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公開番号2025034306
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-13
出願番号2023140611
出願日2023-08-31
発明の名称エンジンシステム
出願人三菱重工エンジン&ターボチャージャ株式会社
代理人SSIP弁理士法人
主分類F02D 45/00 20060101AFI20250306BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約【課題】クランク室における未燃ガスの着火のリスクを、簡易な構成でもって低減したエンジンシステムを提供する。
【解決手段】エンジンシステムは、シリンダと、シリンダに収容されるピストンとを含むエンジンと、空気槽と、空気槽内に蓄えられる圧縮空気をエンジンの始動用空気としてシリンダ内に導くための始動用空気ラインとを含む空気供給系統と、燃料ガスをシリンダ内に供給するための燃料ガス供給系統と、を備える。エンジンは、ピストンの下側に位置すると共にピストンを駆動するためのクランク軸と、クランク軸を収容するクランクケースと、をさらに含む。空気供給系統は、始動用空気ラインを流れる圧縮空気を抽気して、クランクケース内のクランク室に導くための抽気ラインをさらに含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
シリンダと、前記シリンダに収容されるピストンとを含むエンジンと、
空気槽と、前記空気槽内に蓄えられる圧縮空気を前記エンジンの始動用空気として前記シリンダ内に導くための始動用空気ラインとを含む空気供給系統と、
燃料ガスを前記シリンダ内に供給するための燃料ガス供給系統と、
を備えるエンジンシステムであって、
前記エンジンは、
前記ピストンの下側に位置すると共に前記ピストンにより駆動されるように構成されたクランク軸と、
前記クランク軸を収容するクランクケースと、
をさらに含み、
前記空気供給系統は、
前記始動用空気ラインを流れる前記圧縮空気を抽気して、前記クランクケース内のクランク室に導くための抽気ラインをさらに含む
エンジンシステム。
続きを表示(約 2,600 文字)【請求項2】
前記空気供給系統は、前記抽気ライン上に配置される抽気開閉弁をさらに含み、
前記エンジンシステムは、
前記クランク室における未燃状態の前記燃料ガスの濃度である未燃ガス濃度と相関するガス濃度を計測するための濃度センサと、
前記濃度センサの計測値から求められる前記クランク室の前記未燃ガス濃度が許容濃度を上回ると、前記抽気開閉弁が閉状態から開状態に切り替わるよう前記抽気開閉弁を制御するための抽気開閉制御部と、
をさらに備える
請求項1に記載のエンジンシステム。
【請求項3】
前記エンジンシステムは、前記クランク室における圧力を計測するための圧力センサをさらに備え、
前記抽気開閉制御部は、前記圧力センサの計測値が許容圧力以下になるよう、前記抽気開閉弁の開度を制御するように構成される
請求項2に記載のエンジンシステム。
【請求項4】
前記空気供給系統は、前記抽気ライン上に配置される流量調整弁をさらに含み、
前記エンジンシステムは、
前記クランク室における圧力を計測するための圧力センサと、
前記圧力センサの計測値が許容圧力以下になるよう、前記流量調整弁の開度を制御するための流量調整制御部と
をさらに備える
請求項2に記載のエンジンシステム。
【請求項5】
前記エンジンは、燃焼室内に配置される点火プラグをさらに含み、
前記エンジンシステムは、
前記クランク軸の回転角位相を計測するための位相センサと、
前記位相センサによって計測される回転角位相に基づいて、前記点火プラグを制御するための点火制御部と、
をさらに備え、
前記点火制御部は、前記抽気開閉制御部の制御を通じて前記抽気開閉弁が前記開状態になったあとも前記濃度センサの前記計測値から求められる前記クランク室の前記未燃ガス濃度が前記許容濃度以下にならない場合、前記未燃ガス濃度が前記許容濃度以下である場合と比べて、前記点火プラグの点火タイミングを早めるように構成される
請求項2に記載のエンジンシステム。
【請求項6】
コンプレッサホイールからの前記圧縮空気を前記シリンダ内に導くための給気ラインと、
前記給気ライン上に配置される給気流調弁と、
前記抽気開閉制御部の制御を通じて前記抽気開閉弁が前記開状態になったあとも前記濃度センサの前記計測値から求められる前記未燃ガス濃度が前記許容濃度以下にならない場合、前記給気ラインにおける前記圧縮空気の流量が増大するように前記給気流調弁を制御するための給気量制御部と、
をさらに備える
請求項2に記載のエンジンシステム。
【請求項7】
コンプレッサホイールと、前記コンプレッサホイールを駆動させるためのタービンホイールとを含む過給機と、
前記エンジンから排出される排ガスを前記タービンホイールに導くための排ガスラインと、
前記排ガスラインを流れる前記排ガスを抽気して、前記タービンホイールを迂回して前記排ガスを外部に排出するためのバイパス排ガスラインと、
前記バイパス排ガスラインを流れる前記排ガスの流量を制御するためのバイパス流調弁と
前記抽気開閉制御部の制御を通じて前記抽気開閉弁が前記開状態になったあとも前記濃度センサの前記計測値から求められる前記未燃ガス濃度が前記許容濃度以下にならない場合、前記バイパス排ガスラインを流れる前記排ガスの流量が減少するよう、前記バイパス流調弁を制御するためのバイパス排ガス量制御部と、
をさらに備える
請求項2に記載のエンジンシステム。
【請求項8】
前記燃料ガス供給系統は、
前記燃料ガスを前記シリンダ内に導くための燃料ガスラインと、
前記燃料ガスライン上に配置される燃料ガス流調弁と、
前記抽気開閉制御部の制御を通じて前記抽気開閉弁が前記開状態になったあとも前記濃度センサの前記計測値から求められる前記未燃ガス濃度が前記許容濃度以下にならない場合、前記燃料ガスラインにおける前記燃料ガスの流量が減少するように前記燃料ガス流調弁を制御するための燃料ガス量制御部と、
をさらに備える
請求項2に記載のエンジンシステム。
【請求項9】
前記燃料ガス供給系統は、
第1燃料ガスを前記エンジンの燃焼室に導くための第1燃料ガスラインと、
前記第1燃料ガスライン上に配置される第1燃料開閉弁と、
爆発下限界濃度が前記第1燃料ガスよりも低い第2燃料ガスを前記燃焼室に導くための第2燃料ガスラインと、
前記第2燃料ガスライン上に配置される第2燃料開閉弁と、
を含み、
前記抽気開閉制御部が前記抽気開閉弁を制御するとき、前記第1燃料開閉弁または前記第2燃料開閉弁のうち少なくとも前記第2燃料開閉弁は開状態であり、
前記エンジンシステムは、
前記燃料ガス量制御部の制御を通じて前記燃料ガスの前記流量が減少したあとも前記濃度センサの前記計測値から求められる前記未燃ガス濃度が前記許容濃度以下にならない場合、前記第2燃料開閉弁が前記開状態から閉状態になるよう前記第2燃料開閉弁を制御するための燃料弁制御部をさらに備える
請求項8に記載のエンジンシステム。
【請求項10】
前記エンジンは、前記シリンダ及び前記ピストンを含むシリンダユニットが前記クランク軸の軸方向に沿って複数配置された多気筒エンジンであり、
前記エンジンシステムは、前記クランク室内の前記圧縮空気を含む流体である排出対象物を外部に導くための排出ラインをさらに備え、
前記クランクケースは、
前記軸方向の一方側の端部である一方側壁部と、
前記一方側壁部とは反対の端部である他方側壁部と
を有し、
前記一方側壁部には、前記抽気ラインが接続する一方側導入口が形成され、
前記他方側壁部には、前記排出ラインが接続する他方側排出口が形成される
請求項1に記載のエンジンシステム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、エンジンシステムに関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されるエンジンシステムは、シリンダと、シリンダに収容されるピストンと、ピストンの下側に位置すると共にピストンを駆動するためのクランク軸と、クランク軸を収容するクランクケースとを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2017-031957号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
シリンダ内の燃焼室にある燃料ガスが、シリンダとピストンの間を通って、クランクケース内のクランク室にリークする場合がある(当該燃料ガスは、ブローバイガスと呼ばれることがある)。クランク室における未燃状態の燃料ガスの濃度が高い場合、燃料ガスが着火するリスクがある。当該リスクを低減するための対策は、エンジンシステムの構成を複雑にすることなく行われることが好ましい。
【0005】
本開示の目的は、クランク室における未燃ガスの着火のリスクを、簡易な構成でもって低減したエンジンシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の少なくとも一実施形態に係るエンジンシステムは、
シリンダと、前記シリンダに収容されるピストンとを含むエンジンと、
空気槽と、前記空気槽内に蓄えられる圧縮空気を前記エンジンの始動用空気として前記シリンダ内に導くための始動用空気ラインとを含む空気供給系統と、
燃料ガスを前記シリンダ内に供給するための燃料ガス供給系統と、
を備えるエンジンシステムであって、
前記エンジンは、
前記ピストンの下側に位置すると共に前記ピストンを駆動するためのクランク軸と、
前記クランク軸を収容するクランクケースと、
をさらに含み、
前記空気供給系統は、
前記始動用空気ラインを流れる前記圧縮空気を抽気して、前記クランクケース内のクランク室に導くための抽気ラインをさらに含む。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、クランク室における未燃ガスの着火のリスクを、簡易な構成でもって低減したエンジンシステムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
一実施形態に係るエンジンシステムの概略図である。
一実施形態に係るエンジンの概略図である。
一実施形態に係る空気供給系統を示す概略図である。
一実施形態に係るエンジンシステムを示す概略図である。
一実施形態に係るクランク室パージ制御のフローチャートである。
一実施形態に係るエンジン制御のフローチャートである。
他の実施形態に係るエンジンシステムを示す概略図である。
第1実施形態に係るクランクケースの概略図である。
第2実施形態に係るクランクケースの概略図である。
第2実施形態に係るクランクケースの別の概略図である。
第3実施形態に係るクランクケースの概略図である。
第4実施形態に係るクランクケースの概略図である。
第5実施形態に係るクランクケースの概略図である。
他の実施形態に係るエンジンシステムを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して本開示の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本開示の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
なお、同様の構成については同じ符号を付し説明を省略することがある。
【0010】
<エンジンシステム1の概要>
図1は、本開示の一実施形態に係るエンジンシステム1の概略図である。例えば発電設備に組み込まれてもよいエンジンシステム1は、燃焼室9及びクランク室18が内部に形成されるエンジン5と、燃料ガスFgを燃焼室9に導くための燃料ガスライン11を含む燃料ガス供給系統70と、燃焼室9に圧縮空気Caを送るためのコンプレッサホイール12を含む過給機15とを備えている。本例のエンジン5は定置型エンジンである。
(【0011】以降は省略されています)

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