Silane Coupling agent):濃度0.01~0.10g/Lを添加して、30~50℃で1.0~2.55A/dm

の電流密度で300~1200秒間、アノダイジング処理することを特徴とする請求項1に記載のポリマーと金属との接着結合のための同一条件の金属の表面処理方法。
【請求項3】
前記酸化アノダイジング処理段階において、前記添加剤であるシランカップリング剤は、
1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリチオール(TT)、
1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリチオールモノナトリウム(TTN)、
1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリチオールトリエタノールアミン(F-TEA)、
6-アニリノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオール(AF)、
6-アニリノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオールモナトリウム(AFN)、
6-ジブチルアミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオール(DB)、
6-ジブチルアミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオールモノナトリウム(DBN)、
6-ジアリルアミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオール(DA)、
6-ジアリルアミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオールモノナトリウム(DAN)、
1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリチオールジ(テトラブチルアンモニウム塩)(F2A)、
6-ジブチルアミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオールテトラブチルアンモニウム塩(DBA)、
6-ジオクチル-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオール(DO)、
6-ジオクチル-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオールモノナトリウム(DON)、
6-ジラウリルアミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオール(DL)、
6-ジラウリルアミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオールモノナトリウム(DLN)、
6-ステアリルアミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオール(ST)、
6-ステアリルアミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオールモノカリウム(STK)、
6-オレイルアミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオール(DL)、及び
6-オレイルアミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオールモノカリウム(OLK)のトリアジンチオール誘導体及びそれらの塩のうちの一つを使用することを特徴とする請求項2に記載のポリマーと金属との接着結合のための同一条件の金属の表面処理方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明はポリマーと金属の接着結合のための同一条件の金属の表面処理方法に係り、種類が全く異なる金属であるTiとAlを同一の処理条件で表面処理を行い、表面に多孔性酸化被膜を形成する表面処理方法に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
ポリマーとTiの接合体とポリマーとAlの接合体は、防水性を要する電子部品及びスマートフォン等に多く用いられているが、TiとAlの表面処理工程の条件が互いに異なるので、同時作業ができず、その都度工程の条件を変えながらTi(特許文献1)とAl(特許文献2)のそれぞれを作業し、時間、費用の面において問題があった。特に部品が少量である場合は、より多くの時間と費用の無駄があった。
上記問題を解決するために、TiとAlとを同一条件で表面処理ができるように、それぞれの表面処理条件(溶液、濃度、温度、時間及び電流など)を1つの表面処理条件で表面処理ができる方法を開発した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2019-048407号公報
特許第4600701号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が目的とするところは、上述の問題を解決するための種類が全く異なる金属であるTiとAlを同一条件で表面処理を行い、表面に多孔性酸化被膜を形成する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のポリマーとTi又はポリマーとAlとの組み合わせによるポリマーと金属の接着結合のための同一条件の金属の表面処理方法は、
前記金属の表面を脱脂洗剤を用いて汚染物を除去する脱脂処理段階、
前記金属の表面をアルカリ溶液を用いてエッチングする1次エッチング処理段階、
前記金属の表面のスマットを除去するデスマット処理段階、
前記金属の表面を強酸性溶液を用いてエッチングする活性化処理段階、
活性化処理された前記金属の表面に多孔質を形成する酸化アノダイジング処理段階、及び
前記アノダイジング処理した前記金属の表面を乾燥する乾燥段階、を含むことを特徴とする。
【0006】
前記酸化アノダイジング処理段階において、
硫酸:濃度1~3g/L、燐酸:濃度2~7g/L、クロム酸:濃度1~5g/L、シュウ酸:濃度1~5g/L、及びフッ酸:濃度0.5~2g/Lのうちの一つ以上と、硫酸ナトリウム:濃度5~10g/L、燐酸塩:濃度1~5g/L、及びシュウ酸塩:濃度1~3g/Lのうちの一つ以上を含む混合酸性溶液:pH4.5~5.5を用いて、添加剤であるシランカップリング剤(Silane Coupling agent):濃度0.01~0.10g/Lを添加して、30~50℃で1.0~2.5A/dm

の電流密度で300~900秒間、アノダイジング処理することを特徴とする。
【0007】
前記酸化アノダイジング処理段階において、前記添加剤であるシランカップリング剤は、
1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリチオール(TT)、
1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリチオールモノナトリウム(TTN)、
1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリチオールトリエタノールアミン(F-TEA)、
6-アニリノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオール(AF)、
6-アニリノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオールモナトリウム(AFN)、
6-ジブチルアミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオール(DB)、
6-ジブチルアミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオールモノナトリウム(DBN)、
6-ジアリルアミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオール(DA)、
6-ジアリルアミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオールモノナトリウム(DAN)、
1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリチオールジ(テトラブチルアンモニウム塩)(F2A)、
6-ジブチルアミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオールテトラブチルアンモニウム塩(DBA)、
6-ジオクチル-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオール(DO)、
6-ジオクチル-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオールモノナトリウム(DON)、
6-ジラウリルアミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオール(DL)、
6-ジラウリルアミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオールモノナトリウム(DLN)、
6-ステアリルアミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオール(ST)、
6-ステアリルアミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオールモノカリウム(STK)、
6-オレイルアミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオール(DL)、及び
6-オレイルアミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオールモノカリウム(OLK)のトリアジンチオール誘導体及びそれらの塩のうちの一つを使用することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、種類が全く異なる金属であるTiとAlを同一条件で表面処理を行い、表面に多孔性酸化被膜を形成して、それぞれのTiとAlのポリマー間の接合力を測定した結果、引張力、熱衝撃後引張力、恒温恒湿後引張力でTiとAlのそれぞれを表面処理した結果と同一又は優秀な接合力を有する効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
ポリマーとTi又はポリマーとAlとの組み合わせによるポリマーと金属の接着結合のための同一条件の金属の表面処理方法を示すフローチャートである。
(a)引張試験の試片のTi又はAlの金属部材の形状を示す平面図である。(b)引張試験の試片のTi又はAlの金属部材の形状を示す側面図である。(c)引張試験の試片のTi又はAlの金属部材とポリマーとの金属接合体を説明する図である。ゲートからポリマーが射出されTi又はAlの金属部材と接合する。
(a)本発明による表面処理に好適なTiの多孔性酸化被膜の表面形状の写真(倍率:10

倍)である。(b)本発明による表面処理に好適なAlの多孔性酸化被膜の表面形状の写真(倍率:10

倍)である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図1に示す本発明によるポリマーと金属の接着結合のための同一条件の金属の表面処理方法を説明する。
本発明の一実施形態のポリマーとTi又はポリマーとAlとの組み合わせによるポリマーと金属の接着結合のための同一条件の金属の表面処理方法は、
(a)金属の表面を脱脂洗剤を用いて汚染物を除去する脱脂処理段階、
(b)脱脂処理後、金属の表面を水で洗浄する水洗処理段階、
(c)金属の表面をアルカリ溶液を用いてエッチングする1次エッチング処理段階、
(d)1次エッチング処理した金属の表面を水で洗浄する水洗処理段階、
(e)金属の表面のスマットを除去するデスマット処理段階、
(f)デスマット処理した金属の表面を水で洗浄する水洗処理段階、
(g)金属の表面を強酸性溶液を用いて2次エッチングする活性化処理段階、
(h)活性化処理した金属の表面を水で洗浄する水洗処理段階、
(i)活性化処理された金属の表面に多孔質を形成する酸化アノダイジング処理段階、
(j)アノダイジング処理した金属の表面を水で洗浄する水洗処理段階、及び
(k)水で洗浄された金属の表面の水分を除去する乾燥段階、を含むことを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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