TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025032400
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-12
出願番号2021203124
出願日2021-12-15
発明の名称テルペノイド化合物を含有する香味吸引物品用のセグメント
出願人日本たばこ産業株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類A24B 15/16 20200101AFI20250305BHJP(たばこ;葉巻たばこ;紙巻たばこ;喫煙具)
要約【課題】経時によって、製品の外観を損なう香料の結晶化を抑制した香味吸引物品用のセグメントを提供する。
【解決手段】
テルペノイド化合物の融液が添加された基材を有する、香味吸引物品用のセグメント。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
テルペノイド化合物の融液が添加された基材を有する香味吸引物品用のセグメント。
続きを表示(約 570 文字)【請求項2】
前記テルペノイド化合物がテルペンアルコールである、請求項1に記載のセグメント。
【請求項3】
前記テルペンアルコールがメンソールである、請求項2に記載のセグメント。
【請求項4】
前記セグメントが香味吸引セグメントまたはフィルタセグメントである、請求項1~3のいずれかに記載のセグメント。
【請求項5】
前記セグメントが基材として半径Lの柱状充填物を備え、
当該充填物の中心軸から、長手方向に直交する方向に0.5Lの領域に存在する前記テルペノイド化合物の量をCとし、
当該セグメントの中心軸から、長手方向に直交する方向に0.5L超~Lの領域に存在する前記テルペノイド化合物の量をEとするとき、
C/E≧1.25である、
請求項1~4のいずれかに記載のセグメント。
【請求項6】
C/E≧1.5である、請求項5に記載のセグメント。
【請求項7】
C/E≧2である、請求項6に記載のセグメント。
【請求項8】
請求項1~7のいずれかに記載のセグメントを備える、香味吸引セグメントまたはフィルタセグメント。
【請求項9】
請求項8に記載のセグメントを備える、香味吸引物品。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明はテルペノイド化合物を含有する香味吸引物品用のセグメントに関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
メンソールをはじめとするテルペノイド化合物は、清涼化剤として、内服または外用の組成物に多く用いられている。特にメンソールを添加した喫煙物品には一定の需要がある。例えば特許文献1にはたばこ材料に香料を添加する方法が開示されており、特許文献2にはフィルタに香料を添加する方法が開示されている。しかし、メンソールを添加した喫煙物品は、環境条件によってはメンソールが結晶化して容器等に付着し、製品の見かけ品質の劣化を引き起こす。結晶化を抑制する方法として、巻紙の坪量を上げて結晶を外へ析出させない方法が提案されている(特許文献3)。外部への結晶化抑制には加温処理が必要となる。また、メンソールにステロール類を10~50%配合して添加する方法も提案されている(特許文献4および5)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平6-277035号公報
特許第4530371号
国際公開第2020/230577号
特開2008-239986号公報
特開2008-214233号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述のとおり、製品を蔵置する際にメンソール等香料の結晶化を抑制する方法が種々提案されているが、未だ改善の余地があった。かかる事情に鑑み、本発明は経時によって、製品の外観を損なうような香料の結晶化を抑制した香味吸引物品用の充填物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
メンソールはエタノールやプロピレングリコールには溶解するが水やグリセリンには溶解しないことから、その結晶化の挙動は油脂の結晶化に近いと推察される。油脂の結晶化はその融点以下の過冷却状態におかれると引き起こされ、バルク系であってもエマルション系であってもその影響は変わらない。図1に示すとおり、結晶化とその成長は以下の段階を経て生じるとされる(食品工学ハンドブック、日本食品工学会編、株式会社朝倉書店)。
1)過冷却状態の分子Mが互いに衝突することで、離合集散を繰り返す。
2)その内に、臨界各半径を越える大きさの結晶核Nが出現する。
3)結晶核の表面に、結晶化した固体Sが発生し、固液界面が形成され、界面自由エネルギーよりも結晶化による体積減少による自由エネルギーの効果が大きいため結晶成長が継続する。
4)結晶核は不純物(例えばたばこシートまたは巻紙)があることで界面がメンソール単体よりも多く存在するようになり、結晶化が促進される。
5)さらに、結晶核同士が合体して、結晶が目視できるまで成長する。
【0006】
メンソールの融点は42~45℃であることから、42℃以下の環境下であればメンソールは過冷却の状態となり、その後、結晶化することが危惧される。しかしながら、製品において外観を損なうようなメンソールの結晶化は環境温度30℃程度の夏場では生じることはなく、むしろ冬場に生じる。そこで、発明者らは、喫煙物品においてメンソールが溶媒に溶解した状態で存在している点に着眼した。特許文献2に示すとおり、通常、メンソール等の香料はプロピレングリコール等の溶媒に溶解されて溶液として添加される。前記溶液の飽和濃度を超えない限りメンソールは液体で存在するため結晶は成長しないが、環境温度が下がれば飽和濃度も低下するため溶媒に溶解できなくなった一部のメンソールが析出し、結晶が成長すると考えられる。以上から、発明者らは、メンソール等のテルペン化合物が喫煙物品において結晶状態で存在していれば、その後に結晶化が起こるという現象を低減できることに着想し、テルペン化合物を融液として基材に添加することで、前記課題を解決した。
【0007】
前記課題は、以下の本発明によって解決される。
態様1
テルペノイド化合物の融液が添加された基材を有する香味吸引物品用のセグメント。
態様2
前記テルペノイド化合物がテルペンアルコールである、態様1に記載のセグメント。
態様3
前記テルペンアルコールがメンソールである、態様2に記載のセグメント。
態様4
前記セグメントが香味吸引セグメントまたはフィルタセグメントである、態様1~3のいずれかに記載のセグメント。
態様5
前記セグメントが基材として半径Lの柱状充填物を備え、
当該充填物の中心軸から、長手方向に直交する方向に0.5Lの領域に存在する前記テルペノイド化合物の量をCとし、
当該セグメントの中心軸から、長手方向に直交する方向に0.5L超~Lの領域に存在する前記テルペノイド化合物の量をEとするとき、
C/E≧1.25である、
態様1~4のいずれかに記載のセグメント。
態様6
C/E≧1.5である、態様5に記載のセグメント。
態様7
C/E≧2である、態様6に記載のセグメント。
態様8
態様1~7のいずれかに記載のセグメントを備える、香味吸引セグメントまたはフィルタセグメント。
態様9
態様8に記載のセグメントを備える、香味吸引物品。
【発明の効果】
【0008】
本発明によって、香料の経時による外観を損なう結晶化を抑制した香味吸引物品用の充填物を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
結晶化とその成長の概要を説明する図
セグメントにおけるテルペノイド化合物の濃度を説明する図
実施例および比較例における結晶化の程度を示す図
実施例および比較例における結晶化の程度を示す図
メンソール融液とメンソール溶液の結晶化挙動を示す図
非燃焼加熱型たばこ香味吸引物品の一態様を示す図
非燃焼加熱型たばこ香味吸引システムの一態様を示す図
セグメントの製造方法の一態様を説明する図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明において「X~Y」は、その端値であるXおよびYを含む。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

日本たばこ産業株式会社
香料組成物
13日前
ミクロ株式会社
加熱式タバコ引き抜きツール
2か月前
日本たばこ産業株式会社
口腔用組成物および口腔用パウチ製品
今日
Future Technology株式会社
エアロゾル形成基体の充填物とその製造方法
1か月前
株式会社しょうざん
シーシャマウスピース
1か月前
日本たばこ産業株式会社
テルペノイド化合物を含有する香味吸引物品用のセグメント
今日
日本たばこ産業株式会社
香味吸引器
7日前
Future Technology株式会社
芳香カートリッジ
2か月前
Future Technology株式会社
芳香カートリッジ
1か月前
Future Technology株式会社
芳香カートリッジ
1か月前
Future Technology株式会社
芳香カートリッジ
2か月前
Future Technology株式会社
芳香カートリッジ
3か月前
日本たばこ産業株式会社
吸引装置
19日前
日本たばこ産業株式会社
喫煙物品用シート
1か月前
日本たばこ産業株式会社
エアロゾル生成装置
2か月前
Future Technology株式会社
喫煙具用カートリッジ
1か月前
Future Technology株式会社
喫煙具用カートリッジ
1か月前
Future Technology株式会社
被加熱芳香カートリッジ
1か月前
日本たばこ産業株式会社
香味生成装置
1か月前
Future Technology株式会社
被加熱芳香カートリッジ
1か月前
Future Technology株式会社
電子タバコカートリッジ
2か月前
Future Technology株式会社
被加熱芳香カートリッジ
2か月前
Future Technology株式会社
電子タバコカートリッジ
1か月前
エーワイアール エルティーディー
電子式ヴェポライザーシステム
1か月前
Future Technology株式会社
加熱式タバコ用カートリッジ
1か月前
Future Technology株式会社
加熱式タバコ用カートリッジ
1か月前
Future Technology株式会社
加熱式タバコ用カートリッジ
2か月前
Future Technology株式会社
エアロゾル吸引カートリッジ及びエアロゾル吸引カートリッジ用のマウスピース
12日前
日本たばこ産業株式会社
吸引器用の電源ユニット
1か月前
日本たばこ産業株式会社
吸引器用の電源ユニット
1か月前
日本たばこ産業株式会社
吸引装置、制御方法、及びプログラム
2か月前
Future Technology株式会社
加熱式タバコ用カートリッジ及び部材
1か月前
日本たばこ産業株式会社
香味吸引器および挿入ガイド部材
2か月前
日本たばこ産業株式会社
エアロゾル生成装置の電源ユニット
1か月前
ジェイティー インターナショナル エスエイ
電子蒸気吸入器
1か月前
日本たばこ産業株式会社
エアロゾル吸引器用の電源ユニット
1か月前
続きを見る