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公開番号
2025030868
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-07
出願番号
2023136539
出願日
2023-08-24
発明の名称
銀ナノ粒子の製造方法
出願人
トヨタ自動車株式会社
代理人
弁理士法人平木国際特許事務所
主分類
B22F
9/24 20060101AFI20250228BHJP(鋳造;粉末冶金)
要約
【課題】本発明は、狭い粒度分布及び微細な粒径を有する銀ナノ粒子を高収率で製造する手段を提供する。
【解決手段】本発明の一態様は、銀塩の水溶液、及びアルカリ金属水酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物を含む還元剤の水溶液を準備する、原料準備工程、銀塩の水溶液及び還元剤の水溶液を混合し、混合開始から30秒以内に混合物の温度を100℃以上の反応温度に昇温する、昇温工程、昇温工程で得られた混合物を反応温度で維持する、反応工程、を含む、銀ナノ粒子の製造方法に関する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
銀塩の水溶液、及びアルカリ金属水酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物を含む還元剤の水溶液を準備する、原料準備工程、
銀塩の水溶液及び還元剤の水溶液を混合し、混合開始から30秒以内に混合物の温度を100℃以上の反応温度に昇温する、昇温工程、
昇温工程で得られた混合物を反応温度で維持する、反応工程、
を含む、銀ナノ粒子の製造方法。
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【請求項2】
アルカリ金属水酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物が、周期律表における第三周期以上の周期に属するアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
アルカリ金属水酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物が、水酸化カリウムである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
還元剤が、N,N-ジメチルホルムアミド、クエン酸、クエン酸塩、シュウ酸、シュウ酸塩、アスコルビン酸、アスコルビン酸塩、ギ酸若しくはギ酸塩、又はそれらの混合物である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
還元剤が、N,N-ジメチルホルムアミドである、請求項4に記載の方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、銀ナノ粒子の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
銀ナノ粒子は、数nmから数十nm程度の粒径を有する銀粒子である。銀ナノ粒子は、プリンテッドエレクトロニクスにおけるパターンニングのインク材料として使用される。
【0003】
プリンテッドエレクトロニクスにおけるパターンニングのインク材料としては、低温焼成であっても低抵抗値となり得る緻密な焼結体が得られる材料が好ましい。低温焼成に適するインク材料として、液相合成法によって得られる5から10 nmの範囲の粒径を有する銀ナノ粒子が開発された。
【0004】
例えば、特許文献1は、単分散で安定した金属銀ナノ粒子を生産するための湿式粉砕方法であって、a)銀塩の水溶液を調製する工程と、b)還元剤の水溶液を調製する工程と、c)上記水溶液を混合して、これらの反応を引き起こす工程と、d)上記銀ナノ粒子から上記母溶液を分離する工程とから構成され、i)上記還元剤の水溶液はタンニン類の還元剤を0.01質量%から20質量%含み、ii)上記銀塩の水溶液は溶解性銀塩を0.01質量%から20質量%含み、iii)2つの上記水溶液を混合し、そのpHを10.5から11.5の間に制御することによって、上記反応が起こり、iv)上記母溶液の分離が、上記金属粒子のゼータ電位の変更によって促進されることを特徴とする方法を記載する。当該文献は、上記還元溶液のpHを調整したときに、上記銀塩溶液のpHを11.5までのアルカリ範囲に調整した場合、平均粒子サイズが約10 nmから20 nmの生産物が上記方法により得られることを記載する。
【0005】
特許文献2は、銀粉末粒子の製造方法であって、(a)脱イオン水に溶解した水溶性銀塩を含む銀塩の酸性水溶液を調製する工程と;(b)還元剤及び粒子調節剤の酸性水溶液を調製する工程であって、前記還元剤及び粒子調節剤の酸性水溶液が、(i)アスコルビン酸、アスコルビン酸塩、及びこれらの混合物からなる群から選択される還元剤;(ii)硝酸;(iii)マレイン酸;及び(iv)脱イオン水、を含み、前記還元剤及び粒子調節剤の酸性水溶液のpHを、塩基の添加により2.5から6に調節する、工程と;(c)前記銀塩の酸性水溶液と、前記還元剤及び表面モルフォロジー調節剤の酸性溶液とを、調製中及び調製後に前記各溶液を撹拌しながら、同じ温度で維持する工程であって、前記温度が10℃から65℃の範囲である、工程と;(d)前記銀塩の酸性水溶液を前記還元剤及び粒子調節剤の酸性水溶液に撹拌しながら加えて反応混合物を得て、前記反応混合物の温度を前記(c)における温度で維持する工程であって、前記銀粉末粒子が沈殿して、得られる最終水溶液に含まれる、工程と;(e)撹拌を継続しながら、前記最終水溶液の温度を65℃から80℃の範囲の温度に上昇させる工程とを含み、前記銀塩の酸性水溶液と前記還元剤及び粒子調節剤の酸性水溶液の一方又は両方がアラビアゴムをさらに含み、前記銀粉末粒子がX線回折及びシェラー(Scherrer)の式で求められる32 nm以下の径の結晶子を含み、かつ前記銀粉末粒子のd50が0.5から3.5μmの範囲にある方法を記載する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特表2010-513718号公報
特表2014-511438号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記のように、液相合成法によって銀ナノ粒子を製造する方法が知られている。しかしながら、従来技術の方法の場合、粒度分布の範囲が広く(例えば、1から100 nmの範囲)、粒径も大きいという課題が存在した。また、従来技術の方法の場合、銀酸化物の沈殿が形成されるため、結果として得られる銀ナノ粒子の収率が低下するという課題が存在した。
【0008】
それ故、本発明は、狭い粒度分布及び微細な粒径を有する銀ナノ粒子を高収率で製造する手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、前記課題を解決するための手段を種々検討した。本発明者らは、液相合成法において、水酸化物イオンを含まない銀塩の水溶液と水酸化物イオンを含む還元剤の水溶液とを混合し、混合物の温度を極短時間で反応温度に昇温することにより、銀酸化物の形成を実質的に抑制し、且つ銀粒子の粒成長を実質的に抑制して、所望の銀ナノ粒子を高収率で得ることができることを見出した。本発明者らは、前記知見に基づき、本発明を完成した。
【0010】
すなわち、本発明は、以下の態様及び実施形態を包含する。
(実施形態1) 銀塩の水溶液、及びアルカリ金属水酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物を含む還元剤の水溶液を準備する、原料準備工程、
銀塩の水溶液及び還元剤の水溶液を混合し、混合開始から30秒以内に混合物の温度を100℃以上の反応温度に昇温する、昇温工程、
昇温工程で得られた混合物を反応温度で維持する、反応工程、
を含む、銀ナノ粒子の製造方法。
(実施形態2) アルカリ金属水酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物が、周期律表における第三周期以上の周期に属するアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物である、実施形態1に記載の方法。
(実施形態3) アルカリ金属水酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物が、水酸化カリウムである、実施形態2に記載の方法。
(実施形態4) 還元剤が、N,N-ジメチルホルムアミド、クエン酸、クエン酸塩、シュウ酸、シュウ酸塩、アスコルビン酸、アスコルビン酸塩、ギ酸若しくはギ酸塩、又はそれらの混合物である、実施形態1から3のいずれかに記載の方法。
(実施形態5) 還元剤が、N,N-ジメチルホルムアミドである、実施形態4に記載の方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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